著者
斎藤 馨 中村 和彦 渡辺 隆一 藤原 章雄 岩岡 正博 中山 雅哉 大辻 永 小林 博樹
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会大会発表データベース
巻号頁・発行日
vol.124, 2013

「インターネット森林観察サイト」は、森林の現在の様子、過去の様子をインターネットから提供するサイトで、誰もが、遠隔の森林情報に容易に接しながら、森林の季節や経年変化に気づき、興味を持って森林の観察ができ、しかも観察継続がしやすくなるサイトを目的に開発した。対象の森林は遠隔の天然林で、 かつ長期映像記録のある東京大学秩父演習林(埼玉県奥秩父:過去15 年間記録)と信州大学志賀 自然教育園(長野県志賀高原:過去20 年間記録)とした。森林の様子を映像と音によりリアルタ イム(ライブ)でインターネット上に配信し、同時に配信データを録画・録音・公開し、配信後 にも観察できる森林観察サイトを開発し、継続的な運用試験を可能にした。例えば、フェノロジーに着目すると過去の映像と同じショットの画像が毎日配信されることで、日々や季節の変化を見ることが出来、ふと気づいたときに数年から十数年を遡って確認することが出来る。しかもインターネット上で共有されているため、SNSとの親和性も高いことを確認した。
著者
小林 博仁 熊谷 仁平 大野 俊一 酒井 真人 平野 美和 手島 伸一 井上 滋彦 河村 毅
出版者
社団法人日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科學會雜誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.96, no.3, pp.462-465, 2005-03-20
参考文献数
14

症例は81歳男性.1999年1月14日に排尿困難を主訴に当科受診.経直腸的超音波検査上, 前立腺に接して長径4cmの多房性嚢胞を認めたが, 本人精査希望せず放置していた.2002年8月頃より排尿困難が悪化, 尿閉となり精査目的に9月10日入院となる.RUG, DIPで膀胱, 前立腺部尿道の左側への圧排を認め, CTでは骨盤内に径12×7cmの多房性嚢胞を認めた.その他に骨盤MRI, リンパ管シンチ, 精管造影, 注腸造影等施行するも, 骨盤内嚢胞の由来は確定できなかった.PSA 3.7ng/ml, CEA 1.2ng/mlと正常であったが, CA19-9は111.4U/mlと高値であった.排尿状態改善のため10月1日骨盤内嚢胞摘除術施行.病理組織診断は前立腺嚢胞性腺腫であった.術後排尿状態は良好となり, 現在外来経過観察中である.
著者
石澤 孝 小林 博
出版者
THE TOHOKU GEOGRAPHICAL ASSOCIATION
雑誌
東北地理 (ISSN:03872777)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.30-40, 1991
被引用文献数
2 3

わが国においては, 1970年代に宿泊施設の数が急増している。これをホテルと旅館に分けてみると, 1972年頃に旅館数が頭打ちになり, 代わってホテル数が急増した。長野においても同様の傾向が認められる。長野における旅館とホテルの分布は大きく異なっている。旅館が善光寺の門前やその周辺を中心に立地しているのに対して, ホテルは長野駅周辺地域を中心として立地している。また, ホテルはそのほとんどが都心地域に立地しているのに対して, 旅館は都心地域外に立地しているものも多い。規模は, 旅館よりもホテルのほうが大きい。また, ホテルが立地しているところの路線価格は, 旅館が立地しているところに較べて高く, 価格の上昇率も高い。さらに, 路線価格の高いところに立地しているホテルのなかには, 旅館がその営業形態を変更したものも認められる。<br>以上のように, 都心の拡大と核心地域の移動がみられる都市においては, かつての核心地域には旅館, 新しい核心地域にはホテルという宿泊施設分布の差異が生じている。すなわち, 都市地域における宿泊施設は都心のメルクマールとなるものであり, 旅館が集中して立地している地域は高度経済成長期以前の核心地域, ホテルが集中して立地している地域はそれ以降に形成された核心地域と考えることができる。
著者
仲谷 寛 原 良成 宮里 明子 佐藤 聡 伊藤 弘 小林 博 鴨井 久一 菅谷 彰 杉山 裕一 辻上 弘 田村 利之 堀 俊雄
出版者
特定非営利活動法人日本歯周病学会
雑誌
日本歯周病学会会誌 (ISSN:03850110)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.220-231, 1992-03-28
被引用文献数
14 2

歯周治療におけるTBC-コラーゲン複合骨移植材: KF-300(TBC-コラーゲン合材)の臨床応用について検討した。歯周疾患によって生じた歯槽骨欠損部68名,80部位に対してTBC-コラーゲン複合骨移植材を応用し,経時的にX線写真および臨床的な評価を行った。術前と比較して術後6ヵ月で,X線写真による骨欠損最深部までの距離は3.6mmの改善が認められた。また,プロービング・デブスおよびアタッチメントレベルは,それぞれ3.2mm, 2.1mmの改善が認められた。動揺度,プロービング時の出血は,術後有意の改善が認められた。骨移植材の漏出および創〓開は,術後2週まで認められたが臨床的には問題とならないと思われた。TBC-コラーゲン合材によると考えられる副作用は1症例も認められなかつた。以上の結果より,TBC-コラーゲン複合骨移植材は,生体親和性に優れ,歯周治療における有用な骨移植材であると考えられた。
著者
竹内 聡史 河野 正司 小林 博 桜井 直樹 細貝 暁子 金城 篤史 甲斐 朝子
出版者
社団法人 日本補綴歯科学会
雑誌
日本補綴歯科学会雑誌 (ISSN:03895386)
巻号頁・発行日
vol.52, no.4, pp.473-481, 2008-10-10 (Released:2009-02-20)
参考文献数
17
被引用文献数
1 1

目的 : 下顎タッピング運動に随伴する体幹動揺が, 座位において観察できるのか, また立位と座位でどのような差を示すか追求することを目的とした.方法 : 被験者は顎口腔系に異常を認めない男性6名 (25-29歳, 平均年齢27.0歳) で, 姿勢は立位, 座位の2種類として, 10秒間の咬頭嵌合位保持, 3Hzの20秒間タッピング, その後10秒間咬頭嵌合位保持を1測定単位として測定を行った. 下顎運動はTRIMETII (東京歯材社製) により上顎座標系にて下顎切歯点を, 頭部は大地座標系で上顎切歯点, 下顎頭点, 頭頂点, 後頭点を, また体幹動揺はProreflex (Qualisys社製) により大地座標系で胸骨点の矢状面内運動を分析した.結果 : 座位において, 下顎タッピング運動に随伴する体幹動揺が認められた. 開口量に対する体幹動揺量を立位と座位でWilcoxonの符号付検定をしたところ, 有意に立位の方が大きくなった. また体幹動揺の周波数分析におけるパワーの平均値を立位と座位でWilcoxonの符号付検定をしたところ, 有意に立位の方が大きくなった. しかし, 原波形解析による検出率をWilcoxonの符号付検定をしたところ, 立位と座位で有意差は認められなかった.結論 : 体幹動揺量は立位の方が大きいが, 原波形による検出率では差がなく, 咀嚼動作として自然な座位での分析も可能であることが明らかとなった.
著者
田村 和巳 林 豊彦 中嶋 新一 小林 博 山田 好秋 石岡 靖 宮川 道夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス
巻号頁・発行日
vol.95, no.404, pp.61-68, 1995-12-09
被引用文献数
5

顎連動の制御メカニズムを解明するために,我々はヒトに近い構造をもつ自律顎運動ロボットと咬合力センサを開発してきた.このロボットには,DCサーボモータでワイヤを駆動する方式を用いた咬筋と外側翼突筋アクチュエータが装着されている.これらアクチュエータの制御にインピーダンス制御と適応制御を用いることにより,ヒトに近いかみしめを伴う開閉口運動を実現できた.しかしこの制御系は,等張性収縮において完全な位置制御を行っており,この点では実際の筋と異なっていた.これを改善し,より正確に伸張反射系をシミュレートするために,筋種や連動相の違いによりワイヤ長のフィードバック量を調節できるようにした.この制御系の改良と顎二腹筋アクチュエータの追加により,従来より自然な開閉口連動を実現することができた.
著者
小林 博
出版者
島根県立大学
雑誌
北東アジア研究 (ISSN:13463810)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.89-108, 2001-10

1. One of the main causes of the Asian currency and financial crisis is that many East Asian countries had adopted the de facto dollar peg system before the crisis. This indicates that the exchange rate system is one of the important factors for the financial and economic stability in East Asia. In this paper, the future exchange rate system of East Asia will be examined. 2. The extent of internationalization of the RMB and the Japanese yen will have the significant effect on the future exchange rate system in East Asia. For this reason, the possibility of future internationalization of the RMB and the Japanese yen will be analyzed before the future exchange rate system in East Asia is discussed. 3. In order for a currency of some country to become truly international, there are conditions to be satisfied by the country and the followings are the fundamental ones. (1) The economy is highly developed and the size of economy is one of the largest in the world. (2) Trade volume is also one of the largest in the world. (3) Money market is highly developed and the size of market is one of the largest in the World. 4. In the case of the RMB, China will satisfy the first and the second conditions mentioned above relatively in the near future if China maintains the current rate of economic and trade expansion. However, regarding the third condition, that is, the development of money market, it seems extremely difficult for China to satisfy the conditions because China is faced with many difficult problems such as bad debt problem of state-owned commercial banks and development of capital market. For this reason, the internationalization of the RMB will be very limited one. 5. There has been very little progress as to the internationalization of the Japanese yen. The fact that the Tokyo money market is inconvenient for foreigners has been the main reason for the limited progress. In the case of deutsche mark, the existence of the European Monetary System (EMS) helped it to become key currency in Western Europe. Unless Tokyo money market becomes truly international, and unless the EMS-typed monetary system is introduced in East Asia, the progress of internationalization of the Japanese yen could not be expected. 6. After the currency and financial crisis, many East Asian countries moved to independently floating exchange rate system from the de facto dollar peg system. However, the current system is not the ideal one, and new system should be sought. When we envisage the future exchange rate system, the following points should be recognized. (1) In the case of East Asian countries, the trade partners are diversified. In addition to other East Asian countries, Japan, the United States and the Euro Area are very important partners. (2) The bilateral exchange rates of the U.S. dollar, the euro and the Japanese yen are very volatile. It is necessary that the adverse effects of this volatility on the East Asian countries is mitigated. (3) Stable exchange rate relationship among East Asian countries should be maintained. 7. In order to reduce the adverse effects of volatility of the major currencies, and to maintain the stable relationship among the East Asian currencies, common basket peg system is suitable. In this case, currency basket consists of the U.S. dollar, the euro and the Japanese yen. 8. However, it is almost impossible for East Asian countries to adopt common basket peg system from the beginning as the economies of East Asian countries are very heterogeneous. Consequently, it is practical that each East Asian country adopts individual basket peg system at the initial stage and then move to the common basket peg system. Furthermore, if the common basket peg system is firmly established, it is not impossible that East Asia will have the common currency. 9. Though ASEAN countries, China, Korea and Japan agreed to establish a system of swap arrangements (The Chiang Mai Initiative), there is no cooperative arrangement in the field of exchange rate system. It is desirable that East Asian countries establish the longer term scenario of regional monetary system including the exchange rate system. Strong political will among East Asian countries to develop the regional cooperation is the key factor for the materialization of the system.
著者
阪上 孝 竹沢 泰子 八木 紀一郎 大東 祥孝 小林 博行 北垣 徹 山室 信一 上野 成利
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2000

1859年のダーウィン『種の起源』以降、この書物がもたらした衝撃は計り知れない。それはまず、種の不変を信じて分類に終始していた博物学を抜けだし、生存闘争や自然選択などの原理を基礎とする、生命にかんするダイナミックな理解をもたらす。しかしそれは自然科学の一理論にはとどまらない。ダーウィン進化論は一つの思考様式として、哲学・法学・政治学・経済学・社会学・人類学といった人文・社会諸科学へも浸透し、新たな認識枠組を提供するのだ。またこの理論は制度的学問の枠組すら乗り越え、社会ダーウィニズムとして、国家や社会にかんする言説としても機能することになる。そしてさらには、神の摂理を説く宗教を打破して、既存の人間観・世界観をも揺さぶるだろう。本研究の主要な狙いは、進化論が社会にもたらすこうした広大な衝撃を探ることにあった。そのためにこの研究は多様な学問領域の専門家たちから組織され、また対象となる地域もヨーロッパからアメリカ、中国、そして日本を含む。研究を遂行していくなかで特に明らかになった点は、進化思想とは大いに多面性と揺らぎを孕むものだったということである。当時においてはダーウィンの他に、心理学や社会学を含む壮大な進化論体系を構築する同時代のスペンサーも大きな影響力をもっていた。またフランスのラマルクはダーウィンにおよそ半世紀先行して、獲得形質の遺伝や進化の内的な力という点を強調しつつ彼の進化論を展開している。さらには『種の起源』の作者はこの書のなかで、マルサスの『人口論』を引用しつつ、その政治経済学的発想に多くを負っていることはよく知られている。このように進化論はいくつかの思想が絡まって織りなされる錯綜した知の総体であり、そこで知はメタファやアナロジーを通して、異なる学問領域間で、また学問と政治・社会のあいだで往還運動を行う。このなかではときとして大きな誤解や逸脱も産まれており、それは進化論を受容する時期や地域によってさまざまなかたちをとる。本研究がとりわけ力を注いだのは、このような多様性を詳述することである。
著者
勝村 哲也 古勝 隆一 木島 史雄 金文 京 松原 孝俊 矢木 毅 小林 博行
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1998

朝鮮渡来漢籍の調査を行うのが目的であるが、今回は特に対島の宗家が所蔵し、厳原の長崎県立対島民族資料館に寄托されている漢籍と朝鮮版漢籍の調査をおこなった。その結果これらの典籍は、17世紀の中葉約50年間の間に渡来したものであり、ことにこの時期に朝鮮で出版された漢籍が集中的かつ良好に保存されている、極めてめずらしいケースであることが判明した。続いて建仁寺の両足院に保存されている対島府中の以酊庵(いていあん)関係文書(朝鮮との外交文書)・地図と南禅寺金地院文書(以酊庵に輪番として派遣された五山僧の記録)の全貌を把え、全文書を撮影した。これは研究者にとって極めて貴重な基礎資料となるものである。続いてカリフォルニア大学バークレイ校の東アジア図書館で調査し、旧三井文庫(新町三井)等わが国から当地に流出した資料約3000点を見出した。折りよく在外研究にめぐまれた九州大学の松原孝俊教授に紹介し、同教授によって調査が進められている。その結果も本研究に反映しうる。次にこうした資料をウェブによって公開利用に供するためのシステムを開発した。現在島根県立大学で試験的に運用しているウェブ・リトリーバル・システムがそれであって、このシステムによって、内外の諸機関のデータベースと相互に検索を行い、ウェブ上で検討に付することが可能になった。これも研究による大きな成果である。そのURLは以下である。http://ekanji.u-shimane.ac.jp/webusers/jsp/xmlweb/databases.jsphttp://nohara.u-shimane.ac.jp/dicl 204/dic-index.html
著者
中村 聡一 小林 博
出版者
近畿大学
雑誌
近畿大学農学部紀要 (ISSN:04538889)
巻号頁・発行日
vol.23, pp.7-12, 1990-03-20

1.グッピー,ティラピア,メダカ,コイ,コイナ,ワキン,コメットについて鰓蓋運動数の温度変化を測定し,その値から温度係数Q_<10>とArrheniusの式のμを常温から下の温度範囲で求めた. 2.Q_<10>は,いずれの魚種においても中等度の温度範囲では2〜3の値を示したが,低温まひによる鰓蓋運動の停止直前の温度では変動が大きく3〜8の高い値を示した. 3.Log f と1/Tの関係においてグッピー,ティラピア,メダカ,コイ,コイナでは,変曲点(臨界温度)が1つ求められ,その温度はグッピーとティラピアでは14.7〜15.9℃,他の魚種では9.2〜10.0℃であった. 4.μの値は臨界温度より高温では各魚種の間にほとんど差はなく1.0×10^4〜1.3×10^4であったが,臨界温度より低温ではμは高温側の値より大きく,魚種により変動が大きかった. 5.鰓蓋運動の停止温度の平均値はグッピー,ティラピアで9.6〜10.3℃,その他の魚種では3.7〜5.6℃の範囲内にあった.
著者
江原 喜人 藤家 馨 寺師 良輝 小林 博光 片本 隆二
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
福祉工学シンポジウム講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2006, pp.201-202, 2006-09-10

脊髄損傷などによって車いすを使用する場合、退院して自宅に帰るのに住宅改修が必要となることが多い。当センターでは住宅改修の支援を行っているが、退院後の生活がどのようになるかがわからない、住宅改修をどのように進めていいかわからない、など大きな不安を感じている方々も多い。そこで、これらの不安を解消したり、住環境整備のための円滑な準備に繋がるような、住環境整備に関する情報提供のための映像資料作成を試みた。