著者
小林 千枝子
出版者
作新学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

1960年代の高等学校多様化政策は、一般には、多様な学科の成立を促したことと理解されてきているが、定時制・通信制課程に目を向けると、産業界の要請のもと、修学形態の多様化がもたらされた点が注目される。昼間二交代定時制は産業界の要請のもとに繊維産業の二交代勤務に合わせた定時制である。通信制と定時制を併用する隔週定時制もある。また、戦後各町村に設置された新制中学校のなかには、生徒数は少ないため「貧弱」であるという理由から廃校に追い込まれたケースがある。その背後に市町村合併があった。高度成長期を境に農林漁業から工業へと産業構造が転換したが、そのことは青少年を都市部へ突き動かす役割を果たした。
著者
小林 海
出版者
目白大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2010

競技レベルの高い短距離選手は競技レベルの低い選手よりも全力疾走中における接地時と離地時の骨盤前傾角度が大きく,接地期の脚のスイング速度も有意に大きかった.また,接地時の骨盤前傾角度,回旋角度と接地期の脚のスイング速度の平均値との間にはそれぞれ有意な相関関係が認められた.これらのことから,接地時に骨盤を前傾および後方回旋させることが,接地期の高い脚のスイング速度での疾走を可能にする一因となっていることが明らかになった.
著者
菊池 万里 小林 久壽雄 久保 文夫 風巻 紀彦
出版者
富山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

研究成果の概略は次の通りである.・完備な確率空間上のBanach関数空間Xにおいて,マルチンゲールf=(f_n)のsquare function Sfに関するBurkholder型のノルム不等式c‖f_∞‖_X【less than or equal】‖Sf‖_X【less than or equal】C‖f_∞‖_Xが成り立つための必要十分条件を与えた.ここにf_∞はf=(f_n)の概収束極限を表す.・一様可積分なマルチンゲールf=(f_n)に対して,Af=(Af_n)を|f_∞|から生成されるマルチンゲールとする.XをBanach関数空間とするとき,SfとS(Af)が同時にXに属すための(Xがみたすべき)必要十分条件を与えた.・完備確率空間上の再配分不変なBanach関数空間Xに関連した新たな再配分不変空間H_p(X)及びK(X)を定義し,XとH_p(X),K(X)の間に成立する種々のマルチンゲール不等式を確立した.・完備確率空間上のBanach関数空間XにおいてDavis型のマルチンゲール不等式‖Mf‖_x【less than or equal】C‖Sf‖_xが成立するための必要十分条件を与えた.その結果として,この不等式が任意のマルチンゲールに対して成立すると仮定すれば逆向きの不等式‖Sf‖_X【less than or equal】C‖Mf‖_Xも自動的に成立することを証明した.ここに,Mfはfのmaximal functionを表す.・マルチンゲールf=(f_n)に対して,θf=(θf_n)をθf_n=sup_<0【less than or equal】n【less than or equal】m【less than or equal】∞>E[|f_m-f_<n-1>‖F_n]のように定義する.θfはfの最大振動を表す量と考えられる.Banach関数空間において,θfに関するある種のノルム不等式が成立するための必要十分条件を与えた.
著者
竹村 明子 小林 稔
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.58, no.4, pp.426-437, 2010-12-30
被引用文献数
1

本研究の主な目的は,親の家庭での関わりを規定する要因を明らかにすることであった。そのために,小学1・3・5年生の保護者525名を対象に,規定要因として親の動機づけ要因(効力感)および子育てに関して親が認知する家庭状況(時間や気力の心理的余裕,知識や技術の所有感,経済的余裕)を取り上げ,家庭での関わりの4側面(文化活動,勉強,しつけ,生活習慣)との関係について調べた。その結果,子と関わる時間や気力に心理的余裕がある,および子育ての知識や技術を持つと親が認知することが,親の家庭での関わりを説明することが明らかとなり,親が認知する家庭状況が親の関わりを規定する重要な要因であることがわかった。さらに,親として子に関わる効力感が高くても,時間や気力の心理的余裕または知識や技術の所有感が低いと親が認知する状況では,親の関わりが低下することが示唆された。また,子の放課後時に毎日不在と答える親は時間や気力の心理的余裕が低く,母子家庭の親は子育てに関する経済的余裕が低いことが明らかとなり,このような親の状況が間接的に親の家庭での関わりに影響していることが示唆された。
著者
小林 亜子
出版者
埼玉大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

フランスは革命戦争の中で隣接地を併合し、その外周には姉妹共和国を建てていた。こうした併合地の統治については、史料上の制約によりこれまでほとんど解明されていなかったが、本研究では、「ライン左岸併合地」について、現在の主にベルギー、ドイツとスイスの西部にあたる地域を対象に、当時施行された法の受容や、フランス側から派遣された人々と併合地の人々との間に生じた関係を、フランス側の史料のみではなく、当時の併合地側の史料調査・分析を行った。本研究による成果は、フランス国立フランス革命史研究所とフランス革命博物館の主催で、2014年に行われた「フランス革命史研究国際シンポジウム」で報告することができた。
著者
小林 祥一 坂本 尚史 柿谷 悟
出版者
日本粘土学会
雑誌
粘土科学 (ISSN:04706455)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.81-91, 1993-08-31
被引用文献数
8

An artificial chemical weathering of a polished plate of granite from Kitagi, Okayama Prefecture, Japan was conducted using a Soxhlet extraction apparatus with distilled water and HNO_3 solution of pH 4 at 50℃ for a different period of time up to 189 days. The granite was composed mainly of quartz, plagioclase (Ab_<86>An_<12>Or_2), alkali feldspar (Or_<92>Ab_8) and biotite. The results showed the release of elements and the degree of weathering of minerals as a function of leaching time. Among the all minerals, biotite showed the higher chemical weathering that was enhanced by the HNO_3 solution. The chemistry of the surface of each mineral shows a characteristic change during the chemical weathering as follows : 1) The ratios (Mg+Fe+Mn+Cr) / Al in the octahedral sheet and (K+Na+Ca) / (Total Al) in the interlayer of biotite decrease with the increase of leaching time, but the ratio (Si+Ti) / Al in the tetrahedral sheet is not changed ; 2) The tatio (Na+Ca+K) / Al for plagioclase decreases with the increase of leaching time. Smectite, containing a small amount of iron, was developed from the alteration of plagioclase during the chemical weathering by the HNO_3 solution.
著者
立石 健二 福島 俊一 小林 のぞみ 高橋 哲朗 藤田 篤 乾 健太郎 松本 裕治
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.93, pp.1-8, 2004-09-16
被引用文献数
14

本稿では、Web文書から意見を抽出し、それらをレーダーチャートの形式で要約/視覚化する意見抽出分類システムを提案する。Webの意見は、商品購入の際の情報収集、市場調査等のマーケティング、企業のリスク管理等、さまざまな目的での利用が考えられる。Webの意見の収集/分析に関する研究には2つの課題がある、対象とするWeb文書から意見に該当する箇所を抽出すること、抽出した意見を要約/視覚化することである。本システムは、この2つの課題を3つ組{対象物 属性 評価}のモデルと情報抽出の手法を用いて解決する。本システムを車に関するレビューサイトの100記事を対象として評価したところ抽出精度が適合率82% 再現率52%であり、システムが出力したレーダーチャートと人手で作成したレーダーチャートが類似することを確認した。This paper proposes an opinion extraction and classification system, which extracts people's opinions from Web documents and summarize/visualizes them in the form of "radar charts". People's opinions on the Internet are available for many purposes such as surveys before purchasing products, market research and risk management for enterprises. There are two issues on this area. One is to locate opinion sentences from Web documents, and the other is to summarize/visualize the extracted opinions. The proposed system solves them by employing an opinion model {object name, attribute expression, evaluative expression} and information extraction techniques. The experimental result conducted with 100 articles on the car domain showed that the system performed 82% on precision and 52% on recall, and that both radar charts created by the system and by the hand are similar to each other.
著者
小林 可奈
出版者
香川県立文書館
雑誌
香川県立文書館紀要
巻号頁・発行日
no.18, pp.87-103, 2014
著者
舩橋 晴俊 寺田 良一 中筋 直哉 堀川 三郎 三井 さよ 長谷部 俊治 大門 信也 石坂 悦男 平塚 眞樹 小林 直毅 津田 正太郎 平林 祐子 金井 明人 仁平 典宏 土橋 臣吾 宮島 喬 壽福 眞美 池田 寛二 藤田 真文 鈴木 宗徳 羽場 久美子 茅野 恒秀 湯浅 陽一 須藤 春夫 佐藤 成基
出版者
法政大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2011-05-31

本年度は, 年度途中で廃止になったが, それでも, 下記の研究実績を上げることができた。【公共圏とメディアの公共性班】法政大学サスティナビリティ研究所内の「環境報道アーカイブス」に蓄積した東日本大震災及び福島原発関連の映像に付されたメタデータの分析を行った。分析から, 震災・原発関連番組の論点の変化や報道対象地域の偏りなどを見出した。【エネルギー政策班】『原子力総合年表一福島原発震災に至る道』を2014年7月に公刊した(すいれん舎刊)。また, 青森県下北半島における核燃料サイクル事業の動向を把握するため, 『東奥日報』を基に詳細年表を作成し, 地域社会の長期的な構造変動を追跡可能な情報基盤を整えた。エネルギー戦略シフトに関し, 各地の市民団体の調査および支援を実施した。【年表班】英文環境総合年表(A General World Environmental Chronology)を刊行した。英文による包括的な年表は世界初の試みであり, 環境問題に関する国際的なデータベース構築の第一歩を記した。また, その年表の成果をもとに, 7月に国際シンポを開催し, 各国の研究者との交流を図った。【基礎理論班】2013年12月に開催した国際シンポと講演会を基に, 論文集『持続可能な社会に向かって―ドイツと日本のエネルギー転換(仮題)』(法政大学出版局, 2015年)の編集作業を継続している。並行して, 『ドイツ・エネルギー政策の形成過程1980~2014―資料集』(新評論, 2015年)の本文編集作業はほぼ終了し, 現在は巻頭論文を執筆中である。【食・農と包括的コミュニティ形成班】学内の「食・農」に関する社会的活動拠点でもある「スローワールドカフェ」の活動に関与しながら, 個別に研究を進めてきた。研究成果は, 社会学部授業科目「社会を変えるための実践論」と「多摩地域形成論」に一定程度反映させてきている。
著者
秦東寺 久美 石橋 聡 小林 直樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.82, no.6, pp.1018-1030, 1999-06-25
被引用文献数
20

次世代動画像圧縮の標準であるMPEG-4では, 新たにVOP (Video Object Plane)という概念を取り入れ, 背景や物体等のビデオオブジェクトごとに符号化することが可能である. 特に動画像中の各々のフレームに共通な領域の動きが一組の平面の動きモデルで表されるとき, スプライトと呼ばれる平面オブジェクトを生成することが可能である. すなわち, 背景画像に代表されるような動画像中の複数フレームにわたる領域を1枚の静止画であるスプライトから再構成できる. スプライトを使用すると符号化効率の大幅な改善が期待できるため, スプライト生成技術に関する期待は大きい. 本論文では, ビデオクリップを撮影したときのカメラモーションに着目し, (1)7種類のカメラモーションと平行移動動きベクトルの関係を定式化し, (2)カメラモーションを反映した大局的な動きを算出するアルゴリズムを提案, (3)大局的な動きを用いてスプライトを自動生成するアルゴリズムを提案した. また, 複数の実画像を用いて実験を行った結果, 撮影時のカメラモーションを良好に抽出でき, これを用いてスプライトを自動生成することができた.
著者
小林 英紀 関口 猛 山本 泰 山本 泰
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

ユビキチン依存タンパク質分解は、細胞内外の環境ストレス応答における制御システムに重要な役割を担っている。本件研究では、出芽酵母と葉緑体を用いて、ストレス応答とタンパク質分解の制御について解析した結果、酵母の塩ストレスではUBL-UBAユビキチンレセプターが、栄養ストレスではGタンパク質Gtr1-Gtr2複合体が、葉緑体の光ストレスではD1タンパク質分解とFtsH-チラコイド構造が分解制御に関与することが示された。
著者
田中 昌一郎 粟田 卓也 島田 朗 村尾 敏 丸山 太郎 鴨井 久司 川崎 英二 中西 幸二 永田 正男 藤井 寿美枝 池上 博司 今川 彰久 内潟 安子 大久保 実 大澤 春彦 梶尾 裕 川口 章夫 川畑 由美子 佐藤 譲 清水 一紀 高橋 和眞 牧野 英一 三浦 順之助 花房 俊昭 小林 哲郎 日本糖尿病学会1型糖尿病調査研究委員会
出版者
THE JAPAN DIABETES SOCIETY
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.65-75, 2011-01-30
参考文献数
19
被引用文献数
2

日本糖尿病学会1型糖尿病調査研究委員会の緩徐進行1型糖尿病分科会(旧日本糖尿病学会緩徐進行1型糖尿病調査委員会)では委員会委員の所属する施設において発症から5年以内の新規受診糖尿病687例を前向き(2004年4月~2009年12月)に登録し膵島関連自己抗体(glutamic acid decarboxylase[GAD]抗体,insulinoma-associated protein 2[IA-2]抗体およびinsulin autoantibodies[IAA])の測定を行った.2型糖尿病と思われる症例で膵島関連自己抗体が一種でも陽性の場合には緩徐進行1型糖尿病:slowly progressive IDDM(以下SPIDDM)と病型区分した.その結果,1)2型糖尿病と思われる症例の10%(49/474, 95%信頼区間:8-13%)にSPIDDMが認められた.2)膵島関連自己抗体陰性の2型糖尿病に比しSPIDDM例の自己免疫性甲状腺疾患の合併頻度,HbA1c値,初診時のインスリン治療の頻度は有意に高く,BMIは有意に低かった.3)SPIDDMではGAD抗体の頻度(69%,34/49)はIA-2抗体の頻度(39%,19/49)やIAA(29%,14/44)の頻度に比し有意に高かった.4)SPIDDMでは急性発症1型糖尿病に比し膵島関連自己抗体の単独陽性例が高頻度だった.以上の結果から2型糖尿病と思われる症例に高頻度にSPIDDM症例が含まれる可能性があること,SPIDDMは2型糖尿病や急性発症1型糖尿病と異なる臨床的特徴を呈することが全国規模調査で明らかとなった.<br>
著者
大津 宏康 立川 康人 小林 晃 稲積 真哉
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

インドシナ地域で斜面崩壊が最も多発している風化花崗岩(まさ土)からなる斜面での原位置計測の分析結果より,降雨は表面流出,地中への浸透に加え,表面貯留の3成分に分類され,この内表面貯留は,斜面表層部でのインク瓶効果により,降雨浸透が抑制されることで生じることを確認した.また,解析で算定された浸透量を流入境界とした飽和・不飽和浸透流解析と実測値との比較から,同手法は,表面貯留量の概念を導入することで,浸透量を適切に表現可能となることを示した.さらに,降雨に起因する斜面崩壊機構として,降雨浸透に伴う飽和度の上昇による有効粘着力の減少により,安全率の低下が生じることを明らかにした.
著者
平田 裕美 小林 正子
出版者
女子栄養大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

中学生、高校生の身長・体重の時系列的変化と心身の健康、社会的風潮の取り入れ、生活習慣、栄養素等摂取、父親・母親の養育行動との因果関係を明らかにした。生活習慣では、朝食を同じ時間に食べていない、鉄分、ビタミン類などの栄養素等摂取不足群は身体不調を訴えていた。体重では、父親との会話が多い中学生、高校生ほど、男女の差異無く、不安感が低く、成長曲線に極端な体重の変動は見られなかった。身長では、思春期スパートと対人関係に関連はなかったが、身長の停滞がある子どもには低出生体重児であったことが確認された。アレルギー(金属、鼻炎、食物)、腎疾患、心疾患などの症状をもつ子どもにも同じ兆候が見られた。