著者
清水 健太郎 小島 将裕 小倉 裕司 嶋津 岳士
出版者
一般社団法人 日本静脈経腸栄養学会
雑誌
日本静脈経腸栄養学会雑誌 (ISSN:21890161)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.797-802, 2016 (Released:2016-06-20)
参考文献数
52

プロバイオティクスは、「適正な量を摂取したときに宿主に有用な作用を示す生菌」、プレバイオティクスは、「大腸の有用菌の増殖を選択的に促進し、宿主の健康を増進する難消化性食品」のことである。急性期病態において腸管は全身性炎症反応の源となる傷害臓器のひとつであり、特に腸内細菌叢の崩壊は感染合併症や予後と関連している。腸内細菌叢を安定化させるプロバイオティクス・プレバイオティクス治療は、侵襲外科手術や外傷後の感染合併症予防に対して有効性が報告されており、急性期疾患での適応が広がっている。また、基礎研究の発展とともに腸内細菌叢の免疫系への深いかかわりが近年注目されている。腸内細菌叢の解析方法も培養だけなく網羅的なメタゲノム解析によって未知の原因菌が明らかになってきた。このような基礎・臨床研究によって急性期におけるプロバイオティクス・プレバイオティクス治療のメカニズムの解明と新たな治療法の開発が望まれる。
著者
国元東九郎, 小島ミサヲ 訳
出版者
世界文庫刊行会
巻号頁・発行日
vol.下級編(1・2学年) 上, 1926
著者
小島 德子
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.42, no.4, pp.4_775-4_786, 2019-09-20 (Released:2019-09-20)
参考文献数
30

目的:産褥早期に直接授乳をしている褥婦への足湯を継続して行い,乳汁分泌に及ぼす足湯の介入効果を検討することである。方法:母乳育児を希望する経腟分娩後の褥婦を対象に,血圧,脈拍数,乳房皮膚温,直接授乳量,搾母乳量,乳汁分泌量,硬結の有無,乳房の熱感・乳房緊満感の有無について,ランダム化比較試験を行った。結果:乳房皮膚温は足湯群が産褥2日目から,コントロール群が産褥4日目から経日的に上昇した。搾母乳量(補正値)は,産褥2日目・5日目において足湯群に有意差が認められ,乳汁分泌量は産褥5日間すべて足湯群が多かった。硬結の消失時期および乳房の熱感や乳房緊満感の出現時期は,足湯群がコントロール群よりも早かった。結論:足湯は血流を促進させて皮膚温を上昇させ,かつ代謝の亢進を促し,乳房皮膚温の上昇,乳汁産生量の増加,乳汁貯留の軽減,乳汁の分泌開始時期を早める効果をもつことが明らかになった。
著者
井手 俊太 月本 光俊 小島 周二
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.62, no.6, pp.347-357, 2013 (Released:2013-06-28)
参考文献数
9
被引用文献数
1

ゼオライトやプルシアンブルーに代わる吸着剤として天然に存在する古代貝化石(Ancient Shellfish Fossil,以下ASF)による水中137Csの吸着/除去,動物体内吸収抑制に関する基礎的検討を行った。その結果,ASFの放射性セシウムに対する選択的吸着能が明らかとなった。今後,福島第一原発事故に伴う土壌,焼却灰,汚染水等に含まれる放射性セシウムの吸着・固定さらに,放射能汚染除去作業従事者の人体皮膚表面からの除染への利用を検討する。
著者
小島 佑太 辻 智美 伊藤 陸 早田 荘 鈴木 俊明
出版者
関西理学療法学会
雑誌
関西理学療法 (ISSN:13469606)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.133-138, 2017 (Released:2017-12-29)
参考文献数
1

We administered physical therapy for a patient who presented with right hemiplegia after cerebral infarction. When lowering clothing with the left hand for toileting, the patient risked falling posteriorly to the right. Therefore, therapy focused on enabling the removal of underclothing. Healthy subjects remove underclothing with the use of left elbow extension and left lateral bending of the trunk, while moving the pelvis in a right lateral direction. However, this patient was unable to adequately bend the trunk to the left and could not lower underclothing on the left side. In addition to not being able to control right lateral movement of the pelvis, she had rearward displacement of the right buttock, and risked falling posteriorly to the right. Physical examination and observation of motion revealed decreased tone of the right external abdominal oblique and the posterior fibers of the gluteus medius; the lower fibers of the gluteus maximus were considered the main problem. Physical therapy enabled the patient to undress for self-toileting by focusing on the impaired muscles.
著者
小島 慶子 川岸 徹
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネスassocie (ISSN:13472844)
巻号頁・発行日
vol.10, no.19, pp.98-102, 2011-11-01

TBSのアナウンサーを辞めて、昨年、フリーのラジオパーソナリティーに転身した小島慶子さんが注目されている。局アナ時代から担当するTBSラジオ「小島慶子キラ☆キラ」などでは、本音トークをズバリと語る。そんな明快な姿勢が人気の理由だ。どうして一大転身を選んだのか、決断の背景を聞いた。
著者
小島 原典子 福本 正勝 吉川 悦子 品田 佳世子 對木 博一
出版者
公益社団法人 日本産業衛生学会
雑誌
産業衛生学雑誌 (ISSN:13410725)
巻号頁・発行日
vol.60, no.5, pp.103-111, 2018-09-20 (Released:2018-10-02)
参考文献数
43
被引用文献数
1

目的:「復職ガイダンス2017」は,Evidence-based Medicineの手順でエビデンスの質を評価し,無作為化比較試験(RCT)のシステマティックレビューの結果から推奨を提示した,わが国最初の産業保健ガイダンスである.各介入のシステマティックレビュー,推奨の各論については各論で詳述する予定であり,本稿では作成方法を中心とした概論を報告する.対象と方法:透明性の高いガイダンス作成グループの編成,レビュークエスチョン(RQ)の公募と選定など,先に公開された,「科学的根拠に基づく産業保健ガイダンスの作成方法」に沿って作成された.6つのRQに対し,Cochrane Library・PubMed・医中誌Webの3つの文献データベースを用いて,既存のシステマティックレビューの検索式を一部改訂して2016年1月時点の文献検索を行った.選定基準に沿って採用論文を選定し,GRADEアプローチを用いてエビデンスの質を評価し,RQ2と4はメタアナリシス,RQ5,6は定性的システマティックレビューを行った.費用対効果についても定性的レビューを行い,コスト・資源など我が国における実行可能性を慎重に検討して推奨を作成した.結果:網羅的文献検索の結果,RQ2 11件,RQ4 4件,RQ5 コホート研究1件,RQ6 3件(うち,コホート研究2)を選定した.休職者に対するリワークなど復職支援プログラムは,中等度のエビデンスに基づく強い推奨(筋骨格系障害),弱い推奨(メンタルヘルス不調)であった(RQ2).RQ4では,産業保健活動として主治医など臨床のスタッフと連携することは,低いエビデンスに基づいて弱く推奨された.RQ5はソーシャルサポートの有用性について検討したコホート研が1件だったことから,推奨としては提示せずBest practice statementとして上司・同僚の介入を提案した.復職時に就業上の配慮に関するRQ6は,低いエビデンスに基づいて弱く推奨された.考察と結論:病気欠勤か病気休職かを問わず4週間以上の私傷病による休職者に対して,休職中の介入が早期復職など就業上のアウトカムの向上させることがシステマティックレビューの結果から明らかとなった.我が国の産業保健に関するエビデンスは限られているが,多くの産業保健職が科学的根拠に基づく透明性の高いガイダンス作成方法を習得し,その作成過程で文献検索,エビデンスの評価を行い,我が国で優先的に行われるべき研究課題を明確にすることに現状では大きな意義があると考えている.
著者
盛田 紗緒莉 小島 聡子 MORITA Saori KOJIMA Satoko
出版者
岩手大学人文社会科学部
雑誌
Artes liberales : Bulletin of the Faculty of Humanities and Social Sciences, Iwate University = アルテスリベラレス : 岩手大学人文社会科学部紀要 (ISSN:03854183)
巻号頁・発行日
no.97, pp.29-42, 2016-01

一般に,大学は高校よりは広い地域から学生が集まっている。そのため,大学入学後異なる言語圏の出身者と話す機会が増え,言葉の地域差のヴァリエーションに興味を持つ学生は少なくない。岩手大学の学生は,東北地方出身者が8割以上を占め,中でも半数近くは岩手県の出身1)なので,首都圏の大学に比べれば,言語のヴァリエーションは少ないかもしれない。しかし,東北地方の面積は広大で内部の言葉の地域差は小さくなく,岩手大学の学生たちも,大学進学後に言葉の違いに気がつくことがあるのは他の大学の学生と同じである。 とはいえ,岩手大学の学生たちが大学で必ずしも「地元の言葉」で話しているというわけではない。近年は「方言ブーム」などもあって,方言に対する劣等感は減っているという指摘もあるが,東北地方では未だに方言に対するコンプレックスは根強く,学生たちも例外ではない。そのため,「地元の言葉」は出さないようにしている学生も少なくない。また,特に盛岡市など都市部出身の学生たちは,自身の言葉を「標準語である」と意識しているか,あるいは少なくとも「あまりなまっていない」と思っていることが多い。つまり,お互いに「標準語」で話していると思っている学生が多いのである。それにもかかわらず,通じない言葉があり,それが地域差によるものであると発見すると,一段と興味をそそられることも多いようである。 本研究では,そのような「標準語」的な表現の中で一部の学生たちが用いている「あるくない?」「するくない?」などと使う「クナイ」という形に注目し,東北地方における地域的な広がりと使用状況を明らかにしようとするものである。 「あるくない?」は動詞「ある」に「クナイ」という形式が付いた形で,「あるよね?」あるいは「あるんじゃない?」と同じような意味を持つ表現として用いられる。岩手大学では,主として秋田出身の学生が多く発話していることが観察される。しかし,岩手大学でも使用しない学生の方が多く,初めて聞いて驚く人も少なくない。一方,「あるクナイ」を使用する人は,相手に驚かれて初めて通じない場合があると気が付くようである。この形は,秋田県のいわゆる伝統的な方言の範疇に入るような表現ではなく,使っている人にも方言であるという意識はない。 そこで,本稿では,「あるくない」のような〈動詞+クナイ〉という形式が,どのような地域的な広がりを持ち,また,どのように用いられているのかについて,岩手大学の学生を対象に東北地方における実態を調査した。 その結果,秋田県では地域的にも広く用いられ,また,待遇的にも敬体で用いられることもあるなど,用法も広いことが明らかになった。さらに,周辺への広がりという点では,秋田県の南側に接する山形県では同様に用いられている可能性があるが,岩手県・青森県・宮城県・福島県ではほぼ用いられることがないことがわかった。
著者
大場 雄二 小島 孝昭 白石 武昌
出版者
社団法人 全日本鍼灸学会
雑誌
全日本鍼灸学会雑誌 (ISSN:02859955)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.429-437, 2000-08-01 (Released:2011-03-18)
参考文献数
25

腰痛治療点として臨床的に良く用いられる「委中」は「遠位取穴・遠位経穴刺鍼」として知られている。その「委中」刺鍼刺激の意義を検討した。経穴の応答性を腎兪で被験者一人につき両側で、300回以上にも及ぶ電気刺激で得られた「強さ一時間曲線」から時値を求め、それに対する「委中」刺鍼刺激の影響を健康成人健常者 (男性6名、女性6名) と中等度腰痛患者 (男性6名、女性4名) で比較観察した。・健常者群では腎兪での応答性は、男の時値は女より低く、応答性は高いといえる。「委中」刺鍼により腎兪での応答性は男女とも大きな変化はなかった。・腰痛患者群の腎兪での応答性は、健常者群と比し、著明な上昇 (痛み・過敏) が認めらた。その反応は、遠位経穴「委中」刺鍼により、明らかな時値の上昇即ち応答性の低下が認められ、「遠位経穴・委中刺鍼」に依る鎮痛効果が示唆された。・臨床上の「委中」刺鍼による腰痛に対する治療効果とその意義を考察した。
著者
地理ゼミ生 三浦 駿平 川畑 維吹 斎藤 優史 前園 太一 松田 信太朗 小島 隼 熊谷 暦太 高木 大成 高橋 航大 星 穣司 安藤 希 大内 星李 亀谷 伶央 佐藤 豪 浅川 俊夫
出版者
東北福祉大学教職課程支援室
雑誌
教職研究
巻号頁・発行日
vol.2019, pp.45-61, 2020-03-31

「地誌」授業で、2016年度から世界の10か国及び日本の10都県の位置について、受講生がどの程度認識しているか調査してきた結果を、①高校での地理科目履修状況との関係、②正答率の経年変化、③誤答の傾向に分けて分析・考察した。①では、世界の地理認識について正答率が低い国で地理科目履修者の正答率が未履修者を上回る傾向がみられる。②では、変化パターンから、調査した10か国は、正答率が上昇傾向、低下傾向、調査年により上昇・低下、ほぼ一定の4グループに、10都県は、上昇傾向、調査年により上昇・低下、ほぼ一定の3グループに分けられる。③では、世界の地理認識について、正答の国に近接またはその国が属する地域の国を誤答、名称の似た地域・国を誤答、全く別の地域の国を誤答という三つの誤答パターンが、日本の地理認識については、隣接または正答の県が含まれる地方の県を誤答、全く別地方の県を誤答という二つの誤答パターンが認められる。
著者
小島 健太郎 小島 早織 内海 恵利 江成 暁子
出版者
一般社団法人 日本獣医麻酔外科学会
雑誌
日本獣医麻酔外科学雑誌 (ISSN:21896623)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.13-15, 2020 (Released:2020-08-26)
参考文献数
5

肥満細胞腫(MCT)は犬の皮膚悪性腫瘍では最も多いが、筋肉内MCTの情報は極めて少ない。今回、大腿二頭筋に発生したMCTに対して外科的治療を行った症例を経験したので報告する。11歳、避妊雌、ラブラドール・レトリーバーが右大腿二頭筋に発生した最大径5.7 cmの筋肉内腫瘤を主訴に来院した。腫瘤を含む大腿二頭筋の部分切除および同側の膝窩リンパ節の摘出を行った。病理組織学的診断はMCTであったが不完全な外科マージンと評価され、c-kit遺伝子exon9に変異を認めた。術後8日目に拡大再切除を実施したが、摘出組織には組織学的に腫瘍細胞は認められなかった。術後692日に死亡するまで、再発や転移は認めなかった。本症例から筋肉内MCTの治療として筋肉の部分的切除が選択肢の1つとなる可能性が示唆された。
著者
小島 朋久 歌川 和宏 納冨 充雄
出版者
日本実験力学会
雑誌
実験力学 (ISSN:13464930)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.103-109, 2018-07-23 (Released:2018-07-24)
参考文献数
16
被引用文献数
2

The impact resistance improvement is important for glass members which are functional material in optics. It was reported that sticking a thin polymeric film on the glass plate is an effective way to easily reinforce the glass plates against impact loads. However, the reinforcing effect is not enough evaluated quantitatively. In this paper, impact fracture behavior was investigated with a glass plate stuck with thin polymeric film. An impact experiment was conducted using drop weight with a steel bar for the incidence of the impact load to a glass plate. In the experimental result of glass plate without film, stuck with film (3.2% thickness of the glass plate) and tempered glass plate, it was revealed the toughness for the fracture initiation was 12% improved by film sticking. Moreover, it was implied the fracture strength is not necessarily in proportion to the decrease of kinetic energy of the colliding object after fracture since it was largest with film stuck glass plate, nevertheless, the fracture strength was highest with a tempered glass plate. Furthermore, a proposal was made for the further improvement of the impact resistance by sticking thin film based on the investigation of the fracture mode of the glass plate.
著者
小島 勝
出版者
龍谷大学
雑誌
佛教文化研究所紀要 (ISSN:02895544)
巻号頁・発行日
vol.43, pp.A42-A61, 2004-11-30