著者
王 夢 小川 剛史
雑誌
研究報告デジタルコンテンツクリエーション(DCC)
巻号頁・発行日
vol.2013-DCC-4, no.7, pp.1-6, 2013-06-20

拡張現実感における現実世界に重畳表示した仮想オブジェクトのリアリティを向上させるためには,視覚的な提示だけでなく,触覚や聴覚など,より多くの感覚刺激を提示することが重要である.本研究では,聴覚刺激の提示のみで任意の場所に音像を定位することは困難なため,視覚と聴覚のクロスモーダル知覚を用いたシステムを提案する.本稿では,提案システムの実現に向け視覚刺激が音像知覚に与える影響を調査した初期実験について報告する.実験により,視覚と聴覚のクロスモーダル知覚を用いることで,聴覚刺激のみを与えたときと比較して,被験者が音像の位置をより強く認識できることが分かった.
著者
小川 剛生
出版者
慶應義塾大学附属研究所斯道文庫
雑誌
斯道文庫論集 (ISSN:05597927)
巻号頁・発行日
no.48, pp.183-212, 2013

山城喜憲元教授退職記念#挿図, 挿表一、はじめに : 歌書の伝本研究における室町期公武蒐書の意義二、伏見殿家集目録について三、「伏見院本私家集」の形成四、「伏見院本私家集」群の伝来五、現存私家集の伝本と伏見院本六、おわりに
著者
小川 剛史 亀井 勇統
出版者
佐賀大学
雑誌
Coastal bioenvironment (ISSN:13487175)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.21-29, 2005

本研究では、一度形成されたシミ・ソバカスを消し去る新規美白化粧品の開発を目的に、2004年4月から2005年1月にかけて採取した海水、河川水、海底泥、および海洋生物から分離した微生物を対象にメラニン分解活性のスクリーニングを行った。その結果、屋久島沖にて採水した表層水並びに三重県沖にて採水した水深4,000mの深層水からメラニン分解菌と思われる菌を2株見出した。次に、これらの微生物が有するメラニン分解活性を、液体培地を用いて評価したところ、TM11-4000-1株がメラニン分解活性を有することが示唆された。また、顕微鏡下における形態観察によりTM11-4000-1株をPenicillium sp. として同定した。さらに、TM11-4000-1株より調製した組酵素を用いてメラニン分解活性を評価したところ、わずかな活性を示した。
著者
時田 喬 柴田 康成 小川 剛 宮田 英雄 大野 道敏
出版者
Japan Society for Equilibrium Research
雑誌
Equilibrium Research (ISSN:03855716)
巻号頁・発行日
vol.52, no.4, pp.602-610, 1993

A new apparatus capable of recording head and eye movements was devised to examine the vestibulo-ocular system. Horizontal and vertical head movements were recorded with a sensor of terrestrial mgnetism. Eye movenments were recorded by an electronystagmographic technique. The transmitted data were stored on a floppy disc and analyzed with a microcomputer in a specially designed program.<BR>1. The apparatus was useful as a tool for recording spontaneous and gaze nystagmus and pursuit and saccadic eye movements in patients with labyrinthine and central disturbances.<BR>2. Transfer function (gain and phase) of the vestibulo-ocular system was calculated with head and eye movements obtained from pseudo-random head oscillation in the dark. In normal subjects, gain with head movements as input signal and eye movements as output signal indicated a frequency-dependent gain enhancement;the phase difference between head eye movements was 180°.<BR>3. The vestibulo-ocular reflex (VOR) induced by the right and left labyrinth were examined with velocity recording of head and eye movements induced by quick head movements to the right and left at intervals of 1 second in the dark. Patients with unilaterl labyrinthine disturbance showed a low amplitude response in head movements toward the affected labyrinth.<BR>4. The integration mechanism in the pursuit system was examined from the velocity recording of eye movements during vertical head oscillation with fixation on a visual target. A patient with primary position upbeat nystagmus caused by nutritional deficiency encephalopathy showed a disturbance of the up neural integrator from velocity signal to position signal in the visual vestibular oculomotor system.<BR>The apparatus was usuful for the examination of the vestibulo-ocular system of patients with vertigo and equilibrium disturbances.
著者
小川 剛
雑誌
崇城大学芸術学部研究紀要
巻号頁・発行日
no.8, pp.31-48, 2015

本稿は、熊本でこれまで行われてきたマンガ関連の催事や展覧会を調査し、その主催団体や経緯など現状を明らかにするものである。また、熊本にゆかりのあるマンガ家およびマンガ業界関係者の調査報告も併せて行う。これらの調査内容は、2014年8月7日崇城大学にて開催されたシンポジウム「マンガ文化で熊本を活性化」で得られた情報を中心に筆者が追加調査したものである。熊本におけるマンガを活用した事例調査は、今後の地域振興に生かすことができる可能性を明示している。
著者
小川 剛生
出版者
国文学研究資料館
雑誌
国文学研究資料館紀要 文学研究篇 (ISSN:18802230)
巻号頁・発行日
no.31, pp.193-229, 2005-02

室町中期の歌人、姉小路基綱(一四四一〜一五○四)の伝記を考証した。基綱は応仁の乱後の公武歌壇を代表する歌人であり、後土御門天皇と足利義政に信任されて権中納言に昇進した。一方で、その父祖は南北朝時代から飛騨国北部に居住して独立した勢力を築いており、自身も守護方や敵対する国人との抗争を繰り返した。そのために姉小路家は飛騨国司と称され、後には公家出身の戦国大名の一に数えられている。このように基綱は生涯を通じて廷臣と領主との両面を併せ持っており、伝記はそうした視点から記述した。また歌人としての旺盛な活動はよく知られているところであるので、ここではもう一つの重要な文学的事蹟である、『春日社参記』と『延徳御八講記』の執筆とその意義を考察した。将軍の遊覧や宮中の法会を題材とする仮名日記は、朝廷・幕府に仕えて、文才をもってその権力を荘厳する役割を負った基綱には相応しい著作であるが、同時に飛鳥井雅親・三条西実隆・町広光らとの親しい交際から生まれたものでもあり、そこには基綱が公家社会に受け入れられ歌壇の中心として活躍し得た素地を見出すことができるのである。ANEGAKOJI-MOTOTSUNA姉小路基綱, probably ranks one of the most well known tanka-poet in the mid Muromachi era, was born in 1441.MOTOTSUNA had been engaged in two trade on his life: he belonged to the middle class aristocracy, served the court and finally raised to GON-CHUNAGON権中納言, on the other hand, he had left the capital and become a rustic lord of the north area in the Province of HIDA 飛騨国.At the first half of life, he often had to leave the capital to defend his land against SHUGO守護, a local magistrate of MUROMACHI-BAKUFU室町幕府 invating this area with the excuse that they ought to regulate against in justice and violence. In 1478, as a result of the 7-years conflict, he had managed to rule HURUKAWA-GO 古川郷, the small manor of north HIDA. It was not until this time that he served Emperor GO-TSUCHIMIKADO後土御門天皇and became famous as a poet. He was also KANA-NIKKI仮名日記dichter, authored several fine-prose reportage about the court ceremony.At the age of 25, yet so young, he attended Shogun ASHIKAGA-YOSHIMASA足利義政a visit to major temples and shrines in NANTO南都, such as KOFUKU-JI興福寺, KASUGA-SHA春日社and soon. He had described this 9-days journey instead of ASUKAI-MASACHIKA飛鳥井雅親, only poet-leader in the court. This short work is now called KASUGA-SHASAN-KI春日社参記. It looks like that he was a private secretary of MASACHIKA.In 1490, he attended a Buddhist service for KO-KARAKU-MON-IN故嘉楽門院, deceased mother of Emperor, and recorded reportage, known as ENTOKUGOHAKKOU-KI延徳御八講記. SANJONISHI-SANETAKA三条西実隆and Emperor GO-TSUCHIMIKADO wrote a postscript to pay tribute to this work. It was needless to say that MOTOTSUNA had got skilled at this sort of reportage written in KANA. However, SANETAKA, well-informed on the manner of the court, had evidently given a few pointers.Closely acquainted with well-connected courtier, MASACHIKA, SANETAKA and soon, MOTOTSUNA got returned to the court and regarded as one of the most important literary-leader in the japanische Renaissance after ONIN-NO-RAN応仁の乱.At the last in life, suffering from unexpected famine, he had gone to the Province again, died the rein 1504.
著者
小川 剛生
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.52, no.7, pp.44-53, 2003

二条良基家で貞治五年に行われた『年中行事歌合』につき、成立過程・出詠者の構成などから、摂関家の文学的な伝統にのっとった、家歌壇の催しであることを述べ、それが詠作に与えた影響を考察した。また、摂関家には、歴代の有職の摂関が行ってきた、儀式書『江家次第』の談義の伝統があり、良基による朝儀の解説を載せる『年中行事歌合』はその流れを汲むことを述べた。最後に二条殿の歌壇を経済的に支えたらしい、羽渕方眼宗信という人物について触れた。
著者
石川 透 屋名池 誠 佐々木 孝浩 堀川 貴司 小川 剛生 津田 眞弓 佐藤 道生 小秋元 段 神作 研一 柳沢 昌紀
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2012-10-31

室町時代から江戸時代に作成された、写本と版本については、これまでばくぜんと、室町時代までの写本の文化が、江戸時代の版本の文化へと置き換わっていったと、考えられていた。しかし、江戸時代前期に作成された奈良絵本・絵巻を見るだけでも、明らかに版本から写本へ作られたものが、相当数存在している。そして、写本と版本の両方を作る人物として、仮名草子作家として著名な浅井了意や、日本史上初の女性絵本作家というべき居初つな等が存在することが明らかになってきたのである。本研究では、これまで、中世文学と近世文学の研究として別々に扱われていた写本と版本の関係を、新しい資料を利用しての解明を試みた。
著者
西保 岳 林 恵嗣 本田 靖 近藤 徳彦 小川 剛司 前田 清司
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2013-04-01

体温上昇性の換気亢進による動脈血二酸化炭素分圧(PaCO2)低下が脳血流などの循環反応に及ぼす影響、さらに、意識的な呼吸調節によってPaCO2を増加させることで、脳血流量や血圧反応が改善されるかどうかについて検討した。暑熱下一定負荷運動時及び安静時体温上昇時において、深部体温上昇性の換気亢進反応を意識的な呼吸調節によって抑制できること、さらに,このように意識的に換気亢進を抑えることで、深部体温上昇に伴う脳血流量の低下が抑制されることが初めて示唆された。
著者
井口 将秀 千田 豊 中嶋 秀夫 小川 剛史 片山 義紀 小方 大成 峯村 敏幸 宮部 圭介 渡海 大輔 新見 健一郎
出版者
公益社団法人 低温工学・超電導学会 (旧 社団法人 低温工学協会)
雑誌
低温工学 (ISSN:03892441)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.193-199, 2012-03-25 (Released:2012-07-04)
参考文献数
11
被引用文献数
5 2

The Japan Atomic Energy Agency (JAEA) has conducted activities in Japan since March 2009 in order to establish the manufacturing procedure for the ITER toroidal field (TF) coil structures. A TF coil structure consists of a TF coil case and components. The activities include ensuring that the structural materials and welding procedure comply with the Japan Society of Mechanical Engineers (JSME) code for fusion devices, and demonstrating the manufacturing method and procedures using full-scale segments of the TF coil structure. From the results of these activities, the JAEA confirmed that the quality control method of actual series TF coil structures complies with the JSME code. Therefore, the quality of structural materials and weld joints using gas tungsten arc welding (GTAW) satisfy the ITER requirements. In addition, the JAEA obtained knowledge regarding the welding deformation of the actual TF coil structures. This paper describes the results of these compliance and development activities for ITER TF coil structures.
著者
西尾 章治郎 原 隆浩 寺田 努 小川 剛史
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2005

無線通信機能をもつ小型センサノードで形成するセンサネットワークに対し、(1)センサネットワークノードのための動的機能交換ミドルウェア、(2)センサネットワークのためのデータ配置管理技術、(3)センサネットワークのためのデータ送受信技術の3 テーマを中心に研究を推進し、センサネットワークのためのデータ処理基盤となる技術の研究開発を行った。本研究の成果は、多数の学術論文誌や国際会議録等に掲載され、国内外において高い評価を得ている。
著者
武井 和人 三村 晃功 矢野 環 末柄 豊 小川 剛生 久保木 秀夫
出版者
埼玉大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2003

(1)以下の機関・個人に所蔵される十市遠忠・実暁自筆古典籍の実地調査・写真撮影を行った。財団法人前田育徳会尊経閣文庫蔵自筆詠草類(再調査)東京大学史料編纂所蔵『一人三臣詠鈔』(天文8年遠忠書写奥書本ノ転写本)国文学研究資料館蔵遠忠関連典籍マイクロフィルム(陽明文庫蔵『五社百首』他)(2)報告書に翻刻を収載する予定の資料を選定し、担当者を決め、翻字作業に入った。新たに翻刻する資料として、以下の典籍を定めた。財団法人前田育徳会尊経閣文庫蔵『千首和歌』『三百六十首和歌』『五十番自歌合』他島原図書館松平文庫蔵『百五十番自歌合』(3)以下の遠忠自筆、および、鳥養流の能書家である鳥飼宗慶自筆短冊資料を蒐集した。鳥飼宗慶自筆短冊(京都・思文閣書店より購入)十市遠忠自筆短冊(軸装、京都・思文閣書店より購入)遠忠、及び鳥養流諸家の書蹟鑑定に際し、基礎的な資料として活用した。(4)下記の如き研究会を開催した。【第1回研究会】平成17年8月19日・於:埼玉大学八重洲ステーションカレッジ武井・石澤一志・高橋育子「<遠忠自筆資料>の筆蹟について」末柄豊「文亀四年二月九条尚経亭月次和歌会懐紙について」井上宗雄「勅撰作者部類の編者藤原盛徳(元盛法師)について」(5)本研究の概要・経緯を、日本歴史学会の依頼により、武井が『日本歴史』(第692号、2006・1)に報告した。
著者
松岡 心平 天野 文雄 磯田 道史 小川 剛生 落合 博志 高桑 いづみ 高橋 悠介 竹本 幹生 橋本 朝生 姫野 敦子 宮本 圭造 山中 玲子 横山 太郎
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2006

本研究は、観世文庫が所蔵する貴重な能楽関係文献資料の調査・整理・保存・公開によって、今後の能楽研究の発展の基礎を築いた。資料はマイクロフィルムに撮影・保存したうえで、これをデジタル画像化し、文献調査に基づく書誌情報と統合してデータベース化した。これはデジタルアーカイブとしてWeb上に公開され、資料が世界中から検索・閲覧可能になった。さらに「観世家のアーカイブ展」の開催を通じて、研究によって得られた知見の普及をはかった。
著者
足立 智章 小川 剛史 清川 清 竹村 治雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.490, pp.7-12, 2004-11-30
被引用文献数
5

本稿では,著者らがこれまでに提案したテレプレゼンスシステムを拡張し,協調作業に適した遠隔指示が可能なテレプレゼンスを実現する.従来のシステムでは,ビデオ映像と3次元実環境モデルを併用することで,実時間性と写実性,および自由な視点移動を同時に実現したが,観察者から遠隔地へのフィードバツクは不可能であった.本稿では,観察者が仮想環境の提示されたスクリーン上でマウス操作により指示を与え,遠隔の作業者がHMDを通して対応する実環境上に3次元ポインタや線画による指示を直接観察できる遠隔指示機構について述べる.また,実現したテレプレゼンスシステムを用いて,観察者のマウス操作による指示が意図どおりに作業者に伝わることを確認した動作実験について報告する.
著者
松岡 心平 天野 文雄 磯田 道史 小川 剛生 落合 博志 小林 健二 高桑 いづみ 高橋 悠介 橋本 朝生 宮本 圭造 山中 玲子 横山 太郎
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010-04-01

観世文庫の能楽関係資料は、質・量ともに能楽に関する最重要の資料群である。本研究では、これらの資料の調査・研究に基づき、インターネット上で画像と解題を公開するデジタル・アーカイブ「観世アーカイブ」を拡充させると共に、これを活用して、近世能楽史の研究を大きく進めた。特に、15世観世大夫元章(1722~74)の能楽改革に関する研究に重点を置き、観世元章に関する用語集と関係書目、年譜をまとめ、刊行した他、元章による注釈の書入れが顕著な謡本『爐雪集』の翻刻と検討を行った。さらに、観世文庫に世阿弥自筆能本が残る「阿古屋松」の復曲を行い、観世文庫資料の展覧会でも研究成果を公開した。