著者
溝口 勝 山路 永司 小林 和彦 登尾 浩助 荒木 徹也 吉田 貢士 土居 良一 鳥山 和伸 横山 繁樹 富田 晋介
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2011-04-01

SRI 農法が東南アジアの国々で爆発的に普及しつつあるが、その方法は国や農家ごとに異なり、適切な栽培管理技術は未だ確立できていないのが現状である。そこで本研究では、日本で気象や土壌・地下水位等の科学的なパラメータを測定するための最新のモニタリング技術を開発しつつ、主としてインドネシア、カンボジア、タイ、ラオスの東南アジア4 カ国にこのモニタリング技術を導入して、農業土木学的視点からSRI 農法の特徴を整理し、SRI栽培の標準的な方法について検討した。加えて、現在懸念されている気候変動に対する適応策として、各国の農家が取り得る最善策を水資源・農地管理に焦点を当てながら考察した。
著者
山口(渡辺) 彩子 綾部 誠也 千葉 仁志 小林 範子 佐久間 一郎 石井 好二郎
出版者
一般社団法人日本体力医学会
雑誌
体力科学 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.63, no.3, pp.305-312, 2014-06-01 (Released:2014-05-24)
参考文献数
19

The purpose of the present investigation was to examine the relationships between the exercise history and the bone mineral density (BMD) and bone mineral content (BMC) in female Japanese young adults using dual X-ray absorptiometry (DXA). One-hundred twenty females, aged between 18 to 28 years, participated in the present investigation. The BMD at the lumbar spine (L-BMD), whole body BMD and BMC (WB-BMD and WB-BMC), lean body mass (LBM) and fat mass (FM) were measured by DXA. Using a self-administrered questionnaire, the exercise habits during preschool (4-6 years), primary school (7-12 years), junior high school (13-15 years), high school (16-18 years), and the current habits (>18 years) were eveluated. The L-BMD, WB-BMD and WB-BMC were significantly higher in the subjects with exercise habits during both the period of <18 years and >18 years compared with those in the subjects without an exercise history during all periods (p<0.05). In a separate analysis with the data stratified by the school age, the subjects with an exercise history during primary school, junior high school, or high school had significantly higher BMD and BMC values compared with the non-exercisers (each, p<0.05). In contrast, the BMD and BMC did not differ significantly according to either the exercise history during pre-school nor the current exercise status. A multiple stepwise regression analysis revealed that the body weight, LBM, FM, age of menarche, and exercise habits during high school were significant determinants of the L-BMD, WB-BMD and WB-BMC (p<0.001). The results of the present investigation show that both the exercise history during school age and the current exercise habits affect the BMD and BMC in young adults. In particular, high school females should be encouraged to participate in the regular exercise to increase their bone health. Future studies will be needed to confirm the targeted age-group(s) for participation in sports/exercise for the improvement of bone health, including an analysis of the type and intensity of exercise/sports.
著者
佃 為成 酒井 要 橋本 信一 羽田 敏夫 小林 勝
出版者
東京大学地震研究所
雑誌
東京大学地震研究所彙報 (ISSN:00408972)
巻号頁・発行日
vol.63, no.3, pp.237-272, 1988-12-23

北部フォッサマグナの中央隆起帯を横断する千曲川構造線の東端に位置する長野県小県郡丸子町付近で1986年8月24日,M4.9の地震が発生した.ここは2つの火山前線がぶつかる点のすぐ背後でもある.通常の地震活動レベルは低いが,過去には1912年の上田市付近の地震(M5.2)がある.丸子町の地震活動は前震・本震・余震系列と本震の10日後から始まった群発地震が重なったものであった.2回の主要な活動ピークをもつ例は,北部フォッサマグナ地域では少なくなく,ピーク間の間隔は1918年大町地震の13時間,1969年焼岳の地震の2日,1912年上田の地震の5日,今回の地震の12日,1963年燕岳の地震の20日,1897年上高井の地震の104日というように様々である.2回目が群発地震であったのは丸子の地震と,燕岳の地震,上田の地震である.現地における臨時観測によって精密な震源分布が得られた.震源域は時間とともに拡大したが群発地震後最終的には東西3km,南北2km,深さは6kmを中心に3kmの幅をもつ拡がりであった.定常観測網で求めた震源との比較を行い,観測網に依存する震源の系統的なずれやその値のバラツキから震源の絶対精度と相対精度を推定した.MO~4.5の間のM別頻度分布はGutenberg-Richterの関係から少しずれる.群発地震の回数の減衰(p~2)は本震直後の余震のそれ(p~1)と比べ大きい.燕岳の地震ではどちらもp~2であった.本震の震源断層は発震機構及び余震分布の特性から西上り東落ちの高角逆断層である.これは中央隆起帯東縁でのテクトニックな変動と調和する.1986年の千曲構造線の地震活動はそのピークが東南東から西北西へ約150km/yearの速度で伝播した.1912年~1918年にもこの構造線の両端付近で地震があった.約70年の間隔を置いて同じような活動を繰り返したことになる.
著者
内海 麻利 小林 重敬 岡井 有佳
出版者
駒澤大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究では、日本の各地域に対応した都市マネジメントにおける「主体」に関する課題を再確認した上で、地方分権改革や、都市計画法等の制度改革を進めるフランスを素材として調査、検討を行った。その結果、本研究では、フランスにおいて、住民や利用者など多様な関係者の意向を民主的な手続により聴取し、反映する手続(参加手続)と、多様な主体が都市マネジメントの担い手として活躍するための手続(公定化手続)を、法令制度として創設している実態を明らかにし、これらの具体的な仕組みと運用方策を地域類型に応じて提示した。
著者
高松 秀行 片桐 さやか 長澤 敏行 小林 宏明 小柳 達郎 鈴木 允文 谷口 陽一 南原 弘美 早雲 彩絵 和泉 雄一
出版者
特定非営利活動法人日本歯科保存学会
雑誌
日本歯科保存学雑誌 (ISSN:03872343)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.31-39, 2013-02-28

目的:慢性歯周炎はインスリン抵抗性を亢進させることにより,2型糖尿病患者の血糖コントロールを悪化させると考えられている.高感度C反応性タンパク(hs-CRP), tumor necrosis factor-α (TNF-α), interleukin-6 (IL-6),また,アディポネクチン,レプチン,レジスチンのようなアディポカインなどのさまざまなメディエーターの増加や減少は,インスリン抵抗性に関与すると考えられている.本研究の目的は,歯周炎に罹患した2型糖尿病患者における,歯周治療による血糖コントロールおよび血清中のメディエーターへの影響を調べることである.対象と方法:歯周炎を伴う2型糖尿病患者41名に,抗菌薬の局所投与を併用した歯周治療を行った.ベースライン時と歯周治療2,6カ月後に,歯周組織検査として,プロービング深さ(PPD),プロービング時の出血(BOP)を測定し,また採血を行って糖化ヘモグロビン(HbA1c), hs-CRP, TNF-α, IL-6,アディポネクチン,レプチン,レジスチンを測定した.結果:全被験者において,PPDとBOPは有意に減少したがHbA1cおよび血清中のメディエーターには有意な変化は認められなかった.次に,6カ月後のBOPの改善率が50%以上の群(BOP-D群)とBOPの改善率が50%未満の群(BOP-ND群)に分けて解析を行ったところ,BOP-D群ではPPD, BOP, HbA1cが有意に減少しており,血清中のアディポネクチンは有意に増加していた.一方,BOP-ND群においては,PPDとBOPの有意な減少が認められたが,HbA1cや血清中のメディエーターには有意な変化は認められなかった.さらにBOP-D群においては,BOPとレジスチンの6カ月間の変化量の間に有意な正の相関(p=0.03, ρ=0.49)が認められた.結論:歯周炎に罹患した2型糖尿病患者において,歯周組織の炎症が顕著に改善した被験者では,血清アディポネクチンの増加およびHbA1cの減少が認められた.またBOPの減少に伴ってレジスチンも減少することが示された.歯周炎に罹患した2型糖尿病患者に対してBOPの改善率が50%以上と表されるように大きく炎症が減少することにより,インスリン抵抗性が改善し,血糖コントロールが安定する可能性が示された.
著者
浦風 雅春 小林 正
雑誌
ホルモンと臨牀 (ISSN:00457167)
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.67-73, 2001-03-01
著者
岩田 実 山崎 勝也 宇野 立人 薄井 勲 石木 学 小橋 親晃 浦風 雅春 小林 正 戸邉 一之
出版者
THE JAPAN DIABETES SOCIETY
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.51, no.7, pp.609-614, 2008-07-30
被引用文献数
1

症例は81歳男性.1975年より2型糖尿病を指摘され,2001年よりインスリン治療を開始,合併症については2期腎症,単純性網膜症,神経障害を指摘されていた.2004年3月末より,全身倦怠感,発熱が出現し当科入院.白血球尿および顕微鏡的血尿を認め,当初尿路感染症を疑い抗生物質を投与したが,次第に腎機能が悪化し,尿所見も改善しないため急速進行性糸球体腎炎を疑い精査を行った.MPO-ANCA (myeloperoxidase antineutrophil cytoplasmic autoantibody)高値や,腎生検にて細胞性半月体を認めMPO-ANCA関連腎炎と診断,プレドニン40 mg/日より開始し,腎機能障害,尿所見の異常,MPO-ANCA高値は速やかに改善した.ANCA関連血管炎は高齢者に好発するため,罹病歴の長い高齢糖尿病患者であっても,急速な腎機能の悪化や尿所見に異常を認めた場合は,急速進行性糸球体腎炎の合併も疑い,速やかに対処する必要があると考えられた.
著者
小林 一三 山崎 三郎 黒田 敏夫
出版者
一般社団法人日本森林学会
雑誌
日本林學會誌 (ISSN:0021485X)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.21-28, 1973-01-25
被引用文献数
1

茨城県下から採集したマツカレハ幼虫を材料として, 人工照明の影響のない3m×3m×2.5mの大型ケージを用いて成虫の羽化の様子とその後の成虫の行動を調べたところ, 次のような結果を得た。1)羽化は7月中旬を盛期として行なわれ, その羽化曲線はピークが羽化開始日の方に傾き, 尾を終了日の方へひいた型となった。この傾向は雌よりも雄の方が著しいため, 羽化期を通じての毎日の羽化成虫の性比は初期には0.5より小さく, 盛期に0.5,後期には0.5より大と漸増した。2)1日における羽化時刻は午後5時から11時までの間であって, 雄は雌よりも早い時刻に羽化し, そのピークは日没前の7時ころ, 雌では日没後の8時ころであった。この場合の雄雌のちがいは同型の曲線が約1時間のずれを持ったちがいであって, 1)の性比の変化と共に交尾を確実にする上で役立つものと思われる。3)羽化した成虫は30分ほどで翅の伸張を終え, 雄ではその後2時間ほどで飛行した。雌は翅の伸張を行なった場所に止まって深夜を中心とした時間帯に交尾を行なった。日中は静止を続け夕刻から活動を開始し, その後, 雌はただちに産卵を始め, 夜9時ころまでが産卵の時間であった。夕刻7時30分と明方4時を中心としたl0〜20分間にややはっきりとした飛行の集中する現象がみられた。
著者
藤本 悦子 今本 喜久子 小林 宏光 今井 美和 有田 広美 大島 千佳
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

高齢者の睡眠を援助することを目的に、高吸水性樹脂を使ったホットパックを作成した。この用具は入浴に比べ簡便に実施できる特徴を持つ。深部温を一旦あげ、次いで低下させるが、この変動時に睡眠が誘導される。実際に施設入所の高齢者に実施したところ、夜間の睡眠の質が向上した(睡眠潜時と中途覚醒の減少)。特に、日頃から不眠を訴える群で、その効果は大きい。この用具を使った睡眠援助のための看護プログラムを作成した。
著者
足立 アホロ 小林 隆久 山内 洋 増田 一彦 石元 裕史
出版者
気象庁気象研究所
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

潜在的に豪雨をもたらす可能性のある積雲を直前に検知するための手法をシミュレーションを用いて開発し、そのアルゴリズムを実際のレーダー観測に用いて検証を行った。その結果、豪雨を伴う積雲では、地上で豪雨が発生する10分ほど前に、上空に降雨強度の高い領域が発生し、また反射因子差(ZDR)の高い領域が気温0度の高度よりもさらに上空にまで達していることがわかった。このような特徴は豪雨を伴わない積雲には見られなかったことから、これらの特徴が潜在的に豪雨をもたらす積雲を識別する指標になり得ることが示唆された。
著者
高久 史麿 小林 幸夫 石川 冬木 平井 久丸
出版者
東京大学
雑誌
がん特別研究
巻号頁・発行日
1988

骨髄異型性症候群(Myelodysplastic syndrome,以下MDS)は主に高令者をおかし,血液学的に末梢血の汎血球減少と骨髄の異型を伴う正〜過形成像を主徴とする予後不良な疾患である。我々は既に,本症患者骨髄細胞DNAをNIH3T3細胞に遺伝子導入した後,悪性形質転換をヌードマウスにおける腫瘤形成能により検定し,本症患者骨髄中に,N-rasがん遺伝子コドン13における点突然変異がしばしば観察されることを報告した。このin vivo selection assayは活性化がん遺伝子を非常に高い感度で検出するが,操作が非常に煩雑で時間を要するため,多数の検体を調べることは困難であった。そのため,本年度は、ポリメレース・チェーン・リアクション(PCR)とオリゴヌクレオチド・ハイブリダイゼーションを組みあわせて,MDS症例の骨髄細胞中におけるN-rasの点突然変異の有無を検討した。N-rasがん遺伝子はそのコドン12,13,61における点突然変異により活性化を受けることが知られているので,上記の領域を含むような範囲の両端のプライマーを用意し,患者骨髄DNAに加えて,Taq ポリメレースによりPCR法で,当該領域を選択的にin vitroで遺伝子増幅した。これをフィルターにドット・ブロットし,それぞれのコドンの点突然変異を出しうるようなオリゴヌクレオチド・プローブでハイブリダイゼーションした。本法により,患者骨髄細胞中に1%の点突然変異をもつ細胞が存在すれば,それを同定することができた。19例,のべ21検体のMDSについて検討した所,RA(refractory anemia)の一例,RAEB in T(refractory anemia in transformation)の一例そして,MDSより急性白血病へ進行した一例において,それぞれコドン61,12,61における点突然変異が同定された。以上より,点突然変異のおこる位置とMDS,急性白血病の間には何ら相関がないことが推定され,また,本法はその簡便性と高い検出感度により,前白血病状態の患者の経過観察に有用であると考えられた。
著者
百木 華奈子 高橋 みなみ 小林 恭一 谷 政八 Momoki Kanako Takahashi Minami Kobayashi Kyoichi Tani Masahachi
出版者
仁愛女子短期大学
雑誌
仁愛女子短期大学研究紀要 (ISSN:09138587)
巻号頁・発行日
no.42, pp.65-71, 2010-03

The prunus mume fruit (Benisashi) is, pH low microbial fermentation isconducted for the screening of lactic acid bacterium can be grown from beingunsuitable. Screening method using GYP liquid medium, botanical lactic acidbacterium a degree of growth observed in the 100 strains prunus mume juice.Perform a full scan testing of lactic acid fermentation using selected strains,malolactic fermentation observed in prunus mume juice. Lactic acid bacterium were selected YH 3 strain , good prunus mume juicediluted three times if you have a reproducible and stable pH without adjustment,it was possible to malolactic fermentation. Sour prunus mume is suppressed,was obtained by testing a mild fermented prunus mume juice. A botanical lacticacid bacterium is used as a beverage made of prunus mume, can be used topromote a new prunus mume fruit.
著者
青島 清雄 小林 正
出版者
一般社団法人日本森林学会
雑誌
日本林學會誌 (ISSN:0021485X)
巻号頁・発行日
vol.34, no.9, pp.289-293, 1952-09-25
被引用文献数
1

マツの青変材の青変菌が死んでからの耐朽性を知る目的で, マツの青変菌Ceratostomella ips RUMB.2系統Graphium sp.及びLeptographium sp.夫々1系統をアカマツ辺材の試験片に接種して充分変色させてから蒸気殺菌して, マツノオオウズラタケ, ヒトクチタケ, シハイタケ, ワタグサレタケ及びチヨークアナタケを夫々の青変材に接種し, ワタグサレタケは6カ月後, 他の4種の腐朽菌は1年後に試験片の重量減少率を測定した。この結果からは青変材と健全材とは耐朽性に統計的に意味のある差異は見出せない。
著者
三野陽子 小林一郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, no.1, pp.583-585, 2011-03-02

今日,メタボリックシンドロームや生活習慣病の有病者が増加し,国民の健康改善への意識が向上している.また,医食同源という考え方があるように,バランスのとれた食事を取ることが健康な生活につながる.そこで本研究では健康管理の一つとして,食事に注目し, 個人のスケジュールを考慮したレシピ推薦手法を提案する.提案手法では,初めにスケジュールを基にカロリー摂取量を制限したレシピの候補を選択し,更に線形計画法を用いて栄養バランスが良い健康面に配慮したレシピを推薦する.また,推薦された食事を食べなかった場合や使用したい食材がある場合など様々な状況にも柔軟に対応し,レシピ推薦を行う.
著者
小林 一也 吉海 智晃 後藤 健文 稲葉 雅幸
出版者
一般社団法人 日本ロボット学会
雑誌
日本ロボット学会誌 (ISSN:02891824)
巻号頁・発行日
vol.31, no.4, pp.416-423, 2013 (Released:2013-06-15)
参考文献数
11
被引用文献数
1

It is preferable that robots have soft outer cover and give themselves fewer impact in contact with humans or surroundings. Although self-protection is one of the most important functions and inevitably required for robust robot architecture, Simple introducing thick “flesh” to a robot tends to impede the movability and generality. In this paper, we have realized soft and thick outer cover by multilayered and distributed softness, and have introduced joint protection by dislocation and auto recover function. Finally, we realized various contact behaviors by the robot with distributed soft cover and joint dislocation ability.