著者
小山 薫堂 野地 秩嘉
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネスassocie (ISSN:13472844)
巻号頁・発行日
vol.9, no.12, pp.66-70, 2010-07-20

放送作家として数々の話題作を世に出し、初めて映画脚本を書いた「おくりびと」がアカデミー賞外国語映画賞を受賞した。ラジオのパーソナリティーや商品開発の仕事を手がけ、絵本も出版。昨年の春からは東北芸術工科大学で教育にも携わっている。多彩に活躍するクリエーターに企画を考えるコツと心構えを尋ねた。
著者
小山 隆太
出版者
東京大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2016-06-30

神経発達障害を含む脳疾患の非侵襲的な治療法として、運動の有効性が注目されている。しかしながら、運動を行動に反映する分子細胞生物学的メカニズムの解明は後手を踏んでいる。そこで、我々は、母体免疫活性化(MIA)によって子に生じるMIA関連性行動異常に運動が有効な可能性と、その分子細胞生物学的メカニズムを明らかにすることを目的とした研究を行った。ウィルス感染を模倣したMIAを誘導するため、妊娠マウスにpoly(I:C)を投与した。その結果、このマウスより産まれた仔では、社会性の低下や常同行動の顕在化、そして不安行動の増加などのMIA関連性行動異常が成体期に顕れた。そして、これらのMIA関連性行動異常は、飼育箱に車輪を入れ、自発的に30日間運動をさせることによって抑制された。本研究では、歯状回顆粒細胞層の軸索である苔状線維の興奮性シナプスに着目した。その結果、MIA群では、発達期におけるシナプス除去が阻害される結果、成体期においてコントロール群よりもシナプス数が上昇していた。さらに、このシナプス数の上昇は運動によってコントロールレベルにまで低下することも明らかになり、運動による積極的なシナプス除去機構が働く可能性が示唆された。そこで、貪食によってシナプス除去を行うマイクログリアの動態に着目した。まず、発達期において、MIA群の海馬CA3野では、マイクログリアによるシナプス貪食がコントロール群より低下していた。さらに、成体期においてもMIA群のシナプス貪食は低下していたが、運動を行うことにより、シナプス貪食はコントロールレベルにまで回復した。なお、運動による効果はマイクログリア活性化を抑制するミノサイクリンの投与で阻害された。以上の結果は、成体期の運動による神経回路再編成に、マイクログリアが関与する新規メカニズムを提唱するものである。
著者
坪口 晋太朗 矢島 隆二 樋口 陽 石川 正典 河内 泉 小山 諭 西澤 正豊
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.56, no.7, pp.477-480, 2016 (Released:2016-07-28)
参考文献数
14
被引用文献数
3

症例は54歳女性で,緩徐に進行する歩行障害と構音障害を呈した.左乳癌に対して乳房切除術と癌化学療法を受け,神経症候の進行は術後一旦停止していたが,小脳性運動失調が再び増悪した.頭部MRIでの小脳半球の萎縮,血清Yo抗体陽性,乳癌の既往より傍腫瘍性小脳変性症(paraneoplastic cerebellar degeneration; PCD)と診断した.CTで指摘された左腋窩リンパ節の廓清と癌化学療法の変更に加え,免疫グロブリン大量療法を行った結果,神経症候は改善し,独歩可能となった.亜急性の経過と治療反応性の不良が特徴とされるYo抗体陽性PCDにも,緩徐進行性で治療反応性が良好な非典型例があることを報告した.

1 0 0 0 OA 印篆貫珠 12巻

著者
小山政紀
出版者
巻号頁・発行日
vol.[5],
著者
藤井 範久 小山 陽平 阿江 通良
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
体育学研究 (ISSN:04846710)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.17-32, 2010 (Released:2010-07-20)
参考文献数
15
被引用文献数
3

The purpose of this study was to investigate techniques for accelerating the hammer head in the turn phase of the hammer throw by comparing the motions of hammer throwers. Ten male throwers (PB: 43.15-68.21 m) participated in the study. The hammer motions were videotaped on high-speed VTR cameras (250 or 200 fps), and three-dimensional coordinates were calculated using a DLT method. Various kinematic parameters were calculated, including the hammer head speed, the increase in hammer head speed at each turn phase, the leading distance of the handle (hand), the horizontal abduction/adduction angle of the left arm (shoulder), the twist angle of the trunk, the rotation angle of the pelvis, and the horizontal abduction/adduction angle of the left hip. The fundamental factors and techniques responsible for accelerating the hammer head were as follows: (1) Increasing the acceleration and decreasing the deceleration of the hammer head in the turn phase increased the release speed of the hammer head. (2) A longer positive leading distance of the handle (hand), defined as the distance from the handle to the line connecting the hammer head and the instantaneous center of rotation of the hammer head, had a larger effect on the acceleration of the hammer head in the turn phase. (3) The horizontal abduction of the leading arm (shoulder), the negative trunk twist (recoiling motion), and the sway motion at the midpoint between the two shoulder joints toward the rear and trailing-arm side of the body increased the positive leading distance of the handle by generating the power of the legs and trunk simultaneously.
著者
佐藤 弘 宮脇 豊 藤原 直人 桜本 信一 岡本 光順 山口 茂樹 小山 勇 牧田 茂
出版者
日本外科代謝栄養学会
雑誌
外科と代謝・栄養 (ISSN:03895564)
巻号頁・発行日
vol.52, no.6, pp.289-293, 2018-12-15 (Released:2019-02-01)
参考文献数
10

生体が手術侵襲で受けたダメージから,より早い回復を目指すことは,術後管理の最大の目標である.術後のより早期に回復を目指す体系的なプログラムにEnhanced Recovery after Surgery(ERAS®)という概念がある.このなかで早期離床を軸とした運動療法は重要な役割を担う.高度侵襲手術の1つに分類される食道癌の運動療法においても,早期離床が重要となる. 胸部食道癌手術の運動療法を早期に施行することは,従来困難と考えられていた.多職種チーム医療による周術期管理により術後第1病日から離床が施行されるようになりその安全性と効果も報告されるようになってきた.しかしながら入院中だけの介入では不十分であり,外来リハビリテーションの確立が急務である.食道癌の運動療法の実際と課題を概説する.
著者
松野 一彦 小山 稔
出版者
一般社団法人 日本血液学会
雑誌
臨床血液 (ISSN:04851439)
巻号頁・発行日
vol.32, no.5, pp.467-474, 1991 (Released:2009-03-12)
参考文献数
11
被引用文献数
2

血小板が動脈硬化の進展や血栓症の発症に関わっていることは広く知られている。血小板の活性化は,細胞質遊離Ca2+濃度([Ca2+]i)に依存しており,血管内皮細胞(EC)から放出されるPGI2や内皮細胞由来弛緩因子(EDRF)によって制御されている。今回われわれはECの血小板の活性化および細胞内Ca2+動員におよぼす影響について検討した。未刺激のECカラムの潅流液はトロンビン刺激の血小板凝集と細胞内Ca2+動員を抑制した。この潅流液を血小板浮遊液に添加すると血小板内のcyclic AMP (cAMP)は増加し,これはインドメサシンの添加で抑制されたことから,この作用はECから放出されたPGI2によると考えられた。一方,チメロサール刺激ECカラムの潅流液はトロンビン刺激の血小板凝集および[Ca2+]iの増加を抑制し,血小板内cyclic GMP (cGMP)を増加させた。しかしインドメサシンの処理にても影響はみられなかった。チメロサール刺激ECのこの作用はEDRF阻害剤である1-N-monomethylarginine (NMG)の添加で抑制されたことから,チメロサール刺激によりECから放出されたEDRFが,血小板のcGMPを増加させて活性化を抑制したものと考えられた。forskolinによる血小板のcAMPの増加は,トロンビン刺激後のイノシトール1, 4, 5-三リン酸(IP3)の産生を著明に抑制したが,8-bromo cGMPやEDRFによる血小板のcGMPの増加は,IP3の産生には影響を与えなかった。cAMPとcGMPの増加はそれぞれ別の機序によって細胞内Ca2+動員を制御していると考えられた。
著者
小山内 大地
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2016, 2017

<p>【はじめに,目的】</p><p></p><p>高尾らは健常者を対象に長下肢装具(以下LLB)下での遊脚相について報告している。しかし,健常者を対象としてLLB装着下での立脚相について先行研究した報告はない。そこで本研究は,健常者を対象に立脚時の荷重割合を50%から漸増させた時の筋電図学的変化についてLLB装着の有無で比較することを目的とした。</p><p></p><p>【方法】</p><p></p><p>・対象は,神経学的および整形外科的疾患を有さない健常男性8人とした(年齢27.4±3.8歳,身長168.6±2.4cm,体重65.0±7.2kg)。</p><p></p><p>・方法は,立位にて検査側下肢へ体重の50%,60%,70%,80%,90%,100%を荷重し,その際の筋電図をLLB装着時(膝継手はリングロック固定,足継手はダブルクレンザック)と非装着時で計測した。荷重量は,足圧計を用いて調整し,前荷重と後荷重を4対6とした。筋電図は,多裂筋(同側・対側),内腹斜筋(同側・対側),大殿筋,中殿筋,内側広筋,前脛骨筋,腓骨筋,ヒラメ筋内側頭に貼付した。解析は荷重中の筋電波形を整流・平滑化し,10秒間のうち安定した3秒間の積分値を算出し,それを個人の標準化筋活動とした。各筋単位で被験者毎におのおのの荷重量(50%~100%の6条件)にてLLB装着時から非装着時を減算し,筋活動の増減について全体の傾向を検討した。判定は各筋単位で6条件の荷重量を通算し,筋活動の増減が7割を越えた場合を筋活動の上昇あるいは低下とした。</p><p></p><p>【結果】</p><p></p><p>各筋においてLLB装着が非装着に比べて筋活動が上昇したものは,多裂筋同側(36/48,75%),多裂筋対側(32/45,71%),内側広筋(45/47,96%),前脛骨筋(42/47,89%)であった。逆に,LLB装着が非装着に比べて筋活動が低下したものは,内腹斜筋同側(33/47,70%),ヒラメ筋内側頭(41/47,87%)であった。</p><p></p><p>【結論】</p><p></p><p>LLB装着は非装着に比べて多裂筋の筋活動が両側性に上昇している人が多かった。この理由はLLB装着によって下腿後面の半月よって膝軽度屈曲位になり,重心位置が前方に変位することの代償として体幹伸筋の活動が上昇したと考えられた。内側広筋については,荷重時,下腿半月によって膝軽度屈曲位を矯正されているため,半月を支点に筋活動が上昇したと考えられた。</p><p></p><p>前脛骨筋の上昇とヒラメ筋内側頭の低下については,荷重時の下腿の前傾矯正と下腿半月による安定性が,前脛骨筋の短縮位での筋活動を増加させ,ヒラメ筋内側頭の筋活動を抑制したと考えられた。</p>
著者
小山 嚴也
出版者
関東学院大学経済研究所
雑誌
経済系 (ISSN:02870924)
巻号頁・発行日
vol.215, pp.10-23, 2003-04

本稿では,企業に対するある特定の要請の発生から社会的要請の形成に至る一連の過程について,issue マネジメント論の成果,ステイクホルダーの概念,社会問題の社会学の理論などを手がかりにしながら考察する。 そもそも,ある特定の要請は,期待される企業活動と現実の企業活動との間にギャップが存在し,その様なことは問題(issue)であると特定のステイクホルダーが認識するところから生まれる。そして,その様な要請に対する企業側の応答とも相俟って,他のステイクホルダーによるissueの認識,共有,特定の要請への正当性の付与がすすみ,ある特定の要請が,その「強度」を強めながら「存在範囲」を社会全体に広げたときに,その様な要請は社会的要請となる。その過程では,issueの複合,連鎖によって,複数の要請が併存するかたちで社会的要請が形成されたり,新たな要請が社会的要請化していくことがある。また,当初の要請が個別企業に対するものであった場合,issueの共有やissueの連鎖などに伴って要請の対象が個別ないし特定企業から企業全般へと変化することもある。
著者
小山 隆
出版者
同志社大学
雑誌
評論・社会科学 (ISSN:02862840)
巻号頁・発行日
vol.81, pp.1-18, 2006-11

論文(Article)ソーシャルワーク研究を進めていくために、社会のあり方に関する規範理論研究が必要となってくる。一方で、実証研究特にエビデンスベーストプラクティスの重要性も近年強調されている。両者の概要ともつ意味について本論文では検討する。In recent years, Evidence-Based Social Work is beginning to attract attention in the field of social work research. On the other hand, the recognition about the importance of social norm theory is beginning to increase further. In this paper, I make the comparative study of these two theories.
著者
藤倉 輝道 宮崎 隆 小山 悟 岡坂 健司
出版者
耳鼻咽喉科展望会
雑誌
耳鼻咽喉科展望 (ISSN:03869687)
巻号頁・発行日
vol.52, no.6, pp.474-481, 2009

鼻噴霧ステロイド薬はアレルギー性鼻炎において極めて有効な治療薬であるが, 点鼻薬を好まない患者もいる。医師が実地に点鼻方法を指導する機会は少ないため, 噴霧した薬剤が適切に鼻粘膜に噴霧されているか否か十分な検討はなされていない。18例のスカイロン<SUP>&reg;</SUP> 噴霧時鼻腔内視鏡観察の結果, 約半数は鼻腔底や鼻前庭に噴霧されており薬剤が有効に鼻粘膜に付着し患部に移行していないと推察された。4名のボランティアにおいて鼻腔内での薬剤の停滞時間をフルナーゼ<SUP>&reg;</SUP> とスカイロン<SUP>&reg;</SUP> で比較検討した。スカイロン<SUP>&reg;</SUP> は広く放射状に噴霧, 付着し, 長時間停留する傾向がみられた。スカイロン<SUP>&reg;</SUP> は吸着性が優れていることに加え, ノズルにも改良がなされ容易に広く均一に噴霧できた。通年性アレルギー性鼻炎患者27名における使用経験からも, においなどの使用感, デバイスの利便性から総合的にスカイロン<SUP>&reg;</SUP> の方が使いやすいとした患者は多かった。今後は薬剤の薬理効果のみならず, 基剤やデバイスの特性などにも目を向ける必要がある。患者に対し, 点鼻方法, 基剤やデバイスの特性などについても説明を行うことで点鼻ステロイド薬のより有効な使用と効果発現が得られると考える。
著者
小山哲著
出版者
東洋書店
巻号頁・発行日
2013