著者
伊藤 文香 吉田 直樹 村木 敏明
出版者
茨城県立医療大学
雑誌
茨城県立医療大学紀要 (ISSN:13420038)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.67-73, 2004-03
被引用文献数
1

本研究の目的は, 包丁操作について, 三次元空間内の各座標軸に対する包丁の回転角度に着目し, 包丁操作の巧緻度を決定する要因を検討することである。被験者は42歳から66歳の右手利きである健常女性15名である。きゅうりの輪切り動作について利き手, 非利き手において三次元動作解析装置にて20秒間測定し, 各軸周りの回転角度の分散Vx, Vy, Vzを求め, 利き手, 非利き手における分散の差異を分析した。結果, 左右軸周り, 前後軸周りの角度の分散Vx, Vyに差異 (p<0.0001, p<0.0l) が認められた。臨床において当該操作の指導を行う際には, まな板に対する包丁長軸の傾きのブレに関連するVxを小さくするように指導することが有効である可能性が示され, 包丁長軸周りの回転角度の時間的周期性が熟練と未熟の差であることが示唆された。包丁の回転角度から当該操作の巧緻度を評価できることが見出された。
著者
吉田 志緒美 鈴木 克洋 露口 一成 富田 元久 岡田 全司 坂谷 光則
出版者
JAPANESE SOCIETY FOR TUBERCULOSIS
雑誌
結核 (ISSN:00229776)
巻号頁・発行日
vol.83, no.8, pp.577-583, 2008-08-15
参考文献数
32
被引用文献数
1

〔目的〕薬剤感受性検査でRFP感受性,lineprobeassayでRFP耐性となる結核菌の検討。〔対象〕国立病院機構近畿中央胸部疾患センターにおいて分離され,薬剤感受性検査でRFP感受性と判定されたにもかかわらず,臨床的に同薬剤に対する治療効果が乏しい肺結核症患者由来の6株と,判定結果が薬剤感受性検査間で一致しない9株の合計15株。〔方法〕3種類の薬剤感受性検査を実施し,遺伝子診断としてジェノスカラー・RifTBを使用した。同時にシークエンス解析によるrpoB遺伝子変異領域部位の特定を行った。〔結果〕薬剤感受性検査の結果,15株すべてはいずれかの方法でRFP感受性もしくは判定保留を示した。プロスミックMTB-1法を用いた最小発育限止濃度(MIC)は0.25~4μg/mlの範囲であった。一方ジェノスカラ一・RifTBにおいてすべての株は変異型を示し,シークエンス解析でもrpoB遺伝子領域に変異が確認されRFP耐性と判定された。〔結論〕今回われわれは通常の薬剤感受性検査で耐性と判定されない低レベルのRFP耐性結核菌に対して薬剤耐性遺伝子検査を行うことにより正しい感受性結果を得ることができた。
著者
五十嵐 康人 大河内 博 北 和之 石塚 正秀 吉田 尚弘 三上 正男 里村 雄彦 川島 洋人 田中 泰宙 関山 剛 眞木 貴史 山田 桂太 財前 祐二 足立 光司 中井 泉 山田 豊 宇谷 啓介 西口 講平 阿部 善也 三上 正男 羽田野 祐子 緒方 裕子 吉川 知里 青山 智夫 豊田 栄 服部 祥平 村上 茂樹 梶野 瑞王 新村 信雄 渡邊 明 長田 直之 谷田貝 亜紀代 牧 輝弥 佐藤 志彦
出版者
気象庁気象研究所
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2012-06-28

初期の放射性Cs放出には従来想定されていた水溶性サブミクロン粒子に加え,直径数μmの不溶性粗大球状粒子が存在することを初めて明らかにした。典型的な里山では再飛散由来のCs濃度は,都市部での結果と異なり,夏季に上昇し,冬季には低かった。夏季のCs担体は大部分が生物由来であることを初めて見出した。放射性Csの再飛散簡略スキームを開発し,領域エアロゾル輸送モデルを用いて森林生態系からの生物学的粒子による再飛散,ならびに事故サイトから継続する一次漏えいも含め,フラックス定量化-収支解析を行った。その結果、他のプロセス同様、再飛散は、地表に沈着したCsの減少や移動にほとんど寄与しないことがわかった。
著者
吉田 充宏 佐藤 信也 松村 明光 鷹觜 利公
出版者
公益社団法人 石油学会
雑誌
石油学会 年会・秋季大会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.2010, pp.182-182, 2010

実験室におけるアスファルテンの溶剤分別において、目詰まりの問題のあるろ紙を用いる分離や、高価な高速遠心分離機を用いる方法に代わる手軽な方法として、テフロン製充填剤を用いて比較的多量のアスファルテンのカラム分離法を考案した。アスファルテンの構造解析を行うために、10gの減圧残油から回収を行うことを目的として、カラム内径、充填剤とアスファルテンの回収量の相関を検討した。アスファルテンの回収可能量はカラムの断面積に比例して増加し、内径30mmのカラムで10gの残油を処理できる見通しがついた。
著者
山口 創 吉田 康子
出版者
一般社団法人 環境情報科学センター
雑誌
環境情報科学論文集 Vol.30(第30回環境情報科学学術研究論文発表会)
巻号頁・発行日
pp.243-248, 2016-11-28 (Released:2016-11-28)
参考文献数
6

本研究は,農場実習の実習後に記述する「出席カード」の内容をテキストマイニングを用いて分析することにより,農場実習の学習内容把握手法としてのテキストマイニングの有効性を検討した。分析の結果,主に作物の生態的特徴,作物の栽培技術,農業の大変さの理解といった学習内容を抽出することができ,テキストマイニングの有効性が示された。また,実習内容と学習内容を比較することにより実習プログラムの改善点を示すとともに,分析プロセスから,学習内容の把握手法としてテキストマイニングを導入する上での留意点を示すことができた。

2 0 0 0 OA 野山獄読書記

著者
吉田松陰 著
出版者
便利堂
巻号頁・発行日
vol.二十一回猛乕, 1931
著者
吉田 充
出版者
日本獣医生命科学大学
雑誌
日本獣医生命科学大学研究報告 (ISSN:18827314)
巻号頁・発行日
no.62, pp.8-16, 2013-12

2002年に高温加熱加工・調理食品中にアクリルアミドの存在が確認されて以来,食品におけるアクリルアミドの生成,様々な食品中の濃度,食品からの摂取量推定に関する研究・調査が進められてきた。日本においても,トータルダイエットスタディに加えて,日本やアジア特有の食品を含めた市販加工品や,炊飯米を含めた調理食品の分析が行われた。アクリルアミドの毒性と摂取量とをあわせて考えると,食品中のアクリルアミドの人の健康に対するリスクは無視できず,低減の努力が必要と考えられる。そこで,食品規格に関する政府間機関Codexでも,2009年にじゃがいも加工品と穀物加工品に関するアクリルアミド低減のための実施規範が採択された。食品におけるアクリルアミドの生成抑制や,食品中のアクリルアミドのリスク管理のためには,簡易迅速な分析方法の確立が望まれていたところ,2011年にアクリルアミドのEIA検出キットが開発された。また,アクリルアミドの分析の精度管理に関しては,加熱食品をマトリクスとした標準物質や分析の技能試験も供給されており,利用しやすい状況になっている。
著者
吉田 郁美 竹森 利和 山崎 政人 道広 和美 都築 和代 裏出 良博 吉田 政樹
出版者
人間-生活環境系学会
雑誌
人間と生活環境 (ISSN:13407694)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.101-106, 2012-11

ミストサウナ入浴が睡眠に与える影響を把握することを目的に、冬季の実生活において被験者実験を実施した。実験は、被験者の自宅において就寝約1.5時間前に40℃10分間の通常入浴とミストサウナ入浴をそれぞれ10日間ずつ連続して実施した。浴室の設定温度、寝室の温湿度ならびに入浴前後の舌下温を10日間測定・記録した。また、1日の活動量(活動量計)、夜間就寝時の脳波(携帯型1チャンネル脳波計)を計測し、睡眠後の眠気(KSS調査票)や温冷感、目覚めの感覚等を記録した。睡眠効率、入眠潜時、および覚醒指数については条件間に有意な差はなかったが、第一周期デルタパワーについてはミストサウナ入浴の方が通常入浴よりも有意に高かった。入浴による舌下温の上昇度についても通常入浴よりミストサウナ入浴の方が有意に高かった。寝室温・湿度に両条件間の差は無かったが、被験者の申告結果からは、ミストサウナ入浴の場合、就床前はより暖かく感じ、起床時には目覚めの爽央感が得られるとの評価が有意に高かった。
著者
吉田 浩
出版者
宝塚造形芸術大学
雑誌
Artes : bulletin of Takarazuka University of Art and Design : 宝塚造形芸術大学紀要 (ISSN:09147543)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.169-180, 1997-03-31

自然のなかにあるものには必ず「ゆらぎ」が存在する。そのゆらぎのなかで自然の風のゆらぎは「1/fゆらぎ」とよばれ,「フラクタル」構造の特徴である自己相似性を持つ。このゆらぎの数値的シミュレーションをゆれる風鈴を仮想3次元空間で映像化することで実現させると同時にMIDIによる音の制作もゆらぎの数値を用いて行った。この音は映像ともよく合致し,快いものである。この音が風の音すなわち風のフラクタルサウンドである。
著者
福島 能久 大原 俊次 宮崎 弁一 守屋 充郎 佐藤 勲 吉田 富夫
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.44, no.10, pp.1410-1417, 1990-10-20

相変化材料を用いた1ビームオーバライト可能なデータファイル用光ディスク装置を開発した.追記型と同構成の光ヘッドを用いてオーバライト機能を実現した.ディスク径は86mm, 容量は280MBである.また, 可動部が9グラムの分離型光ヘッドにより42msのシーク時間を実現した.オーバライトは, 1つのレーザ光によりアモルファス状態と結晶状態を可逆的に生成することにより行う.再生信号はアモルファス部と結晶部の反射率差から得られる.光ディスクは, 実使用条件下で数10万回以上の書換えが可能であり, さらに, 欠陥管理を行うことにより, 実質的には100万回以上の書換えを可能にした.
著者
波田野 結花 吉田 弘道 岡田 謙介
出版者
The Japanese Association of Educational Psychology
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.151-161, 2015
被引用文献数
5

これまでの心理学データ分析では, 概して統計的仮説検定の結果は報告されるが, 効果量の報告や議論は軽視されがちであった。しかし近年の統計改革の中で, 効果量を活用することの重要性が再認識されている。そこで本研究では, 過去4年間に 『教育心理学研究』誌に掲載された論文中で報告された仮説検定について, 論文中の情報から対応する効果量の値を算出し, 検定における<i>p</i>値と効果量との間の関係を網羅的に調べた。分析対象は, 独立な2群の<i>t</i>検定, 対応のある2群の<i>t</i>検定, 1要因および2要因の被験者間分散分析における<i>F</i>検定であった。分析の結果, いずれの場合においても報告された<i>p</i>値と効果量の相関係数は-0.6~-0.4であり, 両者の間には大まかな対応関係が見られた。一方で, 検定結果が有意であるにもかかわらず小さな効果量しか得られていない研究も決して少なくないことが確認された。こうした研究は概ね標本サイズが大きいため, 仮説検定の枠組みの中では検定力分析の必要性が考えられる。また仮説検定の枠組みに留まらず, メタ分析によって関心下の変数ごとに効果量の知見を蓄積することや, ベイズ統計学に基づく新たな方法論などが今後の方向性として考えられる。
著者
辻村 憲雄 三上 智 吉田 忠義 高田 千恵
出版者
日本保健物理学会
雑誌
保健物理 (ISSN:03676110)
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, pp.267-276, 2005 (Released:2010-08-05)
参考文献数
15

The authors studied the feasibility of utilizing ebonite as a personal neutron dosemeter in criticality accidents. A disc-shaped ebonite, a hard rubber containing 30wt% sulfur, can be used as a highly effective criticality neutron dosemeter because of a simplicity of measurements of beta activity arising from 32S(n, p)32P reactions. The counting efficiency of beta particles with an end-window GM counter for an ebonite disc in 50mm diameter and 3mm thick was determined by 252Cf neutron irradiation. The neutron spectrum dependency of 32P activity per neutron dose was computed using Monte-Carlo calculations of various neutron spectra that could be encountered in criticality accidents, and the results were tabulated as a set of spectrum correction factors. Performance tests using the SILENE reactor indicated that neutron doses could be evaluated within ±15% with the application of suitable correction factors.
著者
廣中 詩織 吉田 光男 岡部 正幸 梅村 恭司
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 = Transactions of the Japanese Society for Artificial Intelligence (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.WII-M_1-11, 2017

The home locations of Twitter users can be estimated using a social network, which is generated by various relationships between users. There are many network-based location estimation methods with user relationships. However, the estimation accuracy of various methods and relationships is unclear. In this study, we estimate the users’home locations using four network-based location estimation methods on four types of social networks in Japan. We have obtained two results. (1) In the location estimation methods, the method that selects the most frequent location among the friends of the user shows the highest precision and recall. (2) In the four types of social networks, the relationship of follower has the highest precision and recall.
著者
吉田 裕
出版者
一橋大学
雑誌
一橋論叢 (ISSN:00182818)
巻号頁・発行日
vol.97, no.2, pp.196-215, 1987-02-01