著者
山本 哲彦 吐合 隆拡 中園 邦彦 金城 寛 玉城 史朗
出版者
日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集. C編 (ISSN:03875024)
巻号頁・発行日
vol.62, no.601, pp.108-113, 1996-09-25
参考文献数
6
被引用文献数
2

Genetic algorithms (GAs) with rough evaluations can prompt the evolution of neural networks that are able to control unstable dynamic systems. The proposed control method exploits the advantage of GAs that time-varying evaluations can be easily incorporated. First an easy evaluation in GAs induces the appearance of neural networks with controllability. Second, an evaluation of settling time prompts the evolution of neural networks that show high performance. The method is applied to the stable control of a bicycle. Neurocontrol of the steering at direction change causes reverse response like that of a human cyclist.
著者
林 洋史 宮内 靖史 林 明聰 高橋 健太 植竹 俊介 坪井 一平 中辻 綾乃 村田 広茂 山本 哲平 堀江 格 小原 俊彦 加藤 貴雄 水野 杏一
出版者
Japan Heart Foundation
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.S3_34-S3_41, 2011

症例は52歳, 男性. 繰り返す動悸を自覚し, 携帯心電計で周期240msのnarrow QRS頻拍と心房細動を認めたため, アブレーションを行った. 両側肺静脈を隔離後, 冠静脈洞近位部からのburst pacingでWenckebach型房室ブロックを伴う周期240msの心房頻拍(AT)が誘発され, このATはATP 5mg静注で停止した. AT中のelectroanatomicalマッピングでは, 右房はHis束領域が最早期であったが, 局所の単極電位にR波を認めた. 左房は前壁中隔が最早期であったが同部位での焼灼は無効であった. そこで大動脈弁無冠尖(NCC)にカテーテルを留置したところ, His束領域よりも20msec先行し, 単極電位ではQSパターンとなる最早期興奮部位を認めた. ここでの通電中にATから周期350msの非通常型房室結節リエントリー頻拍(AVNRT)へと移行. その後, 通常型AVNRTも誘発され遅伝導路領域を焼灼し, これらの頻拍はすべて誘発不能となった. NCC起源ATを認め, その焼灼中にAVNRTへの移行が見られた症例を報告する.
著者
坂井 丈泰 武市 昇 福島 荘之介 工藤 正博 藤井 直樹 山本 哲士 行木 宏一 宮津 義廣 福田 豊
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.169, pp.7-12, 2008-07-18

航空機の航法には衛星航法システム(GNSS)の導入が進められているが,特に進入着陸フェーズにおいては垂直誘導を伴う精密進入を可能とする誘導システムの研究開発が行われている.GNSSを導入した場合のメリットの一つとして,小規模空港への精密進入方式の設定による欠航やダイバートの減少が考えられるが,定量的に評価した例はない.現実にどの程度の効果があるかを知るため,空港気象情報に基づいて定量的評価を試みた例を報告する.
著者
福井 博一 山本 哲也 浅野 正 中村 三夫
出版者
岐阜大学
雑誌
岐阜大学農学部研究報告 (ISSN:00724513)
巻号頁・発行日
vol.53, pp.139-145, 1988-12-25

Cyclamen persicum Mill.'バーバーク'の種子を無機成分を1/2にしたMurashige & Skoog培地(1/2MS)に播種し,発芽した幼植物の各組織からの器官分化に及ぼす生長調節物質の影響及び大量増殖法の検討を行った。子葉柄からは塊茎様組織(TLO)が形成されたが,その形成量はNAA濃度が高くなるに従い促進された。生長点近傍組織及び塊茎組織からの塊茎肥大にもNAAが密接に関与していた。不定芽の分化はBAPによって促され,不定根の分化はNAAによって促進された。カルス形成はNAAを10^<-5>M,BAPを10^<-7>〜10^<-6>M添加された場合に最も促進された。個々に分割した不定芽を,高濃度のBAPを添加した培地に移植すると各々からフローラルトランクが形成され,実生植物に近い形態の幼植物となった。カルスをNAA 10^<-6>M及びBAP 10^<-6>M添加した培地で液体振とう培養すると多数の不定胚が得られた。
著者
山本 哲
出版者
日本地球惑星科学連合
雑誌
日本地球惑星科学連合2016年大会
巻号頁・発行日
2016-03-10

気象観測で用いられる「百葉箱」の語源については、日本で作られた語であること、中国語の「百葉」あるいは「百葉窓」に由来することなどが推定されていた(塩田1996、山口 2006)。当時の気象当局の文献を調べた結果、”Stevenson’s Box for thermometer”(図)の態様を表す”double louvre boarded box”という英語表現を直訳した「(ステイーブンソン形)二重百葉窓箱」が縮めて呼ばれるようになったものと推察された。百葉箱の日本への導入経緯についても考察する。 図(左)新型の温度計設置用の箱についてのThomas Stevensonの報告中の挿絵。2列のよろい板(double row of louvre boards)が特徴とされている。(右)10種類以上の温度計台(Thermometer Stand)を紹介した雑誌連載記事に掲載された”Stevenson’s Thermometer Stand”の挿絵。この絵は広く使われ、日本で最初に編集された「気象観測法」(1886)にも同一のものが掲載された。 参考文献塩田正平. 百葉箱の呼び名について. 気象. 1996, vol. 40, no. 7, p. 7–11.山口隆子. 日本における百葉箱の歴史と現状について. 天気. 2006, vol. 53, no. 4, p. 265–275.
著者
山本 哲朗
出版者
The Japan Society of Acupuncture and Moxibustion
雑誌
全日本鍼灸学会雑誌 (ISSN:02859955)
巻号頁・発行日
vol.62, no.3, pp.194-204, 2012

本稿では、 鍼灸医学の危機を救った石川日出鶴丸の足跡を辿り、 彼の目指した科学的基盤に基づいた鍼灸医学についての考察を行います。 <BR> 石川先生は、 富山県の出身で、 東京帝国大学を卒業後、 京都帝国大学の天谷教授の下で研究生活に入り、 1908年から4年間、 最先端科学が花開くヨーロッパに留学されます。 主にゲッチンゲン大学のフェルボルン教授の下で研究しますが、 短期間ながら、 ぺテルスブルグ大学のパブロフ教授や英国のスターリング教授、 シェリントン教授なども訪れています。 このヨーロッパでの経験が、 後年の研究発展へとつながるのです。 帰国後は、 京都帝国大学の教授として、 日本の生理学研究を大きく発展させ、 同時に、 鍼灸医学や心理生理学にも生理科学的手法による解析を試みられました。 <BR> 石川先生は、 神経生理学領域では、 加藤元一教授との論争で有名です。 この論争は、 神経の活動電流が、 麻酔部位で、 減衰して伝導するか(減衰論)、 減衰せずに伝導するか(不減衰論)というもので、 加藤教授が石川先生の愛弟子の一人であったことにより非常な注目を集めました。 <BR> 京都帝国大学を退官後、 1944年に三重大学医学部の前身である三重県立医学専門学校長として津市に来られ、 翌年には、 大学病院に鍼灸療法科を開設されます。 終戦後、 GHQは、 当時の鍼灸などの伝統医学が、 西洋医学の水準からすると、 科学的根拠に乏しいことから、 「鍼灸禁止令」を考えていました。 先生は、 御自身の研究結果をもとに、 GHQ関係者に鍼灸医学の科学性を説明され、 実際に鍼灸を施術してその効果も体験させ、 鍼灸の存続に貢献されます。 しかし、 この間の過労のためか、 1949年に教授会の席で脳卒中を発症し亡くなられます。 <BR> 石川先生の遺志は、 弟子の笹川久吾京都大学教授に引き継がれ、 日本鍼灸学会が結成されます。 第1回日本鍼灸学会が1954年に京都大学で開催され、 現在の隆盛へと繋がるわけです。
著者
森重 浩光 真柴 賛 千頭 憲一郎 山本 哲司
出版者
中国・四国整形外科学会
雑誌
中国・四国整形外科学会雑誌 (ISSN:09152695)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.341-345, 2011 (Released:2014-03-31)
参考文献数
9

Abstract We report two cases of osteochondritis dissecans (OCD) in identical twin male badminton players. The younger brother presented at the age of 15 years complaining of a two-year history of right knee pain during sports activity. Physical examination showed a positive result in the patella grinding test, but no range of motion limitation. Plain radiography showed that the lateral femoral groove had irregularity and a radiolucent region, and a diagnosis of OCD was made on the basis of magnetic resonance imaging (MRI). Arthroscopy demonstrated softening of the OCD lesion and partial cracking of the cartilage. The OCD lesion was fixed using bone strips. Five months after surgery, MRI demonstrated almost total disappearance of the lesion, and the patient returned to his original sports activity. The elder brother presented at the age of 16 years with a three-month history of left knee pain during sports. Physical examination revealed only mild tenderness of the patellofemoral joint. Plain radiography and MRI showed OCD in the lateral femoral groove, and arthroscopy demonstrated the lesion but no cracking of the cartilage. As had been the case for the younger brother, surgery was performed using bone strips. Because the lesion appeared to show good remodeling into normal bone on MRI at three months after surgery, the patient returned to his original level of sport. Although familial incidence of OCD is not unusual, cases in identical twins are very rare. The similarities of both site and onset timing of these OCD lesions suggest that some genetic factor may contribute to the cause of OCD other than overloading due to repetitive and strong sports activity. Also, our clinical results indicate that fixation with bone strips is a useful therapeutic option for OCD in the femoral groove to facilitate a prompt return to sports activity.
著者
鈴木 素之 長谷川 秀人 六信 久美子 山本 哲朗
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集G (ISSN:18806082)
巻号頁・発行日
vol.62, no.4, pp.445-451, 2006 (Released:2006-12-20)
参考文献数
13
被引用文献数
1 1

管理されずに自然放置された竹林の拡大による周辺環境や生態系への影響が顕在化している.森林の再生ならびに保全を検討する上で,地盤環境工学の見地から規模を拡大する竹林の諸性質を把握することは重要である.本文では,山口県下の竹林の分布状況をもとに,隣接した竹林の拡大による自然結合や他の植生または植物群落への竹の侵入の事例を報告するとともに,県内2地域を対象とした航空写真解析および現地調査により竹林の拡大速度を算出した.その結果,竹林の最前線は年間当り全体的に0.7m,局所的には2.5mで拡大していることを明らかにした.
著者
中村 修 山本 哲也 上野 和之 髙谷 幸司
出版者
一般社団法人 日本鉄鋼協会
雑誌
鉄と鋼 (ISSN:00211575)
巻号頁・発行日
vol.101, no.2, pp.88-92, 2015 (Released:2015-01-31)
参考文献数
10
被引用文献数
6

Numerical simulation of lance-jet impinging on a liquid free surface was carried out and validated against the experimental data of Ueno et al. [Tetsu-to-Hagané, 101 (2015), 74]. Computational domain was separated to lance domain and water-bath domain. Lance domain was solved as single phase of compressible gas and the result was used to inlet boundary condition of water-bath domain by volume of fluid method (VOF) solver. Large eddy simulation (LES) was used and both solver are a part of OpenFOAM, open source CFD toolkit. The time average of depth and diameter of cavity was almost consistent with the experiment. The standard deviation was 10-20% of the time average and slightly larger than that of the experiment. Simulation showed that sloshing of water surface might enhance the spitting phenomena.
著者
千場 梅子 山本 哲郎
出版者
熊本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

結核菌(死菌)を血漿に曝すと、血液凝固反応に伴い、血漿中のリボソームタンパク質S19(RP S19)が結核菌膜上の負荷電領域を足場にして血漿トランスグルタミナーゼ(FXIIIa)により架橋二量体化され、単球のC5aリセプターを介して単球/マクロファージを動員することが明らかになった。 このことから、 結核菌が局所に侵入したとき、 血管外へ透過したRP S19が上記の機序で架橋されて単球/マクロファージを動員し、 菌を貪食処理すると考えられた。この単球走化には、補体活性化産物C5aも関与していた。結核菌感染に対する自然免疫反応に、補体系とともにRP S19も関わっていることが示された。
著者
山本 哲夫 朝倉 光司 形浦 昭克
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー
巻号頁・発行日
vol.42, no.11, pp.1701-1706, 1993
被引用文献数
22 13

北海道のシラカバ花粉症とリンゴ果肉過敏症の関連について検討して以下の結果を得た. 1. シラカバ花粉症(症状とCAP陽性<スコア1以上>)83例のうち, 17例(20%)が問診上リンゴ果肉過敏症が合併しており, 他のアレルギーや他の花粉症に比して高率であった. 2. シラカバCAP陽性例は陰性例に比べリンゴ果肉過敏症の割合が多かった. 3. シラカバ花粉症の中ではCAPによりシラカバの感作の程度が強い方が, リンゴ果肉過敏症の割合が多かった. 4. 北海道において問診にてリンゴ果肉過敏症が見られた場合, 花粉症の診断の参考になると思われた. 5. 日本においても, シラカバ花粉症のみられる地域ではリンゴ果肉過敏症は稀ではないと思われ, 注意が必要と思われた.
著者
山本 哲也 佐藤 寛 串崎 真志
出版者
関西大学大学院心理学研究科
雑誌
関西大学心理学研究 (ISSN:21850070)
巻号頁・発行日
no.5, pp.51-56, 2014-03

This article was intended to showcase an interdisciplinary approach—including psychology, psychiatry, cognitive neuroscience, neurobiology, molecular biology, and genetics. This approach might have the capability of facilitating a more mechanistic understanding of the neural basis of mental events and improving mental well-being, as well as diagnosis and treatment of mental disease. We suggest that future research will be key to performing multilevel integrative research in psychology.
著者
山本 哲 菊地 時夫
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.45, no.5, pp.361-368, 1998-05-31
被引用文献数
4

1996年10月29日〜31日にかけて, 関東地方の広い範囲で発生した霧について, インターネットを通じて気象の専門家でない一般からの情報の収集を試みた.今回の現象は, 発生頻度が低く出現すると人の目を引きやすいものであること, 長時間観察されること, 専門家でない人でも容易に認知できる現象であること, 人口密度の比較的高い地域に人間活動が盛んな時間帯に発生した現象であることなど, 一般からの情報提供が得やすい現象の特徴に合致したものであった.事前の準備がなかったにもかかわらず, 既存の観測ネットワークを補う, 比較的質の高い, 詳細な情報を少ない負担で得ることができた.今後インターネットの普及がさらに進めば, これを利用した, 全く新しい気象情報ネットワークが生まれる可能性が秘められているといえるであろう.