著者
大槻 美佳 相馬 芳明 青木 賢樹 飯塚 統 吉村 菜穂子 佐原 正起 小山 晃 小島 直之 辻 省次
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.243-248, 1998-03-01

目的:左前頭葉内側而損傷群と背外側面損傷群の視覚性呼称能力と語列挙能力を比較検討した。対象・方法:11例の超皮質性運動失語を呈する右利き脳梗塞または出血患者。病巣はCTまたはMRIにて同定した。視覚性呼称能力としてWAB失語症検査V-Aの20物品の呼称課題を,語列挙能力として同V-Bの語想起課題を用いた。結果・考察:左前頭葉内側面損傷群は視覚性呼称が良好であるのに対し語列挙が不良であった。外側面損傷群では視覚性呼称,語列挙いずれも不良であった。この結果から左前頭葉内側面は語列挙に,背外側面は視覚性呼称に重要であることが推測される。サルの実験において,前頭葉背外側面にある前頭前野は視覚誘導性の動作に,内側面にある補足運動野は記憶依存性の動作に関与することが知られている。 言語においては視覚性呼称は視覚誘導性の動作に,語列挙は記憶依存性の動作に対応すると考えられる。したがって,本結果は行為における前頭葉背外側面と内側面の機能的相違が言語機能においても当てはまることを示唆する。
著者
中野 茂夫 中島 伸 不破 正仁 小山 雄資
出版者
一般社団法人 日本建築学会
雑誌
日本建築学会技術報告集 (ISSN:13419463)
巻号頁・発行日
vol.18, no.40, pp.1101-1106, 2012-10-20 (Released:2012-10-20)

The purpose of this paper is to clarify the architectural feature and background of the removing and reconstruction about former government office of Tomobe national sheep farm. Tomobe national sheep farm was one of five sheep farms instituted by Agriculture Department in Taisho era. That government office may be the only building of former national sheep farm in existence. That government office was removing from Hojyo national sheep farm and reconstruction. That office has been conservation since that time.
著者
小山 三郎
出版者
慶應義塾大学法学研究会
雑誌
法学研究 (ISSN:03890538)
巻号頁・発行日
vol.75, no.1, pp.343-372, 2002-01

一 問題の所在二 抗日統一戦線下での梁実秋の主張のもつ意味三 「抗戦無関係」論争とはなにか四 結語山田辰雄教授退職記念号
著者
小山 沙都実 三吉 友美子 水野 暢子 皆川 敦子
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.2_211-2_217, 2019-06-20 (Released:2019-06-20)
参考文献数
33

目的:看護師再就職者が求める職場サポートを測定するための尺度を構成しその信頼性と妥当性を検討する。方法:141病院に再就職した看護師1,479人を対象に無記名自記式質問紙を用いた郵送調査を実施した。尺度案はフォーカス・グループとContent Validity Index at the Item Levelによる項目の検討を行い作成した。得られたデータについて探索的因子分析とCronbachのα 係数を算出した。結果:探索的因子分析を行った結果〔仕事サポート〕と〔精神的サポート〕〔適応準備サポート〕〔教育的サポート〕の4因子20項目からなる「看護師再就職者用職場サポート尺度」を構成した。尺度全体のCronbachのα 係数は .94であった。考察:Cronbachのα 係数と構成概念妥当性の検討から本尺度は一定の信頼性と妥当性を保持していると判断できた。
著者
原田 靖彦 村田 誠 松本 あかね 加藤 大三 八木 哲也 矢口 貴志 吉川 剛典 武市 拓也 秋山 真志 山口 洋平 小山 大輔 寺倉 精太郎 西田 徹也 清井 仁
出版者
一般社団法人 日本血液学会
雑誌
臨床血液 (ISSN:04851439)
巻号頁・発行日
vol.60, no.12, pp.1641-1646, 2019 (Released:2019-12-27)
参考文献数
15

骨髄移植後に再発した骨髄異形成関連変化を伴う急性骨髄性白血病患者(47歳,男性)に臍帯血移植を実施した。生着前に広域抗菌薬不応の発熱性好中球減少症および全身性の有痛性結節が出現した。皮膚生検と血液培養で糸状菌を認め真菌血症と診断,さらに培養コロニーの検鏡,質量分析,塩基配列決定からFusarium solaniによる播種性感染症と確定診断した。Liposomal amphotericin B(L-AMB)5 mg/kg/日の投与により熱型と皮疹は改善し始めた。Day19に生着し,皮膚急性移植片対宿主病stage3は外用ステロイド剤で寛解した。Day38にvoriconazoleへ変更したところFusarium感染症は増悪した。その後はL-AMB計19週間の投与で治癒した。生着前の播種性Fusarium感染症は極めて予後不良である。本症例では,好中球の生着に加え,速やかな確定診断,適切な抗真菌薬の選択,その十分量かつ長期間の投与,ステロイド剤全身投与回避などが功を奏したと考えられた。
著者
小山 浩一
出版者
法政大学イノベーション・マネジメント研究センター
雑誌
イノベーション・マネジメント (ISSN:13492233)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.41-66, 2015 (Released:2018-10-23)

本稿の目的は、中小企業経者を対象とした生命保険法人契約(以下「経営者保険」)の需要に関わる決定要因の分析を通じて、中小企業におけるリスク管理やその準備に資する生命保険業界の健全な発展のために示唆を得ることにある。経営者保険の需要は、経済合理的な一貫性を持つ経済準備必要性と、経営者の持つ価値観双方の影響下にある。考察の結果、以下のことが確認された。経済準備必要性は、経営中断リスク対処、退職金対処、予防的対処の3つに分類され、経営者保険の需要に正の影響を与える。価値観については、不確実性の回避と集団主義の影響が確認された。不確実性の回避は、加入者において需要へ負の影響を与え、集団主義は、未加入者において正の影響を与える。本研究から得られた主要な示唆は、価値観やその価値観が表れる顧客企業の経営方針等によるセグメント別コミュニケーション戦略の必要性である。
著者
三木 康暉 佐藤 晴彦 小山 聡 栗原 正仁
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第27回全国大会(2013)
巻号頁・発行日
pp.3M4OS07e2, 2013 (Released:2018-07-30)

本発表では、クラウドソーシングを用いてゲームレベルの設計を効率的に行うシステムを提案する。ゲームのステージをインターネット上のワーカーに配信し収集したプレイログから、ステージの難易度を判定し、ユーザーに適切なゲームレベルを構築する方式を開発する。
著者
高木 圭介 青池 寛 小山 真人
出版者
Tokyo Geographical Society
雑誌
地学雑誌 (ISSN:0022135X)
巻号頁・発行日
vol.102, no.3, pp.252-263, 1993-06-25 (Released:2010-10-13)
参考文献数
42
被引用文献数
2 3

A synthesis of geological, geomorphological, and petrological data was made to reconstruct the tectonic evolution of the collision zone between the Honshu and Izu-Bonin Arcs during the middle to late Miocene time. The collision zone is composed of four allochthonous terranes, which are overlaid by syn-collisional trough-filling deposits. The four terranes, Izu, Tanzawa, Misaka, and Koma Terranes, were originated in the Izu-Bonin volcanic arc and have in turn collided with and accreted into the Honshu Arc at about 1, 5-3, 11, and 15 Ma, respectively. The geomorphology of the northern part of the Izu-Bonin Arc is characterized by two N-S trending ridges, Shichito-Iwojima and Nishi-Shichito Ridges, and Nishinoshima Trough between the two ridges. We interpret the Nishi-Shichito Ridge as a remnant volcanic arc of early Miocene age. The Nishi-Shichito Ridge was left by backarc rifting, which occurred between the Nishi-Shichito and Shichito-Iwojima Ridges during 15-10 Ma. The backarc rifting resulted in the increase of downdip angle of the Pacific plate slab and the eastward migration of the Izu-Bonin volcanic front. The rifting also generated along-arc compressional strain, which caused the intraarc deformation of the Shichito-Iwojima Ridge at about 10 Ma. This interpretation well explains the geologic history of each allochthonous terrane in the collision zone between the Honshu and Izu-Bonin Arcs as well as the present distribution of the allochthonous terranes.
著者
追沼 龍三 成沢 郁夫 小山 清人
出版者
The Textile Machinery Society of Japan
雑誌
繊維機械学会誌 (ISSN:03710580)
巻号頁・発行日
vol.48, no.7, pp.T173-T182, 1995-07-25 (Released:2010-02-12)
参考文献数
7

結び目 (コーマ綿糸c30s/1を用いたウイバースノットおよびフィッシャーマンズノット) に起因する平編編成域での糸切れ発生機構について, 高速ビデオカメラを用いて詳細に研究した.得られた結果は次のとおりである. (1) 結び目に起因する平編編成域での糸切れが次の3段階を経て発生することを明らかにした.1) 針のフックおよびべらとオールドループとで形成する隙間あるいは針頭と溝壁との隙間での結び目の引掛かり, 2) 糸張力の増大, 3) 糸切れ. (2) エアスプライスによる平編編成域での糸切れはいずれの編成条件でもほとんど発生しない. (3) いずれの結び目でも, 結び目の引掛かる率, 引掛かった結び目の糸切れ率および結び目の糸切れ率はカム引込量, 給糸張力および巻取荷重の増加とともに増加する. (4) いずれの編成条件でも, 結び目の引掛かる率, 引掛かった結び目の糸切れ率および結び目の糸切れ率はウイバースノットよりフィッシャーマンズノットの方が大きい.
著者
追沼 龍三 成沢 郁夫 小山 清人
出版者
The Textile Machinery Society of Japan
雑誌
繊維機械学会誌 (ISSN:03710580)
巻号頁・発行日
vol.49, no.12, pp.T313-T323, 1996-12-25 (Released:2010-02-12)
参考文献数
11

1×1ゴム編編成域での結び目 (コーマ綿糸c30s/1を用いたウィバースノットおよびフィシャマンズノット) による糸切れ発生機構について, 高速ビデオカメラを用いて詳細に研究した.得られた結果は次の通りである.(1) 1x1ゴム編編成域での結び目による糸切れが次の3段階を経て発生することを明らかにした.1) シリンダ針の針頭のフック部への結び目の引っ掛かり, 2) 糸張力の増大, 3) 糸切れ.(2) 1×1ゴム編編成域でのエアースプライスによる糸切れはいずれの編成条件でも全く発生しない.(3) いずれの結び目でも, 結び目の引っ掛かる率, 引っ掛かった結び目による糸切れ率および結び目による糸切れ率はカム引込量, 給糸張力および巻取荷重の増加とともに増加する.(4) いずれの編成条件でも, 結び目の引っ掛かる率, 引っ掛かった結び目による糸切れ率および結び目による糸切率はウィバースノットよりフィッシャマンズノットの方が大きい.