著者
古田 繁行 佐藤 英章 辻 志穂 眞鍋 周太郎 北川 博昭
出版者
特定非営利活動法人 日本小児外科学会
雑誌
日本小児外科学会雑誌 (ISSN:0288609X)
巻号頁・発行日
vol.51, no.7, pp.1230-1233, 2015-12-20 (Released:2015-12-20)
参考文献数
13

症例は8 歳,女児.半年間持続した膿血性帯下を主訴に来院した.MRI 検査で膣内異物の膣壁穿通を疑う所見を得た.異物の一部の膣外局在確認ならびに腹腔側からの処置に備え腹腔鏡下にダグラス窩を観察したところ,後膣円蓋付近から後腹膜腔に露出した異物と思われる腫瘤様隆起が透見された.膣鏡では膣壁の癒着により異物の観察ができなかったが,子宮鏡を用いて経膣的に異物の確認と全摘除をし得た.摘出異物は長さ1.5 cm の円錐型のプラスティック製玩具であった.異物挿入が性的虐待行為によることも疑われ,児童相談所員が調査したが,その可能性は低いと判断されたため経過観察となった.術後6 か月経過した現在,現在まで性的虐待行為の形跡はなく,帯下の再発も認めない.
著者
北出 紘章 塩川 浩昭 北川 博之
雑誌
第81回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, no.1, pp.43-44, 2019-02-28

クラウド コンピューティングや分散データ処理において,コンテナ オーケストレーション ツールはスケーラブル・高可用・高リソース利用効率を実現するソフトウェア プラットフォームである.これにより,クラスタ化されたインフラストラクチャに対するタスクの分散やリソースの管理を自動化することができる.コンテナは VM に比べて軽量な仮想化であり,その運用性を向上させるための技術の一つにライブ マイグレーションがある.本稿では,分散データ処理のためのコンテナ オーケストレーション システムである Hadoop YARN において,まだサポートされていないコンテナのライブ マイグレーションの実装について検討する.
著者
木村 広希 川島 英之 日下 博幸 北川 博之
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
地理学評論 Series A (ISSN:18834388)
巻号頁・発行日
vol.82, no.4, pp.323-331, 2009-07-01 (Released:2011-08-25)
参考文献数
12
被引用文献数
1 2

気候学研究においては,特定の気圧配置を示す事例を選ぶ必要から,過去の気圧配置を分類することがある.気圧配置の分類は多くの場合,目視で行われており,長期間かけて行うことや複数人で行うことがある.これらの場合,判断にぶれが生じたり,分類結果が研究者の主観に左右されたりする可能性がある.本稿では,この気圧配置の分類に,パターン認識手法であるサポートベクターマシンを用いて,分類を自動化することを提案する.本研究では,日々の気圧配置からの西高東低冬型の検出を目的とし,実験により提案手法の有用性を検討した.JRA-25のデータを用い,1981~1990年を学習期間,1991~2000年を検証期間として実験を行った結果,最良で90%以上の適中率で西高東低冬型を検出できることがわかった.これより,学習データの与え方に主観が影響するものの,分類の際の負担を軽減でき,判断基準が変わることなく,ある程度の精度で気圧配置を分類できると考えられる.
著者
片岡 えり 天笠 俊之 北川 博之
雑誌
研究報告デジタルドキュメント(DD)
巻号頁・発行日
vol.2012-DD-87, no.2, pp.1-8, 2012-12-15

本論文では, EPUB に対する読書情報の管理を目的として, EPUBCFI を用いた読書情報管理システムを提案する. EPUBCFI とは, EPUB 出版物の任意のコンテンンツを参照するための標準であり, 1) CFI によってコンテンツ内の任意の点が唯一に識別される, 2) CFI 同士を比較することによって,コンテンツ内での順序を判別することができるといった特徴を持つ.本研究では, EPUBCFI を用いて, EPUB 出版物に関連するブックマークやアノテーションなどのメタデータを管理するとともに,それをシステムの利用者間で共有する機能を持った読書情報管理システムを構築する.これにより利用者は,出版物に付箋を貼ったり書き込みといった行為を電子書籍上でできるようになる.さらにそれらを多人数で共有したり、検索やマイニングを行うことにより,現在では不可能なリッチな読書体験の共有を実現することが期待される.このための EPUB での読書情報管理手法,さらにはソーシャルリーディングを行うための手法について議論する.
著者
片岡 えり 天笠 俊之 北川 博之
雑誌
研究報告デジタルドキュメント(DD)
巻号頁・発行日
vol.2012, no.2, pp.1-8, 2012-12-15

本論文では, EPUB に対する読書情報の管理を目的として, EPUBCFI を用いた読書情報管理システムを提案する. EPUBCFI とは, EPUB 出版物の任意のコンテンンツを参照するための標準であり, 1) CFI によってコンテンツ内の任意の点が唯一に識別される, 2) CFI 同士を比較することによって,コンテンツ内での順序を判別することができるといった特徴を持つ.本研究では, EPUBCFI を用いて, EPUB 出版物に関連するブックマークやアノテーションなどのメタデータを管理するとともに,それをシステムの利用者間で共有する機能を持った読書情報管理システムを構築する.これにより利用者は,出版物に付箋を貼ったり書き込みといった行為を電子書籍上でできるようになる.さらにそれらを多人数で共有したり、検索やマイニングを行うことにより,現在では不可能なリッチな読書体験の共有を実現することが期待される.このための EPUB での読書情報管理手法,さらにはソーシャルリーディングを行うための手法について議論する.
著者
崔春花 北川 博之
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告データベースシステム(DBS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.72, pp.315-322, 2004-07-14

近年ネットワークを介して大量の文書の配信や交換が行われており、それらコンテンツの分析技術の重要性が増加している。重要なコンテンツ分析の1つとして、電子メールやニュース記事などの大規模時系列文書ストリーム中におけるトピック分析がある。本研究では、特に、特定のトピックの時間的な活性度の変化の分析を対象とする。対象とするトピックへ関連性が高い文書が高い頻度で到着するのは、そのトピックの活性度が高い状態であり、そうでない場合には活性度が低い状態と見なす。我々は、すでに各文書のトピックに対する関連性と到着頻度の両者を考慮した文書ストリームに対する活性度分析手法を提案した。時系列文書のトピック分析においては、しばしばニュース記事などが到着するたびに連続的に過去の一定期間のトピックの活性度をモニターしたいという場合が考えられる。本論文では、我々の提案手法をもとに、このような時系列文書に対する連続的なトピック分析の手法を提案する。また、実データを用いた実験によりその有効性を検証する。Dissemination and exchange of a large amount of documents have become popular according to the advance of network technology in recent years. Thus, importance of content analysis techniques is increasing. Topic analysis in a series of large-scale document streams such as E-mail and news articles is one of such. important research issues. Our research especially aims at the analysis of time varying activation levels of topics. When documents of high relevance with a specific topic arrive vary frequently, then the activation level of the topic is regarded high, otherwise the activation level is considered to be low. In the previous work, we proposed a systematic topic analysis method for document streams incorporating both document arrival rate and document relevance. Sometimes it is required to continuously analyze topics in the document streams. In this paper, we propose a new method to attain this based on our previous analysis method. Moreover, we evaluate the effectiveness of the proposed method by experiments using real data.
著者
北川 博史
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
地理学評論 Ser. A (ISSN:00167444)
巻号頁・発行日
vol.67, no.12, pp.858-881, 1994-12-01 (Released:2008-12-25)
参考文献数
36
被引用文献数
2 2

電気機械工業における複数立地企業の事業所展開について1企業グループを単位とした生産工場の展開を分析し,生産工場の機能的な変化を考察した.国内生産工場の設立は1960年代後半から1970年代前半と1980年代の2時期に集中し,海外においては国内生産工場の設立時期直後に集中する.国内生産工場は製品別に事業グループをなし,企業内分業が行なわれている。本社を中心とした首都圏とその周辺には各事業グループの統括工場や最終組立工場の集積がみられる一方で,国土縁辺地域においては,相対的に労働集約度の高い部門に特化する.R&D機能のなかで開発・設計機能は首都圏とその周辺に限定されるが,最終組立工場へ開発・設計機能の一部が移管される傾向にある.一方,国土縁辺地域においては,生産技術開発部門の移管が積極的に行なわれているが,企業内組織のなかでは依然として分工場としての位置にある.
著者
ジョセフィン アグレバンテ 松井 年行 北川 博敏
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.37, no.3, pp.235-238, 1990
被引用文献数
4

6lの容器当り5mlの40%か60%のエタノールを噴霧すると, 20℃で貯蔵したカーベンディッシュバナナの追熟が1~3日間早められた.処理した果実の追熟が早ければ早い程,コントロールと比較してより低いデンプン含量と,より高い全糖,ショ糖,還元糖含量となった. α-アミラーゼ活性は, 40%と60%エタノール処理の果実で一般に高かった.酵素活性の増大は,デンプンの加水分解の開始より明らかに遅かった.
著者
住谷 雄樹 堀江 和正 塩川 浩昭 北川 博之
雑誌
第80回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, no.1, pp.455-456, 2018-03-13

生体データ解析において、データの時系列特徴は重要な役割を担っている。例えば、機械学習を用いてデータに何らかのラベル付けを行う場合に、特徴抽出が上手くいくデータ群とそうでないデータ群がある。後者のデータ群に対しては、何らかの処理で上手く特徴が取れる状態にする必要がある。他にも、次元削減やノイズ除去など、データから有用な情報を得るためには様々な処理が必要である。本稿では、ニューラルネットワークで構成された生成モデルであるGANを応用し、データ変換を行う手法を提案する。本手法で使用するGANは、データ群間の分布における対応関係を学習し、データを変換する。本稿では提案手法の概要と、性能評価の結果について述べる。
著者
大澤 昇平 天笠 俊之 北川 博之
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.第72回, no.データベースとメディア, pp.827-828, 2010-03-08
著者
李 虎奎 米田 郁夫 繁成 剛 高橋 良至 河合 俊宏 橋詰 努 北川 博巳
出版者
一般社団法人日本福祉のまちづくり学会
雑誌
福祉のまちづくり研究 (ISSN:13458973)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.A1-A12, 2013-03-15

移動動作は日常生活活動の根幹をなす動作である。とくに、外出活動は、日常生活を変化のあるものにし、また社会生活を構築するうえで必要不可欠なものである。したがって、下肢機能が低下し移動が困難になった高齢者の日常生活を潤いのあるものにするためには、安全・楽に外出できる手段を確保することが必要である。本研究では、高齢者のための外出支援機器を開発した。開発した外出支援機器は、転倒のリスクが少ない4輪型とし、また、下肢機能の維持・向上のためにペダルを漕いで推進する方式とし、身体負担を軽減するために電動アシスト装置を組み込んでいる。開発機器について使用評価および走行実験による操作負担の検証を行った結果、下肢機能が低下した移動困難な高齢者の外出を支援する機器としての可能性が示唆された。
著者
橋本 隆子 白田 由香利 飯沢 篤志 北川 博之
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌データベース(TOD) (ISSN:18827799)
巻号頁・発行日
vol.43, no.5, pp.1-11, 2002-06-15
参考文献数
14
被引用文献数
2

近年,放送のデジタル化により,各種のメタデータが付加されたビデオコンテンツの配信がさかんになっている.このようなデジタル放送環境において,動的なダイジェスト生成は重要なアプリケーションの1 つである.我々はこれまで利用者の嗜好を反映させたパーソナルなダイジェスト生成方式(Personal Digest Making Scheme ,PDMS )の研究を行ってきた.PDMS では,加点事象のような成功プレイの重要度を判定することは可能であったが,もし成功していたら試合の流れを変えたかもしれない惜しかったシュートのような,不成功プレイの重要度を判定することはできなかった.本稿では,ダイジェスト作成のための新しい概念として,「ターニングポイント解析」を提案する.ターニングポイント解析は,スポーツの各種試合における「勝利確率(Winning Probability ,WP )」に基づいている.勝利確率とは,試合の経過時間とその時点における得点差(ホームチームの得点からアウェイチームの得点を引いた値)が与えられたとき,最終的にホームチームがアウェイチームを破って試合に勝利する確率を示すものである.勝利確率を利用することにより,成功プレイのみならず,不成功プレイの重要度を判定することが可能となり,より正確なダイジェスト生成を実現できる.本稿ではターニングポイント解析をサッカーの試合を例にとって説明し,実際のサッカーの試合に適用した評価結果を述べる.Content providers have recently started adding a variety of meta data to various video contents.Digest viewing that uses the meta data is a new application in the digital broadcasting era.o build personal digests,we have developed a digest making method named PDMS (Personal Digest Making Scheme).PDMS extracts signi ficant scenes and constructs digests automatically using the video program meta data.In PDMS,only a successful play event such as a goal that scored was considered signi ficant,and a misplay event,such as a shot that did not score was not taken into account,although such event may affect game progress. This paper introduces a new concept of turning point analysis.The turning point analysis is based on a winning probability for sports programs.Winning probability indicates the probability of a home team beating an away team at the end of the game,given the current score and the time elapsed since the beginning of the game.Using the winning probability, we can more precisely evaluate the signi ficance of each event,not merely a successful play but also a misplay.This paper presents turning point analysis for soccer matches.It also gives evaluation results of this turning point analysis for a recently broadcasted professional soccer matches.
著者
塚本 祐一 石川 佳治 北川 博之
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.J87-D1, no.2, pp.202-215, 2004-02-01

近年,地図情報の電子化や位置計測技術の発展,携帯端末などの普及を受けて,携帯端末をもって移動する利用者やナビゲーション機器を備えた自動車などの移動オブジェクトに対し,移動状況に即した周辺情報の提供を行う手法の開発が求められている.一般に,移動オブジェクトに周辺情報を提供する場合,移動体の現在位置を中心として決められた範囲を検索をすることが考えられる.しかし,これまで通ってきた経路やこれから通る予定経路が明らかであれば,それらの情報を利用してより適切な情報が提供できる余地がある.そこで我々の研究グループでは,移動経路や移動速度などを考慮して移動オブジェクトに対して情報を提供するための空間データベース検索モデルの開発を行い,提案した検索モデルに基づく移動オブジェクトに対する周辺情報提供モデルを,商用のGISソフトウェア上で実装した.本論文はこのシステムの設計について述べ,実験をもとにその有用性について評価する.
著者
キー ソァポァン 石川 佳治 北川 博之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.171, pp.143-148, 2005-07-06

本稿では, 時系列的な文書の新規性を考慮するインクリメンタルなクラスタリング手法について述べる.実験による評価により, インクリメンタルなクラスタリング手法が非インクリメンタル手法に比べ効率的であることを示す.加えて, 有効性に関する評価についても触れる.
著者
北川 博之 横田 啓一郎 並川 努 花﨑 和弘
出版者
日本外科代謝栄養学会
雑誌
外科と代謝・栄養 (ISSN:03895564)
巻号頁・発行日
vol.56, no.4, pp.139-145, 2022-08-15 (Released:2022-09-15)
参考文献数
14

背景: 食道癌手術における空腸瘻は早期経腸栄養のアクセスルートとして有用であるが, 腸閉塞の原因となりうる. 空腸瘻と十二指腸瘻の腸瘻起因性腸閉塞と術後体重変化に与える影響を検討する. 対象と方法: 2013年3月から2020年11月に食道癌に対して胸腔鏡下食道切除術, 胃管再建を施行した109例の患者背景, 手術成績, 術後合併症, 腸瘻起因性腸閉塞, 術後1, 3, 6, 12カ月後の体重を, 空腸瘻群74例と十二指腸瘻群35例に分類して比較した. 結果: 十二指腸瘻群は空腸瘻群に比べて術前化学療法 (45.7% vs. 78.4%; P=0.001) と出血量 (150mL vs. 120mL; P=0.046) が少なかった. 腸瘻起因性腸閉塞は12例が空腸瘻群に生じた. 十二指腸瘻群は術後1カ月後の体重減少率が空腸瘻群より有意に小さかった (93.9% vs. 91.8%; P=0.039). 結語: 食道癌手術において十二指腸瘻は空腸瘻に比べて手術時間を延長することなく腸瘻起因性腸閉塞を防止し, 術後早期の体重減少を抑制し得ることが示唆された.