著者
上子 優香 榊 剛史 原 忠義 森 純一郎 坂田 一郎
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第29回 (2015)
巻号頁・発行日
pp.4I13, 2015 (Released:2018-07-30)

これまでニュース記事の一読者に過ぎなかった人々が、ソーシャルメディアを通じて意見を発信することで社会的影響力を持つようになってきた。本研究ではYahoo!ニュース内のコメントとTwitterでのコメントを対象として、ニュース記事のもつ言語的特徴が、ニュース記事の読者がソーシャルメディア上で発信するコメントの数や感情度に与える影響と、プラットフォームによるコメントの性質の違いを明らかにした。
著者
三上 剛史
出版者
東北社会学研究会
雑誌
社会学研究 (ISSN:05597099)
巻号頁・発行日
vol.94, pp.29-54, 2014-04-30 (Released:2022-03-05)
参考文献数
26

東日本大震災を体験した後の社会において、我々は、リスク社会とどのように向き合わねばならないのか。個人化社会において、ますます社会から切り離されてゆく個人と、〝終焉〟しつつあると言われる「近代」社会は、どのような形で新たに接続され得るのか。そして社会学は、このような個人と社会の関係を、いかなる形で新たに構想すべきなのか。 社会学は、個人と社会という、二つの別個の存在をうまく調停しバランスを取ろうとしてきたが、今やリスク社会によって、個人も社会も、これまでとは異なったあり方を求められている。これまでの社会学の考え方に替わる、いかなる理論的観点が存在し得るのか。この点について検討することが、本稿の課題である。 本稿では、この問題を近代的な理論的シンボリズムの隘路として捉え、「シンボリックなもの」(結合と連帯を生む契機)と「ディアボリックなもの」(分離と個別化を生む契機)の対比において把握し、リスク社会においては、ディアボリックなものへの注目が求められることを示したい。 社会学においては、「シンボリックなもの」は結合と連帯を生む契機として、もっぱらプラスの意味で使用されている。だが、シンボリックな契機による結合と連帯は、今やリスク社会の到来と共に深刻な制度疲労を起こしつつあり、それとは反対の契機に道を譲らねばならぬ位相に来ているのではないか。
著者
秋葉 剛史
出版者
The Philosophy of Science Society, Japan
雑誌
科学哲学 (ISSN:02893428)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.295-316, 2021-03-31 (Released:2021-03-31)
参考文献数
13

This is a review essay on Daisuke Kachi's Agents: Contemporary Substance Ontology (sic. Shunjusha, 2018). The book develops and partially defends an ontology that takes the category of substance as the most fundamental one. The author provides in it a new perspective on substance, which consists in characterizing substances as bearers of what he calls “substance modalities” (of which there are four kinds, that stem from the factors of essence, power, past persistence, and future persistence respectively). The first part of this review essay gives an extended overview of Kachi's book while the second discusses some problems it may face.
著者
大塚 剛史 中村 貞夫
雑誌
日本薬学会第141年会(広島)
巻号頁・発行日
2021-02-01

【目的】マスクはインフルエンザなどの病気の拡散および予防だけでなく、花粉症対策や大気汚染対策に用いられているが、コロナウィルス対策に有効であるため、世界中でマスクは欠かせないものとなった。マスクは輸入品の割合が多く、今ではスポーツブランドやファッション性の高いマスクなど、様々なマスクが市販されている。コロナ禍でマスクの着用期間が増えたため、その安全性は重要である。マスクから溶出する(揮発する)化学物質について検討した報告は殆どなく、第139年会においてGC/MSと加熱脱着装置と組み合わせ、マスクからの溶出物について報告した。今回は全国マスク工業会会員マークの無いマスクや不織布製以外のマスクについて検討した。また、分離カラムの直接加熱やカラムカットが不要など革新的機能を搭載したGC/MSとヘッドスペースサンプラと組み合わせ、マスクからの溶出物について測定した結果を報告する。【実験・結果】GC/MSを用いて材質の異なる様々な市販品マスクを静的ヘッドスペース法により直接抽出した結果、体温に近い温度では検出されるピーク数が少なく、その強度は小さかった。抽出温度を上げるほどより多く、より強いピークの検出が確認されたが、解析ソフトウェアによるデコンボリューション機能により、複数のピークが検出された場合も解析は容易であった。以上のことから静的ヘッドスペース法を組み合わせたGC/MSでもマスクからの溶出物の測定および同定を効率的に行うことが可能であった。なお、今回測定した全国マスク工業会会員マークの無いマスクであっても、毒性の高い化合物の検出は確認されなかった。
著者
中谷 和彦 山田 剛史 柴田 知範
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2022-04-01

ハンチントン病などの神経変性疾患ではゲノム上のCXGリピート配列の異常伸長が発症原因となる。本提案研究では、提案者が創製したミスマッチ塩基対を認識する低分子化合物が示した、異常伸長したリピート配列への結合と、in vivo での短縮効果から見出した2つの核心的学術的問い、「CAGリピートDNAが形成するCAG/CAG部位に分子NAが結合することにより、どのような生体反応が誘起されたのか?」と「分子NAとNCDはなぜ、そしてどのように2:1複合体を形成するのか?」について、統合的な理解の獲得とより高い短縮効果を示す化合物創製への展開を目指す。
著者
安達 靖代 岩田 徳和 足立 靖 中村 浩子 菊地 剛史 中村 正弘 見田 裕章 吉田 幸成 木下 一郎 石井 良文 遠藤 高夫
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.117, no.6, pp.532-541, 2020-06-20 (Released:2020-06-20)
参考文献数
30

IgG4関連自己免疫性肝炎と肝炎症性偽腫瘍の合併例を経験した.症例は80歳代女性.肝障害,IgG高値を認め自己免疫性肝炎を疑い肝生検施行,IgG4関連自己免疫性肝炎と診断された.その後肝腫瘤が出現,肝炎症性偽腫瘍と考えられた.IgG4関連自己免疫性肝炎はIgG4関連疾患の肝実質病変とされ,一方,炎症性偽腫瘍の一部もIgG4関連疾患と考えられている.両疾患の合併の報告はなく,貴重な症例と考えた.
著者
藤井 聡 矢嶋 宏光 羽鳥 剛史 岩佐 賢治
出版者
人間環境学研究会
雑誌
人間環境学研究 (ISSN:13485253)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.2_27-2_44, 2008 (Released:2009-06-03)
参考文献数
36

We discussed that public involvement (PI) can be regarded as strengthening direct-democratic nature in current administrative processes under parliamentary democracy and discussed the merits and demerits of PI while referring to classics in political philosophy which trace back to the era of Socrates and Plato. It was discussed that PI could contribute to education of the public and improvement in the rationality of administration by absorbing various knowledge and wisdom from the public, while it always accompanies the risks of reducing the quality of administration and leading "ochlocracy" or "the tyranny of the majority." Then, we suggested three principles of PI; (1) principle of the secure of administrative rights, (2) principle of involvement the public but avoidance of the mass, (3) principle of promoting public spirits and restraining vulgarity. Finally, based on the principles, we proposed the definition of PI anew.
著者
三宅 剛史 松本 和幸 吉田 稔 北 研二
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会第二種研究会資料
巻号頁・発行日
vol.2017, no.15, 2017

<p>近年,ソーシャルメディア上での炎上と呼ばれる現象が問題となっている.発生を未然に防ぐことが望ましいため,投稿内容に炎上の原因になる表現が含まれているかを確認し,訂正を促すシステムは有用と考えられる.本研究では悪口表現や差別表現といった侮蔑表現と,口論になりがちな表現の2つの有害表現を対象とする.提案手法は,メディアを基に作成した有害表現辞書を用いてSVMにより分類器を構築し,炎上の可能性がある文の判定を行う.</p>
著者
羽鳥 剛史 渡邉 望 藤井 聡 竹村 和久
出版者
人間環境学研究会
雑誌
人間環境学研究 (ISSN:13485253)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.99-107, 2012 (Released:2013-01-11)
参考文献数
23
被引用文献数
3

This study examined the relationship between Hegel's concept of "alienation" from a community and Ortega's concept of the "masses" in order to explore the empirical implication of the former concept in our society. According to philosophical discussion, it is supposed that Hegel's concept of "alienation" has a positive relationship with Ortega's concept of "Masses." This hypothesis was tested in the survey with a questionnaire (n = 400), by examining the relationship between the alienation scale and the vulgarity scale which were developed based on Hegel's theory of alienation and Ortega's theory of the masses, respectively. The obtained data showed that the sense of alienation from four communities (family, region, organization, and state) was positively related with the autistic factor which constituted the vulgarity scale. The result implied that the two concepts are associated with each other. It also provided the evidence of validity of the alienation scale. Finally, implications of the present result were discussed.
著者
広田 健一 勝尾 伸一 小島 尚人 大和田 勇人 山下 剛史
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集F3(土木情報学)
巻号頁・発行日
vol.71, no.2, pp.II_66-II_77, 2015

本研究は, コンクリート表面のひび割れ点検精度の向上を目的として,ビデオカメラを接続したリアルタイム動画視認性評価システム(VISシステム:VISibility evaluation system of feature composite moving image inducing visual illusion)を拡充し,現場適用効果を示したものである.VISシステムは, FC動画(ネガ,ポジ)とそれに対する視認性評価図をリアルタイムでPC(ノート・タブレット型)画面上に表示し,ひび割れ点検支援を担う.ボックスカルバート, トンネル覆工,橋梁床版等の点検を試みた結果,点検対象から10m離れても幅0.2mm(管理境界)のひび割れを探索・発見でき,さらに,高所作業台からのチョークによる描画記録時のひび割れ見落とし対策としても寄与できることが判った.
著者
白井 嵩士 榊 剛史 鳥海 不二夫 篠田 孝祐 風間 一洋 野田 五十樹 沼尾 正行 栗原 聡
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会第二種研究会資料 (ISSN:24365556)
巻号頁・発行日
vol.2012, no.DOCMAS-B102, pp.06, 2012-03-11 (Released:2021-08-28)

Twitter is a famous social networking service and has received attention recently. Twitter user have increased rapidly, and many users exchange information. When 2011 Tohoku earthquake and tsunami happened, people were able to obtain information from social networking service. Though Twitter played the important role, one of the problem of Twitter, a false rumor diffusion, was pointed out. In this research, we focus on a false rumor diffusion. We propose a information diffusion model based on SIR model, and discuss how to prevent a false rumor diffusion.
著者
石井 晃 小籔 拓馬 北尾 明子 鳥海 不二夫 榊 剛史
雑誌
研究報告知能システム(ICS)
巻号頁・発行日
vol.2015-ICS-178, no.10, pp.1-7, 2015-02-23

A mathematical theory for social events is presented based on a former mathematical model for the hit phenomenon in entertainment as a stochastic process of interactions of human dynamics. The model uses only the time distribution of advertisement budget as an input, and word-of-mouth (WOM) represented by posts on social network systems is used as data to compare with the calculated results. The unit of time is a day. The calculations of intention of people in Japanese society for the scandal of cell of stimulus-triggered acquisition of pluripotency (also known as STAP) agree very well with the twitter posting distribution in time. We focused on users' interests to classify each tweet to clusters. We devide the tweets of the STAP cell scandal into several clusters due to the frequent communication to each other. We found that the time variation of the intentions are very different for each clusters. We present some calculation due to the model for the two typical culsters; ordinary people and academic people.
著者
森田 弥左衛門 川上 実 井上 剛史 金井 智美
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌(化学と工業化学) (ISSN:03694577)
巻号頁・発行日
vol.1990, no.1, pp.42-47, 1990-01-10 (Released:2011-05-30)
参考文献数
12

卵自中のタンパク質の分離について,通常のダウンフローカラムと,同一容量の薪規なラジアルフローカラムを比較検討した。その結果,DEAEセルロースのような軟質充填剤の場合は,目詰りのため充填圧が剃約され,両カラムとも秀填密度が0.809/mlであった。この条件で試料保持量は,側面積の大きいラジアルフローカラムの方が,断面積の小さいダウンフローカラムより格段に大きく,大量分取に適していた.また,このカラムで卵白中のタソパク質成分は三分画に分離でき・リゾチームを含むオボグロブリン類,オボトランスフェ.ジソを含むオボムコイド類,およびオボアルブミンの順に溶出した。ヒドロキシアパタイトのような硬質充填剤では,.高圧充填に耐えるダウソフローカラムの充填密度が1.119/ml,充填圧が5kg/cm2以下に制約されているラジアルフローカラムのそれは0.83g/mlで,商者に大きな差があった。この差が分離能に影響し,前者のダウンフローカラムの方が優れていた。また,このカラムによって卵白中のタンパク質成分は四分画に分離でき,オボムコイド類,オボアルブミソ類,オボトランスフェリンを含むオボグロブリソ類.およびリゾチームのように・導電点の小さい順に溶出した。
著者
榊 剛史 鳥海 不二夫
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第34回 (2020)
巻号頁・発行日
pp.1L4GS503, 2020 (Released:2020-06-19)

近年,ウェブ・SNSの普及による情報発信・拡散の変化に伴い,デマやフェイクニュースの拡散,エコーチェンバーの発生等,情報拡散にまつわる様々な問題のある現象が顕在化している.このような状況において,情報拡散の質を評価する技術の必要性が高まっている.本研究では,「ソーシャルポルノ(脊髄反射的に拡散・共有してしまいたくなる情報)」の存在を仮定し,それに基づいて,情報発信元(以下,メディア)の質を評価する定量的な指標を提案することを目指す.各メディアの情報を拡散するユーザの反応時間に着目し,メディアごとのユーザの反応時間を集計した指標を扇動性を表す一つの指標として提案した.結果として,提案指標は,記事や記事の拡散度合いによらず,メディアによって固有の値を持つ傾向が示唆された.今後は,大規模にユーザ評価実験を行い,提案指標の妥当性についてさらに検証していく.