著者
小林 健彦
出版者
新潟産業大学附属研究所
雑誌
新潟産業大学経済学部紀要 (ISSN:13411551)
巻号頁・発行日
no.39, pp.45-60, 2011-06

日本列島の中では、文献史資料に依って確認を取ることが可能な古代以降の時期に限定してみても、幾多の自然災害―気象災害、津波や地震災害、、火山噴火、伝染病の蔓延等―に見舞われ、その度に住民等を苦しめて来た。現在の新潟県域に該当する地域に於いても、当該地域特有の気象条件より齎される雪害を始めとして、大風、大雨、洪水、旱魃、地震、津波、火山噴火、そして疫病の流行といった災害が発生当時の民衆に襲い懸っていた。しかし、民衆はそれらの災害を乗り越えながら現在に続く地域社会を形成し、維持して来たのである。日本人に依る地域社会の形成は、災害に依る被害とその克服の歴史であると言っても差し支えは無いであろう。筆者は従前より、当時の人々がこうした災害を如何にして乗り越えて来たのかという、「災害対処の文化史」を構築するのに際し、近年自然災害が頻発している現在の新潟県域を具体的な研究対象地域として取り上げながら、その検証作業を行っている処である。本稿では、平安時代より鎌倉時代にかけての時期に発生し、当該地域に甚大な被害を齎したとされる、「謎の巨大地震」に関して、文献史学の分野より接近可能な事象に就いて、その事例検証と、当時の人々に依る対処法とに就いて、検討を加えたものである。
著者
小林 健彦
出版者
新潟産業大学附属研究所
雑誌
新潟産業大学経済学部紀要 (ISSN:13411551)
巻号頁・発行日
no.39, pp.45-60, 2011-06

日本列島の中では、文献史資料に依って確認を取ることが可能な古代以降の時期に限定してみても、幾多の自然災害―気象災害、津波や地震災害、、火山噴火、伝染病の蔓延等―に見舞われ、その度に住民等を苦しめて来た。現在の新潟県域に該当する地域に於いても、当該地域特有の気象条件より齎される雪害を始めとして、大風、大雨、洪水、旱魃、地震、津波、火山噴火、そして疫病の流行といった災害が発生当時の民衆に襲い懸っていた。しかし、民衆はそれらの災害を乗り越えながら現在に続く地域社会を形成し、維持して来たのである。日本人に依る地域社会の形成は、災害に依る被害とその克服の歴史であると言っても差し支えは無いであろう。筆者は従前より、当時の人々がこうした災害を如何にして乗り越えて来たのかという、「災害対処の文化史」を構築するのに際し、近年自然災害が頻発している現在の新潟県域を具体的な研究対象地域として取り上げながら、その検証作業を行っている処である。本稿では、平安時代より鎌倉時代にかけての時期に発生し、当該地域に甚大な被害を齎したとされる、「謎の巨大地震」に関して、文献史学の分野より接近可能な事象に就いて、その事例検証と、当時の人々に依る対処法とに就いて、検討を加えたものである。
著者
ニーフ アンドレアス SINGER Jane 水野 啓 勝見 武 乾 徹 藤井 滋穂 原田 英典 小林 広英 藤枝 絢子 深町 加津枝
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究は沿岸コミュニティが大規模災害からの復興するために必要な要件を、タイ、フィジー、ベトナム、日本の事例を学際的に比較することで検証するもので、以下の成果が得られた。(1)タイ南部で2004年に津波被害を受けたPhang Nga省の住民の再定住過程について現地調査を実施し、観光業や漁業を中心とする経済復興に際して外部からの援助の不適切な配分が住民間の格差を導くことを確認した。また少数民族Moklenのコミュニティにおいては、不適切な住宅整備や観光開発により災害の影響が拡大している現状が確認された。(2)フィジー西部Ba川流域において、2009年と2012年の洪水による影響と復興過程について約120件の聞き取り調査を行い、物的・人的支援が高い効果をもたらしているとともに、下流部の村落においては災害時の情報共有や相互扶助によるソーシャル・キャピタル向上の自助努力が被害軽減や迅速な復旧に寄与していることが判明した。(3)ベトナム中部フエ省で1999年、2009年に洪水被害を受けた60世帯で聞き取り調査を実施し、住居や生計を含む多様な災害の影響と、復旧過程における社会的ネットワークや生業多様化戦略の重要性を検証した。(4)宮城県気仙沼市および南三陸町における自然公園周辺地域を対象としてケーススタディを実施し、震災時に自然公園に関する施設などがどのような役割を果たしたかをふまえ、国立公園と地域をつなぐ「資源」や「人材・組織」の観点から今後の国立公園の保全管理や利用のあり方について考察した。(5)これらの事例研究に際し、災害前後と復興過程における生活に対する満足度をスコア化して回答する新しい調査法を提案・実践し、災害の影響や回復状態の個人間・世帯間の差異が明確に把握できることを確認した。
著者
小林 睦
出版者
豊田工業高等専門学校
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2007

本研究では,豪雨時の土構造物の変形・崩壊挙動を調べるために,盛土斜面および多数アンカー式補強土壁を対象にした遠心力場散水シミュレーションを実施した.その結果,飽和領域が表層部から拡大していく盛土斜面では,土の内部摩擦角よりも法面勾配が大きい場合は,見掛けの粘着力が消失して不安定化して崩壊に至ることが分った.また,補強土構造物においては,適切に排水機能を維持することの重要性と,豪雨時の不安定化の進展の様子を捉えることができた.
著者
小林 哲生 笈田 武範 伊藤 陽介
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2012-10-31

本研究では,神経・精神疾患などの診断支援や治療効果を定量的に評価できる新規医用イメージングシステムの開発を目的として,超高感度な光ポンピング原子磁気センサ(OPAM)の深化とモジュール化,ならびにこのセンサによるMRI撮像を超低磁場で実現し他の様々な計測手法とのマルチモダリティ計測を可能とするシステムに関する研究を行った. OPAMについてはK原子とRb原子のハイブリッド型により高い空間的均一性を実現できることを示し,さらに新たな多点同時計測法を開発した.また,モジュール型OPAMによるMR信号の直接計測手法の提案を行い数値実験によりその妥当性を示すなど多くの成果を挙げる事ができた
著者
久野 義徳 小林 貴訓 児玉 幸子 山崎 敬一 山崎 晶子
出版者
埼玉大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

目はものを見るためにあるが、アイコンタクト等の非言語コミュニケーションのためには他者に見せる機能も重要である。また、人間と共存するロボットとの目としては、人間に親しみやすい感じを与えるものが望まれる。そこで、この2点について、レーザプロジェクタにより種々の目の像を投影表示できるロボット頭部を試作し、どのような目の形状がよいかを被験者を用いた実験により調べた。その結果、人間の目の形状程度から、さらに目を丸く、また瞳も大きい形状が、親しみやすく、また視線がどちらを向いているかが読みとりやすいことが分かった。また、目や頭部の動かし方についても調査し、人間に自然に感じられる動かし方を明らかにした。
著者
小林 真理
出版者
早稲田大学人間科学学術院
雑誌
人間科学研究 = Waseda journal of human sciences (ISSN:09160396)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.107-119, 1995

Since the 1980's, cultural policy and administration have been important issues for government and local authorities in Japan. For local authorities, the unique concept of cultural administration has developed, not only in culture promoting activities, but also in comprehensive activities that depend on self-government. Compared with other developed countries, the government's cultural policy lacks direction and clarity. It is often said that France is a "great cultural state," which has a positive attitude towards "culture". The purpose of this study is to make the following points clear: (1) How cultural policy in France has been implemented; (2) How political power has affected "culture"; (3) What issues are important in France's cultural policy; and (4) What kind of legal system has supported France's cultural policy. These issues will be approached as follows: First, the history of France's cultural policy will be discussed. Second, the strong role of the minister of culture in planning cultural policy will be addressed; Third, the implementation of "decentralisation", the central issue in France's cultural policy will be discussed; and fourth, the role of 'decret' and 'loi' in cultural promotion will be addressed.

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著者
小林藤八 [編]
出版者
大鐙閣
巻号頁・発行日
1919
著者
小林 雄一郎 小木曽 智信
出版者
国立国語研究所
雑誌
国立国語研究所論集 (ISSN:2186134X)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.29-43, 2013-11

本研究の目的は,中古和文コーパスを分析対象とし,個人文体とジャンル文体の関係を明らかにすることである。具体的には,紫式部の『源氏物語』と『紫式部日記』,そして『更級日記』における助詞・助動詞の使用傾向を調査し,テクスト間の相互関係,言語項目間の相互関係,テクストと言語項目の結びつきのパターンを定量的に分析する。そして,多変量解析の手法を援用し,中古和文のテクストにおいて,書き手による文体差よりもジャンルによる文体差の影響が大きいことを示す。さらに,個々のテクストにおける語彙使用を詳細に分析するために,対数尤度比による特徴語抽出を行い,多変量解析の結果を補完する。
著者
小林 純 コバヤシ ジュン Jun Kobayashi
雑誌
立教經濟學研究
巻号頁・発行日
vol.64, no.4, pp.63-91, 2011-03-20
著者
石井 吉之 小林 大二
出版者
北海道大学
雑誌
低温科学. 物理篇. 資料集 (ISSN:03853683)
巻号頁・発行日
vol.53, pp.11-20, 1995-03

北海道北部の母子里試験地の山腹斜面において地温の連続観測を行なった。1991年11月から1994年8月までの期間に,南西向き及び北西向き斜面の各々4地点で50cm, 100cm, 200cm深の地温を観測した。融雪期には全ての地点で顕著な地温低下が観測されたが,温度変化は 200cm深で最も大きく,50cm深で最小であった。一方,夏の大雨時には50cm深で最大の温度上昇が起きた。こうした変化は土壌水の圧力水頭の変化傾向と一致し,水頭変化の顕著な場所で大きな地温変化が生じている。
著者
所 功 川北 靖之 黒住 祥祐 小林 一彦 宮川 康子 若松 正志 海野 圭介 山口 剛史 飯塚 ひろみ 石田 俊 今江 廣道 宇野 日出生 岸本 香織 京條 寛樹 久世 奈欧 (野村 奈欧) 嵯峨井 建 笹部 昌利 篠田 孝一 宍戸 忠男 末松 剛 土橋 誠 橋本 富太郎 松本 公一 村山 弘太郎 山本 宗尚 吉野 健一 米田 裕之 若杉 準治
出版者
京都産業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

近世(江戸時代)の賀茂大社(上賀茂・下鴨両社)では、世襲の社家神職たちにより、朝廷と幕府の支援をえて、葵祭や社務が運営されてきた。私共は、その実情を伝える社家の記録や祭礼の絵巻などを、朝廷の御記や公家の日記などと照合しながら、相互関係の解明に努めた。その成果は、本学日本文化研究所の紀要や所報などに発表し、また本学図書館所蔵の賀茂関係絵巻などは大半をデジタル化し詞書(ことばがき)の解読も加えて貴重書アーカイブスに公開している。
著者
大和 雅之 秋山 義勝 中山 正道 小林 純 長瀬 健一 高橋 宏伸 清水 達也
出版者
東京女子医科大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2011-04-01

成長因子を固定化可能なヘパリン固定化温度応答性細胞培養表面を新たに開発し、肝細胞シートの作製に応用した。従来よりも少ない成長因子の量で肝細胞シートが作製でき、さらに肝特異的な機能がより長期的に維持されていることも明らかにした。パターン化温度応答性細胞培養表面の作製技術を開発し、神経組織構築ための基盤技術として応用した。また、光照射重合を利用した新規な温度応答性細胞培養表面技術の開発にも成功した。ロボット工学技術を取り入れることで、共培養細胞シート作製や細胞シート移植、積層化を支援するための装置、デバイスこれら技術を組み合わせることで、簡便にかつ高速な軟組織作製への応用が期待できる。
著者
大和 雅之 秋山 義勝 小林 純 飛田 聡 菊池 明彦
出版者
東京女子医科大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2005

電子線重合法により種々のモノマー濃度で温度応答性高分子のナノ構造体をガラス表面に固定化し、そのナノ構造体の特性をXPS、AFMや新たに開発したラマン分光イメージングを用いて詳細に調べるとともに、構造体の特性が細胞接着および脱着に与える影響についても調べた。その結果、ナノ構造体の厚みが薄ければ薄いほど、再表面の高分子鎖は脱水和され細胞接着性を示すのに対し、厚い構造体の場合は相転移以上の温度でも水和しやすく細胞非接着性を示すことを見出した。
著者
小林芳郎 [ほか] 共著
出版者
丸善出版
巻号頁・発行日
2013
著者
朱 虹 北村 和也 平野 吉雄 小林 知視 田川 俊郎 村田 睦男
出版者
特定非営利活動法人 日本口腔科学会
雑誌
日本口腔科学会雑誌 (ISSN:00290297)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.181-187, 1992-01-10 (Released:2011-09-07)
参考文献数
39

Schwannoma occurs everywhere neural tissue exists, but it is relatively rare in oral regions. It orally originates mostly in the tongue and very little in the lips. Recently we experienced a case of schwannoma arising in the left lower lip. The patient was a 73-year-old man and visited our hospital with the chief complaint of a lower lip. The tumor was excised under local anesthesia, and it was found to be an elliptical mass with a capsule measuring 35 × 20 × 20 mm. From both clinical and light microscopical findings it was diagnosed as schwannoma (Antoni A and B type) and was compared with other reports of schwannomas which had been already reported in Japan. From electron microscopical and immunohistochemical findings the origin of the tumor was suggested to be schwann cells in the present study.