著者
遠藤 朝則 鈴木 香 浅香 大也 小島 博己
出版者
耳鼻咽喉科展望会
雑誌
耳鼻咽喉科展望 (ISSN:03869687)
巻号頁・発行日
vol.58, no.5, pp.249-254, 2015-10-15 (Released:2016-10-15)
参考文献数
17

嚥下障害を主訴に耳鼻咽喉科を受診し, その後に診断に苦慮した重症筋無力症の1例を報告する。 症例は81歳, 男性で, 嚥下障害を主訴に当院を受診した。 当初は軽度の嚥下機能の低下のみであった。 その後, 急速に嚥下障害が進行し誤嚥性肺炎を繰り返し, 最終的に重症筋無力症と診断された。 近年, 嚥下内視鏡検査が普及したことから, さまざまな疾患の嚥下機能評価が他科から依頼されることがある。 嚥下障害を来たす原因疾患として, 重症筋無力症も念頭に入れながら評価を行わなくてはならない。 進行する嚥下障害を来たした症例では重症筋無力症を念頭に入れて診察を行い, 重症筋無力症の診断のために抗 AchR 抗体やテンシロンテスト, 反復刺激試験などの一連の精査を行うことが重要と考えた。
著者
伊丹 弘美 末森 雅大 若林 直子 小島 隆矢
出版者
一般社団法人 日本建築学会
雑誌
日本建築学会技術報告集 (ISSN:13419463)
巻号頁・発行日
vol.25, no.59, pp.205-209, 2019-02-20 (Released:2019-02-20)
参考文献数
13
被引用文献数
2 1

The research identified issues in communication in the customized house planning process: while professionals ensure that client’s needs are incorporated into the plan, customers felt that needs and tastes were not sufficiently reflected. Factors that affect customer’s general satisfaction are final building, entire process, the interaction with the sales representative, and how the building is placed, as well as the precision of the design drawings/plans. In addition to the tools to share images that reflect needs and taste, an involvement of an interior decorator is found to improve customer satisfaction and reduce the burden of professional in meeting client’s needs.
著者
小島 千枝子 大野 友久 長谷川 賢一 藤田 大輔
出版者
一般社団法人 日本摂食嚥下リハビリテーション学会
雑誌
日本摂食嚥下リハビリテーション学会雑誌 (ISSN:13438441)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.25-35, 2013-04-30 (Released:2020-04-30)
参考文献数
19

【目的】半固形物は一般に,舌を口蓋に押し付けることによる押しつぶしで処理される.しかし,健常者において,固形物のように咀嚼して食べる人が存在する.本研究では,口蓋の高さが半固形物の咀嚼パターンに影響している可能性を検討した.【対象】健常若年成人女性50 名.【方法】① 上顎の歯型模型を作製し,咬合平面から口蓋の底部までの高さを5 mm 間隔で計測した.② 最大舌圧を3 回測定し,平均値を分析の対象とした.③ ゼリー5 g 程度の自由嚥下を観察と問診で,咀嚼と押しつぶしパターンに分類した.④ 咀嚼パターンの9 名に対し,ソフトワックスによる模擬PAP(Palatal Augumentation Prosthesis)を口蓋の最も高い部分に貼り付け,摂食パターンの変化を観察し,舌圧を測定した.⑤ 3 名に対しVF を行い,模擬PAP 有無での嚥下動態を比較した.【結果と考察】統計分析により,押しつぶしと咀嚼に分ける口蓋の高さのカットオフ値が20 mm と算出された.口蓋の高い人は咀嚼が有意に多く,舌圧は有意に低かった.口蓋の高い9 名に模擬PAPを装着すると,咀嚼パターンから押しつぶしパターンに変わり,舌圧は平均5 kPa 上昇した.嚥下開始時の食塊の先端の位置は,咀嚼パターンでは喉頭蓋谷以降が83% を占めたが,押しつぶしパターンに変わると,口腔・咽頭上部領域が100% になり,喉頭蓋谷持続時間も短縮した.口蓋の高い人が半固形物を咀嚼する理由については,食塊を破砕しやすいことに加え,送り込みに関しても,半ば自動的に咽頭へ送り込まれる Stage Ⅱ Transport を用いたほうが容易であることによると推測された.嚥下障害者においても,口蓋の高い人はもともと半固形物を咀嚼していた可能性がある.スクリーニング段階で,口蓋の高さと咀嚼パターンを観察項目に加えることを提案したい.口蓋の高い人には,PAP 装着を選択することが有効と考えられた.
著者
小島 直也 東海 明宏 中久保 豊彦
出版者
一般社団法人日本リスク学会
雑誌
日本リスク研究学会誌 (ISSN:09155465)
巻号頁・発行日
vol.25, no.3, pp.131-138, 2015-12-25 (Released:2015-12-28)
参考文献数
24

It is thought that penetration of Next Generation Vehicle (NGV) will decrease human health risk by air pollution, however it is unknown that increasing of electric demand by using Electric Vehicle (EV) caused risk transference, a type of risk tradeoff, around thermal power generations. We aim to construct the model that can show human health impact distribution by both electric production and transportation considering NGV penetration. We applied this model for (re-)estimating NOX density to 3 cases with the composition of 2010 and 2030 (future) passenger vehicles. Results show that (1) in the case of 39% EV prevalence, the number of patient who has respiratory disease decreased 486.4 people, and (2) from the comparison with the case of 10% EV prevalence, there was not risk transference like increasing patients around electric plant. And such benefit mainly enjoyed people in metropolitan area.
著者
小島 晶二
出版者
資源地質学会
雑誌
資源地質 (ISSN:09182454)
巻号頁・発行日
vol.69, no.2, pp.97-109, 2019-12-16 (Released:2022-08-27)
参考文献数
78
被引用文献数
5

Recent progresses on the iron oxide-copper-gold (IOCG) deposits, especially on principal Chilean deposits, are summarized to clarify metallogenesis and exploration of the type of deposits in Mesozoic extensional subduction regime. The principal composite-mode deposits (Candelaria, Punta del Cobre, Mantoverde) are closely associated with Cretaceous Atacama fault system, and are characterized by the typical Na-Ca-K alteration with the early-stage magnetite (or hematite) and the following Mg alteration with copper-sulfide and gold mineralizations. Fluid inclusion and stable isotope studies suggest that the IOCG deposits were formed by high-temperature hypersaline magmatic-hydrothermal fluids. If the IOCG deposits are generated from FeCl2-bearing magmatic fluids, the spatial-temporal relation between the IOCG and iron oxide-apatite (IOA) deposits is well explained by the magmatic magnetite-bubble segregation model (Knipping et al., 2015b; Simon et al., 2018). Nevertheless, a few problems still remain unsolved in the genetic model including contribution of basinal brines.

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著者
小島 あゆみ 高橋 真理子
出版者
日本科学技術ジャーナリスト会議
雑誌
日本科学技術ジャーナリスト会議 会報 (ISSN:24364525)
巻号頁・発行日
vol.2022, no.103, pp.4, 2022 (Released:2022-06-30)

ZOOM井戸端会議 医療ジャーナリズムの日米比較 第13回ZOOM井戸端会議は3月16日に開催され、新会員で、日本医学ジャーナリスト協会(MEJA)会長の浅井文和さんが「医学ジャーナリズムの現状と課題」と題して話題提供した。 (会員 小島あゆみ)2年ぶりに科学ジャーナリスト塾 9月から開催 JASTJの看板事業の一つである科学ジャーナリスト塾を2年ぶりに開講する。第20期となる。世の中がDX化に大きく動いているのに合わせ、通常の講義はオンデマンド配信し、2週に1度のライブZOOM講義では双方向のやりとりを重視、これらにリアル講義や取材実習も組み合わせるというきめ細やかなカリキュラムを考えている。講師、アドバイザーに多くの会員の協力が得られており、9月開講に向けて精力的に準備を進めている。 (第20期塾長 高橋真理子)
著者
大嶋 孝志 小池 隆司 笹野 裕介 高須 清誠 安田 誠 山口 潤一郎 菅 誠治 跡部 真人 外輪 健一郎 滝澤 忍 椴山 儀恵 矢島 知子 宮尾 知幸 小島 諒介 武田 和宏 松原 誠二郎 矢田 陽
出版者
九州大学
雑誌
学術変革領域研究(A)
巻号頁・発行日
2021-09-10

本領域研究は、有機合成に破壊的イノベーションを起こすデジタル有機合成(実験科学と情報科学の異分野融合)の基盤を世界に先んじて築くことを目的とし、有機合成の多様性に対応した独自のデジタル化プラットフォーム(PF)を構築する。A01班、A02班、A03班の3班体制で、人工知能(AI)を徹底活用した自動化法(分子構造自動設計、合成経路自動探索、反応条件自動最適化、バッチ→フロー自動変換、自律的自動合成システム)でムダを徹底排除し、革新反応・革新分子創出の超加速化を実現するとともに、自動化法開発の基盤となる、有機化学の機械学習に最適化した本領域独自のデータベース(DB)の構築を行う。
著者
勝岡 由一 月山 秀一 天野 江里子 小島 茂樹 黄 世捷 遠藤 陽 松村 かおり 薄場 渉 坂本 三樹 菊地 栄次
出版者
日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会
雑誌
日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 (ISSN:21869545)
巻号頁・発行日
vol.38, no.4, pp.281-285, 2021 (Released:2022-02-22)
参考文献数
16

50歳代の男性。腎硬化症のため16年前から血液透析がなされていた。胸部異常陰影精査目的の胸腹部CT検査にて5cm大の左副腎腫瘍が指摘された。血液透析患者に発症した左副腎褐色細胞腫と診断され,泌尿器科・循環器内科・腎臓内科・内分泌内科・麻酔科が合同で厳格な水分管理のもとに手術を行う方針となった。術前3週間前よりα/β遮断薬を投与し,dry weightを徐々に増加させた。腹腔鏡下副腎腫瘍摘除術に加えて左腎摘出も行った。腎動脈の遮断まではα遮断薬を用いて降圧し,中心静脈切離後からカテコールアミンで昇圧した。術後合併症を認めず手術9日目で退院となった。血液透析患者の心肺予備能を考慮し,慎重な術前体液管理・術中血圧管理を必要とした点,長期血液透析患者ゆえに組織の脆弱性が予想され手術操作に細心の注意を払った点など,示唆に富んだ貴重な症例を経験したので報告する。
著者
宮口 翔太 大西 秀明 小島 翔 菅原 和広 桐本 光 田巻 弘之 山本 智章
出版者
一般社団法人日本理学療法学会連合
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.42, no.3, pp.213-219, 2015-06-20 (Released:2017-06-09)

【目的】本研究の目的は,電流強度および電極貼付部位の違いが経頭蓋直流電流刺激(transcranial direct current stimulation;以下,tDCS)の効果に与える影響を明らかにすることとした。【方法】対象は健常成人9名とした。tDCS介入条件は,陽極電極を左一次運動野領域に貼付し,陰極電極を対側前額部または対側一次運動野領域(bilateral tDCS)に貼付し,1.0mAまたは2.0mAにて10分間刺激する計4条件とした。各条件におけるtDCS介入前後に経頭蓋磁気刺激により左一次運動野領域を刺激し,運動誘発電位を記録した。【結果】bilateral_2.0mA条件においてのみtDCS介入前に比べ介入終了2分後,10分後の運動誘発電位が有意に増大した。【結論】bilateral tDCSにより2.0mAにて刺激することで,大脳皮質の興奮性が安定して増大することが明らかになった。
著者
小島 佳祐 片桐 一敏
出版者
公益社団法人 北海道作業療法士会
雑誌
作業療法の実践と科学 (ISSN:24345806)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.24-30, 2022-05-31 (Released:2022-05-31)
参考文献数
14
被引用文献数
1

片麻痺上肢機能評価においてFMAはエビデンスが高いとされるが,評価結果が治療計画にほとんど提供されていないとVelozoが述べており,治療計画立案のためにFMA keyformの利用を提唱している.FMA keyformによって選択された移行ゾーンは適切な挑戦レベルにあるため,準じた課題を実施し,クリアできれば次のステップへ移行していく.今回,脳卒中片麻痺患者1例に対し,FMAkeyformを用いてハイブリッドな治療を実施した結果,回復期における臨床的に意義のある最小値(MCID)を上回る改善を示した.通常の上肢機能改善よりも,本介入は有意に改善を促した可能性が考えられた.
著者
根本 拓哉 吉田 翔悟 千明 大樹 古木 宏和 小島 尚人
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.7, pp.22-00273, 2023 (Released:2023-07-20)
参考文献数
15

本研究では,ハイパースペクトルデータ(HSデータ)の画像特徴強調・判読支援を目的として,繰り返しコントラストストレッチを取り入れた画像特徴強調カラー合成動画作成アルゴリズム(CCMアルゴリズム)を提案した.このアルゴリズムは,以下の4つのステップから成る.1) HSデータに対する主成分分析を通して,第1~第3主成分画像を作成.2) 主成分画像別に繰り返しコントラストストレッチを実施し,複数のストレッチ画像(s-PCC画像)を作成.3) 相関色温度により,s-PCC画像のRGBプレーンへの割り当てを決定.4) s-PCCカラー画像を繰り返し連続表示したCCM動画を作成.CCM動画を用いれば,コントラストストレッチの全過程を可視化・自動化でき,各種画像特徴の動的強調・判読支援に寄与できることを示した.
著者
藤本 将志 伊藤 陸 小島 佑太 池田 幸司 鈴木 俊明
出版者
関西理学療法学会
雑誌
関西理学療法 (ISSN:13469606)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.33-39, 2022 (Released:2022-12-23)
参考文献数
5

We recommend performing a top-down physiotherapy evaluation rather than a bottom-up evaluation. During an assessment, it is desirable to detect problems at the impairment level and narrow them down to one problem in terms of order and relevance. By intervention for narrowed-down problems and re-evaluation of changes, a clearer physical therapy can be developed. In this study, we introduce abnormal postures and movements that are characteristics of patients with musculoskeletal diseases involving lumbar and hip joint impairment. Furthermore, we present one problem focusing on muscle weakness and decreased muscle tone as the possible underlying cause of impairment. We explain intervention methods for this impairment using kinematic and anatomical viewpoints and electromyography.
著者
小島 広久
出版者
首都大学東京
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2013-04-01

インフレータブル構造物の展開確実性,剛性などの向上を目的とし,昆虫の翅脈構造を模擬した膜面構造を作成,翅脈部分相当のチューブの各種パラメータ,膜面の折り畳み方を変化させ,展開特性や展開復元力などを実験的に調査し,以下の成果を得た.展開終了時間は流入流量に逆比例する.チューブ分岐角が小さい場合,膜面の両端には張力が生じず,端部分はたわむ.展開復元力はチューブ幅のおよそ3乗に比例する.ミウラ折りの膜面は膜面全体が同時に展開する.折り畳み方は流量と内圧の時間履歴に殆ど影響を与えない.昆虫の翅を模擬した膜面の展開は成功した.
著者
井口 健太 小島 有悟 小林 葉 髙井 智琉 平田 彩乃 矢木 陽 小橋 拓司
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会研究会資料 言語・音声理解と対話処理研究会 97回 (2023/2) (ISSN:09185682)
巻号頁・発行日
pp.05-10, 2023-02-27 (Released:2023-02-27)

これまで研究が乏しかった拍手という事象に着目し,「集合的行為としての拍手」を研究対象として,多人数集団による拍手の更なる解明を目指して研究を行った。本校体育館で行われたイベントにおいて,生徒や保護者を含む200人規模の集団の拍手の記録,分析をした。検証の結果,イベント開始時に発生する拍手の開始,終了,またイベント終了時に発生する拍手の開始は,発表者の発話の開始,終了などの周囲からの影響を大きく受けた。その一方,イベント終了時に発生する拍手の終了には個人特有の傾向が強く現れた。