著者
堀内 香里
出版者
内陸アジア史学会
雑誌
内陸アジア史研究 (ISSN:09118993)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.75-100, 2013-03-31 (Released:2017-10-10)

This article examines the social organization and its functions at the intermediate-level of a banner society of Khalkha Mongols during the Qing times. In the author's terminology, the "intermediate-level" means a level between a banner office and families at which social relations were adjusted. Although in recent years researchers have clarified the social structure of the Mongol banners in the Qing era, they have scarcely demonstrated how their organization worked. This paper aims to elucidate such a problem through examining how people dealt with the cases of "separation" in the Middle Front Banner of Setsen Khan Ayimag during the latter half of the Qing period. "Separation" is equivalent to the Mongolian word "saljiyud", which means the state where nomadic pastoralists dwell apart from groups. The examination showed that the cases of "separation" were handled by the organizations called "sumu" and "otog" at the intermediate-level of the banner society. In other words, the authorities administered its banner through these organizations, and the tayiji managed their own arad through the otog. This proves that management by tayiji and administration under the Qing dynasty were incorporated into a single system and functioned in the banner society of Mongols.
著者
堀井 悟志
出版者
公益財団法人 牧誠財団
雑誌
メルコ管理会計研究 (ISSN:18827225)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.29-45, 2021 (Released:2022-09-22)
参考文献数
22

本論文では,中期経営計画立案およびその後の期中管理に関する定性的研究によって,戦略化における中期会計目標の位置づけ・役割についてより詳細に検討した。その結果,特定の戦略や行動計画と結びついていない願望としての会計目標が社会コントロールとの補完関係のなかで達成すべき規範となることで,中間管理者にとっての戦略化の出発点および扇の要のような戦略的結節点として,組織に確固たる目標を与えるとともに,その目標に向かうからこそ企業活動に柔軟性をも与えているという会計目標の遂行性を明らかにした。また,その分析のなかで,経営管理期間の多様性,複雑性と相互関連性をも明らかにした。これらの知見は,管理会計の戦略化における役割についてだけでなく,管理会計における経営管理期間の適切性を明らかにしたという点で学術的な貢献をしたと考えられる。
著者
山崎 和彦 爲我井 敦史 堀 雅洋
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.60, no.6, pp.6_95-6_102, 2014-03-31 (Released:2014-06-10)
参考文献数
17

ユーザビリティ評価におけるインスペクション法では,実際に動作するプロトタイプやエンドユーザーの協力を必要としない.しかし,ユーザビリティ評価について実践的スキルを有する専門家の不足により,インスペクション法を適切に実施することは必ずしも容易でない.本研究では,ユーザビリティ評価の初心者として大学生の協力を得て,2種類のインスペクション法を用いてユーザビリティ評価を実施し予備的検討を行った.その結果,初心者がインスペクション法を実施する際に直面する主要な問題点が,対象ユーザー視点ならびに対象箇所の指定に関わるものであることを確認した.そして,それらの問題点への方策として,対象ユーザーの特徴分解法および壁を利用したヒューリスティック法を提案する.その上で,提案手法をユーザビリティ評価の初心者に使用してもらい,携帯電話端末の評価を行ない,その有用性を検証するとともに提案手法の利点と課題について考察する.
著者
岩堀 長慶
出版者
東京大学
巻号頁・発行日
1961

博士論文
著者
堀江 真子 伊藤 玄
出版者
公益財団法人 宮城県伊豆沼・内沼環境保全財団
雑誌
伊豆沼・内沼研究報告 (ISSN:18819559)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.63-72, 2022-07-31 (Released:2022-07-31)
参考文献数
15

2021 年11 月に岐阜県美濃市の用水路から74 個体のメダカ類が採集された.採集されたメダカ類の形態的特徴を観察したところ,このうち24 個体は,背側に虹色素胞が集まり光る形質(体外光)を有していた.この形態的特徴は,体外光メダカ(幹之メダカ)の特徴と一致したため,観賞魚メダカであると判断された.また,青体色のメダカ(青メダカ)や体側面に虹色素胞が集まり光る鱗を多数有するメダカ(ラメメダカ)などの観賞魚メダカも採集された.採集された個体は,市場価値の低い特徴も観察されたため,育種選抜時に不要となり,野外に遺棄された個体であると推測された.
著者
北村 真理 中西 尋子 堀内 理恵
出版者
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.80, no.4, pp.265-272, 2022-08-01 (Released:2022-09-17)
参考文献数
18

【目的】保育所から配付された印刷型,オンライン型の食育教材の家庭での活用状況を調べ,閲覧,活用に繋がる提供方法を検討する。【方法】A保育園に子どもが在籍する74家庭を対象とし,6種類の野菜の「含まれる栄養素」「保存方法」「新鮮さの見分け方」「レシピ」を紹介したオリジナルの食育教材をオンライン型と印刷型で配付した。介入期間は6週間とした。調査開始前にオリジナルの教材専用ホームページ(HP)へのアクセスに必要なQRコード,パスワードなどを記載した書面を園より配付し,閲覧をお願いした。1~3週目は前述のHPにオンライン型教材を1週間ごとに計3回アップした。4~6週目は印刷型教材を1週間ごとに計3回,園より配付した。介入終了後,配付した食育教材の活用状況についてのアンケート調査を実施した。【結果】教材の閲覧率は印刷型で93.7%,オンライン型で37.5%であった。印刷型教材の使用状況は理論値との間で有意な差がみられた。配付した食育教材の良かった点はオンライン型,印刷型ともに「閲覧のしやすさ」が一番多かった。印刷型教材の使いやすさは,紹介したすべての項目において,使いやすそう,使いやすかったと回答した人の割合が多く,理論値との間で有意な差がみられた。【結論】保育現場からの家庭向けに教材を作成し配付する際には,印刷型教材の利点を生かし提供することで,教材の閲覧率は高まると考えられた。
著者
森田 尚樹 佐藤 幸男 櫻井 裕之 横堀 將司 石川 秀樹 梶原 一 海田 賢彦 松村 一 福田 令雄 濱邉 祐一 磯野 伸雄 田上 俊輔 藤原 修 副島 一孝 新井 悟 佐々木 淳一
出版者
一般社団法人 日本熱傷学会
雑誌
熱傷 (ISSN:0285113X)
巻号頁・発行日
vol.48, no.3, pp.76-89, 2022-09-15 (Released:2022-09-15)
参考文献数
17

東京都熱傷救急連絡会は熱傷救急ネットワークとして参画施設よりデータを収集, 分析し熱傷に関する啓発活動等を行っている. 今回1991年から2020年の30年間分9,698症例のデータを5年ごとに分け分析し, 熱傷症例の傾向を検討した.  総症例数に大きな変化は認めず, おもな受傷原因はflame burn, scald burn, inhalation injuryの順に多かった. 平均熱傷面積は有意に減少を認め, 平均年齢は有意に上昇し, 死亡率は有意に低下を認めた. 死亡症例の平均年齢は有意に上昇し, 平均熱傷面積は減少した. 死亡症例のBIは有意に減少したが, PBIは変化を認めず, 100をこえると死亡率は60%以上となった. 原因別症例数推移は, scald burnは増加傾向を, inhalation injuryは有意に増加した. これに対し, flame burnは有意に減少を認めた. Flame burnでは火災, コンロ等, 自傷行為, scald burnではポット・鍋の湯・油, 熱い食べ物, 風呂・シャワーがおもな受傷原因であった.  年齢別症例数は, 年少年齢 (0~14歳) ではポットの湯や油によるscald burn症例が増加傾向にあり, 対して火災によるflame burn症例は減少傾向を示した. 生産年齢 (15~64歳) では火災や自傷行為によるflame burn症例は減少傾向を認めた. 老年年齢 (65歳以上) では火災, コンロによるflame burn, 熱い食べ物, ポットの湯によるscald burnで症例数の増加を認めた. 出火原因はタバコの火の不始末 (不適当な場所への放置), 焚火, コンロが多く, 今後高齢者人口の増加に伴い, タバコの火の不適切な場所への放置, 焚火への注意喚起や, コンロ等のIH化や難燃性の衣類の推奨, ポットや鍋等の熱い食べ物による熱傷に対する啓発活動が重要であると考える.
著者
梅本 実 堀内 一也 田村 今男
出版者
The Iron and Steel Institute of Japan
雑誌
鉄と鋼 (ISSN:00211575)
巻号頁・発行日
vol.68, no.3, pp.461-470, 1982-03-01 (Released:2009-06-19)
参考文献数
23
被引用文献数
22 25

To obtain a general cooling transformation kinetics of steels from its isothermal transformation kinetic data, a bainite transformation has been investigated in present study. The main results obtained are as follows:(1) The isothermal transformation behaviour of bainite for the steel used in present investigation (JIS, SUJ2) can be expressed by the Johnson-Mehl type equation.(2) The bainite trasformation is retarded with an increase in the austenite grain size. The nucleation site of bainite is mainly on austenite grain surface but some homogeneous nucleations in the matrix are also found.(3) The equation expressing the transformation bahaviour of bainite during continuous cooling has been derived from the experimentally obtained isothermal transformation kinetics. It is examined that this equation well expresses the actual continuous cooling transformation behaviour.(4) The above result showing that additivity rule for transformed fraction is hold for bainite transformation during continuous cooling and cooling transformation behaviour can weell be predicted using the isothermal transformation kinetics.
著者
須長 史生 小倉 浩 堀川 浩之 倉田 知光 正木 啓子
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和学士会雑誌 (ISSN:2187719X)
巻号頁・発行日
vol.79, no.6, pp.734-751, 2020 (Released:2020-05-12)
参考文献数
7

本研究は,2016年から3か年にわたって計画されている「インターネットを活用したセクシュアル・マイノリティに関する学生の意識調査」の2年目にあたり,本稿はその調査結果を記した「セクシュアル・マイノリティに対する大学生の意識と態度:第1報」(須長他[2017])の続編となる.本研究の目的は18歳から20代前半の男女の,性的マイノリティに対する意識や態度を明らかにすることである.目的を達成するために,首都圏の医療系A大学の一年生445名(男子129名,女子313名,その他3名)に対してアンケート調査を行った.本調査は昨年度同様に,プライバシーの確保と回収率の向上のために,インターネットを活用することとし,学生はスマートフォンもしくはタブレット端末を用いてアンケートに回答した(回収率76.6%).質問肢の作成およびデータの分析では前年度の調査をまとめた須長他[2017]を参考にし,その比較において若者,特に今回は18歳から20代前半まで大学生の,性的マイノリティに対する意識や行動の実情の把握を試みた.調査の結果,今年度の調査対象者の持つ特徴として,前年度に比べて性的マイノリティに関する客観的知識量が少ないこと,性的マイノリティとの接触機会はほぼ同程度であること,身近な同性愛者に対する嫌悪感情が低いこと,そして性的マイノリティに対する意識に,男女差がみられる項目が多いことが明らかになった.本調査は,前年度と異なり,差別や人権をテーマにした必修科目の授業の前に実施された.そのため調査実施のタイミングが回答傾向に影響を及ぼした可能性があり,考察にはその点も考慮に入れている.
著者
樫山 武士 大堀 敏郎 塩原 学 村野 義行 松本 拓哉
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.53, no.4, pp.821-826, 2022 (Released:2022-07-25)
参考文献数
8

塗装中の水圧や熱による車体の変形に対しCAEによる予測や対策が進められているが、予測精度の検証には工程中での変形測定が必要である。そこで、耐水・耐熱の変位測定装置を製作し、槽内や電着乾燥炉内での車体外板の変位を測定した。また、乾燥炉内での熱変形について実測とCAEの結果を比較しその妥当性を検証した。
著者
中川 靖夫 大久保 和明 堀内 元美 戸沢 均 小林 健二 堀江 和泉 千田 直道
出版者
社団法人照明学会
雑誌
照明学会誌 (ISSN:00192341)
巻号頁・発行日
vol.82, no.8A, pp.588-593, 1998

An intercomparison of relative spectral responsivity measurements of illuminance meters was carried out among five companies-TOPCON, HIOKI, Minolta Co., Ltd., Yokogawa M&C Corp.and Matushita Electric Industrial Co., Ltd. The spectral responsivity of the illuminance meters were measured by each company's spectral responsivity measurement system calibrated to each company's standard. As a result, the measured values of f_s(f_s is error definition of relative spectral responsivity recommended by Japanese Industrial Standard JIS-C-1609)were different within 1.7. The f_s is identical with f_1' recommended by CIE.