著者
田中 真 小山内 隆生 加藤 拓彦 小笠原 寿子 和田 一丸
出版者
日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.31, no.4, pp.363-374, 2012-08-15

要旨:統合失調症患者57名と健常者30名を対象として,ぬりえ課題を用いて線画の呼称と塗った色の分析を行った.線画の呼称を正答し,かつ線画に対応した色を塗ることができた者が共に8割以上であった線画は,健常者群では12項目全てであったが,統合失調症群ではバナナとミカンの2項目であった.四つ葉のクローバーとピアノは,統合失調症群で判別できた者は健常者群よりも有意に少なかった.残りの8項目は,線画を正しく呼称していたにも関わらず対応した色を塗ることができない者が多かった.統合失調症群のぬりえの特徴は,線画を認知できるが健常者が選んだ色とは異なる色を塗る者が多いことであった.
著者
長谷 晃広 相田 潤 坪谷 透 小山 史穂子 松山 祐輔 三浦 宏子 小坂 健
出版者
一般社団法人 口腔衛生学会
雑誌
口腔衛生学会雑誌 (ISSN:00232831)
巻号頁・発行日
vol.65, no.3, pp.276-282, 2015-04-30 (Released:2018-04-13)
参考文献数
11
被引用文献数
1

近年,歯学部において「将来設計に関する教育(以下,キャリア教育)」が実施されているが,これまでその効果を全国的に検証した研究はほとんど報告されていない.そこで本研究は,全国の研修歯科医を対象として 1)将来設計およびキャリア教育受講の実態把握とその関連性の検討ならびに,2)具体的な志望進路の実態把握を目的とした.2,323名に対し自記式調査票を郵送し1,590名から回答を得た(回収率68.4%).主要な変数に欠損のない1,428名のデータで解析を行った.「将来設計を描けている」と回答した者は212名(14.8%)であった.将来設計を描けていると回答する者の割合はキャリア教育受講経験を有する群で高く(p=0.015),性別,年齢,婚姻状態,出身大学,親の職業を調整したうえでもその関連は支持された(prevalence ratio=1.18, 95%信頼区間=1.08-1.29, p<0.001).希望する進路の最多回答は,研修直後および研修修了5年後では診療所勤務(570名:39.9%および723名:50.6%),研修修了10年後では診療所の開業(705名:49.4%)であった.本研究より,キャリア教育は将来設計を描くにあたり有効である可能性が示唆され,約半数の研修歯科医が10年後以降には歯科診療所を開業したいと考えていることが明らかになった.
著者
小山 博
出版者
宮崎民俗学会
雑誌
みやざき民俗 (ISSN:13415751)
巻号頁・発行日
no.71, pp.42-47, 2019-03
著者
小山 雄一郎
出版者
関東社会学会
雑誌
年報社会学論集 (ISSN:09194363)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.15, pp.153-164, 2002

This paper aims at describing an aspect of traffic accident problems from a sociological point of view by examining institutional procedures of accident investigations called &lsquo;jikky&ocirc;-kenbun&rsquo;. &ldquo;Interpretative frames&rdquo; for evaluating professional negligence resulting in injury or death used by the police greatly influence the process of production of &lsquo;jikky&ocirc;-kenbun&rsquo;. However, those records are presented as <i>objective</i> data, describing the factual elements of the accident. As a result, numerous actors that may have had a decisive role in the accident are made invisible, which allows the social system to attribute the responsibility of the accident only to the persons directly involved.
著者
小山 友 Tomo OYAMA
出版者
東洋英和女学院大学大学院
雑誌
東洋英和大学院紀要 (ISSN:13497715)
巻号頁・発行日
no.9, pp.95-112, 2013

The rise of the new radical right in Western European political parties started in the late 1980s and is now expanding across Europe. While causes of the rise of the new radical right vary in each county, a common characteristic of many radical right parties is their exclusive stance toward the immigration issue. Has the expanding support for these radical right parties across Europe resulted from anincreasing sense of xenophobia among European citizens against immigrants? Or has it resulted from the radical right parties' usual tactic of gaining public support by expressing negative opinions on the immigration issue in order to acquire political legitimacy? This paper aims to clarify the rise of the radical right in the Netherlands in and after 2000. Focusing on two parties, Lijst Pim Fortuyn and Partij voor de Vrijheid, the study identifies characteristics of the radical right in Netherlands. Especially, it reviews and examines changes in Dutch society, including globalization and the expansion of the EU since the 1990s, in order to trace structural changes in the Dutch political system and examine the ways in which such changes are linked to the rise of the radical right. The paper also examines causes of the expansion of public support for the new radical right: whyit has been able to gain public support by proclaiming itself to be anti-immigration and anti-Muslim, despite the fact that most radical right candidates have historically been avoided by most citizens and treated as fringe candidates since the Second World War. In addition, the paper clarifies how the immigration issue in Dutch society has affected the radical right and how the radical right has gainedthe support of voters, including the arguments used by the radical right to acquire political legitimacy for its anti-immigration and anti-Muslim stance.
著者
小山 佳彦 宇田 明
出版者
園藝學會
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.211-217, 1994
被引用文献数
4 4

母の日の数日前に高品質のカーネーションを出荷するために, つぼみ段階で採花した品種'コーラル'の貯蔵性, STS処理, 開花室, 市販開花液について検討した.<BR>1.品種'コーラル'の貯蔵限界は, 開花所要日数を考慮すると, 12週間であった.<BR>2.5月上旬の温室内平均温度は約20°Cで, 1°Cで4週間貯蔵したつぼみ切り切り花の開花環境条件に適しており, 切り花の花色は自然開花のものに近くなった.<BR>3.貯蔵後のSTS処理 (1mM, 2時間) は, 開花後の品質保持期間を向上させた.<BR>4.貯蔵後のSTSの処理と開花室としての温室および市販開花液の利用により, 高需要期である母の日の数日前に高品質の切り花が得られた.
著者
小山 裕史
出版者
[出版者不明]
巻号頁・発行日
2011-07

制度:新 ; 報告番号:甲3406号 ; 学位の種類:博士(人間科学) ; 授与年月日:2011/7/13 ; 早大学位記番号:新5728
著者
小山 昌宏
出版者
情報文化学会
雑誌
情報文化学会誌 (ISSN:13406531)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.19-27, 2010-09-07

はじめに,サイバースペースの二つの型,すなわち「疑似型現実」空間と「拡張型現実」空間の概念について考察をおこなう。次に「疑似型現実」空間を構成するインターネットに対する相反する二つの見解,その理論的対立の要因について検討を加える。この考察を踏まえて,人間と自然の対立に代表される認識上の二項対立の限界,すなわち主体と客体の新しい関係性について基礎付けをおこなう。それは,情報化社会における近代理性主体が,「情報的主体」,「情報間主体」に転換する際に発生する新しい「知の枠組み」の可能性について検討するものとなる。
著者
市野 進一郎 フィヒテル クローディア 相馬 貴代 宮本 直美 佐藤 宏樹 茶谷 薫 小山 直樹 高畑 由起夫 カペラー ピーター
出版者
日本霊長類学会
雑誌
霊長類研究 Supplement 第29回日本霊長類学会・日本哺乳類学会2013年度合同大会
巻号頁・発行日
pp.119, 2013 (Released:2014-02-14)

(目的)マダガスカルに生息する原猿類(キツネザル類)は,真猿類とは独立に群れ生活を進化させた分類群である.集団性キツネザルには,性的二型の欠如,等しい社会的性比,メス優位など哺乳類一般とは異なるいくつかの特徴がみられる.こうした一連の特徴は,社会生態学理論でうまく説明できないものであったが,近年,メスの繁殖競合によって生じたとする考え方が出てきた.本研究では,長期デモグラフィ資料を用いて,ワオキツネザルのメス間の繁殖競合のメカニズムを調べることを目的とした.(方法)マダガスカル南部ベレンティ保護区に設定された 14.2haの主調査地域では,1989年以降 24年間にわたって個体識別にもとづく継続調査がおこなわれてきた.そこで蓄積されたデモグラフィ資料を分析に用いた.メスの出産の有無,幼児の生存,メスの追い出しの有無を応答変数に,社会的要因や生態的要因を説明変数にして一般化線形混合モデル(GLMM)を用いた分析をおこなった.(結果と考察)出産の有無および幼児の生存は,群れサイズによって正の影響を受けた.すなわち,小さい群れのほうが大きい群れよりも繁殖上の不利益が生じていることが明らかになった.この結果は,ワオキツネザルの群れ間の強い競合を反映していると思われる.一方,メスの追い出しの有無は,群れサイズよりもオトナメスの数に影響を受けた.すなわち,群れのオトナメスが多い群れでは,メスの追い出しが起きる確率が高かった.このように,ワオキツネザルのメスは群れ内のオトナメスの数に反応し,非血縁や遠い血縁のメスを追い出すことで群れ内の競合を回避するメカニズムをもっているようだ.
著者
田中 光太郎 岡田 寛也 小山 貴久 金野 満
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.679-684, 2016 (Released:2018-01-29)
参考文献数
19
被引用文献数
1

急速圧縮装置(RCM)を用いて,ガソリン及びTRFの着火遅れ時間を上死点圧力(2, 3 MPa), 上死点温度(657-861 K)及び当量比(1.0, 0.5)において計測した.また,各燃料を用いた同条件下での化学反応解析を行い,解析値と実験値の着火遅れ時間の比較及びガソリンの自着火機構について検討した.
著者
加藤 直樹 徳岡 昌文 篠原 靖智 小山 泰二 長田 裕之
出版者
日本マイコトキシン学会
雑誌
マイコトキシン (ISSN:02851466)
巻号頁・発行日
vol.64, no.2, pp.197-206, 2014-07-31 (Released:2014-10-15)
参考文献数
36
被引用文献数
1

麹菌Aspergillus oryzaeは我が国の伝統的な発酵食品の生産には欠かせない微生物であり,長い年月をかけた育種により,その安全性が確立されている.本菌はアフラトキシン生産菌A. flavusから派生した家畜種と考えられており,その進化的な近縁関係は両種のゲノム解読によっても裏付けられている.我々人類にとって対極とも言える両種の決定的な相違点として,二次代謝産物生産能を挙げることが出来る.両種のゲノム中には共通して多数の二次代謝系遺伝子が存在しているにも関わらず,A. oryzaeは一切,アフラトキシンを生産せず,報告のある二次代謝産物もごく少数である.生合成に関わる遺伝子の変異や欠損,転写抑制といった遺伝的要因の蓄積によるマイコトキシン生産能の喪失は,A. oryzaeがA. flavusから家畜化して生じた種であるという概念によく合致している.そういったA. oryzaeにおけるマイコトキシン生産を回避するための遺伝的要因「セーフガード」に焦点を当て,我々が最近明らかにしたシクロピアゾン酸(CPA)生産に対するセーフガードを中心に解説する.小胞体Ca2+-ATPaseに対する強力な阻害物質であるCPAはA. oryzaeの一部の菌株における生産が報告されている.その生合成遺伝子クラスターには,A. flavusでは欠失している遺伝子が含まれている.一見すると従来の家畜化の概念とは相反する現象ではあるが,種々の解析の結果,その遺伝子はCPAを2-オキソCPAに変換することで毒性を和らげる役割を担っていることが明らかとなった.麹菌ゲノム中には,その安全性を担保するための様々な遺伝要因が蓄積していることが改めて示唆された.
著者
秋鹿 研一 小山 建次 山口 寿太郎 尾崎 萃
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌 (ISSN:03694577)
巻号頁・発行日
vol.1976, no.3, pp.394-398, 1976-03-10 (Released:2011-05-30)
参考文献数
10
被引用文献数
2

200~300℃,全圧600mmHgの条件でもっとも活性の高いアンモニア合成触媒であるRu-AC(活性炭)-Kと,それについで活性の高いOs-AC-Kの製法と活性の関係を検討した。Kは一定量(約1mmol/9-cat)添加後はじめて活性が現われ,KがACにほぼ飽和吸着すると考えられる量,約 1mmol/g-cat,まで活性は直線的に増加する。RuCl3-ACの還元のさい,水素は当量の6倍も消費する。過剰の消費水素はACとの反応およびACへのスピルオーバーによると考えられるが,その量は活性に影響しない。還元にさいしHClが発生するが,一部の壇化物イオンは触媒上に残る。Ru-AC-Kの活性は,Ruの露出表面積に対応すると考えられるRu-ACへのCO化学吸着量にほぼ比例する。Ru塩はRu/ACが約 3wt%まではACによく吸着する。CO化学吸着量も 3wt%まではRu量にほぼ直線的に増加する。しかし3wt%を越えるとRu塩は吸着しにくくなり,Ruの分散性も低下する。Ru(2,3価)またはOs(3,4,6,8価)について酸化数の異なる塩を出発原料とした触媒の間でRuまたはOsの活性は変わらなかった。また活性炭を硝酸,アンモニア水,あるいはその両者により処理した場合も得られるRu触媒のCO化学吸着量に影響なかった。
著者
今井 晨介 尾上 洋介 宮野 公樹 日置 尋久 小山田 耕二
出版者
社団法人 可視化情報学会
雑誌
可視化情報学会論文集
巻号頁・発行日
vol.37, no.8, pp.40-47, 2017
被引用文献数
1

<p> 現代社会は複雑化が進み,様々な分野で解決困難な社会課題に直面している.学術界はこれらの課題解決を担ってきたが,学術分野の細分化が増すにつれて,単一の学術分野でこれらの社会的課題を解決することが困難になってきている.この様な状況下で,学際研究は重要な位置付けとなる.学際研究では,異なる分野の研究者が互いの研究の価値観,文化を理解することが重要となる.本研究の目的は,異なる研究分野間での研究者の相互理解を促進させることである.本研究では,研究者を対象に行われたアンケート結果を分析した.アンケートでは研究者の研究に対する価値観,行動様式を調査している.我々は,このアンケート結果から研究コミュニティを検出し,コミュニティの文化的特徴を抽出した.この分析結果を,学術分野の文化を表現するレーダーチャートとネットワークによって可視化した.これらの可視化結果によって学術分野間の文化的差異をより簡単に比較可能になり,異なる分野の研究者の相互理解の助けとなると考えられる.</p>
著者
小山 昇 吉田 浩一郎
出版者
日経BP社
雑誌
日経トップリーダー
巻号頁・発行日
no.369, pp.26-29, 2015-06

失敗対談 「日本一、失敗を経験した社長」を自認する武蔵野の小山昇社長に、上場間もないクラウドワークスの吉田浩一郎社長が対談を申し入れた。正しい組織のまとめ方について〝失敗王〟が本音でアドバイスする。──吉田社長はこれまで失敗続きだったそうで…