著者
寺田 喜己男 吉田 景畝
出版者
JAPAN SOCIETY OF NUTRITION AND FOOD SCIENCE
雑誌
栄養と食糧 (ISSN:18838863)
巻号頁・発行日
vol.13, no.4, pp.216-220, 1960

(1) クリームサンドの剥れ現象測定のため, 剥れ試験器を試作し適用した。<BR>(2) 測定値と感応評価による結果, クリームアイシングの剥れ接着力限界は80~90g/cm<SUP>2</SUP>にして, 70g 3cm<SUP>2</SUP>以下の接着力では容易に剥れ易い事が判った。<BR>(3) 剥れ現象にはBodyであるビスケットあるいはクラッカーの塗布面状態および使用ショートニングに特に影響を受ける事が判明した。<BR>(4) ショートニング, 粉糖の比が1:2なるクリームァイシングでは, 使用ショートニングのミクロペネトレーションが40~50mm/10をもって限界とし, 30mm/10以下では完全密着, 50mm/10以上では剥れ現象を呈し易い。<BR>(5) ショートニングのS. C. I. からは接着の限界点は40前後で, S. C. I. 30以下では危険であRる。
著者
島田 和佳 半田 政志 近藤 丘 佐藤 伸之 吉田 浩幸 岡田 克典 松村 輔二 高橋 里美 薄田 勝男 羽隅 透 谷田 達男 藤村 重文
出版者
特定非営利活動法人日本呼吸器外科学会
雑誌
日本呼吸器外科学会雑誌 (ISSN:09190945)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.39-43, 2000-01-15
被引用文献数
4

胸骨切除・再建を要した前縦隔脂肪肉腫の一手術例を経験したので報告する.症例は79歳男性で, 集団検診において, 右肺門部の異常陰影を指摘され精査加療目的で紹介入院した.良性縦隔腫瘍を疑い手術を行ったが, 術中所見にて前胸壁に浸潤を認めたため, 縦隔腫瘍摘除術並びに胸骨・肋骨合併切除を行った.胸壁再建にはMarlex meshでサソドイッチしたレジン板(methyl methacrylate resin)を用いた.術後経過は良好であったが, 術11カ月後に多発転移, 局所再発のため死亡した.脂肪肉腫は, 縦隔に発生することは稀であるため, 文献的考察を加えて報告する.
著者
大西 彩子 吉田 俊和
出版者
The Japanese Group Dynamics Association
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.111-121, 2010
被引用文献数
2

本研究の目的は,自己愛傾向,認知的共感性,情動的共感性,いじめに否定的な集団規範が生徒のいじめ加害傾向に与える影響を明らかにすることで,いじめの個人内生起メカニズムについて検討することである。188人(男子103人,女子85人)の中学生を対象に,自己愛傾向,認知的共感性,情動的共感性,関係性いじめ否定規範意識,直接的いじめ否定規範意識,関係性いじめ加害傾向,直接的いじめ加害傾向を質問紙調査で測定し,共分散構造分析による仮説モデルの検討を行った。主な結果は以下の通りであった。(1)各いじめ否定規範意識は,各いじめ加害傾向に負の影響を与えていた。(2)誇大的自己愛傾向は,各いじめ否定規範意識に負の影響を与えることで間接的に各いじめ加害傾向に影響を与えていた。(3)認知的共感性は,直接的いじめ加害傾向へ負の影響を与える直接効果と,関係性いじめ否定規範意識に正の影響を与えることで,関係性いじめ加害傾向に負の影響を与える間接効果がみられた。(4)情動的共感性は,各いじめ否定規範意識に正の影響を与えることで,間接的に各加害傾向に影響を与えていた。本研究によって,集団規範がいじめ加害傾向に影響を与える主な要因であることが示唆され,集団規範を考慮したいじめ対策を行うことの重要性が明らかになった。<br>
著者
小山 照幸 笠井 督雄 吉田 和彦 武田 聡 小川 武希
出版者
日本蘇生学会
雑誌
蘇生: 日本蘇生学会雑誌
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.33-37, 2010

2007年3月と2008年3月に同じ中学校で,3年生を対象に心肺蘇生法とAEDの講習を行い,同時に講習前にアンケート調査を行った。<br> 心肺蘇生法の講習経験のある生徒は約6割で,ひとりで心肺蘇生ができると答えた生徒は約3割と,2年間で変化はなかった。2007年秋にこの中学校にAEDが設置されたが,2008年のアンケートで,AEDの設置を知っている生徒は約8割,AEDの使用法を知っている生徒は4分の1で,2年間で変化がなかった。AEDを設置する際には,同時にその施設の関係者への教育が必須と思われた。中学生への心肺蘇生教育は救命率向上につながる可能性が高く,本人達の意欲も高いので積極的に進めるべきであると思われる。
著者
吉田 勝彦
出版者
日本生態学会
雑誌
日本生態学会誌 (ISSN:00215007)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.438-445, 2005-12-25
被引用文献数
1

一次生産量変動の大きさが動物の食性の幅の進化に与える影響を明らかにするため、進化的に構築された食物網に一次生産量変動を加えるコンピュータシミュレーションをおこなった。この食物綱は動物種と植物種で構成され、植物種は一次生産をおこない、単独で成長するが、動物種は他の種を捕食しないと生きられないとする。動物種は自分の好みに合う餌を選んで捕食する。動物種はそれぞれ違った食性幅をもち、食性幅が狭いほど、捕食によって取り入れたエネルギーを効率よく成長に使えると仮定する。シミュレーションの結果、一次生産量変動がない場合には食性幅の狭いスペシャリストが優占する傾向が見られた。小規模の一次生産量変動が加わると、食物綱全体の種数がわずかに減少する。この時、元々多くの餌を捕食しているジェネラリストにはほとんど影響がなかったが、少数の餌しか捕食していないスペシャリストの種数は大きく減少した。大規模な変動が加わるシミュレーションでは、時々大規模な一次生産量の減少が起こり、動物種の多くが絶滅し、その結果植物の種数が大幅に増加する。このような条件では、食性幅を広げればそれだけ多くの餌を得られるし、他の動物種との餌の競合も起こりにくいため、ジェネラリストが定着しやすくなる。そのため、大規模な一次生産量変動が加わるとジェネラリストが相対的に増加すると考えられる。
著者
椎橋 孝 奈良崎 孝一郎 吉田 元信 野上 貞雄
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.66, no.3, pp.327-328, 2004-03-25
被引用文献数
13

熊本県天草地方で害獣駆除のために射殺された野生ニホンイノシシおよび同地域の動物病院に来院した飼育ネコにおけるトキソプラズマ抗体の疫学調査を行った.イノシシにおける陽性率および疑陽性率は1.1% (1/90)および3.3% (3/90)であった.一方,ネコにおいては,陽性率O% (O/50),疑陽性率3.3% (1/50)であった.本地域のトキソプラズマの浸潤状況は比較的低いものであった.
著者
岩下 友也 吉田 等 津國 正一
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
地震工学研究発表会講演論文集 (ISSN:18848435)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.533-536, 1997

非線形有効応力解析を行い, 大地震時のロックフィルダムの残留変位を推定した. 飽和部のロック材料の構成式として, 累積損傷度から計算した塑性歪みを考慮できるDensificationモデルを用いた. 構成式のパラメータは, 密に締め固めたロック材料の繰返し中空ねじり試験結果のシミュレーションから求めた. 入力地震動としてはマグニチュード8.0相当の模擬地震動と, 兵庫県南部地震の際, ダムで観測された2種類の波形を用いた. 解析結果から上流側では地震中に発生する過剰間隙水圧の影響で, 下流側よりも比較的深い範囲で変形が生じた. 入力地震動の主要動の継続時間が, 最終的な残留変位量に大きな影響を及ぼす.
著者
吉田 右子 川崎 良孝
出版者
日本図書館研究会
雑誌
図書館界 (ISSN:00409669)
巻号頁・発行日
vol.64, no.5, pp.328-340, 2013-01

本研究ではオレゴン州スプリングフィールド市憲章,コロラド州憲法第2修正およびシンシナティ市条例という3つの同性愛差別法へのアメリカ図書館協会の反対運動に焦点を当て,図書館専門職団体としての協会の社会的責任をめぐる議論を検討した。差別法に対する協会の姿勢は明確であり,一貫して同性愛差別法への対抗的活動を行った。また同性愛差別を図書館専門職の問題として認識し,反差別に取り組むことが協会内で了解されていた。考察の結果,専門職団体としての協会は同性愛者保護を専門職の価値観に内包していたことが明らかになった。
著者
吉田 文 杉本 和弘 杉谷 祐美子 姉川 恭子
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01

2017年度は、国内調査と香港の訪問調査を実施した。国内調査は、国内4年制大学を対象に、過去15年程度のタイムスパンにおける教養教育の改革状況に関し、カリキュラム面と実施組織の両面からの改革状況を中心にしたアンケート調査を実施した。これは2003年に実施した調査と後継であり、ある程度同じ質問項目を用い、経年比較することを目的とするものである。その結果、カリキュラム面では、教養教育における大学教育への適応支援の科目がさらに増加し、教養教育が高校と大学との接続のための教育として用いられていること、他方で、2003年度調査では専門教育の学際化が進んでいたが、今回はむしろ専門教育の高度化が目指されていた。組織面では、教養教育の実施担当組織を設ける大学が増加傾向にあり、大綱化からの揺り戻しが生じているようである。香港調査では、香港大学、香港中文大学、香港科学技術大学、嶺南大学を訪問し、2012年の大学の4年制化にともなって導入が義務付けられた一般教育がどのように機能しているかについて、関係者へのヒアリングを実施した。導入の決定は2008年になされたが、4年間の猶予のなかで、どの大学もアメリカ、イギリスなどの大学を訪問し、どのような一般教育を構築するかの研究がなされて、どの大学も学際的カリキュラムの構築に注力されたこと、一般教育を担当を促進するために、departmentへの割り当てとともに担当することに対する補助金の付与を行い、インセンティヴを高める工夫をしていることが明らかになった。教員に対する一般教育担当のインセンティヴを高める方法は大学によって異なるものの、この工夫が一般教育の定着に寄与していると考えられる。
著者
吉田東伍 著
出版者
富山房
巻号頁・発行日
1917