著者
小島 隆宏 齋藤 めぐみ 岡田 誠
出版者
日本珪藻学会
雑誌
Diatom (ISSN:09119310)
巻号頁・発行日
vol.32, pp.47-55, 2016-12-25 (Released:2016-12-28)
参考文献数
17

栃木県に分布する中期更新世の湖成堆積物である塩原層群宮島層から産出した新種化石珪藻Stephanodiscus akutsui sp. nov.を記載した。本種は殻面が円形で同心円状に波打ち,殻套は薄い。殻縁部の束線は2~3列の胞紋からなる。殻面有基突起は0~2つで2または3個の付随孔を伴い,唇状突起は1つである。また,しばしば刺を用いて鎖状に連結していることで特徴づけられる。これらの形態学的特徴の組み合わせは他種と一致しない。よって,著者らは本種を新種として提案する。
著者
小島 しのぶ
出版者
東海学園大学
雑誌
紀要 (ISSN:02858428)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.23-33, 2000-12-05
被引用文献数
1

1)女子高校生の食事実態として食事区分別献立構成による点数化の試み 一日の献立構成を9点満点として評価してみると, 3日間の平均点は食事区分ごとに差があり朝食は調査対象者(207名)の献立構成にばらつきが大きく平均値として確認し難く二極分化している。昼食については3点満点で2.10点, 夕食では2.40点であり食事区分の中では夕食が献立構成としてはバランスのとれた食事になっている。一日3食の平均値は9点満点で6.26点であった。2)家庭内食事摂取者と家庭外食事導入者における献立構成点数, 簡易栄養診断点数の比較 家庭内食事のみ利用者の献立構成平均点数は7.2点, 簡易栄養診断点数の平均点数は66.0点であった。他方, 家庭外食事利用者の平均点は各々5.95点と54.6点であり家庭内食事のみの利用者のほうが平均の得点は高いが両者間で有意差はみられなかった。なお, 調査対象者の72.0%が家庭外食事(外食, 加工食品, 調理済食品, 冷凍食品)を利用している。導入の実態は朝食では前日に買い置きをしておいたと思われる菓子パン・惣菜パン等で朝食を済ませる。他方昼食の弁当においては, 主食, 副菜は自宅で調理したものであり, 調理済あるいは冷凍食品は主菜に利用する事例が多くみられた。3)出現献立の特徴 一日3食を通して出現献立の特徴をまとめてみると, 主食は朝食を除くと白飯が最も多く出現しており, 一日の主食出現数の52.4%は白飯である。パン類は24.3%の出現率であった。主菜料理では肉料理が多く主菜の42.4%を占めている。卵料理は23.7%であり, 朝食, 昼食で多く出現している。魚料理は2LO%であり, 上位3位までは動物性食品を主材料にした献立である。副菜は野菜を加熱調理したもの, 例えば, 炒め野菜, 浸し, 煮物等を合計すると32.5%, サラダ・生野菜が26.2%の出現率であり, 朝食, 昼食, 夕食の各食事区分に比較的万遍なく出現している献立である。味噌汁は17.9%であり朝食で最も多く出現しており27.9%夕食でも22.8%の出現率である。4)女子高校生の食事内容の特徴 調査結果から女子高校生の食事内容の特徴をまとめてみると, 朝食の食事内容は二極分化していることである。欠食を含めて朝食が非常に貧しい内容のものと, ほぼ完壁に近いもの(ただし, 分量の記入は求めていないので, あくまでも献立構成のうえからの結論である)とにわかれている。昼食において弁当持参者は主食, 主菜は揃っており中には主菜が3〜4種類という事例もあるが, 副菜がおろそかにされる傾向が強く副菜の無い事例もみられた。しかし, 登校途中等に昼食を購入している場合には, パンとやきそばといった主食に該当するものを複数購入して昼食としているものが多く朝食の欠食者に多くみられる。夕食については, 献立構成上も良いものが多いが, なかには主食を抜いたりしている場合があり特に主菜が肉料理, 天ぷら等の献立の場合に多くみられた。この現象については勝手な推察はできないがダイエット経験者が39.1%であったという結果から1)肉類, 油脂類, に対する栄養の知識, 食生活と健康に対する意識の問題として今後栄養指導の課題としたい。
著者
橋本 俊郎 小島 均 佐竹 秀雄
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.38, no.9, pp.822-825, 1991

らっきょう漬の製造法の改善のため,生ラッキョウの塩漬時の食塩濃度を低食塩区(3%,6%)と高食塩区(12%,20%)に分けて室温下に8週間貯蔵し,2週目ごとに調味加工して食味品質の比較を行った.<BR>食塩濃度12%以上の区では微生物の生育が強く抑制され,成分の変化が少なかった.しかし,低食塩区では微生物が旺盛に増殖して塩漬4週目で乳酸菌が10<SUP>7</SUP>/ml,酵母が10<SUP>6</SUP>/ml台に達し,漬液の濁度の増加,pHの低下,乳酸及びアルコールの生成をもたらした.低食塩区のうち3%区の塩漬らっきょうを原料とした製品品質は劣ったが,6%区の塩漬らっきょうの場合は良好であった.この時の脱塩時間は高食塩区の場合のほぼ1/10となり,脱塩に要する水量を著しく減少することができた.3%区の漬液中の乳酸量は塩漬4週目で0.4%に達したが,6%区では0.22%とおよそ半量に留まり,乳酸発酵が適度に抑制されたものと思われる.
著者
小島 久和
出版者
明治大学文芸研究会
雑誌
文芸研究 (ISSN:03895882)
巻号頁・発行日
no.72, pp.p1-10, 1994-09

エンブレム作品の基本構造は、このジャンルの創始者とみなされているAndré AlciatがLiber Emblematumを1531年にアウグスブルグで出版した時以来、銘句・寓意図・韻文(説明文)の形をとっていて、この3つの要素が1ページに重層的に配置されていた。これらの要素の役割は、銘句で個人的信条や道徳倫理観を簡潔に表明し、寓意図がこの抽象観念を神話の神々、動植物、人間、道具類などの形象の下に隠し、韻文が上記要素の結び付きの理由を説明して、寓意図の「読み方」を解明するというものである。
著者
内村 泰 小島 陽一 小崎 道雄
出版者
Brewing Society of Japan
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.85, no.12, pp.881-887, 1990
被引用文献数
1 10

1. 構成微生物により次の3グループに分けられた。<BR>A: <I>Saccharomycopsis</I>属酵母優勢型<BR>B: <I>Rhizopms</I>属中心の糸状菌優勢型<BR>C: 菌糸状酵母と糸状菌共存均衡型<BR>これら3グループに分類されたチャン・ボーも希釈平板を行うことにより, 全試料中からSaccharomycopsis属酵母とRhizopus属中心の糸状菌が共存することが確認された。<BR>2. 糸状菌優勢型の餅麹を用いて蒸煮米の糖化を行ってみたが, 他の餅麹試料を用いて糖化を行ったものに比べて非常に弱いものであった。<BR>3.糸状菌およびチャン・ボーのアミラーゼ活性を試験した結果, 分離した15株の菌株のうち, アミラーゼを生産していたものはRhixopus sp.の5株とAspergillussp.1株の計6菌株のみであった。<BR>他の菌株のアミラーゼ活性はきわめて弱かったことから, チャン・ボーより分離される糸状菌はそのすべてが必ずしもアミラーゼ生産に関与しているとは考えられず, チャン・ボーの主糖化菌はSacCharomycopsis fibuligeraであり, Rhizopus sp.や, 若干のASpergillus sp.などの糸状菌が, 補足的に糖化に関与しているものと考えられた。<BR>以上のことから, これまで報告してきたSaccharomycopsis属酵母がアミラーゼ生産を行うの主糖化菌であることを支持する結果となった。<BR>同行を許可された田部井淳子氏を隊長とするブータン遠征女子登山隊に感謝します。
著者
小島 正美 川添 良幸 木村 正行
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.53, pp.263-264, 1996-09-04

インド仏教は、1200年近くに亘ってチベット文化の主流を形成し、チベット人固有の文化に大きな影響を及ぼしてきた.この間に蓄積されたチベット文献資料は、膨大な量の遣産として今日我々に残されている.これらの文献の一部は既に活字化されて再出版されており、その自動認識もインド原典、チベット訳文献、漢訳文献などの研究者の注目を集めている.活字版チベット文字認識において、誤認識の多くは類似文字間で起きている.この問題を解決するために、我々は文字認識の大分類にヒストグラムによる文字構造情報を適用し、次に本稿で提案する「差分重み付きユークリッド距離法」を用いて文字認識実験を行なった.本手法は、コンピュータにより類似文字を自動判別し、さらに類似文字同士がお互いに文字間の特徴を捉えて判別する.これらの認識システムを現在オブジェクト指向設計法でデザインしており、原理的にチベット類似文字以外の他の類似文字の認識にも適応可能である.本認識手法は、特に「含む含まれるパターン」による類似文字に対して有効であることを確認したので報告する.
著者
小島 夏彦
出版者
日本古生物学会
雑誌
日本古生物学會報告・紀事 新編 (ISSN:00310204)
巻号頁・発行日
no.155, pp.197-211, 1989-09-30

浜名湖の完新統コア試料から渦鞭毛藻シストが産出した。産出したシスト群集は主にペリディニウムグループに属するBrigantedinium spp., Selenopemphix quanta, Seleno. hamanaensis, ギムノディニウムグループに属するPolykrikos schwartzii, Poly. kofoidii, Pheopolykrikos hartmanniiからなり, ゴニオラックスグループ, テュバクロディニウムグループに属するシストも少量産出した。これらのシストは6つの群集帯にわかれ, 構成種の変化より安定内湾域から汽水湖, さらに淡水湖をへて再び汽水湖という環境変化が推定された。なお, 1新種(Selenopemphix hamanaensis)を含む5種を記載した。
著者
小島 千か
出版者
山梨大学
雑誌
教育実践学研究 : 山梨大学教育学部附属教育実践研究指導センター研究紀要 (ISSN:13454161)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.1-12, 2007

絵本に音楽を付ける活動を「音楽理論及び演習II」の授業で行い、出来た作品を有志の学生が子ども図書室において子ども達の前で発表した。その発表作品の内容から、絵本に音楽を付ける活動は、レベルの違いはあるものの、小学校音楽科の音楽づくりでも行われるイメージを音にする活動と同様の内容であり、今後も続ける必要性を感じた。今回の発表作品は、「テーマとなる一つのメロディーを作り、そのメロディーを絵本の登場物のイメージに合わせて変化させる」、「絵本の登場物や場面をイメージさせるような音楽や音を演奏する」のどちらか又は両方を用いて音楽が付けられていることが明らかになった。そこでこの方法で絵本に音楽を付ける活動をするにあたって、授業における今後の課題を示した。更に、音・形・色・動きの関わりとイメージについての考察も今後の課題となった。
著者
小島 佐恵子
出版者
玉川大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01

平成29年度は現状のまとめとして、第29回アメリカ教育学会で発表を行った。発表は、米国の大学における州財政困難が州立大学にどのような影響を及ぼしているのか、なかでも学生支援部門への影響はどのようになっているか、The Chronicle of Higher EducationやInside Higher Edなどの各種高等教育関連のウェブサイト他、日本学術振興会の海外学術動向ポータルサイトに掲載された内容、また個別大学が公表している情報を収拾し、まとめることで、事例調査選定に役立てることを目的とした。結論としては、州財政の高等教育への支出は回復傾向を見せているが、リーマン・ショック以前のレベルには戻っていないこと、州財政が逼迫しているところではもちろん、そのレベルに限らず、複数の大学で学生支援のポストが削減・統合されていることが明らかとなった。州立大学に留まらず、連邦政府や州からの経常補助がないとされる私立大学においても、同様の傾向が見られた。一方で、アカデミック・アドバイジングが維持されている傾向や、学生支援への支出を増加することで学生の卒業率を上げることができているという傾向も見られた。また、とくにコミュニティ・カレッジにおいては連邦政府も学生支援に資金を拠出している例も見られた。そのため、全体的に削減傾向にはあるものの、部分的には維持・補填されているところもあり、とくに教学に近い部分では維持・補填されている傾向があるのではないかということが推察された。
著者
小島 崇 綱島 均 伊藤 聡美 塩沢 友規
出版者
一般社団法人 日本人間工学会
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.43, no.4, pp.193-200, 2007-08-15 (Released:2010-03-15)
参考文献数
11
被引用文献数
2 1

鉄道の安全性確保のために, 列車運転士には判断に関するヒューマンエラーを犯さないことが強く求められる. 列車運行時のヒューマンエラーを防止するためには, 人間の特性を考えた運転支援システムの開発が必要である. このようなシステムを開発するにあたっては, 運転操作と認知, 判断にともなう脳機能に着目する必要がある. 本論文では, 列車運転中の運転士の高次脳機能を, 機能的近赤外分光 (fNIRS) 装置を用いて計測した. 運転中の脳機能活動を抽出するために, ウェーブレット変換による多重解像度解析を適用することを提案した. 運転シミュレータを用いた実験の結果, 提案の方法により運転中の高次脳機能を評価できることを示した.
著者
孔 祥忠 松木 なみ子 宇野 牧子 渡辺 徹也 安田 忠司 高間 敬子 後藤 昌彦 寺尾 学 籾山 正敬 小島 寛 北後 光信 渋谷 俊昭 白木 雅文 岩山 幸雄
出版者
朝日大学
雑誌
岐阜歯科学会雑誌 (ISSN:03850072)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.118-123, 2005-02-20
参考文献数
17
被引用文献数
3

手用歯ブラシ,音波歯ブラシ,超音波歯ブラシを用いて,ブラッシング時間がプラーク除去効果ならびに歯周組織に与える影響を,10名の被験者を用いて検討した.被験者には3日間ブラッシングを停止させることによって,プラークを蓄積させ,軽度の歯肉炎症を惹起させた.その後各種歯ブラシによるプラーク除去効果を検討した.1分間と2分間の異なったブラッシング時間では,全ての歯ブラシともプラーク除去効果はほぼ同様であった.さらに,4分間のブラッシングを1日3回食後14日間行わせた結果では,歯周組織の改善は全ての歯ブラシに認められ,特に音波歯ブラシが他の歯ブラシよりも効果的であることが示唆された.
著者
小島 信之
出版者
福岡女子大学
雑誌
文芸と思想 (ISSN:05217873)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.55-57, 1961-03-01