著者
浮山 越史 伊藤 泰雄 韮澤 融司 渡辺 佳子 吉田 史子 牧野 篤司
出版者
日本腹部救急医学会
雑誌
日本腹部救急医学会雑誌
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.63-68, 2009

当教室の小児腹部外傷患者の経験をもとに,診療のコツ,について考察した。重症度判定では腹部外傷スコア(ATS)が有効であった。交通外傷,転倒・転落では実質臓器損傷が多かった。自転車転倒によるハンドル外傷では,十二指腸損傷が多く,疑われる場合には,上部消化管造影や造影CTが有用であった。膵仮性嚢胞は最大径60mm以上で,40日以内に軽快しない場合には手術適応であった。実質臓器損傷は保存的治療を基本としているが,急変の可能性を考慮し,繰り返す診察と検査,24時間モニターによる観察が必要であり,急変時に備えて,IVR・手術の24時間体制の構築が重要である。
著者
吉田 晋 岡本 浩行 福田 耕治 一ノ瀬 元喜 小林 美緒 松下 樹里
出版者
公益社団法人 日本工学教育協会
雑誌
工学教育 (ISSN:13412167)
巻号頁・発行日
vol.60, no.6, pp.6_170-6_175, 2012 (Released:2012-12-06)
参考文献数
5

A programming ability has been required in many areas because of the progress of information technology. As a result, a programming education is becoming more important than ever before. However, there is an issue that programming exercises do not work effectively when they are introduced to entry level students. The introduction of programing education should be more attractive so that students can become interested in programming and engage in it independently. In this report, we suggest a method of small-step exercises in order to provide a learning environment in such a way that students work on exercises independently as well as actively. The questionnaire survey shows the method we implemented is very effective.
著者
桜井 良太 河合 恒 深谷 太郎 吉田 英世 金 憲経 平野 浩彦 鈴木 宏幸 大渕 修一 藤原 佳典
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.62, no.5, pp.251-258, 2015 (Released:2015-06-25)
参考文献数
19

目的 本研究では,大規模郵送調査によって日常的に自転車を運転している高齢者の割合を明らかにした上で,(1)地域在住高齢者の自転車関連事故(自転車運転中の事故および歩行中の自転車に起因した事故)の発生率・傷害の程度および(2)傷害を負ったにもかかわらず警察に通報されていない事故,すなわち潜在的な自転車関連事故がどの程度存在するのかについて明らかにすることを目的とした。方法 住民基本台帳に基づいて東京都板橋区在住の高齢者7,083人に対して調査票を郵送し,調査を行った。性別,年齢,高次生活機能(老研式活動能力指標),過去 1 年間の自転車関連事故の発生の有無,自転車関連事故に伴う傷害の有無と警察への通報について質問紙にて調査した。この際,過去 1 年間の自転車関連事故の発生の有無については,自転車運転中と歩行中の自転車に起因した事故のそれぞれについて調査した。結果 返信された調査票(3,539人:回答率50.0%)から欠損回答のないものを抽出し,運転中の事故の解析については3,098人(平均年齢±標準偏差=72.8±5.6,女性53.9%)を解析対象とし,歩行中の自転車に起因した事故の解析については2,861人(平均年齢±標準偏差=72.8±5.6,女性54.0%)を解析対象とした。日常的に自転車を運転している高齢者は1,953人(解析対象高齢者の63.0%)であった。そのうち9.4%(184人)が自転車運転中の事故を経験しており,事故経験者の76.1%(140人)が何らかの傷害を負っていた。他方,歩行中では3.4%(98人)が自転車に起因した事故に巻き込まれており,そのうち55.1%(54人)が何らかの傷害を負っていた。また自転車運転中および歩行中の事故で“通院が必要となった傷害”を負った高齢者のうち,それぞれ70.2%(59人),76.9%(20人)は警察への通報をしていなかった。結論 日常的に自転車を運転している高齢者の9.4%が自転車乗車中に事故を経験しており,調査対象の3.4%の高齢者が歩行中に自転車事故の被害を受けていたことがわかった。また“通院が必要となった傷害”を負った高齢者であっても,約 7 割が警察に通報していないことが明らかとなった。ここから主管部局が管理している事故統計と実際に発生している傷害を伴う高齢者の自転車関連事故に大きな乖離が生じている可能性が示唆された。
著者
小林 雅美 砂崎 博美 吉田 美由紀 侭田 ゆかり 伊藤 まゆみ
出版者
群馬大学
雑誌
群馬保健学紀要 (ISSN:13434179)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.23-27, 2002-03
被引用文献数
1

皮膚科における電子メールを媒体とした相談内容の分析とセルフケア支援の展望について検討することを目的として, 1997年7月〜2000年1月までにアクセスのあった質問メール404件(のべ290名)について, 質問者の特性, 全疾患・代表疾患の相談内容を分析した。1.質問者は20歳代40%, 30歳代21%と若年者が多く, 質問者と相談対象の間柄は本人が75%であった。居住地域は国内外に及んだ。2.疾患では掻痒性疾患が最多で, 相談部位は顔面が多かった。病名記載ありが約7割, 受診経験ありが約6割を占めた。主な相談内容は, 治療法の検索(88件), 詳しい疾患の説明を希望(59件), 治療法の正当性(53件)についてであった。3.アトピー性皮膚炎では, 治療法の検索(21件), 薬の情報を希望(17件), 腫瘍では, 詳しい疾患の説明を希望(13件), 治療法の検索(10件), 毛包炎では, 治療法の検索(10件), 日常生活指導を希望(6件)が多かった。以上の結果から皮膚科外来におけるニーズの多様化が明らかになり, 電子メールを媒体としたセルフケア支援の展望が示唆された。
著者
吉田 昭仁 松井 正宏 田村 幸雄 岡田 玲 勝村 章
出版者
一般社団法人 日本風工学会
雑誌
日本風工学会年次研究発表会・梗概集 平成27年度日本風工学会年次研究発表会
巻号頁・発行日
pp.123-124, 2015 (Released:2015-08-21)

かねてから、日本のみならず世界中で竜巻や突風、台風による住宅等への被害が問題視されている。建築物以外にも、屋外設置の自動販売機、道路標識、コンテナ、フェンス等への被害が見られる。海外では、独自の竜巻・強風に対する竜巻評価指標を用いている国もある。日本では、「藤田スケール」1)を主に使用している。本研究は、日本で確認された竜巻事例を調査、被害指標を抽出し、現在多く使用されている自動販売機及びコンテナの被害発生風速を実験、解析により推定し、日本における独自の竜巻評価指標を抽出することを目的とする。
著者
山田 晴美 久住 眞理 吉田 浩子 大東 俊一 青木 清
出版者
The Japan Society of Health Sciences of Mind and Body
雑誌
心身健康科学 (ISSN:18826881)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.26-36, 2013

【目的】東日本大震災の災害支援活動を行った保健師の心身の状態について,心身健康科学の視点から解析し,派遣時のサポートについて考察することを目的とした.<br>【方法】X県から被災地に派遣された保健師32人を対象に,心身の健康状況,派遣中及び派遣後の職業性ストレス,メンタルへルス対策の状況について調査を行った.<br>【結果】質問紙回答者 (n= 26) の約6割が派遣中に睡眠の問題や緊張感を,約7割が派遣終了後に心身の不調を感じたと回答した.派遣された保健師にとって,ストレスの要因は「被災の話を聴く」「被災者のストレスを受け止める」ことであった.派遣時期や労働環境もストレス反応に影響を及ぼしていた.<br>【結論】支援者である保健師は,災害支援活動中の二次受傷が自らの健康に影響を及ぼす可能性があることを自覚し,セルフケアを行うことが大切であった.通常業務時以上に,仲間・上司等との語りやサポート体制が必要とされることがわかった.
著者
山口 耕平 吉田 有紀 相谷 芳孝 池田 澄美
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.35 Suppl. No.2 (第43回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.A0004, 2008 (Released:2008-05-13)

【目的】 臨床において整形外科疾患患者の呼吸運動にアプローチすることで症状が改善することを経験する。呼吸筋と姿勢制御の関係や呼吸機能における体位の影響などを報告する文献は散見されるが、呼吸運動と姿勢や脊柱可動性との関連性について報告した文献は少ない。本研究では脊柱アライメントおよび脊柱可動性に着目し、呼吸時胸郭・腹部周径変化との関係について報告する。【方法】 対象は、本研究の内容を十分説明し同意を得た地域在住女性高齢者24名(年齢:68.3±7.9歳)である。脊柱アライメント測定はIndex社製スパイナルマウスを用いた。測定は坐位で行い、安静位・脊柱最大伸展位・脊柱最大屈曲位の3肢位で測定し、各肢位における胸椎・腰椎・骨盤アライメント(屈曲・前傾が正の値)を得た。また、脊柱最大伸展位における脊柱角度を胸椎・腰椎伸展可動性、骨盤については前傾可動性とした。最大屈曲位からも同様に胸椎・腰椎屈曲可動性と骨盤後傾可動性を得た。呼吸時胸郭・腹部周径測定は、測定位置を腋窩・剣状突起・第10肋骨・臍部レベルとし、測定肢位を背臥位とした。安静呼気位・最大呼気位・最大吸気位における周径を各レベルでメジャーを用い計測した。最大吸気位周径から最大呼気位周径を減じ、各レベルの胸郭拡張差を得た。また、安静呼気位と最大吸気位および最大呼気位との周径差を吸気可動性・呼気可動性とし、各々算出した。統計解析は、姿勢と呼吸パラメーターとの関連性についてSpearman順位相関係数を用い検討した。統計処理にはSPSSを用いた。【結果】 腰椎屈曲可動性と剣状突起レベル胸郭拡張差(以下CESxp、r=0.65,p<0.01)および剣状突起レベル呼気可動性(以下rROMpx、r=0.56,p<0.01)との間で有意な相関がみられた。また、骨盤後傾可動性についてもCESxp(r=-0.56,p<0.01)およびrROMxp(r=-0.41,p<0.05)と有意な相関がみられた。加えて、安静位腰椎アライメントと CESxp (r=0.42,p<0.05)にも有意な相関がみられた。【考察】 本研究より、坐位腰椎屈曲・骨盤後傾可動性と剣状突起レベルの胸郭拡張運動、特に呼気運動との関連性が高いことがわかった。また、安静坐位腰椎アライメントと剣状突起レベルの胸郭拡張差との間にも相関がみられたことから、姿勢と呼吸運動の関係についての示唆が得られた。一方で、本研究が呼吸機能と整形外科疾患との関連性について言及するには至らなかった。この点に関しては新たな呼吸パラメーターを用いた検討が必要と考える。
著者
吉田 城
出版者
京都大學文學部
雑誌
京都大學文學部研究紀要 (ISSN:04529774)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.1-96, 1991-03-29

この論文は国立情報学研究所の学術雑誌公開支援事業により電子化されました。
著者
吉田 博則 脇山 真治
出版者
芸術工学会
雑誌
芸術工学会誌 (ISSN:13423061)
巻号頁・発行日
no.54, pp.121-128, 2010-11-10

TV-CMでは、その導入部分でストーリー展開の間に、商品ラベルデザインに関連する映像が挿入されることが多い。商品ラベルデザインは、生活者が他の商品と見分ける上で重要な要素であり、店頭で並んだときの商品の顔に当たる部分である。本研究は、TV-CMの商品ラベルデザインの映像において、商品想起を高める表現手法の要因を明らかにすることを目的とする。そのために第一段階として、既存のTV-CMにおける商品ラベルデザインに関連する表現手法を考察した。その結果、商品想起を高める表現手法には、次のような4つのタイプの傾向がみられた。(1)商品ラベル部分を実写で紹介する。(2)商品ラベルから連想するイメージを合成エフェクトで強調する。(3)商品名ロゴタイプをタイトル文字としてレイアウトする。(4)商品デザインの一部を登場人物の日常空間に展開する。次に第二段階として、それらの中で最も基本的な(1)商品ラベル部分を実写で紹介する映像、つまり商品ラベル映像の効果について、認知心理学に基づく記憶実験を実施した。本実験では、既存のTV-CM映像ではなく、要素を簡略化した商品ラベル映像を3タイプ用意した。動きが全くない(1)フィックスタイプ、ラベル部分が序々に大写しになる(2)ズームインタイプ、カメラを振り込んで正面にラベルを捉える(3)パンニングタイプである。無意味なカタカナ2文字がデザインされた商品ラベル映像にこれらの表現手法を割り振り、どの表現が商品想起に優位であるか再認実験を行なった。その結果、パンニングは、フィックスよりも、商品想起において劣っていた。パンニングは被験者に対して左右に動くため、商品名の識別に支障をきたしたと考えられる。一方、ズームインは商品ラベル部分が序々に迫ってくる前後の動きである。これは商品ラベルを強調する表現手法であり、フィックスより有効であると予測したが、その逆の傾向であった。商品想起を基準に表現手法を評価すると、商品ラベル映像においては、最もシンプルなフィックスが効果的であることがわかった。
著者
エッカシット イントゥティパワン 飯島 健 道辻 洋平 ポンサトーン ラクシンチャラーンサク 吉田 秀久 永井 正夫
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
交通・物流部門大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2005, no.14, pp.339-340, 2005-12-06

This paper describes a part of incident situation of driver especially on vehicle sideslip situation. Nowadays, many researches aiming to develop the driving assistance system for decreasing traffic accidents are being conducted, but the best way to deal with this problem is to study about the main source of the accidents, that is driver. This research focuses on the driving behavior while doing double lane change and when the road friction is reduced suddenly by using driving simulator, which can be recorded to analyze the pattern of incident so that if the behavior that driver is going to do can be analyzed, the event that will be occurred can be predicted. Data are collected and used to find out the causes of incidents and the factors informing about the car spinning out of the course. In future, all of data will be used to synthesize the assistance system for assisting driver before accident happens.
著者
吉田 拓也 彌冨 仁
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 第31回ファジィシステムシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.379-382, 2015 (Released:2016-02-26)

メラノーマは悪性度の高い皮膚癌であり,見た目が母斑に酷似していることから,熟練した専門医でも診断精度は75~84%にとどまる.こうした背景から,メラノーマの自動診断に関する研究が進められてきたが,識別のために有効な特徴量を設計・抽出すること,及びその前処理となる腫瘍領域の抽出は非常に困難な処理である.本研究では深層畳み込みニューラルネットワーク(DCNN)と呼ばれる機械学習手法を採用することで,特徴量の抽出を学習の一環で行い,腫瘍領域の抽出処理を不要とした.319例の症例(良性244例,悪性75例)を用いて構築され,効果的な学習が行えるように工夫されたDCNNによるメラノーマ識別器は,5-分割交差検定において感度82.8%,特異度90.4%を達成した.