著者
小林 一行 御園 祐介 渡辺 嘉二郎 大久保 友幸 栗原 陽介
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.90-99, 2009-02-15 (Released:2009-06-18)
参考文献数
15
被引用文献数
1 2

本論文では,Intelligent Ground Vehicle Competition(IGVC)のナビゲーション競技のルールに準拠したウェイポイントナビゲーションシステムの実装例について述べる.IGVCとは,1993年から米国で開催されている自律走行車大会であり,自律型移動ロボットの技術向上を目指した大会である.毎年開催され複数の大学が参加している.その競技の一つとしてナビゲーション競技が設けられている.ナビゲーション競技とは,GPSによる位置検出を想定しエリア内に存在する障害物を避けながら,あらかじめ指定された複数ウェイポイントを何点通過できるか速さと正確さを競う競技である.ウェイポイントナビゲーションは,(1)移動ロボット上からみたウェイポイントの位置または方位の把握による長期経路プランニング,(2)外界センシングと障害物回避のための短期経路プランニング,そして(3)これら情報に基づく自律制御からなる.本論文では,これら一連の解決方法に,センサとして GPSとレーザレーダそれにジャイロ,速度計を用い,総合的な状況判断に複素拡張カルマンフィルタをベースとした SLAMアルゴリズムにより高精度なナビゲーションを実現する.さらに,与えられたウェイポイントマップに従い走行しながら,自己軌跡マップ,ランドマークマップを同時に作成する方法を提案した.提案する方法を実証するため実機でリアルタイム制御を行い,その有効性を確認した.
著者
小林 一行 御園 祐介 渡辺 嘉二郎 大久保 友幸 栗原 陽介
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 : 日本知能情報ファジィ学会誌 : journal of Japan Society for Fuzzy Theory and Intelligent Informatics (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.90-99, 2009-02-15
参考文献数
15
被引用文献数
2 2

本論文では,Intelligent Ground Vehicle Competition(IGVC)のナビゲーション競技のルールに準拠したウェイポイントナビゲーションシステムの実装例について述べる.IGVCとは,1993年から米国で開催されている自律走行車大会であり,自律型移動ロボットの技術向上を目指した大会である.毎年開催され複数の大学が参加している.その競技の一つとしてナビゲーション競技が設けられている.ナビゲーション競技とは,GPSによる位置検出を想定しエリア内に存在する障害物を避けながら,あらかじめ指定された複数ウェイポイントを何点通過できるか速さと正確さを競う競技である.ウェイポイントナビゲーションは,(1)移動ロボット上からみたウェイポイントの位置または方位の把握による長期経路プランニング,(2)外界センシングと障害物回避のための短期経路プランニング,そして(3)これら情報に基づく自律制御からなる.本論文では,これら一連の解決方法に,センサとして GPSとレーザレーダそれにジャイロ,速度計を用い,総合的な状況判断に複素拡張カルマンフィルタをベースとした SLAMアルゴリズムにより高精度なナビゲーションを実現する.さらに,与えられたウェイポイントマップに従い走行しながら,自己軌跡マップ,ランドマークマップを同時に作成する方法を提案した.提案する方法を実証するため実機でリアルタイム制御を行い,その有効性を確認した.
著者
熊谷 伊織 小林 一也 野沢 峻一 垣内 洋平 吉海 智晃 岡田 慧 稲葉 雅幸
出版者
一般社団法人 日本ロボット学会
雑誌
日本ロボット学会誌 (ISSN:02891824)
巻号頁・発行日
vol.31, no.10, pp.985-991, 2013 (Released:2014-01-15)
参考文献数
10

When a humanoid robot works with a human, it is needed for the robot to pass and receive objects. The robot has to detect that the laden objects are operated by the human on the whole body in object passing tasks. It is important that the robot detects not only push but shear generated by pulling action and twist generated by rotating action for the robot to detect human operations. In this paper, we dispersedly arranged 347 multi-axis soft tactile sensors to a humanoid robot. The multi-axis soft tactile sensors are small muti-axis sensors with urethane structure and they can be placed densely on body of a humanoid. We calculate a deformation vector from the deformation of sensor's upper surface using the output of a muti-axis soft tactile sensor. Next, we suggest the method to detect deformation state in contact surface consisting of soft tactile sensors using deformation moment and average of deformation vectors in the contact surface. Finally, we confirmed the usefulness of the fullbody tactile sensor cover and contact state detector by object passing experiment between a human and a robot.
著者
本田 泰寛 小林 一郎 星野 裕司
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木史研究論文集 (ISSN:13495712)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.1-8, 2007-06-15 (Released:2010-06-04)
参考文献数
12

This study suggests creating ‘ Extinct Structure History’ as a field of bridge history. For the purpose of establishing its methodology, in this paper, a case study on the bridge construction of the Hennebique Company is carried out. For the reason a structure becomes no longer useful, there are a variety of changes of conditions, that is, designing processes, construction processes, etc. However, in the process of realization, we can see some creativity based on a resolution to complete the extinct structures. The Extinct Structure History aims to clarify the originality of the structure and the creativity of eneineer.
著者
藤田 吾郎 大髙 愛子 浦島 崇 中村 高良 中山 恭秀 小林 一成 安保 雅博
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
pp.11724, (Released:2020-05-21)
参考文献数
36

【目的】先天性心疾患術後遠隔期の学童期から青年期の患者と健常者の健康関連QOL(以下,HRQOL)を比較し,HRQOL と運動耐容能や身体活動状況との関係を検討する。【方法】対象は先天性心疾患患者22 例と健常者22 例。HRQOL,運動耐容能,身体活動水準,運動習慣を評価し,両群のHRQOL の比較と,各指標との関連を分析した。【結果】HRQOL 尺度のうち,先天性心疾患群の身体的幸福感(以下,PW)が有意に低かった(p <0.05)。先天性心疾患群において,PW と嫌気性代謝閾値の間に相関を認めたが(rs = 0.472,p <0.05),最高酸素摂取量にはなかった。また身体活動水準とPW の間には相関があり(rs = 0.504,p <0.05),運動習慣のある先天性心疾患患者は習慣がない患者に比べてPW が高かった(p < 0.05)。【結論】先天性心疾患患者のHRQOL は嫌気性代謝閾値レベルの運動耐容能や身体活動状況と関連がある。
著者
小林 一昭
出版者
物性研究刊行会
雑誌
物性研究 (ISSN:05252997)
巻号頁・発行日
vol.73, no.2, pp.393-412, 1999-11

この論文は国立情報学研究所の電子図書館事業により電子化されました。サブゼミ
著者
小林 一昭
出版者
物性研究刊行会
雑誌
物性研究 (ISSN:05252997)
巻号頁・発行日
vol.73, no.2, pp.393-412, 1999-11-20

この論文は国立情報学研究所の電子図書館事業により電子化されました。
著者
小林 一輔 宇野 祐一 森 弥広
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.1997, no.564, pp.243-251, 1997-05-20 (Released:2010-08-24)
参考文献数
11
被引用文献数
2 3

酸性雨がコンクリート構造物に及ぼす影響を評価する場合には, コンクリートの特性を考慮した方法によって行う必要があることを指摘した. 次に, 著者らが考案した方法によって実験を行い, 酸性雨によるコンクリートの劣化機構についての知見を得た. 酸性雨の影響を受けたコンクリート構造物から採取したコアの分析を通じて上記の知見を立証した.
著者
大田原 菜々 稲子 明里 塚原 裕史 小林 一郎
出版者
Japan Society for Fuzzy Theory and Intelligent Informatics
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.32, no.3, pp.722-736, 2020-06-15 (Released:2020-06-15)
参考文献数
26
被引用文献数
1

近年,車の自動運転の実用化に向けた活動が急速に進展している.今後,自動運転車の操作を容易に行うために,自然言語による対話的な操作を可能にすることが必要であると考えられる.そこで,本研究では,自然言語で表現される駐車指示から空間的意味内容を抽出し,その空間的意味内容と,車に備え付けられたセンサーによって認識される実世界を対応付け(グラウンディング)ることで,駐車指示内容に含まれる行動や物体などを表す言葉と,実世界上での行動や物体を結びつける手法を提案する.本研究では,駐車指示から空間意味内容を抽出する手法と,得られた空間意味内容と環境表現の対応付けを行う手法の2つを考えている.空間意味内容の抽出には,制約を組み込んだ特別な組み合わせ範疇文法(CCG)により与えられる構文木を中間情報として用いている.この際,未知語が現れた場合はCRFにより推定を行う.また,得られた構文木をリランキングすることで,精度を改善している.この構文木を,特定の変換規則によりSpatial Description Clause(SDC)と呼ばれる木構造による階層的空間意味記述に変換する.我々はKollarらにより提案されたSDCを拡張し,新たなタイプを追加している.グラウンディングを行う手法では,グラウンディンググラフと言う確率的グラフィカルモデルを生成し,グラフ全体の確率を計算することにより,それぞれの言語に対応したグラウンディングを出力している.構文解析が成功した文に対するグラウンディングの精度は全体で79.2%となった.
著者
星野 裕司 永野 謙一 小林 一郎
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木計画学研究・論文集 (ISSN:09134034)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.347-358, 2002-09-30 (Released:2010-06-04)
参考文献数
9
被引用文献数
1

本研究では、環境の可能相に対する複眼的把握を検討するため、明治期の沿岸要塞における砲台配置と眺望景観の関係について考察した。全国の11要塞・124砲台に対して、3つの視点により分析を行った。まず、事象からの誘目性の程度によって、砲台の役割を4つに類型化した。次に、射撃方法及び距離比の2点から砲台の性能を4つに類型化した。以上を統合し、砲台の配置パターンを4類型抽出した。最後に、先行研究における知見を参照し、九州内の砲台群において、観察者-事象-地形の関係を砲台のネットワークとして考察した。その結果、5種類の関係が抽出され、事象の想起性や参画性のメカニズムを3者の関係として明らかにした。
著者
神保 佳典 高比良 裕之 小林 一道 安田 章宏
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 B編 (ISSN:03875016)
巻号頁・発行日
vol.76, no.762, pp.219-229, 2010-02-25 (Released:2017-06-09)
参考文献数
17

The growth and collapse of a bubble under a floating body are simulated by using the boundary element method with linear elements to predict the damage of ship bodies induced by underwater explosion. The three-dimensional deformation of the bubble, the translation and rotation of the floating body, and the motion of water surface are taken into account in the simulation. It is shown that the bubble deforms three-dimensionally, and the liquid jet threads the bubble due to the interactions among the bubble, the floating body, and the water surface; the directions of the bubble translation and the liquid jet depend on the initial location of the bubble. The Kelvin impulse is found to be useful in evaluating the translational motion of the bubble. Also, the horizontal translational motion of the bubble is much dependent on the rotational motion of a floating body; when the moment of inertia of the floating body is small, the largest horizontal translation is realized between the axis of flotation and the edge of the floating body. It is also shown that there exists an initial horizontal bubble location where the moment of force acting on the floating body has the maximum value.
著者
中村 翔 小林 一希 颯田 季央 工藤 慎太郎
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.43 Suppl. No.2 (第51回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.0152, 2016 (Released:2016-04-28)

【はじめに,目的】外側広筋(VL)は膝関節の主要な伸展筋であり,さらに内側広筋と共同して膝蓋骨の安定性に寄与している。しかし,臨床で遭遇するVLの過緊張は内側広筋とのアンバランスを引き起こし,膝蓋骨の正常な運動を阻害する。そして膝蓋大腿関節症といった膝周囲の疼痛を引き起こす原因となるため,膝蓋大腿関節の機能改善のためには,VLに対する治療が重要となる。我々は先行研究において超音波画像診断装置を用いて膝関節屈曲運動時のVLの動態を観察した結果,膝屈曲運動時にVLは後内側に変位することを報告した(中村2015)。そしてEly test陽性例に対して,VLの動態を考慮した運動療法を行った結果,VLの動態の改善や筋硬度の減少といった結果が得られたことを報告した(中村2015)。しかし,我々が考案した運動療法と従来から行われているストレッチングの効果について比較をしていない。そこで今回は両介入における即時効果の比較検討をしたので報告する。【方法】対象はEly testが陽性であった成人男性20名40肢とした。対象を無作為にVLの動態を考慮した運動療法を行う群(MT群)とストレッチングを施行する群(ST群)の2群に振り分けた。MT群は膝関節自動屈曲運動に伴い,VLを徒手的に後内側に誘導する運動療法を行った。回数は10回を1セットとし,3セット行った。ST群は他動的に最終域まで膝関節を屈曲するストレッチングを行った。回数は30秒を1セットとし,3セット行った。測定項目は膝関節屈曲運動時のVL変位量(VL変位量)と筋硬度を介入前後に測定した。VL変位量は超音波画像診断装置を用いて,Bモード,リニアプローブにて,膝関節自動屈曲運動時のVLの動態を撮影した。そして,得られた動画を静止画に分割し,膝関節伸展位と屈曲90度の画像を抜き出し,VLの移動した距離をImage-Jを使用して測定した。筋硬度は背臥位,膝伸展位で筋硬度計を用いて,大腿中央外側にて測定した。統計学的処理にはR2.8.1を使用し,介入前後の比較にはWilcoxonの符号付順位検定を行い,群間の比較にはMann-Whitney検定を行った。いずれも有意水準は5%未満とした。【結果】介入前の両群間の各変数に有意差は認めなかった。介入前のVL変位量は,MT群8.3mm(7.5-9.7),ST群8.7mm(8.1-10.2),介入後はMT群12.5mm(11.7-13.5),ST群11.9mm(11.1-13.4)であり,両群とも介入前後で有意差を認めた(p<0.05)。介入前の筋硬度は,MT群1.5N(1.5-1.6),ST群1.5N(1.4-1.5),介入後はMT群1.4N(1.4-1.5),ST群1.5N(1.4-1.5)であり,両群とも介入前後で有意差を認めた(p<0.05)。介入後の両群間の比較では,VL変位量,筋硬度ともに有意差を認めた(p<0.05)。【結論】筋の動態を考慮した運動療法はストレッチングと比較して,膝関節屈曲運動時の筋の動態および筋硬度が改善したことより,本法は短軸方向への筋の柔軟性改善に有効な手段であることが明らかとなった。
著者
野垣 岳稔 古田 厚子 小林 一女 門倉 義幸 洲崎 春海
出版者
日本鼻科学会
雑誌
日本鼻科学会会誌 (ISSN:09109153)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.1-6, 2015

【はじめに】感冒後嗅覚障害,特に重症例では改善率は悪いといわれている。中には治療により改善する例もあるが,詳しい検討は報告されていない。今回われわれは感冒後の嗅覚障害症例を対象とし,嗅覚脱失例を中心にその治療効果を検討したので報告する。【対象,方法】2002年1月から2009年12月までに昭和大学病院耳鼻咽喉科嗅覚外来を初診した患者を対象とした。感冒後の嗅覚脱失症例は171例であった。治療はステロイド薬の点鼻または漢方薬の内服を行い,ATP製剤,ビタミンB12製剤,亜鉛製剤の内服を併用した。【結果】改善率は治癒7例,軽快34例,不変130例であった。静脈性嗅覚検査の結果で分類すると,反応ありの場合のほうが改善率は高かったが,有意差はみられなかった。基準嗅力検査検知域値の結果でも有意差はみられなかった。ステロイド薬点鼻療法を170例に行い,5例治癒,22例軽快,143例不変であった。ステロイド薬点鼻療法が無効で漢方薬を内服した症例は68例あり,2例治癒,12例軽快,54例不変であった。【考察】今回の検討において,感冒後嗅覚障害で嗅覚脱失の場合でも治療により改善する症例があることが分かり,ステロイド薬点鼻が無効の場合でも漢方薬で改善する可能性があることが分かった。耳鼻咽喉科医は「嗅覚障害=ステロイド薬の点鼻」という固定観念をなくし,少しでも多くの患者により良い治療をできるよう努めなければならない。
著者
小林 一貴 竹本 稔
出版者
千葉大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2017-04-01

本研究の目的は我々が同定した筋芽細胞分泌たんぱくであるR3hdmlの骨格筋における糖取り込みにおける役割ならびにマイオカインとしての機能を明らかにすること目的としている。本年度は計R3hdmlをアデノウイルスベクターを用いて肝臓に過剰発現させた後、ストレプトゾトシン(STZ)を投与し糖尿病を惹起した際の糖代謝や生存曲線に与える影響を検討した。その結果、R3hdml過剰の有無により空腹時血糖値に差はなかったものの、R3hdml過剰マウスで有意な生存曲線の延長が観察された。以上より肝臓で過剰発現され分泌されたR3hdmlが全身の組織、細胞に影響を与える可能性が示唆され、さらに分泌されたR3hdmlと脂質代謝との関連を調べた。R3hdmlを過剰発現した肝臓では脂質代謝のマスターレギュレーター膜結合型転写因子SREBPの発現が低下することやR3hdmlを過剰発現したAd293細胞では飽和脂肪酸の一種、パルミチン添加に伴う細胞障害が軽減されることが明らかとなった。R3hdmlと全身の脂質代謝との関連が示唆され、今後さらに研究を進めてゆく予定である。
著者
猪飼 哲夫 米本 恭三 宮野 佐年 小林 一成 福田 千晶 杉本 淳 安保 雅博
出版者
The Japanese Association of Rehabilitation Medicine
雑誌
リハビリテーション医学 (ISSN:0034351X)
巻号頁・発行日
vol.29, no.7, pp.569-575, 1992-07-18 (Released:2009-10-28)
参考文献数
32
被引用文献数
10 9

脳卒中片麻痺患者にともなう肩関節亜脱臼の座位におけるX線学的評価を行い,経時的変化について検討した.骨頭下降率とAHI(肩峰骨頭間距離)比の間には有意の相関を認めた.胸椎部の側弯は亜脱臼群の約4割に認められ大多数は麻痺側凸を呈していたが,肩甲骨の下方回旋はわずか1例のみであった.肩関節痛とROM制限は亜脱臼群に多く,6ヵ月以上経過した症例に特に多く観察された.初診時にBrunnstrom stageがIII以上の症例に,また片麻痺の回復によりstageが上がってくる症例に亜脱臼が改善する傾向が認められた.亜脱臼が改善する症例が存在することは,早期の亜脱臼に対して,ポジショニングや筋促通の必要性が示唆された.
著者
戸板 裕康 小林 一晴
出版者
農業情報学会
雑誌
農業情報研究 (ISSN:09169482)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.1-11, 2016 (Released:2016-04-01)
参考文献数
10
被引用文献数
1 2

ユビキタス環境制御システム(UECS)の通信実用規約1.00-E10(実用規約)に対応し,シングルボードコンピュータRaspberry Piで動作するオープンプラットホーム「UECS-Pi(ウエックスパイ)」を開発した.栽培施設等で利用される汎用的な計測・制御機能があらかじめ実装された基本パッケージを利用すれば,短期間でノードを製作可能である.さらに,オープンソースのソフトウェア開発キット(SDK)を用意し,ユーザ独自の機能を追加可能にした.UECS-Piを用いて外気象計測ノードと複合制御ノードを製作し,トマト温室にて3ヶ月間の実証試験を行った.本試験ではノードの製作期間,コスト,可用性,ソフトウェアの有用性を評価した.評価の結果,低コストで実用可能なUECSノードを製作可能であることが示された.本プラットホームによって,特定メーカに依存しない低コストUECS対応トータルシステムを構築可能となった.