著者
小林 親司 高西 陽一 山本 潤
出版者
一般社団法人 日本液晶学会
雑誌
日本液晶学会討論会講演予稿集 2009年 日本液晶学会討論会 (ISSN:18803490)
巻号頁・発行日
pp.193, 2009 (Released:2011-04-01)

液晶におけるフォトニック効果は自発的に構造が作られる点や外部からの刺激によって物理的性質に変調が得られる点において興味深く、研究が盛んである。本研究では水に数パーセントの界面活性剤を添加した2成分系の膨潤リオトロピックラメラ相をフォトニックデバイスとしての応用を目標に研究を行っている。ラメラ相の中でも数百nmに亘る周期構造は限られた試料にしか現れず、この周期構造を安定化することが本研究の要点である。
著者
住 昌彦 渡辺 正秀 佐藤 慶二郎 清水 郁夫 植木 俊充 赤羽 大悟 上野 真由美 市川 直明 浅野 直子 小林 光
出版者
一般社団法人 日本血液学会
雑誌
臨床血液 (ISSN:04851439)
巻号頁・発行日
vol.52, no.11, pp.1782-1787, 2011 (Released:2011-12-17)
参考文献数
14

75歳男性。2年前より間欠的な好中球減少を認め,貧血も伴うようになり紹介,高度な好中球減少,網状赤血球著減を伴う貧血,軽度の血小板減少を認めた。骨髄穿刺検査では高度な低形成であったが巨核球は保たれ,顆粒リンパ球が45.2%を占めていた。表面マーカー解析,T細胞受容体遺伝子再構成の結果からT細胞性顆粒リンパ球性白血病に合併した骨髄不全と診断した。抗胸腺細胞グロブリン,cyclosporine併用療法を開始し,16日目には血球は回復したが,29日目より発熱・リンパ節腫脹を認め,異型リンパ球が出現し,血中でEpstein-Barr virus (EBV) DNAが検出された。その後急激な肝機能障害・肝腫大が出現し多臓器不全で42日目に死亡した。剖検で肝,腎などにEBV陽性の大型異型Bリンパ球の浸潤を認めEBV関連リンパ増殖性疾患が死亡原因と考えられた。
著者
坂口 豁 小林 力夫
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.54, no.4, pp.386-390, 1985-04-10 (Released:2009-02-09)
参考文献数
29

においを高感度に別識するセンサ一の出現が期待されているが,センサー開発のためのはっきりした手がかりすらつかめていないのが現状である.ここでは,嗅覚受容器を構成していると思われるたん白質,脂質の役割について,現在までに明らかになっていることを整理しながら,将来つくられるべきにおいセンサーを予測し,筆者らの試作方針について述べた.
著者
松本 貴之 田口 久美子 小林 恒雄
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.147, no.3, pp.130-134, 2016 (Released:2016-03-10)
参考文献数
37

血管内皮細胞は,血液と接する血管内腔に存在し様々な因子を放出することから,最大の内分泌器官と考えられている.2005年に新規血管内皮由来収縮因子として報告されたウリジンアデノシンテトラフォスフェート(Up4A)は,その構造体にプリンとピリミジンを含む非常にユニークな物質である.これまで,様々なモデル動物標本を用いた検討からUp4Aは収縮反応や弛緩反応を誘発するといった血管緊張性を調節することが明らかとなったが,病態下におけるUp4Aの作用に関しては全く不明であった.我々は,生活習慣病の主翼である高血圧と糖尿病に着目し,これらのモデル動物を用いて,病態下でUp4Aの収縮力が血管部位によって異なることや,血管平滑筋におけるUp4Aの収縮機序の一端を明らかとした.また,Up4Aは,血管緊張性調節のみならず,平滑筋の増殖や遊走,炎症,石灰化にも関与することが報告され病態形成への役割も明らかになりつつある.今後,この新たな血管作動性物質であるUp4Aの研究がさらに進むことにより,生理的および病態生理的な役割が明確になることが望まれる.
著者
間瀬 由紀 荒武 幸代 渡邊 伸彦 小林 則子 増田 康子 杉野 裕子 田口 多恵 田中 優司 田中 生雅
出版者
愛知教育大学保健環境センター
雑誌
Iris health : the bulletin of Center for Campus Health and Environment, Aichi University of Education (ISSN:13472801)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.13-16, 2014

大学生の自己健康管理を促すきっかけを作るため、ルームスプレー作りを通してアロマテラピー体験を行う健康講座を2012年度より本学の保健環境センターで開催した(全9回)。第7回までは女性の参加者が大多数だった。2014年度は男子学生の参加を促すために男性限定で健康講座を開催した。1回目の開催では男子学生の参加が無かったが、2回目では男子学生の参加があり講座は好評を得られ終了した。今後も募集方法や開催日時、内容等を検討して、参加できる学生が増えるように工夫していく必要がある
著者
八十川 利樹 石丸 伊知郎 兵頭 亮治 小林 宏明 石崎 勝己 吉田 真
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会学術講演会講演論文集 2005年度精密工学会春季大会
巻号頁・発行日
pp.285, 2005-03-10 (Released:2005-10-06)

本報告では、単一細胞(直径10μm)の断層像解析アルゴリズムについて述べる。また、高空間解像度2次元分光計測技術として可変位相差顕微方式について報告する。本手法は新たに開発した局所可動ミラーデバイスにより、0次光と回折光の間で位相シフト干渉を行うことでインターフェログラムを得る。これらの技術と細胞回転技術により、生きたままの単一細胞の3次元分光特性を高空間解像度で取得することが可能となる。
著者
飯島 健太 今泉 祥子 青木 直和 小林 裕幸
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会冬季大会講演予稿集 (ISSN:13434357)
巻号頁・発行日
no.2013, pp.1-2-1-"1-2-2", 2013-12-18

Aiming an automatic method for creation of pixel art, four Imaging processes, Lanczos-Resampling, MDA-Clustering, Canny Edge Detector, and Coloring of Contour process were used. The last process is particularly new proposal of pixel art and results in an expression almost like 16-bit video-game console.
著者
小林 佳祐 中村 卓
出版者
社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.60, no.8, pp.412-417, 2013-08-15 (Released:2013-08-31)
参考文献数
17
被引用文献数
2

本研究ではデュラム澱粉にパスタ乾燥条件をモデルとした高湿加熱処理を行った.加熱温度80°C,相対湿度70%以上の高湿加熱処理によってデュラム澱粉の糊化特性が変化すること,澱粉ゲルの力学物性と食感が変化することを明らかにした.高湿加熱処理によりDSCの糊化ピーク温度の上昇,融解エンタルピーの減少,X線回折の総結晶化度の減少,RVAの最高粘度が減少した.これらの変化は湿熱処理と同様の変化であることから高湿加熱処理は湿熱処理と同様の構造変化を澱粉粒に引き起こすと考えられる.さらに,澱粉粒表面の凹凸が消失し,澱粉糊化度が増加したことから澱粉が部分糊化したと考えられる.澱粉ゲルの官能評価にて高湿加熱処理の加熱温度,相対湿度が高い方がかたさ,歯切れのスコアが高くなり,付着性のスコアが低くなった.本研究の結果からパスタ乾燥工程は乾燥だけでなく,澱粉自体が加工(膨潤抑制) される場である可能性が示された.また,超高温乾燥パスタが硬くなる原因として従来報告されているタンパク質の高分子量化だけでなく,澱粉自体の膨潤抑制も寄与している可能性が示された.
著者
小林 俊光 八木沼 裕司 末武 光子 高橋 由紀子
出版者
耳鼻咽喉科展望会
雑誌
耳鼻咽喉科展望 (ISSN:03869687)
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, pp.342-346, 1997-06-15 (Released:2011-03-18)
参考文献数
18

耳管閉鎖不全に基づく耳疾患には, 鼓膜に異常のない耳管開放症のほかに, 中耳真珠腫, 滲出性中耳炎, 中耳アテレクタシスなどがある。中耳真珠腫の25%に耳管閉鎖不全に基づく鼻すすり癖が誘因と考えられる症例が認められた。診断に当たっては, 耳管閉鎖不全の存在を疑うことが重要であり, とくに真珠腫では両側耳に病変のある弛緩部型真珠腫, 滲出性中耳炎では鼓膜内陥の強い貯留液の少ない症例においては, 鼻すすり癖の綿密な問診と鼻すすり時の鼓膜内陥また中耳腔陰圧形成の確認が必要である。治療に当たっては, 鼻すすり癖と病変の関係を患者に理解させることが, 再発防止に重要である。重症例では開放耳管に対する治療が主病変の治療とともに必要であり, 開放耳管の効果的治療法の開発が待望される。