著者
吉田 敏 小山 登 福田 哲夫
出版者
産業技術大学院大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010-04-01

成果の要点は、これまで工学をはじめとした作り手側の領域において軽視されてきた機能面に着目し、使い手視点によって最終的に社会の中で生み出される内容による製品評価の基礎的な考え方を提示することができたことである。製品は何らかの目的に基づいてつくられるが、それは何らかの使い手の要望を実現することである。今回の研究では、工学をはじめ、デザイン学や経営学の学術領域をまたぐ議論が実施でき、総括的な評価軸についてさまざまな議論が行われてきた。その中で、使い手が使用を通して発生させる機能が、設計者が考える機能とまったく異なり、そこに重要な視点がある可能性を得て、新たなる評価軸の可能性を得るに至った。
著者
小山田 耕二
出版者
京都大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2007

平成20年度は、大規模非構造ボリュームデータ向け粒子ボリュームレンダリング技術の高度化を行った。非構造ボリュームデータとは、4面体や6面体が不規則に配置された空間で定義された数値データのことであり、有限要素法を用いた数値流体シミュレーション結果によくみられるボリュームデータである。昨年度開発した粒子ボリュームレンダリング法は,格子の視線順並べ替え処理を必要としない画期的な可視化技術として評価されている一方すべてのサブピクセル値を格納するために巨大なフレームバッファが必要とされることが問題点として指摘された。また、粒子発生においてメトロポリス法を採用したためすべての格子データをメモリにロードしておく必要があり、巨大ボリュームデータ処理時の問題として認識されていた。本年度では,これら問題点を解決するために、アンサンブル平均法の考えを取り入れたピクセル重畳法の開発を行った。本手法は本質的にサブピクセルの個数と同数の繰り返しを行うことにより生成画質の向上を図る。具体的には、フレーム更新毎に乱数のシードを変えながら粒子を生成し、その粒子を画像平面に投影し、その寄与を加算する。指定された回数だけ加算後にその加算値を加算数で除し、最終ピクセル値を得るものである。この手法では、もとの解像度のフレームバッファを準備するだけでよく、巨大フレームバッファの確保の必要性がなくなった。しかも繰り返しの途中で重畳されている画像は若干画質が荒いものであり。大規模データ可視化の場合の詳細度制御に活用することが可能である。
著者
小山 智幸 小山田 英弘 陶山 裕樹 孫 玉平 伊藤 是清 船本 憲治 田中 利光
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

フライアッシュ、砕石粉、各種非反応性スラグ、焼却灰など、発生量が増大している種々の副産粉体を、コンクリートの性能を向上させながら大量に有効利用する方法を確立することを目的とし、既に得られた実験室レベルの成果をもとに、構造部材レベルにおける構造性能と設計方法ならびに耐久性能を総合的に検証した。結果、本コンクリートは構造体コンクリートとして使用できること,及びその調合設計,構造設計ならびに耐久設計の方法を明らかにした。
著者
砂川 正隆 福岡 博史 小山 悠子 福岡 明 岩城 完三
雑誌
日本歯科東洋医学会誌 (ISSN:09157573)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.7-12, 2006-08-31
被引用文献数
4
著者
吉田 勝 和田 秀樹 小山内 康人 有馬 真 加納 隆 PANDIT M. K. PANDIT M.K.
出版者
大阪市立大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1998

1.平成10年度と11年度の2年間にわたり、インド中央構造帯およびその周辺地域の地質野外研究を、日本から派遣研究者27人延ぺ573人日、現地参加科学者40人延べ659人日、合計で述べ1232人日を実施した。また、インドから研究分担者ら4人を延べ133日間招聘した。野外調査はとくに、アラバリ・デリー帯とインド中央構造帯中央部(サコーリ帯およびサウサー帯)を集中的に実施したほか、インド中央構造帯東部、東ガート帯、南インド原生代変動帯、スリランカなども実施した。2.アラバリ・デリー帯、中央構造帯中央部、及びインド中央構造帯全般に関する最新の知識が得られ、採集された地質標本についての詳しい分析的研究が実施され、岩石学、年代学関係の重要なデータが得られ、それらの一部は公表された。3.これらの研究を通じて、ゴンドワナテクトニクスにおけるインド中央構造帯の意義が明らかになって来た。インド中央構造帯のスーチャーとしての主要な活動時期はパレオ原生代(19-22億年前)であり、その後は内陸変動帯であったと思われる。メソ原生代には西オーストラリア南部のアルバニー帯と連なっていたと考えられる。従って、西オーストラリア西縁を走るピンジャラ変動帯が、グレンヴィリアン期のロディニア集合テクトニクスにおいて重要な役割を果たしたと考えられる(Yoshida,2001,Gcmdwana Research 4,208-211)。4.以上の研究成果は、国際誌などでの研究論文105編、国際学会等における講演60題、研究論文集など8冊および国際学術研究連絡誌など10冊の発行などによって国内外に公表された。また、英文研究成果報告書「The Central Indian Tectonic Zone and its Extensions within East Gondwana」(GRG/GIGE Miscellaneous Pub-lication No.14)として刊行された。この報告書はインド中央構造帯のテクトニクス(11編155頁)、アラバリ・デリー褶曲帯のテクトニクス(7編66頁)、東インド東部原生代変動帯の岩石とテクトニクス(8編799頁)及び南インド楯状地の岩石とテクトニクス(6編47頁)の4章347頁で構成され、付録として公表編著書、論文、講演目録、文部省への提出諸書類が添付されている。
著者
笹原 克夫 田村 圭司 恩田 裕一 土屋 智 小山内 信智 石塚 忠範
出版者
高知大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

2004年3月26日にインドネシア共和国南スラウエシ州ジェネベラン川源流部のバワカラエン山で巨大崩壊が発生し,ジェネベラン川源流部に堆積した.本研究では衛星画像と現地調査により堆積土砂の地形変化を追跡し,流出土砂量の経年変化と侵食ガリーの発達状況を把握した.また流出土砂の放射性同位体分析により土砂の流出源を探り,洪水時の土砂と平常時の土砂は異なる土層から流出したことを把握した.
著者
田中 克己 チャットウィチェンチャイ ソムチャイ 田島 敬史 小山 聡 中村 聡史 手塚 太郎 ヤトフト アダム 大島 裕明
出版者
京都大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2006

ウエブからの同位語等の概念知識の抽出,ウエブ検索クエリの意図推定・自動質問修正,ウエブ情報の信憑性分析,ユーザインタラクションやウエブ1.0情報とウエブ2.0情報の相互補完による検索精度改善に関する技術開発を行った.
著者
國分 智晴 酒井 哲也 齋藤 佳美 筒井 秀樹 真鍋 俊彦 藤井 寛子 小山 誠
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLC, 言語理解とコミュニケーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.203, pp.47-54, 2005-07-15

近年, 質問応答システムに関する研究が盛んに行われているが, システムの回答精度と, どれぐらいのユーザが満足するかとの関係が明確になっていなかった.そこで, 質問応答の利用シーンとしてデスクトップ型およびモバイル型の2種類を想定し, シーン別に正解順位に対する満足の度合いを評価するアンケートを行った.この結果, 回答候補を一括提示するデスクトップ型におけるユーザ満足率は質問応答の一般的な評価尺度である逆数順位と似た曲線となるが, 回答候補をひとつずつ提示するモバイル型におけるそれは順位とほぼ比例することが分かった.このため, ユーザ満足率の観点からシステムの目標精度を設定するには, 平均逆数順位ではなく正解順位の分布を決定することが望ましいことを示す.
著者
宇賀神 七夕子 小山 豊 在原 克之
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物学会関東支部会報 (ISSN:13416359)
巻号頁・発行日
no.22, pp.48-49, 2007-12-07

低地水田においても,出穂期追肥を行うことにより,小麦の粗タンパク質含有率及び容積重が増加した.しかし,地下水位の高い圃場では,収量と品質を確保するには,地下水位を下げたうえで出穂期追肥を施用する必要があった.
著者
石川 有香 小山 由紀江 カレン ブライアン 浅井 淳
出版者
名古屋工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

本研究は、東海圏の工業大学の初年次学生を対象とした英語教育システムTEEE(Tokai English Education for Engineering Students)の開発を目的とする。東海圏の英語教員によるネットワークを作成し、現在のESP教育の問題点を明らかにし、開発した新しい教育方法と教材を実施する。研究の結果、工業大学の初年次学生は、工学や英語の知識は乏しいが、概して工学への強い学習動機が備わっているため、TEEEによるESP教育は効果的である可能性が示唆された。
著者
服部 寿史 堀田 勝平 小山 修司 前越 久
出版者
公益社団法人日本放射線技術学会
雑誌
放射線防護分科会会誌 (ISSN:13453246)
巻号頁・発行日
no.14, 2002-04-04

[目的]当院に2001年3月に導入されたフラットパネルディテクタ搭載乳房撮影装置(GE社製セノグラフ2000D)に撮影条件等と共に表示される平均乳腺線量値(Average glandular Dose)以下AGDと入射皮膚線量値(Entrance skin exposure)以下ESEの表示機能について実測値との比較を行ったので報告する。[方法]1.AGDを求めるために乳房撮影精度管理マニュアルに基づいてA1減弱法にて管電圧26〜34kV、陽極/フィルター材質Mo/Mo,Mo/Rh,Rh/Rhについて半価層を測定した。Fig.1 2.乳腺脂肪比率の異なる(30/70%.50/50%.70/30%)BR12乳房等価ファントム(モデル12A)を用いて厚さ2〜7cmについて各陽極/フィルター材質ごとにAGD、ESEを求め装置の表示値と比較した。[figure][figure][figure][figure] 今回,Fig.2のAGDを求めるにあたり1R当たりの吸収線量換算値についてはsobol,Wu(1997)等が求めた近似式より求め乳房厚と乳腺含有率に対応したデータに換算したものを用いた。また,大気補正係数については測定時気温25℃,気圧999hpaから1,0243とした。Fig.3のESEの後方散乱係数については19×24cmの照射野からBJRのSupplement No17の長方形照射野と等価な円形照射野の直径を求めるグラフより換算し1.16とし、吸収線量換算係数については光子減弱係数データブックより算出した実効エネルギーと吸収線量換算係数のグラフより乳腺組織に対応した値として0.82とした。[結果]Fig.4は28kV50mAsで乳腺脂肪比率50/50%のファントムを用い2〜7cmまで厚みを変化させ,陽極/フィルター材質Mo/MoでAGDとESEの表示値と実測値を表したグラフです。横軸にファントム厚を縦軸に線量を棒グラフ左側にAGD表示値と実測値を,右側にESE表示値と実測値を表したものです。各厚みに関してはAGD,ESE共にほぼ同じ比率で表示値より実測値が少ないものとなった。これは、乳腺脂肪比率30/70%.70/30%の結果においても同様の結果となった。組織別ではAGD,ESE共に表示値と実測値の差はほぼ一定であったが,線質別でRh/Rhがやや差の少ない結果なり平均するとAGDで15〜19%,ESEで9〜16%表示値より実測値が少ない結果なった。ここに28kV50mAs Mo/Mo4cmでの各組識別の実際のESEとAGDを示す。Table1[table] ここでESE表示値は組織(乳腺/脂肪比率)を変化させても全く同じ値を示した。これは他の線質間においても各厚みについても同じ結果となった。さらには乳腺組織とは全く違う物質、例えば発砲スチロール,鉛などの物質においても同等の大きさで条件,圧迫厚が同じであれば同様の結果となった。[考察]ESEについて、今回我々は照射線量から吸収線量に換算するさい吸収体の特定物質として乳腺を用いた換算係数で算出したが、装置の設定は算出方法が明確でないがESEは吸収物質が何であれよほど大きさが違わない限り撮影条件と圧迫厚で決定され、同じ表示値を示す事からも吸収物質が空気を対象とした計算方式ではないかと考えられる。また測定方法の違いや半価層の設定値の違いでAGDへの変換係数も変化するためある程度は誤差範囲と考えられた。[結語]今回、このようにAGD,ESE共に表示値と実測値は比例関係を示しており線質間での差が若干認められるものの線量を把握するには充分な機能であると考えられた。また、実測値のデータにおいて入射皮膚面吸収線量が平均乳腺線量の3.6〜5.6倍の値を示したことからも平均乳腺線量は全乳腺吸収線量の平均値で、より皮膚面に近い乳腺吸収線量は平均乳腺線量より多いことを理解すべきである。以上のことからも、この装置における線量の表示機能は被曝管理という観点からも有用な機能であると考えられ被爆低減に努力していきたい。
著者
小山 充道
出版者
日本特殊教育学会
雑誌
特殊教育学研究 (ISSN:03873374)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.34-43, 1984-12-30

重度失語症と情動障害を伴う後天性脳障害児1症例(初診時13歳5ヵ月、女子)をとりあげ、言語訓練過程のみならず、患児の情動反応についても検討した。その結果、次のような知見を得た。(1)言語機能の改善には、情動安定が計られることが重要であり、失語症が重度であればあるほど、言語訓練そのものよりも、心理療法的接近が必要となってくると考えられた。(2)病理的人格反応図式(小山:1982)に従えば、患児の情動は当初通過症状群の範畴にあり、言語訓練を通して治療者との関係が深まるにつれて、再適応症状群へと移行していったと考えられた。(3)情動安定を計るために、次のような心理療法的接近が考えられた。家族(特に母親)にも、リハビリテーションチームの一員としての自覚をもたせ、共に言語訓練に参加させた。患児の悲痛な訴えを無条件に聞き入れる一方、患児は思春期前期にあることを考慮して、可能な限り一人前の人格者として接するように努めた。言語訓練は患児の精神生活にリズムを与え、患児にとって、単なる言語機能の改善以上の意味をもっているように思えた。
著者
長谷川 雅人 小山 直路 龍瀧 浩三 上野 久儀
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
年次大会講演論文集 : JSME annual meeting
巻号頁・発行日
vol.2003, no.2, pp.377-378, 2003-08-05

We investigated the drag reduction phenomena on highly water repellent surfaces, which have micron to sub-millimeter order of projections at several intervals of the same order. The most significant drag reduction in the present work was achieved on the surface of the largest structure among those of the constant concavo-convex ratio. The ability to hold the air layer in water depends on both the size and the ratio of concavo-convex structure. The water-repellency of these surfaces in bulk water didn't match that estimated from the contact angle of water droplet on the surface in ambient air.
著者
斉藤 正浩 小山 裕介 日下部 岱
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会秋季大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1994, no.1, 1994-09-26

誘導無線方式による車両位置検察について,筆者らは三相3練式誘導線を用いる方式を提案し,位置検知の特性解析を行い報告した.さらに,新交通システム等の車両位置を長距離に渡って高精度に検知する方式への適用を目的に,誘導線の交差周期長を変化させたときの位置検知特性について解析を行った.本稿では,誘導線の交差周期長を変化させた場合について,実寸による模擬実験装置により,位置検知の実験結果を得たので,理論特性との比較を示し考察する.