著者
中川 秀幸 加藤 肇一 鍋島 弘明 中嶋 實 久保 直哉
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.43, no.9, pp.983-991, 1996-09-15 (Released:2009-05-26)
参考文献数
7
被引用文献数
1 1

清酒製品ともろみ発酵過程における導電率の温度特性および諸成分との関係について検討し,以下の点を明らかにした.(1) 清酒製品の各温度における導電率を測定した結果,温度t(℃)における温度係数αt (%/℃)は,αt=-1.77ln(t)+8.32の近似式で表され,これは清酒もろみ発酵過程においても適用が可能であった.(2) 清酒もろみ中のいかなる成分が導電率に強く影響を与えるかをモデル溶液を用いて調べた.その結果,15%エタノール水溶液中では導電率は有機酸の影響を最も強く受けたが,モデル清酒中ではアミノ酸の影響が増大し,最も強くなった.(3) 発酵中のもろみの多成分の相互作用が導電率に及ぼす影響を調べるため重回帰分析を行った.その結果,導電率はアミノ酸度の影響を特に強く受けることがわかり,15℃における導電率L15 (μS/cm)とアミノ酸度F (ml)の関係式として次式を導いた.この関係は複数のタイプの清酒もろみで成立した.これらの結果より,導電率計の清酒醸造過程の計測への可能性が示唆された.
著者
安部 真治 小倉 泉 根岸 徹 加藤 洋 宮崎 茂 斎藤 一彦 青柳 泰司 熊谷 曜子
出版者
東京都立医療技術短期大学紀要委員会
雑誌
東京都立医療技術短期大学紀要 = Bulletin of Tokyo Metropolitan College of Allied Medical Sciences (ISSN:0916040X)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.71-83, 1995-03

近年,電子技術の進歩に伴い,X線装置の分野ではインバータ式X線装置が普及しきた。最近ではインバータ周波数が数十kHz以上に高周波化された装置も出現している。今回,この高周波化されたインバータ式X線装置について管電圧波形,リプル百分率,短時間特性,百分率平均誤差,X線出力の再現性,一次側波形と出力の関係などを検討し,波形解析を行った。これらの結果,最新のインバータ式X線装置の動作機構と諸特性について明確にした。
著者
遠藤 茉樹 加藤 拓巳
出版者
日本マーケティング学会
雑誌
マーケティングレビュー (ISSN:24350443)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.28-36, 2022-02-28 (Released:2022-02-28)
参考文献数
22

インターネット広告の影響力は,スマートフォンと高速通信の普及によってさらに増している。なかでも,YouTube等の動画共有サービス上で配信される動画広告が注目されており,効果的な配信方法について盛んに議論されている。しかし,動画広告の挿入位置に関する研究としては,中盤の広告を中心としており,冒頭・末尾の挿入位置の評価は不十分である。動画コンテンツの開始前・終了後と視聴最中では,視聴者の意識が異なるため,視聴者に与える効果が変化すると推察される。そこで,本研究ではYouTubeにおけるお茶とフィットネスジムの動画広告を対象として,以下2つの仮説を検証した;(1)冒頭・末尾に挿入された広告に比べて,画面に集中している中盤の方が記憶に残る,(2)中盤に挿入された広告に比べて,嫌悪感の少ない冒頭・末尾の方が購入意向を高める。ランダム化比較試験の結果,いずれの仮説も支持された。したがって,動画プラットフォームの運営企業は,広告主の目的に応じて,動画広告の挿入位置を変える仕組みの構築が求められる。
著者
横尾 隆 久保 仁 石川 匡洋 加藤 尚彦 木村 弘章 大井 景子 我那覇 文清 川口 良人 細谷 龍男
出版者
The Japanese Society for Dialysis Therapy
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.33, no.7, pp.1115-1119, 2000-07-28 (Released:2010-03-16)
参考文献数
15
被引用文献数
3 3

症例は54歳男性, 肝硬変を合併する維持透析患者. 1989年に腹膜透析導入, 1996年よリ血液透析に変更となった. 血液透析中に一過性意識障害をくり返すため精査加療目的に入院. 頭部CTにおいて有意所見みられず, また脳血流シンチでも透析前後で明らかな差異は認められなかった. しかし血液透析後にアンモニア濃度が上昇するため, 門脈ドップラー検査を施行したところ門脈血流は肝内, 本幹とも遠肝性で脾静脈の一部から始まる側副血管を介して下大静脈に流入していた. さらに透析中に本幹での門脈血流の低下が指摘された. このため短絡血流の増加が意識障害を説明するものと考え, 透析中にアミノレバン®を投与することにより認められなくなった. これまでに透析中の門脈血流中の変化に対する報告はみられず, 今回の門脈ドップラーによる血流の結果は肝硬変合併血液透析患者の特殊性を示し, 意識障害が生じた場合の精査に重要であるものと考えられた.
著者
加藤 丈晴
出版者
自動制御連合講演会
雑誌
自動制御連合講演会講演論文集 第59回自動制御連合講演会
巻号頁・発行日
pp.761-765, 2016 (Released:2017-02-01)

様々なシステムが複雑に影響を及ぼしあう現代の自動車において、自動車OEM以外で新たなシステム開発を行う設計者は、自らのシステムの車両性能へのエフェクトを理解しながら最適設計をすべきである。エネルギー保存則に基づいたHEV燃費モデルを事例に開発初期段階で行うべきシステム主要特性の合意形成手法を紹介する。
著者
伊藤 聖子 葛西 麻紀子 加藤 陽治
出版者
弘前大学教育学部
雑誌
弘前大学教育学部紀要 (ISSN:04391713)
巻号頁・発行日
no.110, pp.93-100, 2013-10

フィリピン産の高地栽培種(スウィーティオバナナ)および従来の低地栽培バナナ(レギュラーバナナ)を用い追熟過程および加熱(焼く、蒸す)調理過程それぞれでの糖度および糖組成の変化を調べた。高地栽培種、低地栽培種の可溶性糖質含有量は高地栽培種の方が多いことが確認された。また、両者ともその主成分はスクロース、グルコース、フルクトースであるが、追熟とともにスクロースが減少し、グルコースとフルクトースが増加することがわかった。また、微量に含まれるソルビトールは減少し、オリゴ糖は増加する傾向にあった。加熱調理(焼く:180℃のオーブンで20分、30分、40分処理、および蒸す:蒸し器で10分、20分、30分処理)では、いずれも、焼き調理より蒸し調理後の糖度が高くなる傾向がみられた。焼きは30分で最も高く40分では減少していた。また、蒸し調理では10~20分で最も高く、それ以上になると、かなり減少することがわかった。
著者
飯沼 宏成 石田 陽佑 プレーマチャンドラ チンタカ 加藤 清敬
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会学術講演会講演論文集 2013年度精密工学会春季大会
巻号頁・発行日
pp.877-878, 2013-02-27 (Released:2013-08-27)

距離画像センサーからのデータに3次元ハフ変換を施す平面検出方法を提案してきた。この3次元ハフ変換はノイズに対して耐性があるが、処理に多大な時間を要するという問題点がある。そこで、本研究では距離画像において隣接する3点を用いた微小三角パッチからハフ空間における探索領域を予め求め、3次元ハフ変換を高速に行う手法を提案する。本稿では高速化アルゴリズム並びに従来手法との処理時間の比較について述べる。