著者
深谷 富夫 小林 次郎
出版者
北日本病害虫研究会
雑誌
北日本病害虫研究会報 (ISSN:0368623X)
巻号頁・発行日
vol.1982, no.33, pp.25-28, 1982

秋田県では1978年に48%のKSM耐性菌株率が認められ、翌1979年からカスミン剤の使用を規制した。その結果1981年には明らかな耐性菌株率の減少が認められ本剤の使用を完全に中止した場合1年間で前年の0.6~0.4倍に減少した。隣接した市町村間でも耐性菌株率やその減少速度に著しい相違が認れられたことから規制がよく守られていない向もあると考えられたが、また耐性菌株率に対する薬剤の影響は、その地域の農薬の使用状況に応じて限られた範囲に起っているものと考えられた。
著者
及川 恒之 小林 健史 太田 亨
出版者
北海道医療大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

FOXP2遺伝子は転写因子をコードしており、その機能は言語に関わる非常に興味深い遺伝子である。FOXP2の標的遺伝子を単離するため、FOXP2 transgene細胞を作成しマイクロアレイ法で検出した。この網羅的スクリーニングにより、多数抽出された。今回は、2way ANOVA解析により、ヒトFOXP2で2個、FOXP2 isoformで31個、chimp FOXP2で6個の遺伝子が変化したところまで、候補を絞った。次に神経芽細胞腫由来Tg FOXP2の細胞を作製し、再現性を解析した。両者の細胞で発現促進された遺伝子群が数個が認められ、グリア細胞由来やマトリックス形成に関するものであった。
著者
小谷 穣治 葛西 猛 斉藤 洋一 小林 国男
出版者
Japanese Association for Acute Medicine
雑誌
日本救急医学会雑誌 (ISSN:0915924X)
巻号頁・発行日
vol.4, no.4, pp.320-328, 1993-08-15 (Released:2009-03-27)
参考文献数
37
被引用文献数
1

過去13年間に帝京大学救命救急センターで経験した大腸損傷症例のうち,24時間以上生存した腹腔内全層性大腸損傷25例を臨床的に分析した。さらに術前状態を,stage I:ショックがない,腹腔内汚染が軽度,大腸損傷形態が単純,受傷から手術までの時間が6時間以内,の4条件を満たす状態,stage II: stage I以外の状態,に分け,各stageの施行術式間の入院日数および局所感染性合併症(縫合不全,腹腔内膿瘍,創感染)の発生数を比較した。なお原則として,stage Iの症例には一次修復術(一次縫合術または切除端々吻合)を,stage IIの症例には人工肛門造設術(分割式,ループ式人工肛門またはハルトマン氏法)を,stage IIで人工肛門造設に伴う精神的苦痛を避けたい症例には一次縫合外置術を施行することとしたが,術者の判断による術式選択を優先した。平均年齢は42.8歳,男19例,女6例であった。受傷機転は刺創16例,鈍的外傷8例,銃創1例であった。大腸損傷部位は刺創症例では横行結腸14例(87.5%),鈍的外傷症例ではS状結腸5例(62.5%)とそれぞれもっとも多く,銃創の1例はS状結腸であった。腹腔内合併損傷臓器は受傷機転を問わず小腸と腸間膜がもっとも多かった。1症例あたりの平均腹腔内合併損傷臓器数は刺創症例1.125,鈍的外傷症例1.75,銃創症例5であった。施行術式は,刺創では一次修復術,鈍的外傷では人工肛門造設術,また右側結腸で一次修復術,左側結腸で人工肛門造設術が多かった。術式別にみた術後合併症は,一次修復術,人工肛門造設術ともに創部感染がもっとも多く,それぞれ5例(42%), 7例(64%)であった。入院日数は,両stageとも一次修復術の方が短かった。局所感染性合併症は,stage Iでは差がなく,stage IIでは一次修復術の方が短かった。また,stage IIで一次修復術を行った1例が術後4日目に死亡したが,剖検では縫合不全や腹腔内膿瘍は認められなかった。これらの結果より,一次修復術の適応条件をさらに拡大するべきであると考えられた。
著者
松下 年子 野口 海 小林 未果 松田 彩子 松島 英介
出版者
一般社団法人 日本総合病院精神医学会
雑誌
総合病院精神医学 = Japanese journal of general hospital psychiatry (ISSN:09155872)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.142-152, 2010-04-15
参考文献数
7
被引用文献数
2

がん患者が受けた医療者による情報提供と,心のケアの実態を把握するために,インターネットを媒体とした質問調査を実施した。患者がとらえる心のケアは形式的なものではないこと,病名および再発告知(情報提供)の際の心のケアの質・量には幅があること,ケア提供者の89.7%と91.4%は主治医であることが示された。一方,病名告知に伴う自らの相談行為は55.8%に認められ,その相手はプライベートな関係者が圧倒的に多かった。治療中の相談行為は47.2%に認められ,そのうちの75.4%が相談相手を家族としていた。治療中に心のケアを受けた者は32.2%にすぎなかったが,ケア提供者は告知時と比較して主治医以外の医療職が多かった。情報提供の際のより積極的な心のケアの提供と,患者から相談を受ける体制の構築,治療中のがん患者への相談サービスの提供とアピール,主治医以外の医療職による心のケアの展開などの必要性が示唆された。
著者
益子 貴史 徳田 恵一 宮崎 昇 小林 隆夫
出版者
Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-2, 情報・システム. 2, パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.J83-D2, no.7, pp.1600-1609, 2000-07-20

隠れマルコフモデル(HMM)に基づいてピッチパターンとスペクトル系列を同時にモデル化及び生成する手法について述べる.ピッチパターンは,連続値をとる有声区間と値をもたない無声区間の時系列として表現されるため,通常のHMMではモデル化することができない.そこで本論文では,多空間上の確率分布に基づくHMM(multi-space probability distribution HMM: MSD-HMM)を適用し,ピッチパラメータとスペクトルパラメータを結合した特徴パラメータを用いてピッチとスペクトルを統一的にモデル化する手法を提案する.また,MSD-HMMにおける決定木に基づくコンテクストクラスタリング手法を導出し,ピッチやスペクトルの変動要因を考慮したモデルの構築手法について述べる.更に,ゆう度最大化基準に基づくパラメータ生成手法を用いることにより,実音声を近似したピッチパターン及びスペクトル系列を生成できることを示す.

1 0 0 0 OA telについて(II)

著者
ドルヌ フランス 川口 順二 小林 康夫 六鹿 豊
出版者
日本フランス語学会
雑誌
フランス語学研究 (ISSN:02868601)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.22-42, 1985-06-01 (Released:2017-09-13)

Dans cette partie de l'étude sur tel qui fait suite à la première parue dans le numéro 18 de cette revue, on examine d'abord les constructions N1 tel (que) N2 (III), et ensuite la construction N tel que+proposition (IV). En III, on propose l'hypothèse que N1 tel (que) N2 change de nature suivant qu'il y a absence (III. 1) ou présence (III. 2) de que, quoique l'emploi dit d'exemplification donne à tort l'impression que les deux emplois précédents se confondent complètement (III. 3). La nature de chacun des emplois est analysée à l'aide de critères de différents ordres tels que la nature de N1 et de N2, le type de détermination de ces deux N, la façon dont intervient le prédicat dont N1 est un argument, et on fait ressortir la différence entre tel N2 et comme N2. On notera qu'un des concepts théoriques élaborés en II concernant la construction Tel est Nx, à savoir celui de "type", aide à cerner les emplois N1 tel (que) N2 (emplois "comparatif" et "délimitatif"), et qu'un autre, celui de classe / membre, se combine avec le premier pour rendre compte de l'emploi N1 tel que N2 (emploi délimitatif), et qu'enfin l'emploi "exemplification" se situe dans le prolongement des deux, participant et de l'un et de l'autre quoique ceux-ci gardent dans une certaine mesure leur caractère respectif. En IV qui clôt notre enquête, on essaie de jeter quelque lumière sur la construction N tel que+proposition (P1). A travers différentes contraintes syntactico-sémantiques et lexicales, on montre qu'il convient de distinguer nettement trois espèces, à savoir : (i) le N tel que+P2 avec reprise anaphorique de N en P2 ; (ii) un N tel que+P2 ; (iii) emploi "intensif" (ou "de consécution"). Les emplois (i) et (ii) ont un tel cataphorique, alors que (iii) présente, au moins c'est notre hypothèse, l'opération d'auto-repérage source de la valeur intensive. La description des emplois (i) et (ii) nous a conduits à raffiner le concept de sous-classe utilisé en I dans l'analyse de la construction un tel N, et à proposer le concept d' "espèces de propriété". Dans la conclusion, en reprenant quelques points cruciaux de nos analyses au niveau des concepts descriptifs et théoriques, on prépare le terrain pour un débat futur.

1 0 0 0 OA telについて(I)

著者
ドルヌ フランス 川口 順二 小林 康雄 六鹿 豊
出版者
日本フランス語学会
雑誌
フランス語学研究 (ISSN:02868601)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.37-56, 1984-06-02 (Released:2017-09-13)

On se propose, dans cette première partie de l'étude sur tel, d'examiner le fonctionnement de ce marqueur (I) dans la construction un tel N et (II) dans celle où il apparaît en position d'attribut du sujet ou de l'objet. En I on part de l'hypothèse qu'un tel N est le marqueur de l'opération qui, sur la base d'une classe définie par la propriété d'un terme (celui-ci apparaissant le plus souvent dans le contexte gauche), construit une relation prédicative où la classe en question entre en tant que sous-classe de N. A travers l'étude de diverses contraintes de syntaxe et d'interprétation, on essaie de montrer la valeur de un (I.1.) et la nature de N (I.2.). En II on aborde les problèmes de l'anaphore dans tel est N. Contrairement au pronom neutre le et au pronom ce par exemple, tel a des contraintes spécifiques relevant de différents facteurs comme la nature de l'anaphorisé, la détermination de N, les modalités assertive et autres, les pronoms, l'ordre des mots, etc. Les observations conduisent à l'hypothèse que tel est anaphorique, non d'un terme déjà énoncé qu'on reprendrait simplement, mais du "type" construit à partir de celui-là. Dans cette première partie déjà on perçoit quelques problèmes que nous examinerons de plus près, notamment au sujet de la construction tel ... que, dans la deuxième partie.
著者
櫻井 淳 小林 稔
雑誌
情報教育シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.2021, pp.22-29, 2021-08-21

近年,児童の投能力などの身体活動量の低下が問題視されている.この状況を鑑み,2020 年度より全面実施の小学校学習指導要領において,体育授業に投の運動に関する指導が新たに追加された.しかし,その指導方法は各教師に委ねられており,児童の動作改善にまで着目した指導は十分になされていない.そこで,本研究では,カメラを用いた投げ動作の分析支援システムを提案する.そして,小学校 2 年生を対象にジャベリックボールを活用した投の運動の授業を実践し,授業前後の投げ動作を分析する.これにより,投能力向上に影響を与える動作要因を明らかにし,児童に対する動作改善指導への活用可能性を検討する.
著者
小林 章郎
出版者
公益社団法人 日本リハビリテーション医学会
雑誌
The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine (ISSN:18813526)
巻号頁・発行日
vol.57, no.6, pp.501-505, 2020-06-18 (Released:2020-08-12)
参考文献数
3

障害者の競技スポーツには,impairmentの内容・程度を判定し公平に競えるようクラス分けというシステムが存在する.パラリンピックに出場するために国際パラリンピック委員会公認のクラス分けを受ける必要があり,その準備としてクラス分けに精通した担当医がMedical Diagnostics Form(診断書)を書かなければならず,詳細な病歴・現症・画像資料が求められる.さらに,クラス分けが完了するまでに障害を客観的に証明する筋電図やMRIなどの追加検査を行う場合があり,医師の関与・判断がきわめて重要である.また今後,クラス分けの根拠となるevidenceを構築するため医科学的アプローチが欠かせない.
著者
曽 啓雄 小林 昭世
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第63回研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.54, 2016 (Released:2016-06-30)

『正字通』は、33298字の解釈(俗意味)や起源などを編纂し、17世紀に出版された。その中の色彩語を通して、当時の色彩文化を探ることができる。 『正字通』における色に関する糸部首の語は、以下の31文字である。 紅、素、紫、紺、絑、絳、緑、綪、、緅、緇、緋、緗、緹、緺、縉、、縓、、縞、、縹、、繄、繎、、、、、、纁。 それら文字を修飾する色彩形容詞は次の7文字である。 浅、微、純、大、鮮、含、退。 紫と赤に関しては、異なる説明があり、これには疑問がある。 本研究では、これらの文字の解釈を見ていくことで、特に、染色における明時代の色彩文化の一端を明らかにした。
著者
江見 美子 鵜殿 俊史 小林 久雄 早坂 郁夫
出版者
日本霊長類学会
雑誌
霊長類研究 Supplement 第20回日本霊長類学会大会
巻号頁・発行日
pp.131, 2004 (Released:2005-06-30)

【目的】チンパンジーはヒト蟯虫(Enterobius vermicularis)の寄生により、下痢や嘔吐、食欲不振などを起こし、時に肝臓などへの迷入により死に至る場合がある。また蟯虫の雌は産卵時期になると、寄生部位である盲腸から肛門に移動し産卵を行う。この時の掻痒感のため、蟯虫寄生は肛門いじりや各種肛門疾患の原因になると考えられている。しかしチンパンジーにおける蟯虫駆除は 1) 糞便いじりによる再感染率が非常に高い、 2) 投与が容易で蟯虫に対し高い駆除効果が期待できる駆虫薬がない、など非常に難しく、チンパンジー飼育施設にとって長年解決できずにいる問題となっている。そこで、ブタの回虫・鞭虫駆虫薬として既に使用されているフェンベンダゾール (Fenbendazole) のチンパンジーにおける蟯虫駆虫効果について調べ、清浄化を図った。【方法】 (1) 駆虫効果判定の為、蟯虫寄生が確認されたチンパンジー8頭にフェンベンダゾール10mg/kgを2週間隔で2回投与し、排虫の確認と、1、2、4、8、12、16週後に検便を行った。 (2) 蟯虫清浄化を目的として、チンパンジー80頭にフェンベンダゾール10mg/kgを5~11回投与し、2~7カ月おきに検便を行った。【結果】 (1) 8頭とも多数の排虫が確認され、その後12週まで蟯虫は検出されなかった。 (2) 投与前は30.2%だった蟯虫の検便陽性率が、投与開始から9ヶ月後および12カ月後には0%となった。しかし、16カ月後の検便で1頭から蟯虫が検出された。【考察】これらの結果から、フェンベンダゾールはチンパンジーの蟯虫に対し高い駆虫効果を発揮することが確認された。しかし初回投与の16カ月後に1頭から蟯虫が検出されたことから清浄化には至らず、環境中の虫卵から再感染した、あるいは駆虫しきれずに腸管内に残っていたことが考えられた。今後は投与間隔の再検討が必要である。
著者
小林 万優 住田 翔太郎 新村 末雄
出版者
JAPANESE SOCIETY OF OVA RESEARCH
雑誌
Journal of Mammalian Ova Research (ISSN:13417738)
巻号頁・発行日
vol.29, no.4, pp.180-186, 2012 (Released:2012-11-03)
参考文献数
35

成熟モデルマウスの初期胚について,ブリリアントクレシル青(BCB)に陽性と陰性の胚の出現率とそれらの胚盤胞への発生率を調べた.2細胞期ないし桑実胚期の胚において,BCB陽性のものの出現率は,94.2ないし96.4%であり,BCB陰性胚の出現率に比べ,すべての時期で有意に高かった.また,BCB陽性胚の胚盤胞への発生率(85.7ないし96.7%)は,BCB陰性胚の0ないし50.0%に比べ,すべての時期で有意に高かった.一方,加齢モデルマウスから採取した2細胞胚および桑実胚において,BCB陽性のものの出現率は,79.5および58.6%であり,BCB陰性胚の出現率(20.5および41.4%)に比べて有意に高いとともに,BCB陽性胚の胚盤胞への発生率(77.1および79.4%)も,BCB陰性胚の発生率(0および45.8%)に比べて有意に高かった.なお,BCB陽性の2細胞胚と桑実胚の出現頻度は,成熟モデルマウスから採取したものに比べて加齢モデルマウスから採取したもので有意に低かったが,胚盤胞への発生率は,両モデルマウスから採取した胚の間で相違なかった.以上の結果から,BCB陽性胚の体外での胚盤胞への発生率はBCB陰性胚に比べて有意に高いことが確かめられた.また,卵子と初期胚におけるBCBに対する染色性とG-6-PDH活性との間には相関のあることが考えられた.