著者
野口 良造 小山 瑞樹
出版者
農業情報学会
雑誌
農業情報研究 (ISSN:09169482)
巻号頁・発行日
vol.18, no.3, pp.142-151, 2009 (Released:2009-10-01)
参考文献数
29
被引用文献数
1 1

地域社会を対象にした,バイオマスエネルギーによる自動車用エネルギー代替の可能性を明らかにするために,複数のバイオマスやエネルギーを取り扱い,システムダイナミックスのプログラムへ応用可能な,エネルギーフローモデルを提案した.つぎに,栃木県を対象として,耕作放棄地を利用したバイオマス生産とEV(電気自動車)の普及を前提に,6つのシナリオを設定し,システムダイナミックスを用いたシミュレーションを行った.その結果,EVの普及率:5% / 年,EVとGV (ガソリン自動車)の燃費性能の向上:2.9% / 年,耕作放棄地の拡大:4.2% / 年,飼料米ふくひびきの生産によって,27年後に自動車用エネルギーを自給できる可能性を明らかにした.また,EVの燃費性能の向上,および新車販売台数のなかでEVの占める割合の増加が,栃木県での自動車用エネルギー自給の可能性に大きく影響を与えることが明らかとなった.
著者
大島 裕明 小山 聡 田中 克己
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告データベースシステム(DBS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.72, pp.345-351, 2004-07-14
被引用文献数
2

個人のコンピュータには,その個人がどのような知識を持っているか,どのような考え方をしているか,ということが分かる情報が含まれている.しかし,それらはコンピュータに利用できるような状態にはなっていない.現在,さまざまな分野でシソーラスのような一般的な概念体系が用いられているが,個人のコンピュータに存在するコンテンツから個人的な概念体系が作成されれば,さまざまな分野におけるパーソナライザーションが可能になる.本稿では,個人コンピュータに存在する文書とその分類の方法から,個人的な概念体系を作成する手法について提案を行い,作成された個人的な概念体系を用いてウェブ情報検索におけるパーソナライゼーションを行う手法について提案を行う.A personal computer has a lot of documents. Those include much information that shows what the user is interested in, knows, and so on. However, the computer just has the information and it can not be used automatically. Now, common concept classification like thesaurus is used in many fields, so if the personal concept classification is created automatically based on the personal contents in the personal computer, it will be possible to be personalized in many fields. In this paper, we propose the way to create the personal concept classification from the personal contents and the method of the Web search personalization.
著者
小山 和弘 小笠原 伸子 青野 美弘 梶原 博視 関口 久紀
出版者
日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 = Japanese journal of pharmaceutical health care and sciences (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.24-28, 2001-02-10
被引用文献数
2

We investigated the relationship between the serum vancomycin concentration and the initial dosage regimen. Furthermore, we evaluated the dose and dosage interval for the therapeutic level (trough< 10μg/mL, peak 25-40μg/mL) and the toxic level (trough>15μg/mL).<BR>The percentage of the concentration within the therapeutic level was 0% and the percentage over the toxic level was 71% regarding a vancomycin dose of 500mg every 6 hours. The percentage of the concentration within the therapeutic level was 0% and the percentage over a toxic level was 23% regarding a dose of 500 mg every 12 hours. The percentage of the concentration within therapeutic level was 0% and the percentage over the toxic level was 33% regarding a dose of 1, 000mg every 12 hours. The percentage of the concentration within the therapeutic level was 21% and the percentage over the toxic level was 11% regarding a dose of 1, 000mg every 24 hours. The percentage of the concentration within the therapeutic level was 33% and the percentage over the toxic level was 10% regarding a dose of 1, 500mg every 24 hours. As a result, a dose of 1, 500mg every 24 hours was found to achieve the most appropriate therapeutic levels. On the other hand, a dose of 500mg every 6 hours showed a poor percentage of the concentration over the toxic level.
著者
小山 直子 増永 良文
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.177, pp.153-158, 2004-07-07

我が国は男女共同参画社会の実現に向けて大きく動き出しているが,それに呼応して社会のジェンダー意識が急速に高まっている.また1960年代に始まったジェンダー研究も次代の流れに呼応して,その姿をめまぐるしく変えながら発展している,我々は,このような現象がインターネット上に展開するジェンダー関連Webサイトがなすコミュニティを分析することにより,的確に捉えることができるのではないかと考えた.そこで,本研究では,東京大学生産技術研究所喜連川研究室で開発されたWebリンク解析アルゴリズムCompanion-を用いて,ジェンダー研究関連Webコミュニティの抽出と分析を行い,そのコミュニティが時代の流れと共にどのように変遷しているか,そして,ジェンダーが社会的・文化的な所産であるがゆえに,ジェンダー概念が社会的・文化的なさまざまな事象により受けるインパクトのもと,どのように揺れ動き,その活動を社会に還元させようとしてきたかを明らかにすることを試みた.一方,Webリンク解析アルゴリズムはHITS法,リンクの強連結性に基づく方法,Max-Flow法などさまざまな手法が提案されているが,いずれも,アルゴリズムをリアルな応用分野に適用した場合に,その分野の専門家がそれらを分析ツールとして使用に耐えうるものと評価するか否かに,非常に関心がある.本報告では,ジェンダー関連Webコミュニティの分析にHITS法に基づいたCompanion-を選択したことでいくつか有益な分析が行えたと評価すると同時に,Webコミュニティの発展過程を読むにあたっては,コミュニティ発展過程ビューアの特性を熟知しておくことが必要であることを明らかにした.
著者
高瀬 巌 小山 寛史 藤下 章男
出版者
日本農薬学会
雑誌
日本農薬学会誌 (ISSN:03851559)
巻号頁・発行日
vol.7, no.4, pp.473-480, 1982-11-20

mesulfenfosの樹幹注入またはdisulfotonの土壌混和の単木処理によるマツノザイセンチュウの防除効果と施用方法や時期別による樹体内の吸収・移行および分布との関係を検討して, つぎの結果を得た.(1) mesulfenfosを樹幹注入またはdisulfotonを土壌混和処理すると, 薬剤は松の樹体内に吸収移行して優れた枯損防止効果を示した.マツノザイセンチュウの防除効果と薬剤の吸収量との間には相関性が認められた.(2) mesulfenfosを樹幹注入すると, 注入点から上方1mでは, 注入部位にのみ薬剤は検出されたが, 高さ5&acd;7mでは樹体内に均等に分布していた.そして, 木部の中心部より薬剤はおもに検出されたことから, 樹幹に直接注入すれば, 蒸散流に乗って上昇, 移動する垂直移行分布が認められた.(3) 11月から3月に薬剤を樹幹注入または土壌処理したとき, 6月の分析時に土壌処理でやや吸収量の差はあったが, 9&acd;12月の樹体内の吸収量は変わらず, いずれの処理時期でも効果が認められた.マツノザイセンチュウの活動期間に薬剤を松に保持させて優れた防除効果を発揮させるには, 樹幹注入は5月まで, 土壌処理は3月までに処理すればよい.(4) 土壌処理したdisulfotonは比較的幹基部に多いものの, 上方の幹部や枝部にも吸収移行しており, 垂直分布が認められた.おもに木部(外側)に多いが, 篩部からも検出されたことから, 松の根系から吸収され, 蒸散流はおもに木部の辺材と篩部であることが示唆された.(5) 樹体内から検出された化合物は樹幹注入ではmesulfenfos自身であったが, 土壌処理では酸化体のdisulfoton sulfoneとsulfoxideが主であった.土壌処理したdisulfotonは土壌内で酸化されて, 酸化生成物が根から吸収移行した.
著者
小山田 耕二
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.53, pp.55-56, 1996-09-04

現在使われている可視化手法は,数値データが格子点で定義されていることを仮定していることが多い.一方,数値シミュレーションの中には,格子中心で数値データを計算するものがある.有限体積法では,変数は,格子の中心に定義されている.また,有限要素法では,最初に数値データが格子点で計算されるが,その微分量は,格子の中心で計算されることが多い.このような格子の中心で定義された数値データを以降,格子中心データと呼ぶことにする.格子中心点を格子点とするような格子を再構築するのは,非現実的である.特に非構造格子データの場合,もとの境界を保持するのが困難である.その代わりに,これまで,格子中心データから次のような2つの手法によって格子点データに変換されてきた.1つは,距離逆数法である.これは,まず,格子中心から格子点までの距離の逆数を重みとして,格子中心データS^<cell>を各格子点に加算していく.同時に,重みそのものも格子点毎に加算しておき,最後に,加算された重みで加算されたデータを除して,その格子点でのデータS^<point>_iとする方法である.S^<point>_i=<Σ_<C^<cell>_i S^<cell>×W^<cell>>/<Σ_<C^<cell>_i W^<cell>>,ここで, W^<cell>は,距離の逆数を,Σ_<C^<cell>_iは,i番目の格子点について総和をとることを示す.もう1つは,格子中心で評価された勾配ベクタ▽S^<cell>から格子点データを外挿する方法である.S^<point>_i=S^<cell>+(D^^→,▽S^<cell>),ここで,D^^→は,格子中心から格子点への方向を,(A^^→,B^^→)は,A^^→とB^^→の内積,そして▽Cは,スカラ関数Cの勾配を表す.格子中心から格子点データに外挿する場合,一般的に格子点を共有する格子毎に違った値が計算される.格子点毎にユニークな値が必要となる場合,これらの値は,平均化される.以上のアプローチで得られる格子点データによって張られるデータ空間は,もとの格子中心データによって張られるそれと異なると考えられる.今,紹介した手法では,この違いによる誤差についてなんら考慮がなされていない.しかしながら,我々は,この誤差の定量化を行ない,この定量化された誤差を各格子点毎に極小化するアプローチを提案する.
著者
川崎 寿之 本田 勝巳 小山 明美
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2003, pp.114-118, 2003-09-09

ISO9001の認証登録をしたけど効果が出ない, 形骸化しているという話を聞くことが多く, ISO9001の品質向上や組織のレベルアップに有効活用されていないケースがある。また, 形骸化を感じているが何から手をつけなければいけないかわからないという話もよく聞く。そこで, 効果と負荷(作業工数, 気持ち)を焦点とした「ISO適用アンケート」を考案した。このアンケートを使った現状分析により, 現在の運用において効果が出ている活動および形骸化や改善が必要な活動が明確になる。本報告では, 組織として効果的, 効率的な品質マネジメントシステム(QMS)の実現に向けて, 改善計画を立案するアプローチを述べる。
著者
秦野 直 小山 雄三 早川 正道 小川 由英 大澤 炯
出版者
社団法人日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科學會雜誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.88, no.6, pp.624-631, 1997-06-20
被引用文献数
1

(目的)嚢胞性腎疾患に合併した腎癌の予後を検討した。(対象と方法)1994年,嚢胞性腎疾患に合併した腎癌の予後に関する全国調査をおこない,集計された216名を対象とし統計学的検討をおこなった。(結果)嚢胞性腎疾患の内訳は,単純性腎嚢胞69名,多嚢胞化萎縮腎61名,嚢胞状腎癌54名,多房性腎嚢胞19名,嚢胞腎3名,その他9名,不明1名であった。全体の五年生存率は84%ときわめて良好であった。性別および年齢別の予後に有意差は認めなかった。腎癌に起因する症状のないもの(65%)は症状のあるもの(35%)に比して有意に予後が良好であった。嚢胞の種類別では,ACDKの予後が最も不良で,嚢泡状腎癌が最も良好であり2群間に有意差を認めたが(Log-Rank検定),その他の嚢胞間に有意差はなかった。TNM分類では,pTI+2が全体の87%をしめ,一般の腎癌の報告に比べ多かった。このため今回の集計で予後が良好であったと考えられる。また嚢胞穿刺液の細胞診陽性群では陰性群に比し,有意に予後が不良であった。しかしながら嚢胞穿刺群と非穿刺群との予後に差はなかった。(結論)嚢胞性腎疾患に合併した腎癌では,一般の腎癌の統計に比較し予後は良好であった。嚢胞穿刺が播種をひきおこし,予後を悪化させる可能性を示唆するデータはなかった。
著者
中川 威雄 鈴木 清 植松 哲太郎 小山 浩幸
出版者
公益社団法人精密工学会
雑誌
精密機械 (ISSN:03743543)
巻号頁・発行日
vol.47, no.11, pp.1399-1405, 1981-11-05
被引用文献数
10

金属短繊維は, 複合材料用基材など種々の用途をもつものと考えられているが, 既存の金属短繊維製造法はいずれも効率が悪く, コストも高い.本論文では, 旋削時に弾性切削工具にびびり振動を積極的に生じさせることにより極細の金属短繊維を製造する, 新しい「びびり振動切削法」を提案する.このびびり振動切削法によれば, 直径10〜250μm, 長さ0.5〜20mmの金属短繊維を, ほとんどすべての金属材料から直接, 安価に, 効率良く製造できる.びびり振動切削法における短繊維の生成機構についても実験により得られた結果をもとにその推定を行った.
著者
小山 裕
出版者
嘉悦大学
雑誌
嘉悦大学研究論集 (ISSN:02883376)
巻号頁・発行日
vol.51, no.3, pp.115-131, 2009-03-30

平成20年12月、明治以来100年以上続いた民法第34条に基づく公益法人制度が、準則主義と公益認定による新たな制度に衣替えした。この世紀の改革とも言える公益法人制度改革がいかに始まったのかについては、あまり知られていない。公益法人制度改革は、平成12年の「行政改革大綱」によるものとしばしば誤解されるが、実はそこで予定されていたものではなく、内閣官房行政改革推進事務局公益法人室スタッフの問題提起によって、新たに政府の方針として浮上したものである。その背景には、先行して行われていた行政委託型公益法人に関わる改革、KSD事件を契機とする国所管公益法人の総点検及び中間法人法の成立があるが、この時代背景がなければ、公益法人という官の世界では「重宝な道具」と考えられていた制度を、官の裁量による公益の認定と法人設立の許可(主務官庁制)から、準則による法人格の取得(準則主義)と第三者委員会による公益性認定へという劇的な変革が行われることはなかったであろう。本稿は、「行政改革大綱」から公益法人制度抜本改革への取組みが閣議決定された平成14年3月までの内閣官房の動きを示したものであるが、これは改革前史のほんの序章にすぎない。
著者
柳田 宏一 小山田 巽 中西 喜彦 東條 英昭 小川 清彦
出版者
鹿児島大学
雑誌
鹿兒島大學農學部學術報告 (ISSN:04530845)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.19-24, 1978-03-19

野草地周年放牧牛における乳量, 乳成分および乳質の分娩季節の違いによる変動について調べた.また, 哺乳牛における体重の増減量の変化を乳量の変化と関連させ検討した.供試牛は, 鹿大農学部入来牧場で昭和43年から昭和52年の間に繁殖に供した母牛実頭数35頭を用いた.すなわち, 泌乳量と乳質については延べ70頭を, 1日当たりの体重変化については延べ169頭(哺乳牛126頭, 非哺乳牛43頭)をそれぞれ対象に測定した.なお泌乳量については, 泌乳前期(0〜3カ月)と後期(4〜6カ月)に分け分析した.1.野草地周年放牧牛の泌乳量は舎飼牛の泌乳量に比較して, 前後期ともに各季節を通して少なかった.分娩季節による泌乳量の違いは, 哺乳前期は季節間で差がなく, 冬季でもかなりの量が維持されていた.しかし, 後期の泌乳量は秋季と冬季の間で有意な差が認められ(P<0.05), 冬季は他の季節に比較して低下していた.これらのことは, 前回で得られた生後3カ月(哺乳前期)の子牛の発育に季節差がなく, その後(哺乳後期)の発育は冬季で著しく低下する事実とよく一致している.2.乳成分についてみると, 比重は冬季に低下し(P<0.05), 脂肪率や無脂乳固形分も秋季から冬季に低下する傾向にあったが, その差は有意でなかった.アルコール陽性乳の出現率は夏季に高くなり季節間で有意な差を示した(P<0.01).3.哺乳牛における1日当たりの体重増減量をみると, 哺乳牛は冬季に同時期の非哺乳牛に比べ著しい体重減少を示し, その程度は, 哺乳後期に比べ前期で顕著であった.
著者
小山 泰弘 横山 節雄 赤堀 侃司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.71, pp.109-116, 2000-05-12
被引用文献数
1

現在、小学校でもインターネットを使った調べ学習が盛んに行われている。学習者がWebページの情報を整理・統合するときには、その一覧性に問題点があり、利用したい情報を見つけにくい。そこで本研究では、Webページをイメージ画像として取り込みそれをさらにサムネイル化することで一覧性を向上させ、整理・統合する活動を支援するツールを開発した。サムネイル化されたWebページは、順序変更、コメントの追加等が可能であり、Web元イメージの再現及び、オリジナルのWebページへのアクセスが容易になっている。それにより、Webページを用いたプレゼンテーションを支援する。本ツールの評価において、内容を思い出しやすい、子供の利用に有効であるなどの結果を得た。