著者
藤淵 俊王 藤田 克也 五十嵐 隆元 西丸 英治 堀田 昇吾 桜井 礼子 小野 孝二
出版者
公益社団法人 日本放射線技術学会
雑誌
日本放射線技術学会雑誌 (ISSN:03694305)
巻号頁・発行日
vol.77, no.2, pp.160-171, 2021 (Released:2021-02-20)
参考文献数
21
被引用文献数
2

Purpose: To investigate the actual condition of the crystalline lens equivalent dose and effective dose according to the type of job and the type of duties in a medical institution. We also sought to clarify effective exposure reduction strategies. Methods: Equivalent crystalline lens doses, effective doses, job type, and duties for 8656 persons · year were obtained from 17 medical facilities. We analyzed the relationship between the effective dose and the crystalline lens equivalent dose in uniform exposure control and non-uniform exposure control conditions. Exposure data were obtained for 13 unique job types and duties. Results: The ratio of the lens equivalent dose to the effective dose of non-uniform exposure managers was 2 to 6 times and varied depending on the occupation. The percentage of persons whose annual lens equivalent dose exceeded 20 mSv was 4.75% for medical doctors, 1.17% for nurses, and 0.24% for radiological technologists. Highly exposed tasks included doctors in cardiology and gastroenterology performing angiography and endoscopy, nurses in endoscopy, and radiological technologists in radiography and CT examinations. Conclusion: Thorough unequal exposure control for operations with high crystalline lens exposure, radiation protection education, and effective use of proper personal protective equipment such as the use of radiation protection glasses may reduce lens exposure levels.
著者
赤堀 渉 平井 辰典 森島 繁生
雑誌
研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC) (ISSN:21888914)
巻号頁・発行日
vol.2015-EC-38, no.8, pp.1-6, 2015-12-04

本稿では,字幕付き映像における視線移動の少ない字幕配置法を提案する.従来の画面端に固定された字幕では,映像で視線が集中する領域と字幕が離れている場合に視線移動が増えるため,映像を満足に鑑賞することができなかった.既存研究では,映像内容の理解度の向上のために動的に字幕を配置したが,字幕なし映像のどこに視線が集まるかを考慮していないため,字幕に視線が誘導され映像を集中して鑑賞することができなかった.そこで本研究では,字幕付き映像における新たな字幕配置方法を提案する.提案手法では,字幕なし映像に対して視線が集中する領域と字幕が重なることを避けるため,複数人の視線情報を測定し映像において視線が集まりやすい領域を算出する.その後,鑑賞者の字幕に対する認知的な負荷を考慮するため,字幕配置のルールとして注目される領域の下部に固定して字幕を配置する.また,評価実験により提案手法の有効性を示した.
著者
出射 隆文 堀家 正則 岩田 知孝
出版者
公益社団法人 日本地震学会
雑誌
地震 第2輯 (ISSN:00371114)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.217-232, 1985-06-25 (Released:2010-03-11)
参考文献数
18
被引用文献数
1 2

We have investigated the characteristics of S coda waves on a sedimentary basin for examining if they may be applicable to estimate the stable amplification factor. The results are as follows: (1) R. M. S. amplitude ratios of coda waves observed on the basin to coda waves on the nearest rock site were inconsistednt with the ratios of S waves between the above two sites for frequecies lower than 3Hz. The ratios of coda waves scattered as much as those of S waves. (2) The phase velocities determined for coda waves on the basin were consistent with those of Rayleigh waves estimated by another study. (3) Comparing coda waves observed on the basin with those synthesized through convolving the SH wave response for the basin and the seismogram on the rock site, the former was much smaller than the latter. From the above three results, coda waves on the basin seem to consist of not only single-scattering S waves but also surface waves generated locally. It is therefore difficult to estimate reliable amplification factor from coda waves observed on the sedimentary basin.
著者
寺田 昭彦 堀 知行 久保田 健吾 栗栖 太 春日 郁朗 金田一 智規 伊藤 司
出版者
公益社団法人 日本水環境学会
雑誌
水環境学会誌 (ISSN:09168958)
巻号頁・発行日
vol.45, no.3, pp.91-105, 2022 (Released:2022-05-10)
参考文献数
119

近年の超高速シーケンサー技術, 顕微鏡, 質量分析装置の開発のスピードは目覚ましいものがあり, 純然たる環境微生物学や微生物生態学を専門としない工学系研究者でも複合微生物系の機能や活性の解明といった, 微生物群集の高度な生理生態解析が行えるようになっている。このような潮流により, 水処理施設に潜む新奇微生物の存在や, 新機能の発見が進んでいる。本総説では, 水処理施設や自然環境の水質変換に関与する微生物の遺伝子, 細胞, 活性, 代謝物を高解像度に診る最新手法の紹介を行う。さらに, 手法の導入によってもたらされた水処理施設に存在する微生物群の生理生態に関する最新知見と今後の水処理技術の進展に向けた微生物生態研究の展望について概説する。
著者
栗駒 かおり 池 康平 畑 知宏 久木 はる奈 堀 晋之助 河合 春菜 服部 暁穂 山田 めぐみ
出版者
日本理学療法士協会(現 一般社団法人日本理学療法学会連合)
雑誌
理学療法学Supplement Vol.36 Suppl. No.2 (第44回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.A3P3052, 2009 (Released:2009-04-25)

【目的】 有酸素運動として一般的にはウォーキング(速歩)、ジョギング、サイクリング、水中運動等が挙げられる.しかし、臨床では心疾患及び骨・関節疾患等の身体的なリスクがある場合において、自転車エルゴメーター(以下エルゴ)及びリカンベントを用いることが多い.それらを使用するにあたり、それぞれの特性を把握しておくことは重要である.しかし、エルゴとリカンベントを比較した報告は少ない.そこで我々は、双方に心肺運動負荷試験(以下CPX)を実施し、駆動姿勢の変化が有酸素運動に及ぼす影響について検討した.【方法】 対象は同意を得た健常成人10名(男性6名女性4名、年齢24.6±5.4)とした. エルゴを使用し、起立座位及び、リカンベント様姿勢にて回転数60rpmのRamp負荷法(男性20watts/min、女性15watts/min)でCPXを施行した.呼気ガス分析はミナト医科学社製エアロモニターAE300Sを用いた.比較項目は、運動開始から嫌気性代謝閾値(AT)までの負荷増加に対する酸素摂取量(AT-V(ドット)O2)・時間(AT-Time)・負荷量(AT-Load)とした.また、同様に呼吸性代償点(RC)までの、酸素摂取量(RC-V(ドット)O2)・時間(RC-Time)・負荷量(RC-Load)・ATからRCまでの酸素摂取量(AT- RC V(ドット)O2)、及びボルグスケールも算出・比較した.統計処理はスチューデントのt検定を用いて検討した.有意水準は5%未満とした.【結果】 CPXから得られた双方の各指標は有意な差を認めなかった.また、V(ドット)O2及びボルグスケールは有意差を認めなかったが、リカンベント様姿勢での施行が高値傾向であった.【考察】 本研究において駆動姿勢の変化は、CPXの各指標には有意な差を認めなかった.このことから、身体的なリスク(肥満、高齢者、長時間の端坐位が困難な腰部疾患や体幹が不安定な片麻痺)を有し、エルゴ使用困難な場合、リカンベントを使用することで、エルゴと同様の有酸素運動が実施出来ることが示唆された. しかし、ボルグスケールや動員筋活動に影響すると言われているV(ドット)O2はAT及びRCにおいて有意な差を認めないが、リカンベント様姿勢が高値傾向であり、被検者からは下肢の疲労の訴えが多かった.その原因として、リカンベント様姿勢は体幹が固定され下肢を中心とした運動が多い、また、駆動時の下肢の運動方向がエルゴでは従重力位に対し、リカンベント様姿勢は水平方向であったため、筋活動に違いを生じたのではないかと考える.このことから、リカンベントの使用は有酸素運動に限らず機能訓練にも有効であると考えられる.本研究では双方の下肢筋活動量は測定していないが、今後それらを比較・検討する必要がある.【まとめ】 本研究により、エルゴ使用時の駆動姿勢の変化は双方ともに同様の有酸素運動効果が得られると示唆された.
著者
長沼 誠 藤井 俊光 長堀 正和 渡辺 守
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.108, no.3, pp.388-400, 2011 (Released:2011-03-07)
参考文献数
91

クローン病の治療には栄養療法と薬物療法があるが,抗体製剤の登場によりクローン病の治療法や治療目標,長期予後などが大きく変わってきている.6-MP,AZAを中心とした免疫調節薬は抗体製剤が登場する前より難治例を中心に使用されており,特にステロイド依存例のステロイド減量や寛解維持に有用な薬剤である.長期予後の観点からみて6-MP,AZAは腸管粘膜治癒効果,術後の再燃防止効果を有するが,抗体製剤と比べその効果は限定的である.免疫調節薬を早期に使用することにより長期予後が改善される可能性も考えられるが,骨髄抑制,感染症,さらには最近注目されているリンパ腫発生の可能性を考慮し,有用性と副作用のバランスを考えながら使用することが大切である.
著者
黒住 献 松本 広志 大矢 敏裕 多胡 賢一 室谷 研 内田 紗弥香 尾林 海 家里 裕 横森 忠紘 堀口 淳 竹吉 泉 長谷川 剛
出版者
日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会
雑誌
日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 (ISSN:21869545)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.76-79, 2012 (Released:2013-01-31)
参考文献数
11

症例は67歳,女性。甲状腺機能の異常を認めたため,当科を紹介された。局所所見では甲状腺のびまん性腫大を認め,その中に大きさ3.5×2.3cmの境界明瞭,平滑,弾性硬,可動性良好な腫瘤を触知した。血液検査では,free T3,T4の上昇,抗TSHレセプター抗体陽性を認めた。超音波検査では甲状腺左葉に3.5cm大,右葉中部に1.0cm大の腫瘤像がみられた。99mTc-O4シンチグラムでは左葉上中部の腫瘤に一致する強い集積と右葉中部に淡い集積を認め,その周辺の甲状腺組織にも淡い集積が認められた。以上の所見からMarine-Lenhart症候群(Plummer病を合併するBasedow病)と診断し,メルカゾール30mg/dayを約1ヵ月間投与した。しかし,甲状腺機能の正常化が認められないため,機能性甲状腺結節の切除を含む甲状腺亜全摘術を施行した。病理学的所見では,2つの結節はadenomatous goiterの像を示していたが,濾胞を形成する細胞の高さは通常よりも高く,肥大していた。一方,結節外の背景の甲状腺濾胞上皮細胞には肥大所見は認められず,正常の濾胞上皮細胞と同等の像を示していた。術後,甲状腺機能亢進は比較的速やかに正常化した。以上の経過より,本疾患での甲状腺機能正常化には,機能性結節の切除を含む手術療法が有効であると思われた。
著者
桑野 玲子 堀井 俊孝 山内 慶太 小橋 秀俊
出版者
公益社団法人 地盤工学会
雑誌
地盤工学ジャーナル (ISSN:18806341)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.349-361, 2010-06-30 (Released:2010-07-02)
参考文献数
35
被引用文献数
18 8

地盤内に何らかのきっかけで空洞やゆるみが発生し,それが周辺に拡大·進展して地表面に到達すると,陥没となって現れる。都市部で頻発する道路陥没において,それらの芽となる地盤内空洞の原因は,路面下に埋設物や掘削工事歴等が輻輳するうえ早急な道路復旧が優先される状況下では明確に特定できない場合も多く,現象の解明が遅れている一因となっている。一方で,下水管渠の老朽化や破損により管内に周辺土砂が流出して空洞·ゆるみが発生し道路陥没に至る事例も近年多く報告され,耐用年数を超過した管渠が増え始めている状況で看過できない問題である。本研究では,このような老朽下水管の破損が原因となる道路陥没等の地盤工学的問題を解決する一助となるよう,地盤内空洞とその周辺のゆるみ領域の形成·拡大·進展メカニズムとその評価方法について実験的に検討した。土砂流出による空洞形成の支配的要因や空洞の拡大過程について明らかにした他,空洞周辺の“ゆるみ”領域を定量的に評価し,地盤材料の土砂流出特性を整理した。
著者
齋藤 洋子 富山 芳丈 上甲 宏 岡安 啓介 桑原 淳 西木戸 理子 皆川 京子 海老原 次男 対馬 健祐 富田 慎二 堀田 総一 松本 尚志
出版者
一般社団法人 日本消化器がん検診学会
雑誌
日本消化器がん検診学会雑誌 (ISSN:18807666)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.46-60, 2014 (Released:2014-02-15)
参考文献数
32

上部消化管X線造影検査被験者755人に尿中抗H.p抗体(以下H.p)法とペプシノゲン(以下PG)法を実施し, 読影を前向きに行い, H.p法とPG法の結果と対比した。X線画像上H.p未感染相当正常胃をA1, 慢性萎縮性胃炎をC2-4とした。PG法陽性は三木の基準(PGI≦70.0ng/mlかつPGI/II≦3.0)を用いた。除菌歴なし群は651人(86.2%)であった。H.p法陰性者の割合は40歳未満75%, 40歳代61%, 50歳代44%, 60歳以上31%であった。X線画像上のA1は275人中261人(95%)がH.p法・PG法陰性であり, Cの354人中322人(91%)がH.p法・PG法のいずれが陽性であった。X線画像上H.p未感染相当正常胃粘膜症例の殆どがH.p法・PG法(三木の基準)陰性群であった。現在実施されているX線法による胃がん検診の「異常なし」の判定は, H.p未感染相当正常胃粘膜に限るべきであり, 毎年の受診勧奨は不要である。背景粘膜を読影できる医師が充足できない場合, 画像の撮影と読影が不要で簡便である, H.p法+PG法に一次スクリーニングの位置を譲ることになろう。
著者
杉山 昭 堀 信夫 徐 世中 矢野 宏
出版者
一般社団法人 品質工学会
雑誌
品質工学 (ISSN:2189633X)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.44-50, 2005-02-01 (Released:2016-09-30)
参考文献数
2

Previous studies on the optimization of injection molding from various standpoints have shown that transferability alone provides only an extremely small gain and repeatability cannot be determined with adequate reliability, The reason was considered to lie in the processing of nonlinear effects. This time we reanalyzed transferability and shape retention by the standard signal-to-noise ratio, using a crystalline resin test piece. As a result, it became clear that uniform fillability is essential for transferability, and if this condition is not satisfied,shape retention is unsatisfactory.
著者
大井 瞳 中島 俊 宮崎 友里 井上 真里 堀越 勝
出版者
一般社団法人 日本認知・行動療法学会
雑誌
認知行動療法研究 (ISSN:24339075)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.119-126, 2021-05-31 (Released:2021-11-17)
参考文献数
35
被引用文献数
1

国連サミットで掲げられた持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals: SDGs)の保健分野においてはあらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進することが目標に掲げられている。SDGsで重視されている「誰一人取り残さない」という点においては、遠隔での認知行動療法(Cognitive Behavior Therapy: CBT)が有効な手段となりうる。遠隔CBTは、感染症の拡大、セラピストの不足といった理由で対面のCBTを受けることが困難な場合にもCBTの提供が可能となる手段である。一方で、遠隔CBTが主流となることによって、心理療法提供の適用から外れてしまう人、すなわち、取り残される人が生じるおそれがある。本稿では、遠隔CBTの適用が難しいケースとその支援について、(1)デジタルデバイド、(2)クライエントの病態や障害、(3)緊急対応、の3点から述べた。遠隔CBTの役割と限界を認識したうえで、「誰一人取り残さない」よう心理的援助を提供することの重要性が示唆された。
著者
堀田 裕貴 田中 隆文 小谷 亜由美
出版者
日本水文科学会
雑誌
日本水文科学会誌 (ISSN:13429612)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.1-22, 2022-04-25 (Released:2022-05-09)
参考文献数
49

地理的に離れた流域間においては,降水条件が大きく異なるため流量データのみからその流域が持つ降雨–流出応答特性(本論文では流出特性)を比較することは難しい。そのため流出モデルのパラメータを比較することで流出特性を比較するという試みがなされている。しかし,多数の流域で同一の構造を持つ流出モデルを用いて蒸発散量を考慮した1年以上の長期間の流出解析を行い,そのパラメータを比較することで流域条件が与える影響を検討した研究はほとんどない。そこで本研究では,降雪が少なく上流にダムが無い国内の27の堆積岩流域・変成岩流域,38の火成岩流域において,タンクモデルパラメータと流域の気候・地形・流域面積・地質年代・土壌・植生との関係を重回帰分析により検証した。その結果,年平均降水量が多いほどタンクモデルの流出率は大きくなる傾向,そして浸透率は小さくなる傾向が見られ,特に堆積岩流域・変成岩流域でその傾向が顕著であった。また,地質を問わずTopographic Wetness Index 7以上の面積率が大きいほど,タンクモデルの第一タンクの横孔が低くなる傾向と,森林面積における広葉樹林の割合が高いほどタンクモデルの第一タンクの流出率が小さくなり,洪水時のピーク流量が小さくなる可能性が示された。
著者
赤堀 四郎 桃谷 嘉橘
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化學會誌 (ISSN:03694208)
巻号頁・発行日
vol.64, no.5, pp.608-611, 1943-05-28 (Released:2009-12-22)
参考文献数
13
被引用文献数
3

著者等は芳香族アルデヒドとアミノ酸との混合物を加熱するときは一般に次の如く反應してアルカミンを生ずることを認めた.〓R, R′はH或はCH3この反應によつてエフェドリン,ノルエフェドリン, 1-フェニル-1-オキシ-2-メチルアミノエタン, 1-アニシル-1-オキシ-2-メチルアミノエタン及びメチレンアドレナリンを合成することが出來た.
著者
那須 高志 小林 渓紳 宮崎 涼太 大堀 正明
出版者
Saitama Physical Therapy Association
雑誌
理学療法 - 臨床・研究・教育 (ISSN:1880893X)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.25-27, 2022 (Released:2022-06-04)
参考文献数
11

【はじめに】大腿骨近位部骨折を呈し,人工骨頭置換術または骨接合術を施行後,早期に術後7日目の荷重時痛を予測する因子を検討した。【方法】当院にて手術を施行された大腿骨近位部骨折26名,人工骨頭置換術12名と骨接合術14名であった。調査項目は基本情報の年齢・手術時の出血量,血液生化学検査のCRP・CK・Hbの術後3日以内のピーク値とした。荷重時痛は術後7日目の最大荷重時の痛みをNRSを用いて評価した。【結果】人工骨頭置換術群は骨接合術群よりも有意に出血量が多かった。疼痛と各因子の関係性は,人工骨頭置換術群は出血量に強い正の相関が,骨接合術群はHbに中等度の負の相関がみられた。【考察】人工骨頭置換術は展開が大きいため創外出血を反映する出血量が,展開の小さな骨接合術は創内出血を反映したであろうHbが荷重時痛と相関を認めたと考えた。
著者
苅谷 剛彦 堀 健志 安藤 理 平木 平木 有海 拓巳 漆山 綾香 日下 田岳史 井上 公人 高橋 渉 中西 啓喜
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

本研究は、公立-私立、大都市-地方という教育における分化の進行を背景に、地方の公立高校のはたす役割はどのようなものかを、ユニークな教育実践に取り組む公立進学校に焦点を当て、実証的に明らかにすることを目的に行われた。地方の公立進学高校は、大都市部の私立中高一貫校と同じ土俵にのって、大学進学競争を強化しようとしているだけなのか。地方のための/地方からの人材形成という機能を、どのようにとらえ、どのように実践しようとしているのか。そして、その成果は、生徒たちの実際の進路形成や価値意識の形成として、どのように現れているのか。本研究では、たんに大学進学の実績を上げることに汲々としている進学高校ではなく、教育改革のねらいにも符合する「プラスアルファ」の教育をも合わせて実践している地方公立高校を中心に取り上げ、総合的な調査研究を行うことによって、これらの問題を明らかにした。研究方法としては、特色のある教育を実践している地方の公立普通科高校を含む、11 校の高校に対する質問紙調査と、12校の高校を対象とした質問紙調査による。質問紙調査においては、同一対象者に対し、継続的な調査を行うパネル調査という方法を用いた。この方法を用いることで、高校時代の教育経験が、卒業後にどのような影響を及ぼしているのかを追跡することが可能になるからである。パネル調査として、高校3年次を対象とした生徒を、さらに卒業後1年目、2年目と二度にわたり追跡した。こうしたパネル調査を用いることで、プラスアルファの教育の効果を、時間をおいてとらえようとしたのである。これらの調査の結果、以下の知見が得られた。(1)地方から大都市の難関大学に進学することにより、地域間再分配政策に賛成しやすくなるというかたちで社会的責任が形成されること、(2)高校時代に学校行事に熱心に参加していた生徒ほど大学で自ら学んだり、成果を発表したりできていること、そして、(3)学校行事には出身階層下位の生徒が参加しやすいことを考慮すると、高校時代の学校行事には、階層下位の生徒が大学で学習しやすい環境を整えるという意味で階層間格差縮小の機能があるということである。これらの知見により、生徒たちの意識の差異を確認することで、高校段階における「プラスアルファ」の教育がその後のキャリア・社会生活(今年度は大学生活)に及ぼす影響を把握できたことになる。
著者
堀田正敦 編
出版者
巻号頁・発行日
vol.[23],
著者
福田 貴三郎 小柳 佑介 福田 茂紀 大倉 清司 藤重 雄大 岩下 洋哲 大堀 耕太郎
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会第二種研究会資料 (ISSN:24365556)
巻号頁・発行日
vol.2021, no.SWO-053, pp.05, 2021-03-15 (Released:2021-09-17)

近年説明可能AI(Explainable AI)の技術が注目されており、ホワイトボックス型の機械学習モデルを設計する場合、モデルの予測結果の精度向上を追求するだけでなく、解釈性の高いモデルを設計する事が重要である。本研究では、学習データのリソースとしてナレッジグラフを使用する場合を想定し、エンティティ間の上位概念の関係性を利用した、解釈性の高いモデルを実現するための説明変数を選択する手法を提案する。また、実際にプロ野球選手の実データを利用した実験により、意図した通りの説明変数が選択出来る事を確認した。