著者
吉田 志緒美 露口 一成 鈴木 克洋 富田 元久 岡田 全司 林 清二 有川 健太郎 岩本 朋忠
出版者
一般社団法人 日本結核病学会
雑誌
結核 (ISSN:00229776)
巻号頁・発行日
vol.88, no.5, pp.461-467, 2013 (Released:2016-09-16)
参考文献数
20

〔目的〕Mycobacterium fortuitumを被験対象とした場合のZiehl-Neelsen染色法(ZN法)と蛍光染色法(蛍光法)の染色性の比較検討。〔方法〕2007年1月~2012年3月の期間中,NHO近畿中央胸部疾患センターにてMGIT培養で陽性となり,DDHにてM.fortuitumと同定された菌液42株と標準菌株を対象に,蛍光法であるauramine-rhodamine染色法(AR法)並びにacridine-orange染色法(AO法)とZN法の染色所見を比較した。さらに各菌株に対し16S-23S rDNA internal transcribed spacer(ITS)領域における遺伝子と16S rRNA遺伝子の部分配列シークエンスを実施し,相同性検索を行った。〔結果〕ZN法にてすべての株は良好な染色性を確認できた。AR法は16株(38.1%)に良好な染色性を認めていたのに対し,残り26株(61.9%)と標準菌株では蛍光法でほとんど染まっていないか,まだら模様の染色像であり,AO法もやや劣るがAR法と同程度の結果であった。ITSシークエンス解析では35株(83.3%)がM.fortuitum subsp. acetamidolyticumの遺伝子と100%一致したが,7株は同定不能であった。しかし16S rRNA遺伝子シークエンスにてM.fortuitum近縁の迅速発育菌と同定できた。遺伝子型と蛍光法の染色性との間における相関性は乏しかった。〔考察〕DDHでM.fortuitumと同定された菌体に対して蛍光法を用いた場合,検出が困難となるケースが半数以上存在する結果となり,同菌の分離頻度が過小評価される可能性が考えられた。特に,培養菌液からの菌体確認には蛍光法よりもZN法を用いることと,培養性状による同定(発育速度,温度,コロニー形状)の徹底を提唱したい。
著者
吉田 忠生
出版者
東北区水産研究所
雑誌
東北区水産研究所研究報告 (ISSN:0049402X)
巻号頁・発行日
no.32, pp.89-94, 1972-03

1964年秋に松島湾漁場で行なったノリ養殖試験の際,ひび糸上でのノリの着生密度と収量の関係を調べた。生育初期には高密度のひびで収量が多かったが,葉体長の伸長が止まり,収量が最大になる頃には,ひび糸10cm当りの着生密度400から2,000の範囲で収量は密度に関係なくひび糸10cm当り約2gとなった。このことは吉良(1960)が陸上植物について見出した"最終収量一定の法則"がここでも成立することを示している。
著者
吉田 忠生
出版者
東北区水産研究所
巻号頁・発行日
no.32, pp.89-94, 1972 (Released:2011-03-04)
著者
酒井 保良 吉田 正勝 難波 大二 佐藤雅明 森 隆彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.24, no.5, pp.711-718, 1983-09-15

コンピュータハードウェアの信頼度の向上 障害診断時に必要となる保守知識の増大と多様化等に伴い 保守戦力の集中化と広域保守の必要性が高まってきている.本論文では 保守上の問題点を解決するためのハードウェア遠隔保守方式に関し 遠隔保守システム構成法 リモートアクセス機構 障害現象から過去の障害事例を検索する障害情報集中化機構について提案する.また 試作した遠隔保守システムを用いた実験結果から 障害の95%に対して不良個所を部品取替え単位のレベルで遠隔から指摘可能であることを示している.
著者
服部 祥平 飯塚 芳徳 植村 立 鈴木 希実 鶴田 明日香 石野 咲子 藤田 耕史 的場 澄人 吉田 尚弘
出版者
一般社団法人日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集
巻号頁・発行日
vol.65, 2018

<p>グリーンランドの氷床コアは北アメリカやヨーロッパ由来の大気が由来し、過去のエアロゾル動態を復元する貴重な環境媒体である。産業革命以降の人間活動の増大に伴い、大気中に放出される硫黄及び窒素酸化物の濃度が上昇し、1970年以降に北アメリカ、ヨーロッパで排出が抑制された。事実、氷床コア中の硫酸濃度の減少がSO2排出量の減少と対応していることが知られている。本研究では、グリーンランド南東ドーム(SE-Dome)で採取された約90 m、60年分のアイスコアを用い、時間解像度3~6年で硫酸の三酸素同位体組成を分析した。</p>
著者
吉田 純一 北村 久美子 箭内 公一 安河内 淑子 石内 愛美
出版者
九州理学療法士・作業療法士合同学会
雑誌
九州理学療法士・作業療法士合同学会誌 (ISSN:09152032)
巻号頁・発行日
vol.2016, pp.69, 2016

<p>【はじめに】</p><p>日本においては、障がい者を取り巻く環境が急速に変化してきている。粕屋町では「障がい者が、安心して共に暮らせるやさしいまち」を基本理念とする障害者計画を策定しており、関係機関と行政が一体となって連携し、障害福祉計画推進協議会(以下、推進協)が中心となり計画内容を推進している。今回、地域住民の障がいや障がい者に対する理解を確認するためアンケートを実施した。アンケート結果から地域の方の声を聴き、今後の推進協の取り組みについて考察したので報告する。</p><p>【方法】</p><p>人権週間および障がい者週間である平成27年12月6日に開催された粕屋町介護福祉課主催障がい者啓発事業「人権を尊重する町民のつどい」にてアンケートを実施。参加者のうち244名よりアンケートの記載をいただいた。なお、アンケート実施に際し、趣旨、内容、結果の取り扱いについて書類を用いて説明し同意を得た。</p><p>【結果】</p><p>アンケート記載者244名(男性140名、女性99名、無回答5名)の年齢は、~20歳代11.1%、30~40歳代23.4%、50歳~60歳代47.1%、70歳~80歳代15.9%、無回答2.5%であった。設問1「日頃障がいをお持ちの方に接する機会はありますか?」に対し、はい50.8%、いいえ45.9%、無回答3.3%となった。設問2「粕屋町は障がい者が安心して共に暮らせるやさしいまちだと思いますか?」に対し、はい26.6%、いいえ11.1%、わからない59.8%、無回答2.5%という結果となった。設問3自由記載欄では、「町内の小学生と障害施設児童との交流の場を作り、子供たちの心を育てることもよいのでは」や「町民運動会等の町の行事で啓発をもっと行ってみては」など様々な意見をいただいた。</p><p>【考察】</p><p>年齢別でみると、参加者の約半数が50歳から60代で20歳代以下の参加状況が特に低い結果となった。このことから小・中学校等の教育機関と連携をとり、若い世代に対する啓発活動をより行っていく必要があると考えられる。設問1に対し障がい者と接する機会があると答えた方は全体の約半数であった。しかし、参加者には障害福祉関係の仕事に従事している方も多く、地域住民が障がい者と接している機会はより低いと考えられる。また、設問3自由記載欄の意見も踏まえると、障がい者の理解と交流の推進のためにも障がい者団体等と協力し、交流の場を確保していく必要があるといえる。設問2に対し「はい」と回答したのは全体の1/4程度の26.6%であった。この結果が示すように「障がい者が安心して共に暮らせるやさしいまち」とはまだ言い難い現状であり、推進協としても今後さらなる取り組みを行っていくべきであると考えられる。</p><p>【まとめ】</p><p>推進協の取り組みとしては、現在の問題点を把握した上で、教育機関や関連団体との連携が重要となってくるといえる。今後は、若い世代への啓発活動や障がい者との交流の場の充実など、より地域に密着した活動を行っていき、今よりも障がい者が安心して共に暮らせるやさしいまちを目指していきたいと考える。</p><p>【倫理的配慮,説明と同意】</p><p>アンケート実施に際し、趣旨、内容、結果の取り扱いについて書類を用いて説明し同意を得た。</p>
著者
高野 昇 吉田 哲夫 園田 俊雄 桧垣 康二
出版者
日本産科婦人科学会
雑誌
日本産科婦人科学会雑誌 (ISSN:03009165)
巻号頁・発行日
vol.32, no.5, pp.p559-566, 1980-05

不妊症における卵管性不妊因子診断の向上ならびに適切な治療指針を得るため,卵管形成術症例のhystrosalpingography(HSG)像にみられる卵管陰影を分析し,その病理組織学的所見との比較検討を行なった.1年以上術後経過を観察することのできた91例の卵管形成術例を対象とし,HSG像については,テレビ観察のもと造影剤注入卵管陰影確認直後,造影剤追加注入腹膜陰影確認直後,つづいて側面像,さらに造影剤注入終了5分後の4枚撮影により検討を加えた.卵管の一部を採取する機会のあった症例については光学顕微鏡ならびに走査型電子顕微鏡標本を作製L,これらの所見とHSG像とを対比した.91例140卵管中73卵管52.1%に1年以上の疎通性回復を認め,16例17.6%に妊娠の成立をみた.卵管陰影の走行方向(位置),走行形態に異常のみられる例では,癒着,子宮内膜症あるいは腫瘤の存在する傾向がみられ,卵管陰影自体に異常を認める場合,高頻度に病理組織学的に変化がみられた.現在までの観察結果では妊娠例の術後HSG像ならびに一病理組織像は全例正常生理的範囲と考えられる所見を示している.
著者
小長谷 有紀 帯谷 知可 ダダバエフ ティムール 島村 一平 吉田 世津子
出版者
国立民族学博物館
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009-04-01

モンゴルおよび中央アジア諸国において20世紀に人びとが経験した社会主義時代の生活上の大きな変化について理解を深めるために、写真やポスターなどの公的な画像記録と、それらによって喚起される人びとの私的な記憶を収集した。とくに、高齢者の語りを人生史として収集した。公的な記録と私的な記憶のずれや、地域による違いなどから、社会主義的近代化プログラムの画一性と、地域によって異なる文化的な多様性とを明らかにした。
著者
刑部 正博 吉田 正義 廿日出 正美
出版者
日本応用動物昆虫学会
雑誌
日本応用動物昆虫学会誌 (ISSN:00214914)
巻号頁・発行日
vol.26, no.4, pp.294-299, 1982-11-25 (Released:2009-02-12)
参考文献数
11
被引用文献数
1

ガスクロマトグラフィーを用いて,コガネムシ類の各ステージにおける呼吸量の測定と幼虫における皮膚呼吸の有無について検討した結果,以下のことが明らかとなった。1) オオサカスジコガネの卵のCO2呼出量は卵の発育に伴って上昇する傾向を示した。2) オオサカスジコガネとチビサクラコガネの幼虫期の単位体重当たりのCO2呼出量は1齢で最も多く,齢期が進むにつれて減少した。3) オオサカスジコガネとドウガネブイブイの越冬3齢幼虫で,気門を閉鎖したところ,CO2の呼出が認められ,皮膚呼吸の可能性が示唆された。4) 蛹期のCO2呼出量は蛹化後7∼9日目に最低となり,その後急増した。5) 成虫では,昼間活動性のものと夜間活動性のものとの間に,CO2呼出量で一定の関係が認められた。
著者
吉田 昌弘 中島 千佳 角谷 尚哉 吉田 真 沖田 孝一
出版者
北翔大学北方圏生涯スポーツ研究センター
雑誌
北翔大学北方圏生涯スポーツ研究センター年報 (ISSN:21852049)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.21-27, 2017

Endurance ability can be evaluated using the 20-m shuttle run or yo-yo intermittenttest. However, athletes engaged in fi eld-based team sports such as football and basketball arerequired to repeatedly perform explosive and intermittent sprint activities. The aim of this studywas to establish the fi eld test that can be used to assess repeated sprint ability and investigaterelated factors of the test score. Twenty female basketball players were included in the study.All subjects performed a 20-m ×5×5 test, 20-m sprint test, 20-m shuttle run test, and line drilltest. To investigate the relationship between the 20-m ×5×5 test and other tests, the Pearsoncorrelation coeffi cient was used. We found signifi cant statistical correlations of total time with thefastest time(r =0.55, p <0.01), latest time(r =0.91, p <0.01), and percent splint decrement(r =0.59,p < 0.05)in the 20-m × 5 × 5 test. In addition, the total time in the 20-m × 5 × 5 test correlatedwith the score in the 20-m shuttle run(r = -0.69, p <0.01). By contrast, no correlation was foundbetween the total time in the 20-m ×5×5 test and the time in the 20-m sprint(r =0.31, p=0.21).We suggest that the 20-m × 5 × 5 test can be used for assessing the endurance ability, whichcould not be evaluated by using only the existing endurance tests.全身持久力は,20mシャトルランやYo-Yoテスト等により評価可能である。しかし,サッカーやバスケットボール等の競技では,長時間走行する能力に加え,全力スプリントを繰り返す間欠的持久力が求められる。間欠的持久力を評価するためには,全力スプリントを運動課題とした評価が必要であるが,評価手法は確立されていない。本研究の目的は,間欠的スプリント運動を課題としたフィールドテストを考案し,テスト結果の関連因子を検討することとした。大学バスケットボール女子選手20名を対象に,20mを全力で5往復走行する課題を計5セット行う『20m×5×5テスト』を実施した。本テストでは,スタートの合図で1セット目を開始し,1セット目のスタートから2分後を2セット目のスタートと規定した。2セット目以降のスタート開始も前セットのスタートから2分後と定めた。各セットの走行終了から次セットのスタートまでを休息時間とした。測定項目はタイム(5セットの合計および最高値,最低値),5セット中のタイム低下率とした。また,スプリント能力(20m走),切り返し能力(ラインドリル),全身持久力(20mシャトルラン)を計測し,合計タイムと各因子の関係をピアソンの相関係数により算出した。20m×5×5テストの合計タイムは5セット中の最高値(r=0.91,p<0.01),最低値(r=0.55,p<0.01),タイム低下率(r=0.59,p<0.05)と有意な相関を認めた。20m×5×5テストの合計タイムは全身持久力(r=-0.69,p<0.01),切り返し能力(r=0.51,p<0.05)と有意な相関を認めた。一方,合計タイムとスプリント能力(20m走)の間には有意な相関関係は認められなかった。本研究結果より,20m×5×5テストは既存の全身持久力評価とは異なる体力要素を評価できることが示唆された。
著者
吉田 惠子
出版者
高崎健康福祉大学
雑誌
高崎健康福祉大学紀要 = Bulletin of Takasaki University of Health and Welfare (ISSN:13472259)
巻号頁・発行日
no.16, pp.91-105, 2017-03

音楽教育において,替え歌・パロディを表現活動としてどのように捉えるか,音楽教育における表現の諸問題を,以下の4点から論じたものである.1.日本における替え歌・パロディの歴史,2.昨今の教育現場における替え歌事件,3.パロディと表現の自由をめぐって-判例におけるパロディの解釈とフェアユース,4.文化としての替え歌・パロディ研究論文