著者
和泉 薫 小林 俊一 秋田谷 英次 西村 浩一
出版者
北海道大学低温科学研究所
雑誌
低温科学. 物理篇. 資料集 = Data report low temperature science. Series A, Physical sciences (ISSN:03853683)
巻号頁・発行日
no.55, pp.27-45, 1996
被引用文献数
1

明治の後半からの北海道の雪崩情報を新聞から収集した。過去95年間の雪崩災害件数は666件,死者は722人におよんだ。雪崩災害の内容をみると,北海道の開拓の歴史を反映している。明治時代は海岸部の民家の被害が,昭和に入ると鉄道や鉱山が,戦後は森林伐採やダム工事,道路が,さらに近年は登山やスキー関連の事故が目立っている。
著者
大河内 治 丹羽 由紀子 小林 大介 坪井 賢治 加藤 伸幸 本田 一郎
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.68, no.3, pp.687-691, 2007-03-25 (Released:2008-08-08)
参考文献数
20

症例は24歳, 女性. 17歳時に両側卵巣成熟奇形腫にて腫瘍摘出術を施行された. 手術時に腫瘍に被膜破綻を認めた. 今回, 右背部痛を認め腹部CT検査で肝腫瘍を指摘され入院となった. 施行された腫瘍マーカーは全て正常値であった. 腹部造影CTおよび腹部MR画像上, 右横隔膜下および肝下面に脂肪成分および石灰化を伴う嚢胞状腫瘍を認めた. 血管造影検査では圧排所見のみであった. 卵巣奇形腫の腹膜播種性転移を疑い開腹術を施行した. 手術所見では腫瘍は肝に付着して圧排性に発育しており腫瘍摘出術を施行した. 病理組織学的に成熟奇形腫と診断された. 成熟奇形腫の播種巣が三胚葉成分全てから構成されることは稀であるうえ, その組織型が成熟型を呈するという極めて興味ある症例を経験した.
著者
小林 峻 日下 博幸
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2020, 2020

<p>2017年6月3日、ベトナム北部の都市ハノイで過去40年間で最高となる41.5℃を観測した。このような都市の記録的高温の原因として、地球温暖化や大規模スケールの異常気象といったグローバルスケールの現象だけでなく、フェーン現象や都市ヒートアイランド(UHI)といったローカルスケールの現象が指摘されている。しかしこれら先行研究は、都市の記録的高温に対するグローバルスケールおよびローカルスケールの現象の寄与をまとめて議論していない。そこで本研究は、2017年6月にハノイを襲った記録的高温に対して寄与していた異なる時空間スケール現象を、データ解析および数値シミュレーションにより調査し寄与を定量的に評価するものである。</p><p></p><p> まずWRFによる数値シミュレーションが2017年6月の記録的高温を再現できているか、NOAAの運営するClimate Data Onlineより得られる観測データと比較して評価する。気温や相対湿度、風向については観測値と変化傾向がおおむね一致した。次に観測データを用いて、ベトナム北部の気温の40年(1971-2010)変化傾向を調査した。その結果、1971年から2010年の40年間で0.908℃の気温上昇傾向が認められた。さらに数値シミュレーションを用いてUHIの寄与を定量的に評価したところ、6月2〜5日のハノイでは昼間では0〜+1.0℃、夜間では+2.0〜+4.0℃であった。一方、再解析データのNCEP-FNLを20年(2000-2019)分用いたデータ解析により、大規模スケールの異常気象の寄与を定量的に評価した。その結果、6月2〜5日は20年平均値を+4.0〜+8.0℃上回る暖気が西風によりハノイ上空に移流されていることがわかった。さらに、この気温の正偏差および西風がともに強かった場合にハノイで気温が上昇しやすいことも示唆される。最後に数値シミュレーションにより、6月2〜5日にはハノイの風上側でフェーン現象が継続的に発生し、昼間にはハノイ上空およびその風上側で混合層が顕著に発達していたことがわかった。なお地形の昇温効果は最大+3.0℃、平均+0.33℃であった。</p><p> 以上より、2017年6月にハノイを襲った記録的高温には、地球温暖化や暖気移流といった大規模スケールの現象から、フェーン現象やUHIといったローカルスケールの現象まで寄与していたと結論付けられる。</p>
著者
アギアル デ ソウザ ヴィニシウス 桑水流 理 何 惠安 戸田 裕之 小林 正和
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
M&M材料力学カンファレンス
巻号頁・発行日
vol.2013, pp._OS0311-1_-_OS0311-3_, 2013

The objective of this study is to evaluate the stress/strain distribution on a cast aluminum alloy (AC4CH-T6) employing image based nonlinear elasto-plastic finite element analysis. The numerical analysis was performed to simulate a uni-axial tension test. The geometry of the finite element model includes an aluminum matrix, silicon and inter-metallic particles which were obtained by the synchrotron X-ray micro-computed tomography (XMCT) technique. In order to create a proper finite element mesh, the Standard Triangle Language (STL) generated from the XMCT segmented volume was treated to remove geometric and structural irregularities. Results are discussed in terms of the number of elements necessary to accurately represent the stress/strain fields and the necessary computational time to simulate the problem. Additionally, results enabled visualizing the stress/strain distributions, stress concentration, and the stress/strain evolution on the three solids of interest.
著者
松村 圭悟 アギアルデソウザ ヴィニシウス 桑水流 理 小林 正和 戸田 裕之
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
M&M材料力学カンファレンス
巻号頁・発行日
vol.2014, pp._OS1204-1_-_OS1204-3_, 2014

The crack initiation mechanism of cast aluminum alloy was addressed to quantitatively evaluate the fatigue strength. The synchrotron radiation microtomography was employed to visualize the three-dimensional damage around pores and Si particles. Two types of specimens were prepared for the low cycle fatigue test. The temperature of solution treatment was different, and it yields a difference in the shape of Si particles. After a certain cycles of fatigue, a catastrophic damage around many Si particles happened and they connected to each other so as to form a crack. The scanning electron microscopy after the test showed that the type of damage was the break of long Si particles or the interface debonding around round Si particles.
著者
倉島 一喜 小川 晴彦 大家 多喜雄 藤村 政樹 松田 保 小林 勉
出版者
Japanese Society of Allergology
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.160-163, 1991-02-28 (Released:2017-02-10)

喘息発作では粘液分泌の亢進, 粘液線毛輸送系の障害が認められ, 粘液栓の形成や末梢気道の閉塞をきたすと考えられる. サーファクタントは粘稠なゲル層をゾル層と開離させるほか, 末梢気道の開存性に重要な役割を果たしていると考えられる. 今回我々は喘息患者の発作時にサーファクタント吸入療法を行い, その効果について検討した. 方法は喘息発作にて来院した患者11名を無作為に次の2群に分けて治療した. 対照群5名では生食1mlをジェットネブライザーにて吸入し, サーファクタント治療群6名ではサーファクタント TA 10mg(1ml生食に懸濁)を同様の方法で吸入した. 両群とも投与前後で呼吸機能, ガス分析の測定を行い薬剤の効果を検討した. その結果, 喘息発作時, 生食吸入群では, FVC, FEV_<10>, MMF, PaO_2に有意な変化はみられなかった. サーファクタント治療群では吸入後FVC, FEV_<10>, MMF, PaO_2はそれぞれ11.7%, 27.3%, 33.2%, 13.4%上昇した. またPaCO_2には有意な変化は認められなかった. 以上より喘息発作時においてはサーファクタント吸入療法の有用性が示唆された.
著者
小林 亜子
出版者
埼玉大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究は、フランス革命期に採択された公教育組織法が革命戦争による併合地や姉妹共和国にどのように施行されたかを明らかにしようとするものである。これらの問題については、刊行史料が存在しないためフランス本国においても未解明であったが、本研究では未刊行の重要な史料群を発見し、それらの分析から、革命後半期の総裁政府期に成立した公教育組織法が併合地にも施行され、併合地や姉妹共和国の教育状況が本国に詳細に報告されていたことを解明した。さらに、総裁政府期の共和国と革命戦争をめぐる近年の革命史の研究動向とも関わる新たな知見を導き出し、フランスの国際シンポジウムで報告し、日本でも国際研究集会を主催した。
著者
三浦 麻子 小林 哲郎
出版者
日本行動計量学会
雑誌
行動計量学 (ISSN:03855481)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.1-11, 2018
被引用文献数
11

<p>This study investigated the influence of satisficing on response behavior in online surveys. We compared online response data to psychological scales and logical thinking tasks conducted by an online survey company and a crowd sourcing service. In previous studies, satisficing was found to be more likely to occur among online survey monitors than among crowd sourcing service contributors. Results of the present study replicated it and showed that satisficing in terms of inattentively reading items significantly damages the integrity of psychological scales. On the other hand, it was also found that the influence of satisficing in terms of inattentively reading instructions carefully can be reduced by raising respondents' awareness. Those conducting online surveys should discuss taking active measures to minimize satisficing. </p>