著者
小林 進 落合 武徳 堀 誠司 鈴木 孝雄 清水 孝徳 軍司 祥雄 剣持 敬 島田 英昭 岡住 慎一 林 秀樹 西郷 健一 高山 亘 岩崎 好太郎 牧野 治文 松井 芳文 宮内 英聡 夏目 俊彦 伊藤 泰平 近藤 悟 平山 信夫 星野 敏彦 井上 雅仁 山本 重則 小川 真司 河野 陽一 一瀬 正治 吉田 英生 大沼 直躬 横須賀 収 今関 文夫 丸山 紀史 須永 雅彦 税所 宏光 篠塚 典弘 佐藤 二郎 西野 卓 中西 加寿也 志賀 英敏 織田 成人 平澤 博之 守田 文範 梁川 範幸 北原 宏 中村 裕義 北田 光一 古山 信明 菅野 治重 野村 文夫 内貴 恵子 斎藤 洋子 久保 悦子 倉山 富久子 田村 道子 酒巻 建夫 柏原 英彦 島津 元秀 田中 紘一
出版者
千葉大学
雑誌
千葉医学雑誌 (ISSN:03035476)
巻号頁・発行日
vol.76, no.5, pp.231-237, 2000-10-01
被引用文献数
1

今回,千葉大学医学部附属病院において,本県第1例目となるウイルソン病肝不全症例に対する生体部分肝移植の1例を実施したので報告する。症例(レシピエント)は13歳,男児であり,術前,凝固異常(HPT<35%)とともに,傾眠傾向を示していた。血液型はAB型,入院時の身長は176.0cm,体重は67.0kgであり,標準肝容積(SLV)=1273.6cm^3であった。ドナーは姉(異父)であり,血液型はA型(適合),身長は148.0cm,体重は50.0kgと比較的小柄であり,肝右葉の移植となった。術後は極めて良好な経過をたどり,肝機能は正常化(HPT>100%)し,術後72病日で退院となった。
著者
笹倉 尚子
出版者
京都大学大学院教育学研究科
雑誌
京都大学大学院教育学研究科紀要 (ISSN:13452142)
巻号頁・発行日
vol.56, pp.195-207, 2010-03-31

This study attempts to clarify the process and backgrounds that people narrate their favorite comics or animations to others. The subjects were 12 university youths. The data were collected through semi-structured interviews in which the subjects report their experiences when they narrated their favorite comics or animations to others. Their reports were analyzed through a Modified Grounded Theory Approach. Their experiences could be divided into two categories : (1) An existence of the other who has something in common; and (2) A will to narrate the comics or animations to others. An examination of the category (1) found that subjects become careful when they select others to narrate and they tend to choose others who know the comics or animations or who are familiar with them because those people will accept their narrative sympathetically. And an investigation of the category (2) found that subjects have not only a will to narrate the comics or animations one-sidedly, but they also have a drive to talk to others mutually. The discussion showed that the client might regards the therapist as his/her "companion" when he/she narrates comics and animations in the psychotherapy. Instead of narrating "selfhood" directly, talking about stable external objects mutually is helpful for the clients who have an unstable self-direction and identity.
著者
金 煕恩 登倉 尋實
出版者
社団法人日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.46, no.3, pp.241-247, 1995-03-15
被引用文献数
1

本実験の目的は女性被験者が1日の異なる時間帯に温暖な環境にさらされたとき,衣服の脱衣行動は異なるのかを調べることである.人工気候室の温度が15℃から30℃まで1時間かけて上昇するとき,被験者は常に自分が快適になるように衣服を調節することを前もって指示されていた.環境温上昇時,午前より午後の方がもっと早く,そしてたくさんの服を脱ぐという結果が得られた.このことは体温調節のための脱衣行動がサーカディアンリズムの影響を受けることを示している.深部温のセットポイントは実際の深部温より先行していると考えられていることから,午前は実際値より上に,午後は下にセットポイント値があることが考えられる.これらを考慮し,本実験の結果を体温のセットポイントと実際値のあいだの負荷誤差の立場で考察する.
著者
芳川 美代子 北沢 俊二 島田 享久 朝倉 国勝 大角 昌和
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響
巻号頁・発行日
vol.99, no.395, pp.17-23, 1999-10-29

家庭用精米器は、精米時の発生音が大きいため、その低減が強く望まれている。本研究は、精米器発生音の低減を目的とし、音と振動の測定を行い発生音の特徴とその発生機構を解明し、減音対策を実施した。その内容は次のとおりである。(1)振動発生源である搗精部を固定する支持台と、底板,ホッパー,ケーシングを振動絶縁する(2)ケーシングの開口部を減らし内部からの放射音を低下させる。これらの対策により、精米器を構成する部品の振動音と、内部からの放射音が抑制された。従来品と対策を施した精米器の発生音レベルを比較すると、音圧レベルが72dBCから62dBCに低下した。
著者
倉西 誠 小西 稔 大山 永昭 松井 美楯 伊藤 一 中村 衛 嘉戸 祥介 吉田 寿
出版者
公益社団法人日本放射線技術学会
雑誌
日本放射線技術學會雜誌 (ISSN:03694305)
巻号頁・発行日
vol.50, no.11, pp.1830-1838, 1994-11-01
被引用文献数
1

SDF法を使ったフィルム上のID自動認識技術を開発し臨床現場に展開させるためにAPR-SYSTEMの提案を行ったが, この成果を臨床技術として完成させるには次のような課題も残されている.(1)傾斜したり裏返しになっているネームプリント部にある数字を認識する時の対策(2)診療現場で許容される処理時間の検討と, ネームプリント部を検出する時の処理時間の高速化(3)提案したAPR-SYSTEMの開発と実用化(4) PUCK等のように特殊な形となっているネームプリント部への対応紙数の関係から割愛したが, (1)に関しては解決手段をほぼ確立しており, 評価結果を含めて別の機会に紹介したい.今後は(2)と(3)を重点に研究を進める予定でいるが, これらの技術やシステムは放射線診療の発展には不可欠な要素であり, 特許等により排他的, 独占的に一部のメーカーや施設で限られて使われるのではなく, 広く検討され, 多くの人々に普及することを強く期待するものである.最後に, 本研究に対し多大のご協力を賜った東京工業大学像情報工学研究施設・山口雅浩先生, コニカ(株)医用販売事業部・山中康司氏, ご支援を賜った富山医科薬科大学附属病院放射線部長・柿下正雄教授並びに放射線技師各位, さらにRIS(TOSRIM)の開発をお願いした(株)東芝医用機器事業部と東芝メディカル(株)の関係各位に深く感謝申し上げます.なお, 本研究は平成5年度文部省科学研究費補助金奨励研究(B)の補助による成果であり, 報告の要旨は第20回日本放射線技術学会秋季学術大会(山形市, 1992年10月), SPIE's Medical Imaging 1994 (Newport Beach, California U.S.A., 1994年2月)において発表した.
著者
吉水 守 野村 哲一 粟倉 輝彦 木村 喬久
出版者
北海道さけ・ますふ化場
雑誌
北海道さけ・ますふ化場研究報告 (ISSN:04410769)
巻号頁・発行日
no.42, pp.p1-20, 1988-03
被引用文献数
2

From September 1976 to November 1986, we collected 5,068 ovarian fluid specimens from 5 species of 10,028 females and 21 seminal specimens from 2 species of 155 males of mature salmonid fish, including to masu (Oncorhynchus masu), chum (O. keta), pink (O. gorbuscha), kokanee salmon (O. nerka) and rainbow trout (Salmo gairdneri) from 26 catching stations located in Hokkaido and 5 places in Honshu (the main island of Japan), 6 hatcheries in Hokkaido and 7 in Honshu and 10 fish farms and 1 lake in Hokkaido. Also, 161 mixed kidney and spleen specimens were taken from 805 of these fish. Furthermore, 139 tumor tissues observed among 4,288 fish were employed for virus inspection. Blood smears prepared from 660 fish were employed in microscopical examination for evidence of VEN, and thin sections of blood of these were observed by electron microscopy. Four viruses have been isolated during the course of this investigation. IHNV was found in ovarian fluid of chum salmon from Abashiri River in 1976. During the period from 1976 through 1986, IHNV has been recovered 9 times from fish at 7 collection sites. OMV was first discovered in 1978 from masu salmon at Otobe Salmon Hatchery. At all sites permitting collection of 60 specimens with the exception of 3 hatchery, OMV has subsequently been isolated from ovary fluid or from epithelial tumor tissue around the mouth of mature masu salmon. It has not been found in the other species of fish. Incidence of OMV has decreased since we suggested iodophore treatment at the eyed egg stage. CSV was isolated from the kidney of healthy chum salmon at Tokushibetsu Hatchery in 1978 but during the period from 1979 through 1986, CSV has not been found from mature fish. IPNV was isolated from tumor tissue of masu salmon at Aomori Prefectural Fisheries Experimental Station in 1981, at this time IHNV and OMV were isolated from the same tumor tissue.1. IHNVは頻度こそ低いものの広い範囲で時折分離された。本ウィルス検出時には早期に有効な対策を講じる必要のあることが示唆された。2. OMVは1978年の発見以来調査が進むにつれサクラマスあるいはヤマベを中心に広範囲での分布が明らかとなり,サクラマスの増養殖を計るに際し無視し得ないウィルスであることが明らかとなった。3. CSVは従来オルファンウィルスとされてきたが,1986年にサクラマスの全滅被害が発生し,本ウィルスに対しても今後十分注意を払う必要があると考える。4. 道東のシロサケ,カラフトマス中心にVENウィルス感染が明らかとなり,冷後本ウィルスの分布およびサケ科魚類に及ぼす影響についても検討する必要があると考える。
著者
渡邊 亨 高瀬 恵一郎 小嶋 徹 笠倉 尚人 板井 典朗 栂 博久 高橋 敬治 大谷 信夫 湯浅 幸吉 上田 善道
出版者
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
雑誌
気管支学 (ISSN:02872137)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.75-79, 1998
被引用文献数
1

症例は31歳, 女性。上気道炎に罹患しやすく, 25歳時には喀血の既往歴があった。平成8年3月に湿性咳嗽と黄色痰を生じ, 以降, 乾性咳嗽が続いていた。5月28日, 突然約100mlの喀血を生じ, 以後も喀血を繰り返すため近医受診し, 同日当院に紹介入院となった。気管支鏡により, 右B^<10>から鮮紅色の出血を認め, 胸部CT検査では右S^<10>領域に気管支拡張像と一部造影効果のある腫瘤状陰影を認めた。また, 大動脈造影では右下横隔膜動脈から肺静脈へ灌流する異常血管を認めた。異常の結果から肺分画症と考え, 喀血を繰り返していることから手術適応と考えて, 病変部分右S^<10>の肺部分切除を行った。切除標本にて, 拡張した気管支内に異物を認めた。本例は, 胸部CT, 右下横隔膜動脈造影により肺葉内肺分画症が疑われたが, 気管支内異物のため感染を繰り返し, その結果新生血管が発育し, 喀血を繰り返した症例であると考えられた。
著者
梅原 大祐 平野 智也 田野 哲 守倉 正博
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.60, pp.19-24, 2008-05-22
被引用文献数
7

無線システムのシステム容量の拡大を目的として,マルチホップによる無線中継ネットワークが検討されている.一方,システム容量の拡大の一つの技術として,ネットワークコーディングが注目されている.本稿では,不均一なトラヒック環境下における,2ホップ無線中継Slotted ALOHAシステムに対して,ネットワークコーディングを適用した場合のスループット,パケット送信回数,伝送遅延を解析的に導出する.解析結果は中継ノードのバッファの状態に関する待ち行列システムを解くことによって導かれる.
著者
平田 陽一 松倉 健志 田島 敬史 田中 克己
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告データベースシステム(DBS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2000, no.69, pp.137-144, 2000-07-26
被引用文献数
5

従来のWeb検索における適合フィードバックでは,ユーザがサンプルページの内容を見て評価し,その評価をもとに再検索または検索結果の再構成を行なう.その際,ページの評価は「良い」または「悪い」の2種類であった.そのため,従来の適合フィードバックの手法は,「良い」と評価されたページに類似したページを獲得するのには有効だが,ユーザの要求が「この話題についてのより詳しいページが欲しい」などのように複雑になると,十分にユーザの意図を汲み取ることが難しく,うまく機能しないことがあった.そこで,本研究では,単に「良い」または「悪い」の二元論的な評価に基づいて,サンプルページに類似するページを集めるのではなくて,サンプルページと実際に欲しいページの違いを評価として与えることによって,そのような差異を持つページを探してくれるような,意味的な適合フィードバック機構を提案する.ページ間の差異としては,各ページ中の単語数や,お互いのページ内の単語の共起度を用いて,ページ間の情報量や話題の広がりの相対的な差を測定する.In conventional relevance feedback for Web query systems, the user evaluates some sample pages, and then based on that evaluation, the original query is revised, or the query results are reorganized. In that evaluation, sample pages are classified as good or bad. This approach is effective to find pages similar to the pages evaluated as good. In some cases, however, the users want to specify their requirements more specifically, such as, "I want pages discussing this topic in more detail." In the usual relevance feedback, the users cannot express such requirements in the evaluation. In this paper, we propose a framework where the users can express such requirements, which we call semantic relevance feedback. In our framework, the users specify the difference between a sample page and pages they want. We estimate the difference between pages based on the amount of information and the extent of the topic in each page. We measure the former by the number of word occurrences, and measure the latter by the ratio of cooccurrence of words in pages.
著者
長塚 豪己 鎌倉 稔成
出版者
日本信頼性学会
雑誌
日本信頼性学会誌 : 信頼性 (ISSN:09192697)
巻号頁・発行日
vol.25, no.6, pp.583-598, 2003-09-25
被引用文献数
6

ワイブル分布の位置パラメータγの有無に依存しない形状パラメータmの推定を行う方法を提案する.ワイブル分布の推定問題は,位置パラメータの存在で大きく異なってくる.一般には困難とされている3パラメータワイブル分布の推定において,位置パラメータと独立に形状パラメータを推定できる方法は非常に有用である.数値実験で,γが存在するかどうか判断しにくい(γが0に近い)ワイブル乱数に対し,我々の提案法と2パラメータのワイブル分布をあてはめた場合の最尤法の比較を行う.そして,提案推定量の性質の良さを示す.また,実データの解析例で,その適用における簡便さも示す.

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著者
倉橋 惣三
出版者
日本幼稚園協會
雑誌
幼兒の教育
巻号頁・発行日
vol.39, no.6, pp.45-45, 1939-06
著者
〓橋 沙織 勝股 理恵 吉澤 久美 八巻 桃子 大迫 美由紀 村上 満利子 毛利 さやか 佐藤 みずき 目黒 寛子 久保倉 寛子 広瀬 佳苗 田中 直義 渡辺 杉夫 木内 幹
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.52, no.10, pp.454-461, 2005
被引用文献数
5 1

1. 中国雲南省の淡豆〓から分離した細菌でわが国の糸引納豆を製造した結果, 撹拌すると豆の形が完全に崩れてしまうほど軟らかい納豆を製造することができる菌, KFP843を見いだした. 同定の結果, KFP843株は<i>Bacillus subtilis</i>に属する菌であった.<br>2. <i>B. subtilis</i> KFP843の納豆製造には2種類の温度プログラムを用いたが, KFP843株の最適生育温度である43℃を初発温度とする製造プログラムが適しており, 製造した納豆の硬さは, 市販納豆の硬さを100%とすると, それは約40%の硬さに仕上がった.<br>3. ホルモール窒素は市販納豆のそれが0.94%であったのに対し, 本菌株で製造した納豆は0.28ないし0.38%であった. また糸引きは市販納豆よりもやや弱く, 相対粘度は市販納豆のそれが2.06であったのに対し, 1.10ないし1.21であった.<br>4. 官能検査では, 菌の被り, 豆の割れ・つぶれ, 硬さの項目で市販納豆に比べて有意に良い評価 (p<0.05) であった. 市販納豆に比べて有意に (p<0.05) 糸引きは弱いが, 豆が軟らかいという評価を得た.
著者
臼井 正哉 物井 則幸 中田 英夫 伊藤 尚 熊倉 鴻之助 笠井 久隆
出版者
日本保健科学学会
雑誌
東京保健科学学会誌 (ISSN:13443844)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.185-188, 1999-09-25

マストパラン(MP)はクロム親和細胞に作用しカテコールアミン(CA)放出を引き起こすことが知られている。我々はすでに, MPのN末端領域がCA放出活性に大きく寄与していること, MPのN末端4残基フラグメント(INLK-NH_2;N-4)はそれ自身にはCA放出活性が認められないが, ニコチン性アセチルコリンレセプター(nAChR)に選択的に作用して抑制効果を示し, その作用部位はAChと異なることを示唆した。今回我々は, 13種N-4アナローグを新規に合成しAChによるCA放出抑制効果を比較し, 以下のような結果を得た。(1)1-2位あるいは4位アミノ酸のロイシンあるいはアルギニン置換により抑制効果が増強された。(2)最も抑制効果の強かったアナローグであるLLLK-NH_2はN-4の約6倍の抑制効果を示した。これら新規ペプチドはnAChRの関与する疾患への治療薬としての応用が期待される。
著者
板倉 智敏 山極 三郎
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
日本獸醫學雜誌 (ISSN:00215295)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.11-PLATE II, 1971-02-25

著者らは, 鶏骨の Dysplasia とみなすべき症例に, 再び遭遇した. それは, 本研究の第I報におけると同様に, 一養鶏農家に集団的に発生したものであるが, 骨組織所見に注目すべき差異が存在したので報告する. 検索材料は3例よりなる. それらはすべて32日令, 肉用種(White Cornish×White Rock), 殺処分例である. 全症例について, 第I報におけると同様に, ほぼ全身骨の縦断および横断組織片が組織学的に検索された. 今回の例は, 2週令から4週令にわたって発生した. 臨床症状の特徴としては, O字脚 (Genu varum) が共通的であった. 飼料は市販のものが使用されたが, そのほかに, ストレス緩解の目的で抗生物質およびビタミン製剤が与えられた. 発生数は, 同日令群1,200羽中192羽(16%)に達した. 検索した3症例に共通した組織変化として, 骨体性骨組織の完熟遅延と局所性異常増殖が指摘された. このような変化を示す部位として, 管状骨の後面骨, 特にその骨幹中位および骨端よりの骨化点に相当すると思われる部位が, 多く選ばれていた. 他方,骨端性骨組織の異常増殖像には遭遇しなかった. このことは, 第I報において記載した所見とは異なったものとして注目された. 以上の組織変化を基礎として, 本例の症状の特徴であるO字脚の成因を考えてみた. また, 原因発生について, 集団的に発生したこと, 飼料のほかに抗生物質およぴビタミン製剤などが与えられたことは, 看過し得ない事実として, 若干の考察が行なわれた.
著者
倉光 晃子 趙 慶恩 園山 繁樹
出版者
障害科学学会
雑誌
障害科学研究 (ISSN:18815812)
巻号頁・発行日
vol.32, pp.159-171, 2008-03-25
被引用文献数
1

本研究は、無発語の広汎性発達障害児1名に対して、PECS(写真カード交換式コミュニケーションシステム)訓練を行い、機能的なコミュニケーション行動の形成と拡大への効果について検討した。生態学的アセスメントによって、家庭での対象児が要求行動を生起しやすい状況を把握し、訓練場面を設定した。PECS訓練は、対象児の家庭において母親が訓練者となって実施された。訓練手続きについては、写真カードと文シートを用いた要求行動を課題分析して、各段階の行動が着実に形成されるように配慮した。対象児は、比較的短期間でカードを用いて欲しいものを要求する行動を獲得した。また、家庭における非訓練場面においてもPECSを利用した要求行動の般化や、訓練者でない父親に対するPECSを利用した要求行動の生起が確認された。今後の課題として、家庭場面や食事の文脈以外の状況において、PECSを利用した要求行動の般化を検証する必要性が示唆された。
著者
小倉 明夫 東田 満治 山崎 勝 井上 博志
出版者
公益社団法人日本放射線技術学会
雑誌
日本放射線技術學會雜誌 (ISSN:03694305)
巻号頁・発行日
vol.54, no.6, pp.778-783, 1998-06-20
被引用文献数
10

To calculate the contrast-to-noise ratio (CNR) on magnetic resonance images, an equation selected to match each study is commonly used. The CNR values calculated using these equations may have their own characteristics. Therefore, the characteristics of four commonly calculated CNRs were evaluated in comparison with signal detectability. For the calculation of CNR, a phantom with five different solutions of CuSO_4 was imaged using various scan sequences with different TR and NEX. These images, which had different levels of noise and contrast, were measured for averaged signal intensity and standard deviation of noise in the same ROIs (regions of interest). To define signal detectability, Burger's phantom soaked in the CuSO_4 solution was imaged with the same pulse sequences used to evaluate CNR. Burger's phantom images were evaluated by five observers with a 50% confidence level. The characteristics of each CNR valuewere evaluated by correlating them with signal detectability. The results showed that some calculated CNRs indicated the noise element, but contrast element. From the point of view of signal detectability, the equation using the average of local variance and global variance with respect to coarse pixels was superior to others.
著者
森田 武志 藤木 暢也 倉田 響介 岡野 高之
出版者
The Society of Practical Otolaryngology
雑誌
耳鼻咽喉科臨床 (ISSN:00326313)
巻号頁・発行日
vol.92, no.12, pp.1355-1357, 1999-12-01

A 49-year-old male was treated for chronic tonsillitis with brachytherapy 40 years ago. The inflammation of the tonsils was improved by the treatment. On August 18th, 1998, he consulted our hospital complaining of sudden throat pain. The pain deviated to the left, intensified with eating and continued for several hours every day for one month. An X-ray revealed a metallic foreign body in his left tonsil. A left tonsillectomy was done on January 14th, 1999, and the foreign body was removed completely. It was a small gold tablet, 3×1×1mm in size. A scintillation counter proved that the metallic foreign body was a radon (<sup>220</sup>Rn) seed. This is a rare case of a radon seed buried in the left tonsil of a patient for 40 years.