著者
山本 幾生
出版者
日本ディルタイ協会
雑誌
ディルタイ研究 (ISSN:09142983)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.22, pp.80-96, 2011 (Released:2022-02-02)

Wenn Diltheys Wort „Zusammenhang“ als ein wichtiges Schlüsselwort auch beide Wortbildungen „Strukturzusammenhang“in der Zeit seiner psychologischen Grundlegung der Geisteswissenschaft und „Wirkungszusammenhang“ in der Zeit seiner hermeneutischen Grundlegung bildet, so wird die folgende Frage zur Erörterung von Diltheys Grundlegung der Geisteswissenschaften unentbehrlich. Wie und in welchem Sinne ist die philosophische Entwicklung Diltheys von Humes „Assoziation der Ideen“ beeinflusst? Denn vor und nach den achtziger Jahren des achtzehnten Jahrhunderts in der Zeit seiner erkenntnistheoretischen Grundlegungkritisiert er von seinem Standpunkt der „Philosophie der Erfahrung“ dem „Empirismus“ in Humes „Assoziation der Ideen“. So liegt das Ziel dieses Aufsatzes darin, seiner damaligen Art und Weise der erkenntnistheoretischen Grundlegung nachzugehen undseine eigene Bildung des Begriffes „Zusammenhang“ gegen Humes „Assoziation“ zu erklären. Diltheys „Zusammenhang“ bedeutet eine strukturierte Einheit, die durch die unteilbaren Elemente nicht konstituiert, sondern vielmehr in jedem Teil als Einheit zergliedert werden kann. Dilthey kann damit in seinen späteren Jahren durch das Aufbauen der geschichtlichen Welt als Wirkungszusammenhang vermittels der Widerstandserfahrung (Wirken und Leiden, Wechselwirkung) die geschichtlich=soziale Wirklichkeit hermeneutisch fundieren, die in der Zeit der erkenntnistheoretischen Grundlegung Gegenstand der Geisteswissenschaften war. Also kann diese hermeneutische Entwicklung seiner Grundlegung gerade durch „die Erfahrung des Zusammenhangs“ vollzogen werden, die von seinem kritischen Überkommen von Humes „Assoziation der Ideen“ in seiner erkenntnistheoretischen Grundlegung gedacht wurde. In diesem Sinne, so können wir sagen, ist Hume als einGegner Diltheys ein leitender Philosoph der Konkretisierung von Diltheys Gedanken.
著者
山本 英輔
出版者
日本ディルタイ協会
雑誌
ディルタイ研究 (ISSN:09142983)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.21, pp.20-36, 2010 (Released:2022-02-03)

Dieser Aufsatz bezielt einen Vergleich der späten Heideggerischen Philosophie und der Diltheyschen. Heidegger rezipiert sie hauptsächlich in seiner früheren Phase, kommt aber später dazu, sie als nagativ zu betrachten und der Geschichte der Metaphysik zuzuordnen. Dennoch lassen sich zwischen den beiden nicht allein fundamentale Differenzen und Entfernungen, sondern eine gewisse Affinität feststellen. Hier wird ihr Denkstruktur an dessen Differenzen, statt der Einflüsse von einem zu anderem, erörtert. Denn es geht um die Frage nach der Wirklichkeit, die wir zu erleben haben. Der oft von Heidegger erwähnte Zuruf des Seins ist untrennbar mit dem Seienden und ist eventuell den Diltheyschen Überlegungen in seinem Realitätsabhandlung nahe, daß die Personalität auf uns wirkt, weil ein derartiger Zuruf eben einen Zirkel der Auslegungen hervorbringen müsse. Der Zuruf ist am radikalisiertesten gerade in dem Augenblick zu erleben, wenn das Befremdliche oder Rätselhafte sich zeigt. Indem Dilthey das Leben als unergründlich, also ein Rätsel, unterstreicht, weist Heidegger darauf hin, daß das Sein immer verborgen und auch noch das befremdliche ist. Die beiden Philosophen besitzen daher die Einsichten, daß die Erfahrungen des Verborgenen, des Rätsels und des Abgrundes nichts negatives sind, sondern zur Erweiterung der Schöpfungen und der Erfahrungen beitragen, und daß das Selbstwissen sich noch in dem Entsprechen zum sich verbergenden Sein und dem rätselhaften Leben vertiefen könnte.
著者
牧 祥 本間 善之 土屋 英俊 田中 一成 青木 滋 武岡 元 三木 猛生 大島 博 山本 雅文 森本 泰夫 小川 康恭 向井 千秋
出版者
バイオメディカル・ファジィ・システム学会
雑誌
バイオメディカル・ファジィ・システム学会誌 (ISSN:13451537)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.7-18, 2013-06-28 (Released:2017-09-04)
参考文献数
16

地上の1/6の重力環境(1/6G)の気相中における浮遊粒子状物質(SPM)の挙動を調べるため、パラボリックフライトによる擬似弱重力環境下で模擬月砂粒子(シュミラント)を実際にチャンバー内で拡散させた。エルトリエータのカットオフ値が1/6Gでは√<6>倍に増加することを利用し、気相中の浮遊粒子状物質(SPM)の重力影響を検証した。その結果、気相中の弱重力環境下を浮遊するSPMの沈降速度がストークスの式を使って表せることを明らかにするとともに、浮遊時間が重力の逆数に比例することを示した。SPMの粒径別濃度変化を数値計算した結果、重力が低く、天井が高い屋内ほど粒子が長時間残留することが示唆された。これは月面上でダストが屋内に侵入した場合、その除染作業に多くの時間がかかることを意味している。浮遊時間が粒径により異なるため、ばく露の危険性も粒径で異なっていると考えられる。ばく露の危険性がSPMの浮遊時間の長さにのみ依存すると考えるのであれば、粒径1.0μm以下の微細粒子や10μm以上の大形粒子には、重力差の影響を考慮した対策は必要ない。一方、粒径2.5〜10μmの粒子は、地上では浮遊時間が比較的短いが、月面上ではやや長時間浮遊する。この範囲の大きさのSPMに対しては、安全基準を厳格化などの新たな対策が必要であると考える。
著者
福嶋 裕造 藤田 良介 能美 晶子 宮本 信宏 山本 了 實松 宏已 田頭 秀悟
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.72, no.1, pp.43-47, 2021 (Released:2022-05-17)
参考文献数
10

整形外科の疼痛性疾患が天気によって症状が悪化する場合があり,これを気象痛という。今回,交通事故後の大後頭神経痛(GON:great occipital neuralgia)の2症例で天気による症状の悪化に対して五苓散が有効であったので報告する。症例1は41歳女性で,交通事故にて受傷し頚部痛と腰痛を訴えた。2ヵ月後より不定期に後頭部痛が発症した。3ヵ月目に大規模な台風がありその日の朝より激しい後頭部痛があり,その後も天気の悪化で後頭部痛が生じたため当院を受診した。気象痛の GON と診断し五苓散を投与して軽快した。症例2は31歳女性で,交通事故にて受傷し頚部痛を訴えた。受傷後3ヵ月後より天候の悪化により後頭部痛が悪化することが分かり,気象痛のGON と診断し五苓散を投与して軽快した。頚椎捻挫が原因である気象痛の GON に対して五苓散が著効した。
著者
八木 遥 山本 義貴 臼窪 一平 中村 友香 下山 あさ子 東 修司 田畑 裕和 稲垣 育宏 小寺 隆二 柴波 明男
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会雑誌 (ISSN:04682513)
巻号頁・発行日
vol.68, no.4, pp.490-495, 2019 (Released:2019-12-28)
参考文献数
9
被引用文献数
1

入院患者は睡眠障害を生じる事が多く,睡眠薬の服用が必要となる事例は少なくない。現在わが国で用いられている睡眠薬はベンゾジアゼピン受容体作動薬が多いが,筋弛緩作用や持ち越し効果などから転倒に至る危険性がある。従来の睡眠薬と異なる作用機序を持つオレキシン受容体拮抗薬(ORB)は筋弛緩作用を持たないとされており,安全面に優れていると考えられている。そこで,入院中に内服した睡眠薬の作用機序毎の転倒率を調査した。2017年4月1日~2017年12月31日で当院において転倒・転落があり,ORB,ベンゾジアゼピン系薬(BZD)及び非BZDを服用していた入院患者を対象とした。また,転倒発生前に各薬剤を服用していた患者を群分けし,転倒率を算出し比較した。対象患者のうち調査期間内の睡眠薬全処方人数は1,682人であり,全転倒件数は45件であった。睡眠薬の分類における転倒率は3群のうちORB群による転倒率が1.45%と最も低く,BZD群と比較して有意に低かった事から,ORBは転倒へ与える影響が小さい可能性が示唆された。また,非BZD群の転倒率においてBZD群と比較して有意に低かった事から,転倒予防についても考慮しBZDよりも非BZDを使用する事が望ましいと考えられた。また,転倒事例の患者に高齢者が多かった事から,転倒の危険因子を多数保有している患者が多かったと考えられ,睡眠薬を使用した事で転倒の危険性が増大した可能性がある。
著者
山本 界人 水野 竣介 ターウォンマット ラック
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.55, no.11, pp.2328-2335, 2014-11-15

本稿では,対戦型ゲームにおける戦略多様性の観点からゲームバランスの分析を自動的に行う手法を提案し,その有用性を評価した.ゲーム開発におけるゲームバランスの分析,調整は面白いゲームを作成するためには不可欠な要素である.一方で,その分析,調整のプロセスには時間的コストがかかる.開発期間に限りがあるゲーム開発の現場では,十分にゲームバランスの分析,調整を行うことができない場合も少なくない.このため,ゲームバランスを自動的に分析する手法が必要とされている.既存のゲームバランスの自動分析手法は,1つの状況を分析するために大きな計算時間を必要とする,もしくは事前に人間がゲームタイトルに依存する専門的な知識を必要とするものだった.このため,人間が知識を獲得していない,かつ多くの状況が存在するゲームへと適用する場合には大きな計算時間を必要とした.そこで,本稿では,Stochastic Genetic Algorithm(StGA)を用いて,専門的な知識なしに多くの状況を持つゲームを分析する手法を提案する.国際AI大会のプラットフォームとして利用されているFightingICEを対象にした実験から,本手法の有用性を確かめた.
著者
長岡 千津子 山本 義和 江口 さやか 宮崎 信之
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.70, no.2, pp.159-167, 2004 (Released:2005-06-03)
参考文献数
21
被引用文献数
15 16

2000年4月に大阪湾全域において表層泥を採取し, 重金属濃度 (Hg, Cd, Cu, Zn, Pb, Ni, Mn, Cr, Fe), および, 粒度組成 (泥・砂・礫), 強熱減量, COD, 硫化物について分析を行った。Mn以外の重金属元素は湾奥部や湾東部において濃度が高く, 海水の交換が良い明石海峡, 紀淡海峡付近で低い傾向を示した。底質重金属 (Mnを除く) 濃度と粒度組成, 強熱減量, 硫化物には強い相関性が認められたことから, 底泥の重金属濃度は重金属負荷量以外に, 粒度や有機物によっても大きく影響をうけることがわかった。
著者
山本,芳弘
出版者
東京動物學會
雑誌
動物学雑誌
巻号頁・発行日
vol.81, no.4, 1972-12-15
著者
山川 啓介 山本 崇史 桂 大詞 井上 実 畠山 望 三浦 隆治 岡島 淳之介 稲葉 賢二 石澤 由紀江 遊川 秀幸 伊東 博之 石元 孝佳 大下 浄治
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.53, no.5, pp.886-891, 2022 (Released:2022-08-23)
参考文献数
11

革新的な多機能材料を効率的に開発するために、モデルベースリサーチ(MBR)の考え方に基づいて、これまでに多孔質材料の吸遮音機能と断熱機能を設計する微視構造設計モデル技術を開発した。今回、構成素材の防振機能を設計可能とするモデル技術を構築したので報告する。
著者
上田 凌大 今井 啓輔 山本 敦史 猪奥 徹也 角谷 昌俊 濱中 正嗣
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.61, no.9, pp.624-629, 2021 (Released:2021-09-28)
参考文献数
19

症例は57歳男性.1型糖尿病と気管支喘息,副鼻腔炎の既往あり.上気道炎罹患後,急速進行性の手袋靴下型の感覚障害と左右非対称性の運動障害を生じた.血液検査で好酸球増多,神経伝導検査で多発性単神経障害をみとめた.好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(eosinophilic granulomatosis with polyangiitis,以下EGPAと略記)とGuillain-Barré症候群(Guillain-Barré syndrome,以下GBSと略記)を疑い,免疫グロブリン大量静注療法とステロイドパルスを実施するも奏効せず,腓腹神経生検による血管炎の病理診断後にシクロホスファミドパルス療法を追加すると,症状は改善し血中の好酸球数も正常化した.GBS様の急性経過をとるEGPAでは早期の神経生検による診断と適切な免疫療法の選択が重要である.