著者
小林 茂 金尾 顕郎 吉川 貴仁 藤本 繁夫 平田 一人
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.38 Suppl. No.2 (第46回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.DcOF1092, 2011 (Released:2011-05-26)

【目的】 慢性閉塞性肺疾患(COPD)は中・高齢者に多い慢性の肺症状をはじめ全身炎症性疾患として捉えられる。慢性の換気障害とガス交換障害のために動脈血低酸素血症や高炭酸ガス血症が生じ、高次脳機能への影響が考えられるがその報告は少ない。そこで本研究ではCOPD患者の認知機能を評価し、肺機能、低酸素血症の有無、呼吸困難度さらに日常生活活動(ADL)との関係を検討することを目的として実施した。【方法】 O大学医学部附属病院呼吸器外来に通院する60歳以上のCOPD患者で、内科的標準治療がなされ症状安定期にある39名(男性23名、女性6名)、平均年齢72.2±7.0歳を対象とした。対象者の肺機能はVC 2.94±0.83L、%VC 94.5±21.13%、FEV1.0 1.35±0.62L、%FEV1.0 65.51±27.81%であり、GOLD分類の軽症7名、中等症21名、重症8名、最重症3名であった。なお、既に認知トレーニングを受けている症例、60歳未満の症例は対象より除外した。 評価はスパイロメトリーによる肺機能テストを実施し、パルスオキシメータにより低酸素血症の有無を観察した。認知機能は面接法にてMini-Mental State Examination(MMSE)30点満点、呼吸困難度はMedical Research Council(MRC)スケール、日常の活動性は日常生活活動(ADL)テスト身辺動作15点満点と移動動作15点満点を用いて評価した。 解析は肺機能(GOLD)の分類、低酸素血症の有無、MRCスケール各指標の程度ごとにMMSEの平均値を求め比較した。さらにMMSEと各指標の順位相関を求め検討した。また、MMSEの再現性を検討するために、2ヶ月間の観察期間をあけて症状の変化を認めなかった8名において再評価を実施した。【説明と同意】 本研究はO大学医学部倫理委員会の承認を得て臨床研究として実施した。対象者には事前に口頭と文面にて研究内容と方法を説明し同意書を得た。【結果】 1 MMSEの結果 全対象者の平均は25.3±2.3点であった。 2 MMSEの信頼性 8名において初期評価25.3±1.6点、2ヵ月後の再評価25.5±2.3点であり有意な差はなく、両評価の相関係数は0.80(P<0.01)であった。 3 MMSEと肺機能(GOLD)の分類との関係 GOLD分類の軽症26.0±2.2点、中等症25.7±2.6点、重症24.5±1.9点、最重症24.0±2.0点であり、それぞれ有意な差は認められなかった。また、両指標の間の順位相関はrs=-0.27(P<0.05)と低い関係であった。 4 MMSEと低酸素血症の有無との関係 低酸素血症無し(低酸素無群)26.1±2.4点、運動時低酸素血症有り(低酸素有群)23.9±1.9点、常時血酸素血症有り在宅酸素療法(在宅酸素群)24.1±1.4点であった。低酸素無群と低酸素有群および在宅酸素群との間に有意な差(P<0.05)が認められた。また、両指標の間に有意な順位相関rs=-0.40(P<0.01)が認められた。 5 MMSEとMRCスケールとの関係 Grade1 26.7±2.2点、Grade 2 25.8±2.4点、Grade 3 23.9±1.6点、Grade 4 23.3±1.2点であった。Grade1と3および4、Grade2と3との間に有意な差(P<0.05)が認められた。また、両指標の間に有意な順位相関rs=-0.51(P<0.01)が認められた。 6 MMSEと活動量との関係MMSEとADLテスト(移動動作)平均8.3±3.2点との間に有意な順位相関rs=-0.41(P<0.05)が認められた。しかし、ADLテスト(身辺動作)平均12.8±3.2点との間には有意な関係は認められなかった。【考察】 MMSEの再現性はFolsteinら等の再検査法で報告があり、非常に高い信頼性が示されている。我々の今回の60歳以上のCOPD患者においても相関係数は0.80と高い信頼性が示された。MMSEは30点満点で評価され、認知障害のcut off値は23/24点が推奨されている。COPD患者の認知機能の平均値25.3±2.3点は軽度認知障害の疑いのあるレベルであるが、一般高齢者と同等レベルと考えられた。しかし、MMSEは低酸素血症の有無、MRCスケールの程度で有意な差が認められ、また各指標との相関が認められた。さらに日常の移動動作の程度との間にも相関が認められた。この結果より低酸素血症を示す症例、動作時の呼吸困難が強い症例、日常活動レベルの低い症例ほど認知機能が低いことが考えられた。このことに共通する因子は活動性の低下と低酸素血症の存在であり認知機能に大きく関わっていることが考えられた。【理学療法学研究としての意義】 今後、同対象者に運動療法を実施し、認知機能に対する運動療法の有効性を検討するための基礎データとして意義は重要である。
著者
神田 直 林 英人 小林 祥泰 古橋 紀久 田崎 義昭
出版者
一般社団法人 日本脳卒中学会
雑誌
脳卒中 (ISSN:09120726)
巻号頁・発行日
vol.2, no.3, pp.299-306, 1980-09-25 (Released:2010-01-22)
参考文献数
34
被引用文献数
4 1

脳卒中急性期の交感神経活動を知る目的で発症48時間以内の患者64例を対象に血漿カテコールアミンの変動を観察した.血漿ノルエピネフリン (NE) 値は, 脳出血, くも膜下出血, 脳梗塞の順に高く, その平均値はそれぞれ753±116pg/ml, 630±291pg/ml, 397±65pg/mlであった.脳出血の平均値は脳梗塞と対照とした非神経疾患々老19例の平均値292±2gpg/mlよりも有意に高値を示したが, 脳梗塞と対照の間には有意差を認めなかった.血漿NEの上昇はとくに大血腫, 広範な梗塞を伴う重症例で著しかった.死亡した13例の血漿NEの平均値1,199±162pg/mlは生存43例の平均値362±39pg/mlより有意に高く, 入院時の血漿NEは患者の生命予後を良く反映した.血漿エピネフリンについても同様の傾向がみられた.脳卒中急性期には交感神経系の興奮と副腎髄質機能の尤進を伴い, とくに予後不良な重症例で著しい.脳卒中急性期には脈拍,血圧,呼吸,体温などのvital signにしぼしば著しい変化がみられ,また発汗過多,消化管出血などを伴うことが少くない.これら多彩な臨床症状の発現には自律神経系が密接に関与していると推定される.さらに脳卒中患者ではValsalva試験における反応異常, 起立性低血圧, 体位変換に伴う血中ノルエピネフリン (NE) 反応の低下など自律神経機能異常がみられることが報告されている.一方最近では脳循環の調節機序における自律神経系の役割が注目され, 脳卒中急性期にみられる脳循環代謝動態の異常にも自律神経異常を伴うことが推測されるが,現在のところこれを実証するような成績は得られていない.したがって脳卒中急性期の自律神経活動についての観察は, 脳卒中の病態を解明する上でのひとつのアプローチになると考える.血中NEは主として交感神経の末端に由来し, その変動は交感神経活動をかなり鋭敏に反映すると考えられている.脳卒中患者においては尿中カテコールアミン (CA) 排泄量の増加があり, さらに血中 CAレベルが上昇することが報告されている.また交感神経刺激によりNEと共にexocytosisによって放出されるといわれるドーパミン-β-水酸化酵素 (DEH) 活性も脳卒中急性期には血中で上昇する.血清DBH活性の変動からみても, 血中NEの変化は脳卒中発症数日以内の急性期に著しいことが予想されるが, これらの報告者の成績ではその検討が十分になされていない.また血中CAレベルと臨床症状との詳細な関係についても明らかでない.最近のCA測定法の進歩は目覚しく, 特異性と感度に優れた測定法が開発されつつある.一方CTスキャンの導入により脳血管障害の診断精度は著しく向上し, 出血と梗塞の鑑別はもとより, 病巣部位までかなり正確に診断が可能となった.そこで著者らはとくに脳卒中発症後極く早期の患者を対象に血中CAの変動を観察し, さらにその臨床的意義についても検討を行った.
著者
遠部 慎 宮田 佳樹 小林 謙一 松崎 浩之 田嶋 正憲
出版者
国立歴史民俗博物館
雑誌
国立歴史民俗博物館研究報告 (ISSN:02867400)
巻号頁・発行日
vol.137, pp.339-364, 2007-03

岡山県岡山市(旧灘崎町)に所在する彦崎貝塚は,縄文時代早期から晩期まで各時期にわたる遺物が出土している。特に遺跡の西側に位置する9トレンチ,東側に位置する14トレンチは調査当初から重層的に遺物が出土し,重要な地点として注目を集めていた。彦崎貝塚では土器に付着した炭化物が極めて少ないが,多量の炭化材が発掘調査で回収されていた。そこで,炭化材を中心とする年代測定を実施し,炭化材と各層の遺物との対応関係を検討した。層の堆積過程については概ね整合的な結果を得たが,大きく年代値がはずれた試料が存在した。それらについての詳細な分析を行い,基礎情報の整理を行った。特に,異常値を示した試料については,再測定や樹種などの同定を行った。結果,異常値を示した試料の多くは,サンプリング時に問題がある場合が多いことが明らかになった。特に水洗サンプルに顕著で,混入の主な原因物質は現代のものと,上層の両者が考えられる。また,混入した微細なサンプルについても,樹種同定の結果,選別が可能と考えられた。これらの検討の結果,明らかな混入サンプルは,追試実験と,考古学的層位などから,除くことが出来た。また,9トレンチと14トレンチと2つのトレンチでは堆積速度に極端な差が存在するものの,相対的な層の推移は概ね彦崎Z1式層→彦崎Z2式層→中期層→彦崎K2式層→晩期ハイガイ層となることがわかった。今後,本遺跡でみられたコンタミネーションの出現率などに留意しつつ,年代測定試料を選別していく必要がある。そういった意味で本遺跡の事例は,サンプリングを考えるうえでの重要なモデルケースとなろう。Relics from all of the periods from Earliest Jomon through to Latest Jomon have been excavated from the Hikosaki shell midden situated in Okayama City (formerly Nadasaki-cho) in Okayama Prefecture. Multiple layers of relics were excavated at the start of the survey from trench 9 located on the western side of the site and trench 14 on the eastern side of the site, which drew attention to these locations as important spots. Although extremely few pieces of carbonized material adhering to pottery were found in the Hikosaki shell midden, large quantities of carbonized wood were recovered from excavation. We undertook dating mainly of the carbonized wood and investigated the corresponding relationships between the pieces of carbonized wood and relics from each of the layers. Although the results were largely consistent in terms of the sedimentation process of the layers, there were some samples whose dates deviated considerably. We made a detailed study of these samples and sorted basic information. We repeated measurements and identified the tree types of those samples that gave abnormal readings.The results revealed that for many of the samples that yielded abnormal values there were problems at the time of sampling. This was particularly pronounced for samples that were washed in water. It is conceivable that the substances that caused this contamination were both present-day substances and the top layer. Identification of the types of wood of very small contaminated samples also showed that screening is a possible cause of this contamination. As a result of such investigations, we were able to eliminate samples that were clearly contaminated from additional testing and the archaeological succession of strata. Although there was an extreme difference in the sedimentation rates for trench 9 and trench 14, we found that the pattern of relative layer development was mainly : Hikosaki Z 1-type layer -> Hikosaki Z 2-type layer -> Middle Jomon layer -> Hikosaki K 2-type layer -> Latest Jomon Haigai layer.In the future, it will be necessary to screen samples for dating while keeping in mind the contamination rates seen at this site. In this sense, the case of the Hikosaki site will become an important model with respect to sampling.
著者
沖 将且 小林 康秀 沖田 豪
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLP, 非線形問題 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.41, pp.31-38, 1999-05-13

これまでに, ハマースタインシステムの同定は, 主として入出力の相関関数を用いたノンパラメトリックな同定法が提案されている. それらは, 線形部の次数および非線形部の多項式の次数を既知とし, 非線形部に連続関数を仮定しているため, リレー, 不感帯特性など非線形性の強いシステムには適用できない. ニューラルネットワークは, 広範な非線形特性を表現でき, 学習, 汎化能力に優れているため, ハマースタインシステムの非線形部をNNで表現し, 広範な非線形特性をもつシステムの同定法を提案する. システムの線形部はARXモデルで表現し, その次数は未知とし出力は観測雑音で汚されている. 非線形要素を表すニューラルネットワークの重み係数および線形部のシステムパラメータは, 観測値を教師信号として一括して学習を行う. また, ニューラルネットワークのユニット数および線形部の次数は, MDL 情報量基準により推定する. 最後に, 不連続など強い非線形性をもつシステムに対して, シミュレーションを行い, 本手法の理論的正当性を検証する.
著者
阿部 麻記子 梅園 朋也 小林 貴子 大貫 恵子 加藤 麻祐子 宮内 雅晃 山本 直之 木村 守次 豊田 雅夫 鈴木 大輔
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.52, no.3, pp.235-238, 2009-03-30 (Released:2010-03-01)
参考文献数
10

進行性筋強直性ジストロフィー(以下MyD)患者にはしばしば糖尿病を合併し,骨格筋におけるインスリン抵抗性の存在が想定されており,インスリン抵抗性改善薬の有用性が期待される.Pioglitazoneによりインスリン必要量を減少しえた糖尿病合併進行性筋強直性ジストロフィーの2症例を経験したので報告する.症例1: 63歳,女性.48歳時MyDと診断.62歳で血糖高値指摘,HbA1c 10.8%でインスリン導入,1日最大54単位必要であったインスリンがpioglitazoneを開始後14単位に減少した.症例2: 50歳,男性.30歳時MyDと診断.39歳で糖尿病指摘.42歳から強化インスリン療法導入.筋力低下により頻回注射困難となるが,pioglitazoneを開始したところ,1日あたりのインスリン量20単位が4単位まで減少した.糖尿病を合併したMyD患者へのpioglitazoneの投与は,インスリン抵抗性改善による血糖降下作用の可能性が示唆され,インスリン投与量の減少から患者の負担の軽減ができると考えられた.
著者
中川 昌子 木内 みどり 小尾 道子 殿塚 雅克 小林 和美 日野 亨 舟越 和久
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
CHEMICAL & PHARMACEUTICAL BULLETIN (ISSN:00092363)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.304-312, 1975
被引用文献数
17

The reaction of tryptamine with &delta;-valerolactone in tetralin gave &delta;-hydroxyamide (3) as the main product and the lactam (4) as the minor product. However, the reaction of 5, 6-dihydro-2-pyrone with tryptamine or aniline afforded a mixture of the corresponding &alpha;&beta;- and &beta;&gamma;-unsaturated lactams, whereas, 2-pyrone did not react with either tryptamine or aniline to give the corresponding pyridone. Cyclization of 3 or 4 by Bischler-Napieralski reaction and followed NaBH<SUB>4</SUB> reduction provided a convement synthesis of 1, 2, 3, 4, 6, 7, 12, 12b-octahydroindolo [2, 3-&alpha;] quinolizine (23).
著者
小林 正秀 野崎 愛
出版者
応用森林学会
雑誌
森林応用研究 (ISSN:13429493)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.67-71, 2001
被引用文献数
2

ナラ類集団枯損の被害材から,特定の糸状菌が分離されている。4種類の食用きのこ,シイタケ菌,ナメコ菌,クリタケ菌,エノキタケ菌とナラ類病原性未同定菌の対峙培養を実施して,食用きのこが未同定菌に与える影響を検討した。その結果,シイタケ菌が未同定菌の菌糸伸長を阻害することが明らかになった。次に,73品種のシイタケ菌との対峙培養を実施して,未同定菌の菌糸伸長を阻害する能力が高い品種を選抜した。選抜したシイタケ菌品種は,ナラ類集団枯損の防除に利用できると考える。
著者
小林 義典
出版者
公益社団法人 日本補綴歯科学会
雑誌
日本補綴歯科学会誌 (ISSN:18834426)
巻号頁・発行日
vol.3, no.3, pp.189-219, 2011-07-10 (Released:2011-09-01)
参考文献数
370
被引用文献数
2 7

軟らかくて咀嚼回数が少ないファーストフードや健康補助食品の多量摂取,朝食の欠食などによる不十分な咀嚼は,激変した社会環境を背景として健康に多大な影響を及ぼしている.一方,近年の研究では,食の文化に基づいた歯応えと風味がある食物の十分な咀嚼は,心身の成長の促進,脳の活性化とリラックス作用,食物の発がん物質の発がん性の減弱,活性酸素の消去,肥満の抑制,糖尿病治療効果の向上,運動機能の向上,骨粗鬆化の抑制,脳の損傷や老化のリハビリテーション効果などにつながることが確認または示唆されている.また,この前提条件として,健全な咬合の必要性が強調されている.今後の健康,医療,福祉を展望すると,歯科臨床が主な目的とする咀嚼機能の回復とその維持は不可欠であり,それを標榜してきた日本補綴歯科学会には,重大な責務があるといえよう.具体的に,科学的根拠に基づいた行政施策が実施されるためには,咀嚼機能の診断の確立とその呈示とともに,医学,栄養学,薬学,理工学などとの密に連携した研究と臨床の推進が必須であり,特に広範な領域を専門とする日本補綴歯科学会の担う役割は重大である.
著者
小林 恵美子 福島 深雪
出版者
金沢大学外国語教育研究センター = Foreign Language Institute Kanazawa University
雑誌
言語文化論叢 (ISSN:13427172)
巻号頁・発行日
no.14, pp.165-188, 2010-03

General strain theory, in its most genetic form, argues that three sources of strain, including failure to achieve positively valued goals, removal of positively valued stimuli, and confrontation with negative stimuli, lead to crime and other forms of deviance. Failure to achieve positively valued goals, which has been addressed in part in traditional strain theory, consists of three subtypes that describe various ways in which goal blockage might become manifest. The first type is a disjuncture between aspirations and expectations, which results when individuals hold aspirations for a positively valued goal but do not expect to achieve it. The second type is a disjuncture between expectations and outcomes, which results when individuals expect to achieve a certain goal but do not actually achieve it. Lastly, the third type is a disjuncture between perceived just or fair outcomes and actual outcomes, which results when what actually occurs is perceived by the individual as an unfair utcome. The other two major sources of strain, which include removal of positively valued stimuli and confrontation with negative stimuli, result when individuals experience stressful life events, especially during adolescence. All three sources of strain predispose individuals to engage in crime and other forms of deviance. In the research reported here, measures of strain that closely correspond to the theoretical definitions are developed, while taking into account two recent refinements (a distinction between global and goal-specific strain and an assessment of subjective responses to stressful life events). The effects of these strains on academiccheating are then examined in a sample of Japanese college students. Results offer partial support for general strain theory. While both removal of positively valued stimuli and confrontation with negative stimuli increase the inclination to cheat, failure to achieve positively valued goals does not seem to affect the inclination to cheat among the sample of Japanese young adults.
著者
小林 恵美子
出版者
金沢大学外国語教育研究センター = Foreign Language Institute Kanazawa University
雑誌
言語文化論叢 (ISSN:13427172)
巻号頁・発行日
no.15, pp.159-181[含 英語文要旨], 2011-03

Social control theory, which was first presented by Travis Hirschi in 1969 inCauses of Delinquency and is one of the most widely cited theories in criminology, argues that humans by nature are hedonistic and, thus, inclined to engage in any acts, including crime and other forms of deviance,in pursuit of their self-interest. The present study proposes that the fourgeneral elements identified in the theory comprise a social bond that, whenpresent, serves as a constraint against academic cheating: attachment,commitment, involvement, and belief. First,attachment refers to anemotional bond to conventional others. Students who are so attached areless inclined to commit academic cheating for fear of hurting those to whomthey are attached and/or jeopardizing their relationships with them. Forstudents, relevant attachments are those to parents, peers, and school.Attachment to, or caring about the feelings of parents has also threesubcomponents: identification with and affection toward parents, intimatecommunication, and parental supervision. Second, commitment refers tothe stakes in conformity the student has developed, such as investments ineducation and preparation for labor force participation. Students whohave made such investments, the present study argues, are inclined to avoid violation of school rules because they have more to lose by taking therisk of getting into trouble. Third, involvement is a student's investment oftime in conventional activities, time that makes the student unavailable foracademic cheating or exposure to opportunities for such misconduct. Thetheory assumes a finite amount of time available to an individual, so timespent in conventional activities reduces time available for academiccheating. Finally, belief refers to belief in the moral legitimacy of the law –the view that the law is binding on one's own behavior and has legitimacy inprohibiting one's pursuit of one's self-interest through acts of force and fraud.Students who acquire such a belief while growing up are more bonded toconventional society and, thus, less free to engage in academic cheating. Inthe research reported here, measures of social bond variables that resemble,and in many cases are identical to measures used by Hirschi, are developed.The effects of these four elements on people's experience to commitacademic cheating are then examined in a sample of Japanese collegestudents. The analysis provides rather limited support for the theory.Parental supervision and belief function as constraints that preventstudents, more or less, from engaging in acts of fraud (i.e., academiccheating) in pursuit of their self-interest, but the findings for the otherelements of social bond appear less compatible with the theory.
著者
野々村 美宗 小林 直人 中川 直樹
出版者
Japan Society of Colour Material
雑誌
色材協會誌 (ISSN:0010180X)
巻号頁・発行日
vol.84, no.12, pp.435-438, 2011-12-20

固体粒子が液液界面や気液界面に吸着してエマルションや泡を安定化する場合がある。これまでの研究の多くは,単純な球状のエマルション/泡に関するものばかりだったが,最近では固体粒子がネットワーク構造や共連続構造などの複雑な構造も構築することが明らかになった。本解説では,固体粒子を使ってサツマイモ状エマルションや梅干し状エマルション,非球形多相エマルションを調製する方法を紹介する。これらの知見は,医薬品や食品,化粧品,塗料などの製剤や材料を開発するうえで有用である。
著者
小林 陽一郎 大沢 昌玄 岸井 隆幸
出版者
The City Planning Institute of Japan
雑誌
都市計画論文集 = Papers on city planning (ISSN:1348284X)
巻号頁・発行日
vol.46, no.3, pp.757-762, 2011-10-25

わが国の高齢化社会は着実に進み、街と自動車の接続点であり乗換口でもある駐車場では、今まで以上に高齢者を含めた移動制約者に配慮することが求められている。2006年にバリアフリー新法が施行され、移動制約者用の駐車スペース設置に関しては、路外駐車場は1台以上、建築物特定施設に関しては、200台以下は全体の2%、200台以上の場合は全体の1%+2台以上という基準となっている。しかし、駐車場の新築または増築時に適用されるため、既存の駐車場にはあてはまらない。そのため、現状では移動制約者用駐車スペースの設置数は極めて少ない状況にある。そこで本研究は、移動制約者を障がい者手帳を所持している人のみならず、妊婦や高齢者、一時的な病気・怪我人まで含めた広い概念として捉えた上で、実際に運用されている移動制約者用駐車スペースに関する設置基準を概観し、東京と横浜の駐車場においてアンケート調査を実施し、移動制約者が乗車している自動車の駐車ニーズと課題認識を明らかにする。あわせて移動制約者駐車マスの利用実態を現地で確認し、こうした利用状況から得られた結果を基に、移動制約者用駐車スペースの設置のあり方を提案する。
著者
齋藤 歩記 小林 和人 平塚 三好
雑誌
研究報告電子化知的財産・社会基盤(EIP) (ISSN:21888647)
巻号頁・発行日
vol.2016-EIP-73, no.8, pp.1-4, 2016-08-26

近年深層学習 (ディープラーニング) の飛躍的な進歩により,人工知能 (AI) が日常生活の様々な場面で応用され始めている.一方で,これまで自然人の領分とされてきた創作活動をAIが行うようになり,それによる創作物の保護についても注目が集まっている.本研究においては,政府の検討委員会による見解を参考に,人工知能 (AI) が主体となって発明を行った場合についての発明の保護の在り方について検討する.特に AI の本質的な機能と役割,自然人と AI との関わりといった点に注目し,議論を行う.
著者
Goh Chok Tong 小林 収
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1074, pp.42-44, 2001-01-15

問 日本は世界貿易機関(WTO)の優等生であろうとするあまり、どこか特定の国と貿易協定を結ぶのにずっとためらいがありました。何でも多国間の枠組みで、と。その日本を自由貿易協定(FTA)に引きずり込んだのは、ゴー首相、あなたなんでしょう。 答 そうです。自分でもこれは誇りに思っています。