著者
松野 省吾 水木 栄 榊 剛史
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第33回全国大会(2019)
巻号頁・発行日
pp.4Rin113, 2019 (Released:2019-06-01)

本稿では,筆者らの構築したTwitterをはじめとしたSNS上に存在する日本語の文章に対応する単語分散表現モデルを紹介する. 本モデルはSNSデータ,Wikipedia,Webページといった複数カテゴリを媒体とした日本語大規模コーパスから作成される.作成した単語分散表現モデルに対し,Speamanの順位相関係数を評価指標とした単語類似度算出タスクによる評価を実施したところ,wikipediaのみを学習コーパスとして用いたモデルと比較して7ポイント程度良い性能を得られた.本稿で紹介した単語分散表現モデルはWebサイトを通じて公開する予定であり,本モデルが活用されることで,SNSデータを対象とした自然言語処理研究が一層盛んになることを期待したい.
著者
大山 晃平 小川 剛史
出版者
特定非営利活動法人 日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.31-39, 2020 (Released:2020-03-31)
参考文献数
24

There have been many studies on cross-modal interfaces by interaction among multiple sensory modalities. Most of the previous studies utilize the cross-modal phenomenon as a means to give a new stimulus or to enhance stimuli. In this paper, we propose the diminished reality method for a pressure stimulus by the cross-modal phenomenon. Our method generates cross-modal phenomenon by the mismatch between visual stimulus and pressure stimulus by using reverse reproduction of video. The experimental results showed that the pressure perception can be reduced by the mismatch between visual stimulus and pressure stimulus in both smartphone mode and HMD mode.
著者
鳥海 不二夫 榊 剛史
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.58, no.6, pp.1287-1299, 2017-06-15

近年,ソーシャルメディアにおいては,震災や選挙,炎上などの社会的イベントにより,特定の話題が大きく取り上げられるバースト現象が頻繁に発生している.そのような社会的イベントがどのように社会に受け止められているかを正確に理解するためには,バースト現象を分析し,どのような人々がどのような意見を表明しているかを明らかにするための技術が必要不可欠である.本研究ではバースト現象発生時に,(1)どのようなトピックが含まれるか,(2)各トピックがどのようなユーザによって拡散されているかを分析することで,バースト現象の詳細を明らかにする手法を提案した.まず,予備評価実験で,提案するトピック分類手法およびユーザ分類手法により適切な結果が得られることを示した.事例分析では提案手法を用いて炎上や自然災害など5つのバースト事例の分析を行い,それぞれの事例において,投稿数が多くかつ多様なユーザに語られていたトピック,投稿数が多いが一部のユーザのみに語られていたトピックを明らかにした.本提案手法は,必ずしも新しい手法ではなく,基本的には既存の手法の組合せによるものである.しかしながら,それによってバースト現象の詳細を分析することが可能であることを示した点が本論文における最も大きな貢献である.
著者
松田 睦史 岡林 剛史 中川 健 長谷川 博俊 鶴田 雅士 北川 雄光
出版者
日本内視鏡外科学会
巻号頁・発行日
pp.275-281, 2016-05-15

◆要旨:患者は60歳代,男性.便潜血陽性を主訴に近医を受診し,大腸内視鏡検査で直腸癌(Ra, cT1b, N0, M0, cStageⅠ)を認めた.また,PSA高値のため行った針生検では,前立腺癌(T2c, N0, M0, StageⅡ)も合併していた.低侵襲性を考慮し,根治術を同時に施行する方針となった.手術はまず,後腹膜アプローチで前立腺全摘および両側閉鎖リンパ節郭清を行った.その後,腹腔内アプローチで低位前方切除,D3リンパ節郭清を行い,回腸人工肛門を造設した.術後経過は良好であり,第11病日に退院となった.直腸癌,前立腺癌の同時性重複癌に対し,同時に腹腔鏡下手術を施行した報告は少ない.自験例は腹腔鏡下に手術を行うことで患者に負担が少なく,低侵襲に同時根治切除を施行することができた.
著者
佐藤 祐介 太田 嘉英 倉林 宏考 佐々木 剛史 伊澤 和三 山崎 浩史
出版者
一般社団法人 日本口腔腫瘍学会
雑誌
日本口腔腫瘍学会誌 (ISSN:09155988)
巻号頁・発行日
vol.22, no.4, pp.149-155, 2010-12-15 (Released:2011-10-20)
参考文献数
29

今回われわれは,頸動脈間隙の高位に発生した頸部迷走神経鞘腫の1例を報告する。症例は,71歳,女性。咽頭部違和感を主訴として来院した。口腔内所見として,左口蓋咽頭弓に約50×60mm大,無痛性腫瘤を認めた。腫瘤は,CTおよびMRにて左頸動脈間隙を占拠していた。また,腫瘤は総頸動脈および内頸静脈を解離させ,頭蓋底まで及んでいた。われわれは,subcutaneous mandibulotomy approachを用いて切除し得た。病理組織学的診断は,神経鞘腫であった。術後,嚥下障害および嗄声を認めたが,リハビリテーションを行い,経口摂取可能な状態まで改善した。術後,約2年経過した現在,再発は認めていない。
著者
本郷 祥子 野本 剛史 川上 正能 花井 一也 稲土 博右 寺地 敏郎
出版者
泌尿器科紀要刊行会
雑誌
泌尿器科紀要 (ISSN:00181994)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.107-110, 2010-02

A 39-year-old man visited our clinic with gross hematuria. Cystoscopy revealed a papillary tumor at the urinarybladder dome. Abdominal magnetic resonance imaging (MRI) and computed tomography(CT) demonstrated a tumor extending from the umbilicus to the bladder dome. Transurethral resection of bladder tumor (TUR-Bt) was performed and histopathological findings revealed adenocarcinoma. Chest CT and examination of the upper gastrointestinal did not reveal anyabnormal findings. The tumor was diagnosed as stage IIIA urachal carcinoma, and en bloc segmental resection was performed. About 10 months later, chest CT demonstrated multiple lung metastases. After two courses of combination chemotherapywith methotrexate (MTX), 5-fluorouracil (5-FU), epirubicin (epiADM), and cisplatin (CDDP), the multiple lung metastases completelydisappeared. The patient has survived 23 months to date with no evidence of disease and is receiving adjuvant chemotherapywith tegafur uracil.
著者
本郷 祥子 野本 剛史 川上 正能 花井 一也 稲土 博右 寺地 敏郎
出版者
泌尿器科紀要刊行会
雑誌
泌尿器科紀要 (ISSN:00181994)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.107-110, 2010-02

A 39-year-old man visited our clinic with gross hematuria. Cystoscopy revealed a papillary tumor at the urinarybladder dome. Abdominal magnetic resonance imaging (MRI) and computed tomography(CT) demonstrated a tumor extending from the umbilicus to the bladder dome. Transurethral resection of bladder tumor (TUR-Bt) was performed and histopathological findings revealed adenocarcinoma. Chest CT and examination of the upper gastrointestinal did not reveal anyabnormal findings. The tumor was diagnosed as stage IIIA urachal carcinoma, and en bloc segmental resection was performed. About 10 months later, chest CT demonstrated multiple lung metastases. After two courses of combination chemotherapywith methotrexate (MTX), 5-fluorouracil (5-FU), epirubicin (epiADM), and cisplatin (CDDP), the multiple lung metastases completelydisappeared. The patient has survived 23 months to date with no evidence of disease and is receiving adjuvant chemotherapywith tegafur uracil.
著者
新開 統子 北川 博昭 脇坂 宗親 古田 繁行 濱野 志穂 島 秀樹 長江 秀樹 青葉 剛史
出版者
特定非営利活動法人 日本小児外科学会
雑誌
日本小児外科学会雑誌 (ISSN:0288609X)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.33-37, 2012-02-20 (Released:2017-01-01)
参考文献数
22

【目的】移動性精巣は確実な診断のもと経過観察をすることが原則とされている.しかし,診断に苦慮することもあり,その手術適応に関し検討を要する.今回我々は,当院で経験した移動性精巣を手術例と非手術例に分けて経過観察期間や臨床上の問題点に関し検討した.【対象と方法】1998年1月から2009年12月までの11年間に,当院に移動性精巣として紹介された110例を対象とし後方視的に臨床経過を検討した.A群(14例):併存症がなく経過観察後に手術を施行した症例.B群(21例):併存症に対する手術時に同時手術を行った症例.C群(75例):A・B群以外の非手術例.各群で初診時月齢経過期間を検討した.A群とB群では臨床所見,手術までの期間,手術適応と手術術式を検討した.【結果】初診時月齢:A群平均25.4±159か月,B群平均43.3±29.9か月,C群平均25.9±15.9か月でA・B群間とB・C群間で有意差を認めた(p=0.0498, p=0.0006).A・C群間に有意差を認めなかった.手術時月齢:A群平均47.9±24.6か月,B群平均47.4±28.9か月で両群の平均値に有意差を認めなかった.経過期間:A群平均22.5±3.6か月,B群平均4.5±3.6か月,C群平均20.1±17.1か月であった.A・B群間とB・C群間で有意差を認めた(p=0.002, p=0.0001).A・C群間に有意差を認めなかった.臨床所見:A群では経過観察中に挙上精巣に変化した症例を6例,停留精巣が明らかになった症例を2例に認め,経過中に変化なしは4例,その他2例であった.B群の併存症の内訳は鼠径ヘルニア9例(同側6例,対側2例,両側異時発症1例),陰嚢水腫4例(同側3例,対側1例),対側停留精巣8例であった.【結論】移動性精巣のみで手術適応となる症例は少数であったが,手術適応の判断には定期的な経過観察を要した.経過中に挙上精巣や停留精巣に変化する症例の存在に注意が必要である.
著者
小林 卓哉 三原 康子 西脇 剛史 藤井 文夫
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集A2(応用力学) (ISSN:21854661)
巻号頁・発行日
vol.70, no.2, pp.I_419-I_428, 2014 (Released:2015-02-20)
参考文献数
13

局所的な構造不安定の問題,たとえば薄肉構造の局所座屈に代表されるような問題では,部分的な変形が隣接する部分の変形を促し,それらの間でひずみエネルギの授受を伴いながら構造全体の不安定性が増大したり,あるいは解消する挙動が現れる.構造全体の挙動を一つのパラメータによって制御する手法,例えば弧長法によってこの種の問題を安定に解くことは難しく,慣性力あるいは粘性力の効果を導入し,ひずみエネルギの局所的な消散を適正に表現する必要がある.これまで適用例が多い動的陽解法は,その一つの便法である.本研究では最近の汎用FEMを使用し,人工的な粘性を与えることによって局所的な構造不安定に起因する解析の困難を克服した.圧縮を受ける完全円筒に近い弾性円筒シェルを手始めに,材料に起因する不安定現象を含め,全自動かつシームレスの解析によって深い後座屈の領域までをトレースすることが可能になったので報告する.
著者
荒巻 功 江辺 正英 三浦 剛史 吉井 美華
出版者
Brewing Society of Japan
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.106, no.12, pp.837-847, 2011 (Released:2017-03-28)
参考文献数
20
被引用文献数
5 8

酒造用原料米の無機成分の含有量について,品種や精米歩合ごとの測定を行い以下の結果を得た。(1)無機成分含量を比較すると,酒造好適米は一般米に比べてKが有意に高かった。また,五百万石,美山錦,兵庫北錦は,K,P,Mgが高く,山田錦は,Sが最も低かった。(2)玄米中の無機成分含量は,従来の報告と比較すると,P,K,Mgは低く,Ca,Mn,Feは同程度であった。同一地域産,同一品種での年度間差異はSiにバラツキがみられたが,その他の元素には大きなバラツキはなかった。(3)同一圃場で生産された山田錦と日本晴を比較すると,山田錦は,日本晴に比べて,有意にFe,Sが低く,2品種間の差異が認められた。(4)精米による含有量の変化を調べた結果,K,P,Ca,Mg,Mn,Siは,精米により玄米から精米歩合70%の間に急激に減少したが,精米歩合70~30%では,大きな変化はみられなかった。Sは,玄米から精米歩合30%まで精米歩合が低くなるにつれ直線的に減少した。(5)山田錦と五百万石の心白粒と無心白粒を精米歩合別に無機成分含量を比較した結果,顕著な差異は認められなかった。(6)SEM/EDXによる観察から,P,K,Mgはアリューロン層に,Siは玄米の果皮の表面部分に多く分布することが明らかとなった。
著者
福井 健太郎 林 剛史 山本 翔太 重野 寛 岡田 謙一
出版者
特定非営利活動法人 日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.205-212, 2006-06-30 (Released:2017-02-01)
参考文献数
18
被引用文献数
1

One of the most important element which influences user's attitude in human communication is the change of facial expression. Today, the major methods to give the expression to an avatar are achieved by menu selection or automatic control using character-based verbal information. However, these methods can be a burden for a user and they cannot offer an actual user's feelings. Also, it takes a time to influence the expression on the avatar because of the manual input procedure. In this paper, we propose the real-time expression change method of an avatar using an electroencephalogram. By analyzing the data sent from an electroencephalograph, the information of relaxation, agitation, blink, and eye movements are distinguished by the system, and mapped to an avatar. By evaluating this system, the results show that this system successfully visualize the user's feelings without being burden for a user.
著者
敷地 孝法 滝脇 弘嗣 村尾 和俊 藤田 真弓 荒瀬 誠治 浦野 芳夫 石上 剛史
出版者
医学書院
雑誌
臨床皮膚科 (ISSN:00214973)
巻号頁・発行日
vol.57, no.13, pp.1202-1204, 2003-12-01

66歳,女性.左手の有痛性の発赤・腫脹に対してノイロトロピン(R)が奏効し,臨床経過より反射性交感神経性ジストロフィー(RSD)と診断した.約1か月前に左手に強い疼痛と腫脹が出現し,近医で抗生剤の投与を受け一時は軽快したがすぐ再燃.当科受診時,左手全体に熱感・発赤を伴う腫脹あり.WBC7,100/μl,CRP0.12mg/dl.組織細菌培養は陰性.病理組織像も蜂窩織炎の所見なし.入院のうえ,再び抗生剤を点滴したが効果なし.ノイロトロピン(R)を4T/日から内服したところ1週間で効果が現れ,3週間で疼痛,腫脹とも消失した.RSDは四肢に生じる難治性の慢性疼痛症候群の一つで,初期には発赤・腫脹を伴うため蜂窩織炎との鑑別が難しい.早期の診断と治療が予後を大きく左右するため,まずはRSDを疑うことが重要と思われた.
著者
掛野 剛史
出版者
日本出版学会
雑誌
出版研究 (ISSN:03853659)
巻号頁・発行日
vol.43, pp.3-23, 2013

<p>本稿では2000年以降に発表された,明治期からおおよそ戦前,戦中期にいたるまでを対象とした出版に関する書籍,論文を概観し,その成果を整理紹介することで,近代出版史研究の動向と今後の可能性を提示した.</p>
著者
鈴木 郁 後藤 剛史 滝口 俊男 徳本 匠
出版者
Japan Ergonomics Society
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.37, no.3, pp.105-111, 2001-06-15 (Released:2010-03-12)
参考文献数
14
被引用文献数
2 2

ガム咀嚼とアメ嘗味の乗り物酔い低減効果について, 延べ97名の被験者を振動台で40分間ずつ加振する事により実験的に検討した. 試行条件は, ガム咀嚼, アメ嘗味, それら両方ともなし, の3条件である. 主観評価を比較すると, 顕著ではないがガム咀嚼そしてアメ嘗味には, 主観的な意味での乗り物酔いを低減する傾向が見られた. また試行条件別に, 加振前に比べた加振後の重心動揺面積増加率を求めると, ガム咀嚼の条件が最小となり, 両方ともなしの条件が最大であった. これらより, アメ嘗味やガム咀嚼が, 主観的のみならず客観的にも乗り物酔い低減効果を有することが示唆された.