著者
遠峰 菊郎 小林 文明 道本 光一郎 緒方 秀明 和田 保徳 郷津 寿夫 酒井 勉
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.13-22, 1994-01-31
参考文献数
7
被引用文献数
2

3,4時間先の冬季雷予測の可能性を探るために,1992年1月22日から同月24日まで,レーウィンゾンデによる3時間間隔の観測を実施した。観測期間中に雷活動が活発であった時間帯は3回あった。これらの雷活動の中にはいわゆる気団雷も含まれるが,それぞれ熱的に不安定な小領域や小さい収束線が観測された.このことから,これらの小擾乱の存在を確認することができれば,冬季雷の予測はより精度が高まると考えられる.
著者
小林 進 鈴木 孝洋
出版者
東京理科大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

キラルイミドを不斉補助基として用いるジアステレオ選択的反応は、複雑な骨格を有する標的分子の不斉合成において重要な手段として国内外で活用されている。本研究では本申請者がこれまでに開発した二種類のアルドール型反応に関し、(1)ビニロガス向山アルドール反応の改善、(2)不斉3級アルコールを含む1,2-ジオールの立体選択的合成法については、基質一般性の検討、(3)これらの方法論を活用した生物活性天然物の不斉合成への応用を行った。
著者
山田 真大 林 和宏 鈴木 章浩 岡本 幸太 小林 良岳 本田 晋也 高田 広章
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告システムソフトウェアとオペレーティング・システム(OS)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.18, pp.1-7, 2013-07-24

組込み向け機器に利用されるハードウェアの高性能化に伴い,組込み OS として Linux などの汎用 OS が搭載されるようになった.組込み機器では,リアルタイム性が重要視されるため,Linux を採用する場合,カーネルに改良を施すことでリアルタイム性を確保している.また,マルチコア CPU を搭載する組込み機器では,Linux が持つ CPU affinity の機能を用いることで,シングルコアでは不可能であった高負荷時におけるリアルタイム性も確保することが可能になった.しかし,CPU コア毎に存在するカーネルスレッドは CPU affinity を適用することができず,また,この処理がまれに引き起こすタイマのカスケード処理には多くの処理時間を必要とし,リアルタイム性を阻害する原因となる.本論文では,マルチコア CPU の各コアを,リアルタイム性を必要とする CPU コアと不要とする CPU コアに分割し,リアルタイム性を必要とする CPU コアでは,タイマのカスケード処理を発生させないよう事前に対策を施すことで,リアルタイム性を確保する手法を提案する.With the increase in hardware performance of modern embedded systems, general-purpose operating systems (OS) such as Linux are commonly used as embedded OSs. Furthermore, the use of multi-core CPUs enables Linux to improve its real-time performance even on high-load scenarios which is rather hard to achieve on single-core CPUs thanks to its "CPU affinity" functionality. However, we found two issues in the current version of the Linux kernel: the CPU affinity of some kernel threads cannot be specified; and the use of timer cascading (use of multiple hardware timers to count time) increases the worst-case response time of real-time tasks. In this paper, we classify the cores in a multi-core CPU into 2 different groups: cores which require real-time performance guarantees; and cores which do not require such guarantees. Then, we propose and evaluate a method that improves the real-time performance of the system by disabling timer cascading on cores which require real-time performance guarantees.
著者
和田基 塚本潤 小林弘明 高橋昭宏 坂本龍一 佐藤未来子 天野英晴 近藤正彰 中村宏 並木美太郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告システムソフトウェアとオペレーティング・システム(OS)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.5, pp.1-8, 2013-04-18

細粒度 PG (Power Gating) 制御を行うプロセッサでは,温度やキャッシュのヒット率などの動的なスリープ要因を適切に反映した命令列を実行することが重要である.本発表では,JIT コンパイラの生成するコードに対して,動的要因として実行時のチップ温度を考慮した細粒度 PG 制御を最適化する方式を提案する.筆者らが研究している Geyser アーキテクチャの細粒度 PG 方式を QEMU ベースである AndroidEmulator によってシミュレートした評価実験において,PG 制御を行わない場合と比較し,VM と JIT コンパイラおよび生成されたコードを実行するプロセス全体で平均 6%,最大 22% でリーク電力を削減することができた。
著者
小林 寛征 高松 希匠 島村 和典
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.519, pp.29-32, 2002-12-10
被引用文献数
5

ネットワークのブロードバンド化に伴い,基幹網内のIPパケット量は増加し,将来,ルータ等の中継機器の性能を超えてしまう.そこで,MTUの異なるアクセス網と基幹網の間でIPパケットを結合・分解し,経路選択にかかるプロセッサ負荷を軽減するパケットアセンブリ技術を研究している.この技術を非同期パイプラインを持つデータ駆動型プロセッサに実装し,課題の抽出と,解決方法について報告する.
著者
佐藤 慎一 和田 恭則 山口 俊男 勝見 晟 小林 正人
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.23-27, 1992-01-20 (Released:2011-06-17)
参考文献数
8

鉛汚染の高い10日齢の黒毛和種39頭にエデト酸二ナトリウムカルシウム (Ca, Na2-EDTA) を1日当たり32~37mg/kg体重の割合で静脈内注射した. Ca, Na2-EDTAは5日間投与し, 2日間休薬後再び5日連用した. Ca, Na2-EDTA投与10週後まで子牛の血液中鉛濃度ならびに血液性状を経時的に測定し, 次の結果が得られた.1) 血液中鉛濃度はCa, Na2-EDTA投与1~4週後で高い値を示したが, 7週後では低下しはじめ10週後で有意に低い値を示した (p<0.05). 牛舎別の血液中鉛濃度の推移は1号棟 (1981年製), 2号棟 (1982年製) のもとでは鉛濃度の低下が早く, 3号棟 (1983年製) では遅かった.2) 牛舎別のδ-アミノレブリン酸脱水素酵素活性の推移は1号棟のものがCa, Na2-EDTA投与1週後から増加したが, 2, 3号棟のものでは変化がみられなかった.3) プロトポルフィリン濃度赤血球数, ヘマトクリット値, 血色素量はCa, Na2-EDTA投与1週後から高い値を示した.4) 鉛中毒の発生が2, 3号棟の子牛7頭にみられた.これら発症子牛と非発症子牛の血液中鉛濃度には有意差がみられなかった.以上の成績から, いずれの子牛も鉛中毒発生の可能性があり, それらにCa, Na2-EDTAを投与したところ, 血液中鉛濃度の低下が認められた
著者
羽生 宏人 和田 英一 丹羽 崇博 近藤 靖雄 川村 尚史 丸山 信也 岡村 彩乃 山科 早英良 永井 康仁 中道 達也 上道 茜 田中 成明 小林 直樹 笠原 次郎 森田 泰弘
出版者
THE JAPAN SOCIETY FOR AERONAUTICAL AND SPACE SCIENCES
雑誌
航空宇宙技術 (ISSN:18840477)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.15-21, 2010
被引用文献数
1

The educational hybrid-rocket was successfully launched and it also landed within the predicted area. Aerodynamic characteristics of the rocket designed by students of Tsukuba University were evaluated by the wind tunnel testing with the support of Tokai University. The flight path affected by the environmental condition, especially wind direction and velocity, was simulated with the original calculation program. The altitude of the rocket was measured with the optical equipment and the apex was 123 m although the calculation indicated 198 m. We expected that the insufficient filling or the volatilization of Nitrous oxide as an oxidizer led to this result. And then, the apex was verified with a function of the oxidizer filling ratio. The results showed that 81.2 % of the oxidizer volume in comparison with the firing test condition was accumulated in the tank at the launch.
著者
長崎 百伸 小林 進二 山本 聡 本島 厳
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

新しく開発した入射システムを用い、Heliotron Jにおいて70GH_z第2高調波X-modeによるECCD実験を行い、EC駆動電流が磁場配位に強く依存することを実験的に示した。平行運動量を保存する理論計算結果は実験結果と定量的に良い一致を示し、捕捉粒子の効果について明確な結論を与えた。NBIプラズマで励起される大域的アルフベン固有モード(GAE)にECCDを印加したところ、GAEを抑制することに成功した。モード強度はある磁気シアの強さにおいてモード強度が急激に減少することがわかり、モードの安定化に磁気シアの閾値があることを実験的に示した。
著者
小林 久子
出版者
日本コミュニケーション障害学会
雑誌
コミュニケーション障害学 (ISSN:13478451)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.35-40, 2004-04-25 (Released:2009-11-19)
参考文献数
10

失語症を克服するのではなく,失語症とともに生きるという視点でのコミュニケーションの環境づくりという立場から,失語症者と社会とのコミュニケーション上のスロープとなる「失語症会話パートナー」を養成した.3年間に,失語症者をもつ家族,ホームヘルパー,看護師,ボランティアを含む88名を養成した.養成は6ヵ月間にわたり4回の講習とその合間を縫った5回の実習で構成されていた.細かいグループ討論とロールプレイ,実際に失語症者と会話をする機会をもつ実習を必須とした.このうちボランティアの定着率は84%である.東京で開始したが,同様の試みは少しずつ広がりをみせている.通常の社会生活への参加や介護保険を含む医療・福祉のさまざまな現場で,失語症者が有しているコミュニケーション上のバリアを取り除き,失語症者が生きやすい社会を作る一助となることを願っている.
著者
有田 広美 藤本 悦子 小林 宏光 大島 千佳
出版者
福井県立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

手術を受けた高齢患者の集中治療室の睡眠・覚醒パターンはどのように変化し、どのような経過で元のサーカディアンリズムに戻るのかを明らかにすることを目的に、全身麻酔で手術を受ける患者を対象に手術3日前から術後5日まで客観的指標および主観的指標を用いて睡眠状態を測定した。その結果、術後は睡眠時間の奪取と分断が明らかになり、その障害は術後4日を経過しても元の睡眠リズムには戻らなかった。主観的指標の結果はアクチグラフの結果と一致するものであり、術後4日間は睡眠の質が低下することが示唆された。
著者
小玉 美意子 小田 原敏 アンジェロ イシ 吉田 文彦 音 好宏 鈴木 弘貴 金山 智子 中 正樹 日吉 昭彦 黄 允一 小林 直美 沈 成恩 章 蓉
出版者
武蔵大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

本研究は、2008年8月に行われた北京オリンピック報道によって視聴者の対中国意識がどのように変化したか探ることを目的とし実施された。調査の結果、テレビニュース視聴者の中国(人)についての認識は、オリンピック前後で部分的に変化があったことが明らかとなった。中国(人)イメージが変化した人は直接的な経験(渡航経験や友人・知人)が無い、オリンピック前に中国に対しネガティブな印象を持っていた人がオリンピックを契機に良い印象を持ったようである。このような傾向を持つ人は若い世代が多く、今後テレビの報道内容によって、若者は中国(人)イメージが変化する余地が示唆された。中国(人)の印象が変化しにくい人は、メディア接触によって先有傾向の強化・補強が行われていることが推察された。取り上げられた出来事がインタビュー対象者自身の中国経験やイメージと結びつけられていたからである。テレビニュースは中国を発生地とする報道が全体の38.1%を占め、中国報道の議題設定や放送局別の傾向が明らかになった。視聴者はオリンピックの競技ニュースというよりは、オリンピック開催前、期間中の関連報道から中国(人)に関する情報を得ていたようである。またテレビをよく視聴した人は、新聞、インターネットなどに多く接した人よりも肯定的イメージへの変化がみられた。
著者
伊藤 玲子 小林 朋子 古川 典子 関山 忠孝 大木 隆史 平沼 久人 山口 賢二 服部 知洋 林 伸一 橋本 修
出版者
日本大学医学会
雑誌
日大医学雑誌 (ISSN:00290424)
巻号頁・発行日
vol.69, no.1, pp.58-61, 2010-02-01 (Released:2010-06-14)
参考文献数
11

71 歳,関節リウマチ (RA) にて加療中の男性が発熱,呼吸困難のため入院となった.患者は infliximab (IFX) (260 mg) を毎月 1 回,約 1 年間投与されていた.胸部 X 線にて,両側性の浸潤影を認め, 入院時より重症の低酸素血症のため人工換気を要した.血清中 β -D グルカン値上昇と胸部 CT における全肺野に及ぶ地図状のすりガラス陰影の出現により,Pneumocystis pneumonia (PCP) と診断した.ST 合剤投与により速やかに臨床症状の改善を認めた.MTX, IFX 治療を行い免疫抑制状態となった患者にしばしば感染性肺炎や薬剤性肺炎による急性肺障害が発症する.長期に免疫抑制治療を行っている高リスク患者においては,鑑別診断として PCP を念頭に置く必要がある.また,発症予防としての ST 合剤の投与も検討すべきである.
著者
鍋倉 賢治 榎本 靖士 門野 洋介 品田 貴恵子 白井 祐介 丹治 史弥 小林 優史
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

長距離走は、有酸素性能力(最大酸素摂取量、乳酸性代謝閾値、走の経済性の3要因)によってパフォーマンスの大部分を説明できると言われている。本研究では、レース中の生理応答、縦断的な体力測定などから中・長距離走のパフォーマンスと体力特性について検討した。中距離走の場合、有酸素性能力だけでなく無酸素性能力の貢献も大きく、また、体力特性に応じたレース戦略が重要であることが明らかとなった。一方、優れた長距離ランナーでは、3要因の中でも走の経済性の貢献が特に大きいこと、そして脂質をエネルギーに利用する能力が優れていることが明らかとなった。
著者
清水 元彦 小林 弥生子 中山 邦章 塩沢 丹里 藤井 信吾 清水 元彦
出版者
信州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1997

本年度も、前年に引き続き、正常子宮平滑筋、子宮筋腫、子宮筋肉腫の各組織においてER,PRの異常、また腫瘍抑制遺伝子p53の蛋白質、RNAレベルにおいて定量的、定性的に調べ、各組織においてこれらの因子の異常の有無と程度を検討した。最初に免疫染色法で明らかになったER,PRの発現低下はER,PRの転写レベルで起こっているかどうかをmRNAレベルで調べた。手術摘出材料を採取し、ホルマリン固定パラフィン包埋切片の連続した包埋切片上の組織よりdigestion bufferで可溶化し、マイクロウエーヴ処理法でRNAを抽出し、RT-PCR法にて増幅しER,PRのmRNAを解析した結果、免疫染色法で明らかになったER,PRの発現低下は転写レベルでも低下していることが明らかになった。次にER,PRの転写レベルでの発現低下はER,PRプロモーター部位のGCの塩基配列のDNAメチレーションによるかどうかを調べた。手術摘出材料を採取し、ホルマリン固定パラフィン包埋切片の連続した包埋切片上の組織よりdigestion bufferで可溶化し、マイクロウエーヴ処理法でDNAを抽出し、GCの塩基配列上のDNAメチレーションを認識できる制限酵素、HpaII及びHhaIで切断し、ER,PRプロモーター部位のプライマーにてDNAを増幅することによって、ER,PRプロモーター部位のGCの塩基配列にDNAメチレーションがあるどうかを調べる系を確立することができた。現在この系を使ってER,PRの発現低下とER,PRの遺伝子のプロモーター部位のDNAメチレーションの有無の相関性を調べているところである。
著者
小林 淑恵 渡辺 その子
出版者
科学技術・学術政策研究所
巻号頁・発行日
2014-05 (Released:2014-06-30)

研究機関に在籍している「狭義」のポストドクターの場合、将来のキャリアパスが不透明であり、任期を繰り返しつつ不安定な雇用のままで高齢化することが問題視されている。この現状と要因について明らかにするために、本研究では文部科学省 科学技術・学術政策局 基盤政策課で実施した『ポストドクター等の雇用・進路に関する調査-大学・公的研究機関への全数調査(2009年度実績)』の個票データを用い、正規職(常勤、任期なし)への移行に関する分析を行った。ポストドクターは30-34 歳で最も多く、博士課程修了後の年数は平均4~5年である。正規職への移行率は博士修了後5~7年程度でもっとも高く、ポストドクターというトレーニング期間を経て、任期の変わり目で移行するケースが多いことが明らかになった。しかし平均移行率は6.3%と、一般大卒者の非正規職から正規職への移行率よりも著しく低い状況にある。特に女性、理学・医学系、競争的資金で雇用されている者の移行率が有意に低いことから、これらの状況を踏まえた上で、任期の変わり目である5年目辺りまでに、安定した職へ移行できるような支援が必要であることを指摘している。また今後の課題として、本データでは捕捉されていない有期の特任助教から正規職への移行についても検討する必要がある。
著者
滝 和郎 半田 肇 米川 泰弘 三宅 英則 小林 映 新島 京 筏 義人 玄 烝休 鈴木 昌和 清水 幸夫
出版者
The Japanese Society on Surgery for Cerebral Stroke
雑誌
脳卒中の外科研究会講演集 (ISSN:03878031)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.159-164, 1984

Fourteen cases of arteriovenous malformations (AVM) of the brain, dura and scalp were embolized with ethyl-cyanoacrylate. Injection of the ethyl-cyanoacrylate was performed either by direct puncture of the feeding arteries or transfemoral catheterization with a detachable and leak balloon catheter. For every injection, 0.3 to 1.0ml of cyanoacrylate was used. With additional surgical removal, eight AVMs were totally eradicated and the remaining AVMs were partially embolized. Among the AVMs, dural AVM was most suitable for the cyanoacrylate embolization, and a high rate (67%) of total embolization without surgical intervention was obtained.