著者
細田 隆介 久野 篤史 中島 龍汰 朝倉 聖大 岩原 直敏 野島 伊世里 國本 梨沙 堀尾 嘉幸
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学会年会要旨集 第95回日本薬理学会年会 (ISSN:24354953)
巻号頁・発行日
pp.2-YIA-44, 2022 (Released:2022-03-21)

[Background] SIRT1, an NAD+-dependent deacetylase, positively regulates autophagy, which maintains muscle mass and declines with age. We previously reported that treatment with resveratrol (RSV), an activator of SIRT1, restores muscle autophagy and preserves muscle mass in a mouse model of Duchenne muscular dystrophy. We hypothesized that RSV attenuates age-related muscle atrophy by activating SIRT1 and autophagy.[Methods and Results] DDY mice were treated with either a control diet or a diet containing RSV (0.4 g/kg diet) from 23 weeks of age, and tissues of tibialis anterior muscle were analyzed at 60 weeks old. Rotarod running time was shortened with aging; however, RSV treatment preserved running time. RSV blocked the aging-related increase in acetylated lysine levels in muscles, suggesting that RSV restored deacetylase activity of muscle SIRT1. Compared with 20 weeks old mice, the myofiber diameter was decreased in untreated 60 weeks old mice. In addition, LC3-II/LC3-I ratio, a marker of autophagic activity, was decreased and p62 and ubiquitinated protein levels, which are degraded by autophagy, were increased in muscles of 60 weeks old mice, suggesting impaired autophagy by aging. RSV treatment preserved the myofiber diameter, increased LC3-II/LC3-I ratio, and decreased p62 and ubiquitinated protein levels. RSV did not change activities of signals that regulate autophagy including AMPK and mTORC1.[Conclusion] These results suggest that RSV attenuates age-related muscle atrophy and motor dysfunction by activating SIRT1 and promoting autophagy.
著者
本郷 一博 柿澤 幸成 後藤 哲哉 堀内 哲吉
出版者
一般社団法人日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.17, no.9, pp.666-672, 2008-09-20 (Released:2017-06-02)
参考文献数
12
被引用文献数
1 1

内頸動脈paraclinoid aneurysmの手術に際しては,硬膜輪およびこの近傍の解剖学的構造を十分に理解しておく必要がある.骨構造で重要なものは,前床突起,視神経管,optic strutなどであり,血管では,内頸動脈のほか,眼動脈,上下垂体動脈,海綿静脈洞などである.膜構造として硬膜輪のほか,falciform ligament,proximal ring,神経としては,視神経,動眼神経がそれぞれ重要な構造である.硬膜輪は,前床突起を除去すると内頸動脈を全周性に囲む膜様構造としてよく認識される.前床突起の底面の薄い膜はproximal ringと呼ばれ,この膜の近位側が海綿静脈洞である.眼動脈に注意しつつ硬膜輪を内頸動脈外膜から切離することにより内頸動脈に可動性が得られ,内頸動脈のさらに近位の処理が可能となる.本稿では,屍体脳で硬膜輪近傍のこれらの構造物の相互関係を示し,実際の手術症例も供覧しつつ解剖に基づいた内頸動脈paraclinoid aneurysmの手術の要点を述べる.
著者
堀上 大貴 小林 幸司 村田 幸久
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.155, no.6, pp.395-400, 2020 (Released:2020-11-01)
参考文献数
46

血管は正常時,高分子を透過させずに酸素や栄養素などの低分子のみを透過させる.しかし,組織で炎症が惹起されると血管の透過性は亢進し,血漿中の高分子や水分が血管外に漏出する.これが免疫細胞の浸潤や炎症性メディエーターの産生の引き金となって炎症をさらに進行させる.血管透過性の亢進は,炎症を背景にもつ疾患の進行に深く関わるが,その制御機構については未だ不明な点が多い.血管透過性の制御に関与する細胞として,血管を構成する内皮細胞と血管壁細胞の2つが挙げられる.内皮細胞は血管の内腔側を覆い,内皮バリアを形成する.一方血管壁細胞は収縮・弛緩することで下流組織の血流量や血圧を調節する.内皮バリアの強化と血管の収縮は透過性を抑制する要因であり,内皮バリアの崩壊と血管の弛緩は血管透過性を亢進する要因となる.プロスタノイドは炎症刺激に応じて産生される低分子生理活性脂質であり,痛みや発熱,細胞浸潤などを引き起こす他,血管透過性にも大きな影響を及ぼす.本稿では,炎症性生理活性脂質として広く知られるプロスタグランジン(PG)E2をはじめとして,PGI2,PGF2α,PGD2,トロンボキサン(TX)A2が血管透過性に与える影響について,内皮細胞や血管壁細胞に発現する各々のGタンパク質共役型受容体の発現量やその働きに注目して整理してみたい.
著者
大森 みさき 今井 理江 佐藤 修一 堀 玲子 長谷川 明
出版者
特定非営利活動法人 日本歯周病学会
雑誌
日本歯周病学会会誌 (ISSN:03850110)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.43-48, 2000-03-28 (Released:2010-08-25)
参考文献数
18
被引用文献数
6 5

日常, 特に口臭を認めない日本歯科大学新潟歯学部の学生および職員30名の口臭の変動を口腔内の揮発性硫黄化合物の濃度を測定するポータブルサルファイドモニター (Halimeter RH17®Interscan社, アメリカ) を用いた揮発性硫黄化合物量測定と官能試験によって1日5回 (朝食前, 朝食後, 昼食前, 昼食後, 夕食前) 経時的に測定しその日内変動を調べた。また, そのうち8名に対し経時的に口腔内診査を行い, 安静時唾液量, 唾液pH, プラーク, 舌苔の付着などを調べ, 口臭と臨床的パラメータの関連についても検討を行った。その結果, 性別による口臭に差がないことが明らかになった。また, 朝食前では何らかの口臭を認めることが示され, 食事の摂取によって減少する傾向がみられた。臨床的パラメータと口臭との関係では朝食前において舌苔付着量とハリメーター値との間に有意な関係が認められたが, 他のパラメータとでは有意ではなかった。これらの結果から舌苔が生理的口臭に影響を与えていることが示唆された。
著者
桜井 淑男 小幡 徹 堀口 徹 鳥海 和弘 鹿瀬 陽一 谷藤 泰正
出版者
The Japanese Society of Intensive Care Medicine
雑誌
日本集中治療医学会雑誌 (ISSN:13407988)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.143-144, 2004-04-01 (Released:2009-03-27)
参考文献数
6

We have developed a high sensitive method of measuring the serum endocannabinoids (anandamide, ABA and 2-arachidonyl-glycerol, 2-AG) by gas chromatography and mass spectrometry (GC/MS) with isotope dilution. We measured the serum endocannabinoids in 5 esophageal and 5 lung cancer patients perioperatively with GC/MS to clarify the relationship between perioperative inflammation and endocannabinoids. It was demonstrated that ABA didn' t significantly change perioperatively, although the pre and postoperative 2-AG concentrations in the cancer patients were significantly higher than the control value (P<0.05) and that AEA did not change perioperatively in significant manner. Therefore, 2-AG may play a pivotal role in perioperative inflammation.
著者
繆 冶煉 堀部 和雄 野口 明徳
出版者
一般社団法人 日本食品工学会
雑誌
日本食品工学会誌 (ISSN:13457942)
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.53-58, 2002-06-15 (Released:2010-06-08)
参考文献数
20

In order to clarify the rheological characteristics of the coagulated egg processed by ohmic heating, heating rate of liquid egg containing 0-2% salt was investigated under conditions of applied voltages ranged from 19 to 73 V and constant frequency of 60 Hz, and then the rheological behavior of coagulated egg was studied with stress relaxation tests in which the material was compressed to a constant strain.The average heating rate of liquid egg was directly proportional to the square of applied voltage, and it increased linearly with increasing salt content. The stress relaxation of coagulated egg consisted of three steps that could be expressed with a five-element Maxwell model. Analysis of the stress-relaxation of coagulated egg showed that the viscosity decreased, while the elasticity increased with increasing salt content in the range of 0-0.5%. However, there was no apparent effect of applied voltage on the viscoelasticity of coagulated egg.
著者
岩堀 修一 高橋 和彦
出版者
THE JAPANESE SOCIETY FOR HORTICULTURAL SCIENCE
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.32, no.4, pp.299-302, 1963 (Released:2007-05-31)
参考文献数
4
被引用文献数
1 1

1. トマト福寿2号苗を用いて, 第1花房第1花が開花のとき, 40および45°Cそれぞれ1, 3, 6, 15時間高温処理を行なつた。2. 収量からみると40°C 1時間区は対照区と差がなかつた。それ以外の区では減収し, その程度は処理温度が高いほど, また処理時間が長いほど著しかつた。3. 人工発芽床による花粉の発芽試験の結果, 成熟花粉の発芽は, 40°C 1時間区でも非常に不良であつた。4. おのおのの蕾への高温の影響をみると, 開花8~9日前ごろの蕾が高温に対して最も弱く, 40°C 1時間でも障害をうけた。これと花粉発芽試験の結果から, 40°C 1時間程度の処理でも高温障害が現われると思われる。
著者
堀内 ゆかり Yukari Horiuchi
出版者
学習院大学外国語教育研究センター
雑誌
言語 文化 社会 = Language, cultute and society (ISSN:13479105)
巻号頁・発行日
no.19, pp.120-147, 2021-03

「フランス語ができるようになったら何をしたいですか?」、と毎年初回の授業アンケートで学生にきいている。「旅行に行ったときに使ってみたい」「フランス語圏の人と話してみたい」という答えとともに、数は多くないがかならず「絵本を読んでみたい」という声がある。これをきっかけに、教材として使えそうなフランスの絵本を探してきた。『星の王子さま』を挙げる学生も時々いるが、この本のフランス語は意外とむずかしい。紆余曲折1 を経て『ぞうのババール』にたどり着いた。本稿では『ぞうのババール』の原書および日本での翻訳について、この本を教材として使う実践について述べていきたい。
著者
堀 巌雄
出版者
早稲田大学
巻号頁・発行日
2009

制度:新 ; 報告番号:甲2947号 ; 学位の種類:博士(学術) ; 授与年月日:2009/11/12 ; 早大学位記番号:新5187
著者
堀一郎 著
出版者
東京創元社
巻号頁・発行日
vol.第1 (序編,伝承説話編), 1955
著者
赤堀 侃司
出版者
AI時代の教育学会
雑誌
AI時代の教育論文誌 (ISSN:24364509)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.1-6, 2019 (Released:2021-09-10)
参考文献数
10

人工知能(以下,AIと略す)と人の特性についてチューリングテストを用いて抽出した結果を基に, 学習に適用することを目的として本研究を実施した。チューリングテストを用いて,問いかけに対してAIが答える回答と特定の人が答える回答を,60名の実験協力者に提示し,どちらの回答がAIかを判定してもらいその正答率を求めた。同時にAIの回答内容を吟味して,もし人間だと仮定したらどの年齢レベルかを推定してもらった。その結果,AIだと正答した率は17問全体の平均値が0.81と高い値であった。また人間だと仮定した時の推定年齢は,平均的にはおよそ中学生レベルと推定された。ただし,この結果は提示した問いの内容に強く依存することがわかった。さらに年齢推定において,その理由を自由記述で書いてもらい分析した結果,AIと人間の顕著な特徴が見出せた。この結果を元に, AI時代を生きる子どもたちの学習についての示唆を得た。
著者
宗像 亮 小谷 英太郎 西城 由之 渋井 俊之 細川 雄亮 神谷 仁孝 吉川 雅智 堀江 格 上村 竜太 松本 真 中込 明裕 草間 芳樹 新 博次
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.40, no.12, pp.1113-1118, 2008-12-15 (Released:2013-05-24)
参考文献数
18

症例は29歳,男性.以前より安静時胸部違和感の自覚あり.自宅で昼寝中に意識消失し,家人が心臓マッサージを行い救急車を要請.救急隊到着時は心室細動(ventrlcular fibrillation ; VF)で,除細動後に無脈性電気活動となり心肺蘇生術を継続し当院救命センターへ搬送された.収容後もVFは再発を繰り返し血行動態維持に補助循環〔経皮的心肺補助装置(percutaneous cardiopulmonary support ; PCPS),大動脈内バルーンパンピング(intraaorticballoon pumping ; IABP)〕を要したが順次離脱できた.洞調律復帰後の心電図でST下降を認めたため冠動脈造影を施行.冠動脈に有意狭窄は認めなかったがアセチルコリン(acetylchoiine ; ACh)負荷試験にて左冠動脈に心電図変化を伴うほぼ完全閉塞にいたる冠攣縮が誘発された.諸検査でほかに基礎疾患を認めず冠攣縮性狭心症によるVFと診断した.カルシウム拮抗薬の投与後発作なく,服薬下で再施行したACh負荷試験で冠攣縮が誘発されないことを確認し,植込み型除細動器の植え込みは行わなかった.VF例では救命することに加え原疾患の診断が重要であり,若年者のVF例で原因診断と後遺症を残さず社会復帰をし得た貴重な1例を経験したので報告する.
著者
中村 和芳 須加原 一昭 一安 秀範 江崎 紀浩 堀尾 雄甲 浦本 秀志 松岡 多香子 今村 文哉 小松 太陽 天神 佑紀 松本 充博 杉本 峯晴 興梠 博次
出版者
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
雑誌
気管支学 (ISSN:02872137)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.223-229, 2015-03-25 (Released:2016-10-29)

背景.メンソールタバコが原因と示唆された急性好酸球性肺炎(acute eosinophilic pneumonia : AEP)の2例を経験した.症例1. 16歳.男性.非メンソールタバコを2年間喫煙していたが1カ月間の禁煙後, 1カ月前からメンソールタバコの喫煙を再開した.突然の発熱と呼吸困難のため受診し,胸部X線写真およびCTにて右肺優位にすりガラス陰影,小葉間隔壁の肥厚,両側胸水貯留を認めた.症例2. 18歳男性.メンソールタバコの喫煙を開始し, 3週間後,乾性咳嗽,発熱のため受診した.胸部X線写真およびCTにて両肺にすりガラス陰影,小葉間隔壁の肥厚,両側胸水貯留を認めたため入院となった. 2症例とも気管支肺胞洗浄液(bronchoalveolar lavage fluid : BALF)中に著明な好酸球増多を認めたためAEPと診断し,ステロイド投与により解熱し,呼吸困難,すりガラス陰影は速やかに消失した.結語.メンソールタバコによると推測されるAEPの2例を経験した. AEPの原因としてメンソールタバコが考えられ,重要な症例と考えられたため文献的考察を含めて報告する.
著者
林 健太郎 堀江 信貴 陶山 一彦 永田 泉
出版者
一般社団法人 日本脳卒中の外科学会
雑誌
脳卒中の外科 (ISSN:09145508)
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, pp.179-182, 2012 (Released:2013-03-09)
参考文献数
21
被引用文献数
2 1

Moyamoya disease (MMD) is characterized by progressive occlusion of the internal carotid artery or its terminal branches, associated with formation of extensive collateral vessels (moyamoya vessels) at the base of the brain. Whether unilateral moyamoya disease, confirmed by typical angiographic evidence of moyamoya disease unilaterally and normal or equivocal findings contralaterally, is an early form of definite (bilateral) moyamoya disease remains controversial. Inherited or acquired disorders and conditions may present in conjunction with moyamoya disease. This condition is known as quasi-moyamoya disease (quasi-MMD). We attempted to determine the incidence and total patient number of moyamoya disease, unilateral MMD and quasi-MMD, who were treated during 2005 in Japan. Questionnaires were sent to 2,998 departments, which are listed in resident training programs of neurosurgery, neurology and pediatrics. Totally, 1,183 departments replied, and the response rate was 39.5%. The number of annual first-visit patients of MMD, unilateral MMD and quasi-MMD is 571, 118, and 53, respectively. Thus, the number of annual revisit patients of MMD, unilateral MMD and quasi-MMD is 2,064, 214, and 117 respectively. It is estimated that 6,670.9 MMD patient exists in Japan. The incidence rate of MMD, unilateral MMD and quasi-MMD is 1.13, 0.23 and 0.11/100,000, respectively, and the prevalence is 5.22, 0.66 and 0.34/100,000, respectively. This nationwide study revealed the present epidemic status of MMD, unilateral MMD and quasi-MMD.