著者
山本 圭三 樋口 友紀
雑誌
摂南大学教育学研究 = Bulletin of Educational Research of Setsunan University (ISSN:13498118)
巻号頁・発行日
no.18, pp.37-58, 2022-03

コロナ禍での生活が人々にとって苦しいものであるのは言うまでもないが、その中でも問題なく学習を進められている学生もいれば、学びを十分に進められない学生がいるのも事実である。本稿では、主として学生の生活状況や意識のありように注目し、コロナ禍に対する学生のかような適応形態の違いを探ることを目的とする。具体的には、学生の遠隔授業に対する適応度、およびコロナ禍により大きく変化した学生生活への受容度の2 つからなる類型を作成し、各類型の生活態度や意識についての特徴の違いが検討される。本稿の分析によって、遠隔授業への適応度とコロナ禍生活の受容度からなる類型が一定程度有効であり、各類型はそれぞれ独自の特徴をもつことが示された。ただ、確認された傾向の違いは類型の優劣を示すものではなく、むしろそれぞれがもちうる特性を示すものだと筆者らは考える。昨今の状況下で学生たちが困難を抱え支援を要する事態に至った場合、本稿の分析によって把握された特徴の違いを前提としたうえでのアプローチが試みられる必要のあることを筆者らは主張する。
著者
山本 成之助 大森 周三郎
出版者
社団法人 日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科學會雑誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.224-242, 1934 (Released:2010-07-23)
参考文献数
12

In den letzten 40 Jahren hat man in Japan über 207 Fälle von Blasen-, und Urethralfremdkörper erfahren, wir haben clarunter 9 Fälle beobachtet. Die statistischen Beobachtugen darüber sind folgende:1) Alter; am meisten vom 21. Lj. bis 30. Lj.2) Geschlecht; Im Verhältnis von männlich zu weiblich; 2.5:1.3) Lokalisation des Fremdkörpers;a) 29.5 (in der Blase): 4 (in der Urethra): 1 (in der Blase und Urethra.)b) In der Blase; Im Verhältnis von männlich zu weiblich; 2:1.c) In der Urethra; Im Verhältnis von männlich zu weiblich; 7:1.d) In der Blase und Urethra: nur bei Männern.4) Arten des Fremdkörpers;Kerze und wachsartige Substanz 18.4%Nelatonscher Katheter 14.5%Ähren, Blätter, Stengel und Kern der Pflanze 11.3%Inhalt der Dermoidzyste etc. 10.1%5) Eindringungswege des Fremdkörpers;Durch die Urethra: Von der Blasenwand und Nachbarorgane sind 3:1.6) Ursprünge der Eindringung;Zwecks Selbstbefriedigung ca 45%Wegen nicht ärztlicher Behandlung 14%Wegen fehlerhafter ärztlicher Behandlung etc. 12%7) Über 92 Fälle von Blasern-, u. Urethralremdkörper eingedrungen zwecks Selbstbefriedigung;Alter; am meisten vom 21 Lj. bis 30 Lj.Geschlecht; Im Verhältnis von männlich zu weiblich; 5:18) Entfernung des Fremdkörpers; bei Entfernung des Fremdkörpers in der Blase war die Behandlung blutiger als die in der Urethra.
著者
山本 清
出版者
国立大学法人 東京大学大学院教育学研究科 大学経営・政策コース
雑誌
大学経営政策研究 (ISSN:21859701)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.217-230, 2018 (Released:2022-04-28)
参考文献数
20

Evidence- Based Policymaking( EBPM )is currently being promoted by the central government of Japan. The proponents insist that public policy should be based on hard evidence, rather than episodic nor soft measures. The development of rational decision making in the public sector originates from the principles of scientific management, PPBS, and recently NPM. Some scholars criticize this series of approaches, which have long since emerged, been trialed, implemented and failed. In this paper, we adopt a balanced approach to the proponents and critics of EBPM, from a political, economic, and social rational perspective. We propose that the educational policy governing higher education should not only drive economic growth, but must also support higher education as a democratic, cultural, and social institution. After offering a brief presentation of the character and methods of EBPM, we review the practices and lessons learned from EBPM, in leading nations such as the United States and United Kingdom. Finally, future issues for EBPM in higher education, especially in Japan, are discussed.
著者
松坂 貫太郎 緒方 浩顕 山本 真寛 伊藤 英利 竹島 亜希子 加藤 雅典 坂下 暁子
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和学士会雑誌 (ISSN:2187719X)
巻号頁・発行日
vol.79, no.3, pp.389-396, 2019 (Released:2019-11-08)
参考文献数
16

血液透析患者では,摂取不足,腎での生合成の減少や透析療法による除去などのためにカルニチンが極めて高頻度で欠乏すると報告されており,カルニチン欠乏がさまざまな腎不全合併症(エリスロポエチン抵抗性貧血,低左心機能や筋痙攣等)に関与することが想定されている.本研究ではカルニチン代謝障害の実態を検討するため,カルニチン静脈投与の有効性を検証する前向き観察研究(「透析患者の合併症に対するL-カルニチン静注製剤の有効性の検討」)に登録された昭和大学横浜市北部病院およびその関連施設の外来血液透析患者501名に対して,血中カルニチン分画を測定し,その関連因子を横断的に検討した.主要評価項目として遊離カルニチン(Free)濃度とアシルカルニチン濃度/Free濃度(A/F比)を解析した.Free濃度を3群間(充足群(36≦Free≦74µmol/l),不足群(20≦Free<36µmol/l),欠乏群(Free<20µmol/l))に分類したところ,充足群は全体のわずか8.4%であり,A/F比も>0.4が98.8%と,ほとんどの患者がカルニチン代謝障害を合併していた.Free濃度とA/F比それぞれに関連する因子を多変量解析で検討したところ,カルニチン代謝障害と血清尿素窒素濃度(SUN),透析歴,性別,アルブミン,リンや標準化タンパク異化率(nPCR)との間に有意な関連がみられた.一方,血液透析療法の差異(血液透析と血液ろ過透析)は,カルニチン代謝障害に関連していなかった.興味深いことに,ともに栄養状態,タンパク摂取状況の指標とされるSUNとnPCRがFree濃度との関連では全く反対の関連性を示したことである.透析患者におけるカルニチン代謝障害の病態生理について更なる検討が望まれる.
著者
山本 真 飯島 典子 三浦 哲也
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

日中戦争前期(1937-1941)、中国からの短波ラジオ、教科書、抗日宣伝雑誌、映画、歌曲などを通じて、サラワク華僑に対して、民族意識や祖国の抗戦が宣伝された。これに応え、華僑は救国義捐金運動を展開した。太平洋戦争時期(1941-45)には、サラワクは激戦地とはならず、華僑を含む現地住民への大規模な虐殺は概ね発生しなかった。しかし、日本の軍政は「ビンタ」や犯罪容疑者に対する酷刑などにより威圧的様相を強く呈した。また、資源の収奪、既存の流通網の寸断、統制経済は、民生を混乱に陥れた。中国から注入された抗日戦争のイメージと太平洋戦争での経験が複合することにより、華人の対日歴史記憶が形成された。
著者
山本 勉 荻野 愛海 花澤 明優美 Tsutomu YAMAMOTO Manami OGINO Ayumi HANAZAWA
雑誌
清泉女子大学人文科学研究所紀要 = BULLETIN OF SEISEN UNIVERSITY RESEARCH INSTITUTE FOR CULTURAL SCIENCE (ISSN:09109234)
巻号頁・発行日
no.39, pp.49-84,

東京都品川区荏原一丁目一―三・専修寺本尊阿弥陀如来および両脇侍像三軀は「木造阿弥陀三尊像」の名称で品川区指定有形文化財に指定されている。二〇一七年度の品川区文化財公開に関連して、二〇一七年八月に大学院思想文化専攻開講科目「美術史学演習Ⅲ」における演習の一環でこの三軀の調査を実施した。本稿では、調査の詳しい成果を報告し、あわせてこの一具の彫刻史上への正確な位置づけをおこなう。三軀は定印を結ぶ阿弥陀如来坐像に蓮華を捧げる左脇侍観音菩薩立像と合掌する勢至菩薩立像が随侍する来迎形の阿弥陀三尊像で、各像がヒノキ材の割矧ぎ造りの技法になる。阿弥陀如来像と左脇侍像のおだやかな姿は平安時代末期、十二世紀後半頃の製作とみられる。右脇侍像は少し作風が異なり、やや遅れる時期、鎌倉時代にはいってからの製作を思わせる。三尊は昭和二十二年(一九四七)に千葉県市原市の光明寺から移されたものであるが、阿弥陀如来像内の銘記によって、室町時代、永正五年(一五〇八)に上総国佐是郡池和田の正福寺の像として修理されたことが知られる。正福寺は昭和十五年に光明寺に合併された寺である。三尊の彫刻史上の問題としては、まず阿弥陀如来坐像の両脇に来迎形の両脇侍立像が随侍する形が平安時代最末期に特有のもので安元元年(一一七五)頃の製作とみられる神奈川・証菩提寺像と共通することがあげられる。また正福寺の寺名や修理関係者の名は、光明寺に現存し、やはりかつて池和田にあった東光寺本尊であったという薬師三尊像中尊の永正元年の銘記にもみえ、当時の池和田における修理や造像の活発な状況を想像することもできる。以上を総合して、この三尊が平安時代末期の時期の関東地方の造像の水準を示すものであると評価する。
著者
山本 俊幸
出版者
公益社団法人 日本皮膚科学会
雑誌
日本皮膚科学会雑誌 (ISSN:0021499X)
巻号頁・発行日
vol.132, no.7, pp.1665-1670, 2022-06-20 (Released:2022-06-20)
参考文献数
14

本邦におけるサルコイドーシスの皮膚病変の分類では,特異疹,非特異疹とは別に瘢痕浸潤が記載されてきた.これに対し海外では,瘢痕浸潤という考え方を独立させずに,サルコイドーシス患者の陳旧性瘢痕が隆起してきたものはscar sarcoidosisとして特異疹に含めている.本稿では,これまでの考え方を振り返り,瘢痕浸潤はscar sarcoidosisと同一と考えてよく,本邦においても従来の瘢痕浸潤は特異疹と別扱いせず特異疹の一つのタイプに含めるという考え方を紹介し,いくつかの問題点についても言及した.
著者
八代 一浩 笹本 正樹 平川 寛之 山本 芳彦 林 英輔
雑誌
情報処理学会研究報告インターネットと運用技術(IOT)
巻号頁・発行日
vol.1999, no.44(1999-DSM-013), pp.49-56, 1999-05-21

地域IXには大きく2つの目的がある.1つはNational IXと同様にネットワークの階層化によるトラヒックの分散である.もう1つは地域IXを経由したエンドシステム間に最短な経路を提供することである.1997年12月より,山梨情報ネットワーク相互接続機構(amanashi Network Information eXchange:Y?NI)の運用を行っている.本稿では,YNIXの運用および評価実験について紹介する.その結果,地域IXがジッタ,遅延,パケット損失に関して優れた特性を持つネットワーク環境を提供できることを実証的に示す.
著者
井出 政芳 山本 玲子 宇野 智江 鈴木 祥子 伊藤 優子 早川 富博 加藤 憲 天野 寛 宮治 眞
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会雑誌 (ISSN:04682513)
巻号頁・発行日
vol.62, no.5, pp.726-744, 2014 (Released:2014-03-01)
参考文献数
13
被引用文献数
1 1

過疎の進行する中山間地に住まう高齢者の<この場所>に係わる愛着を評価するために, 質問票による調査を行なった。質問票は, 高齢者の主観的幸福感測定のために汎用される古谷野による生活満足度尺度K (9項目)と, 今回独自に作成したトポフィリア (場所愛) に係わる質問項目 (6項目) の計15項目から成る。僻地巡回検診において, 調査主旨を説明し了解を得た有効回答者120名 (平均年齢: 74.5±9.5歳) の回答について因子分析を行ない以下の結果を得た。 ①居住地別愛着度得点には有意差を認めなかったが, 居住地別生活満足度得点には有意差を認めた (p<0.001; ANOVA)。一方, 年齢と生活満足度との間には有意な相関を認めなかったが, 年齢と愛着度得点との間には有意な正の相関を認めた (r=0.234, p<0.01)。生活満足度, すなわち主観的幸福感は年齢によらず居住地の影響を受けるが,逆に場所への愛着度は居住地によらず年齢の影響を受けることが示唆された。 ②トポフィリアに係わる質問6項目の因子分析により, 2因子が抽出された。一つの因子は<この場所>から離れたくないパブリックな感情を, もう一つの因子は<この場所>が好きとは言えないプライベートな感情を意味している, と解釈できた。 ③ (a) 生活満足度尺度, (b) トポフィリア, および (c) 「<この場所>を離れて仕事をしたいと思ったことがあるかどうか」の質問の三つ組を指標として, 居住地別に対象者の心情を評価すると, 主観的幸福感 (a) も, <この場所>に対する愛着度 (b, c) も, ともに低い地域が同定された。これらの地域は, 通院困難性の甚大な地域内に存在し, 通院介助・在宅介護・施設入所など高齢者の医療福祉に係わる対応において, 心情面についての配慮が特に必要であると考えられた。
著者
狩野 謙一 小田原 啓 山本 玄珠 伊藤 谷生
出版者
国立大学法人 静岡大学理学部地球科学教室
雑誌
静岡大学地球科学研究報告 (ISSN:03886298)
巻号頁・発行日
vol.46, pp.19-49, 2019-07-31 (Released:2021-11-18)

We have examined the surface geology and tectonic landforms of the Hoshiyama Hills and its surrounding areas in the Fujikawa-kako Fault Zone (FKFZ), central Japan. The FKFZ is generally regarded as a collision zone between the Honshu Arc, mainly composed of the pre-Neogene accretionary and the Neogene collisional complexes of South Fossa Magna region, and the Neogene Izu-Bonin Volcanic Arc on the Philippine Sea Plate. This zone is believed to be the most active and dangerous area of Japan in association with violent earthquakes. One of the keys to understand the activities of this zone since the Pleistocene is to reveal the geologic structures of the Hills, as well as the characteristics of the Omiya and Iriyamase Faults along the northeastern and southeastern margin of this Hills, respectively. Our surface geological survey reveals that the upper Lower-lower Middle Pleistocene Ihara Group, main constituent of the basement of the Hoshiyama Hills, has complicated structures including several-hundreds meters scale steeply-dipping beds without distinctive preferred orientations. The structures also include chevron-shaped anticlines and flat synclines, suggesting that the E-W horizontal shortening due to fault-related foldings was the main cause of their formations. The flexure-landform associated with the Omiya Fault clearly suggests that the Fault, previously believed to be a high-angled normal fault dipping toward NE, is a reverse fault dipping toward SW. However, the landform around the Iriyamase Fault, also believed to be a NW dipping reverse fault, show no evidence of its existence. Finally, we have summarized the tectonic and volcanic events in and around the FKFZ since about 1 Ma. These results suggest that the Quaternary tectonics and seismic activities of the FKFZ should be necessary to re-evaluate based not only on the surface geological and landform data but also on the subsurface geological structures now being poorly known.
著者
岡 真理 宮下 遼 山本 薫 石川 清子 藤元 優子 福田 義昭 鵜戸 聡 田浪 亜央江 中村 菜穂 前田 君江 鈴木 珠里 石井 啓一郎 徳原 靖浩 細田 和江 磯部 加代子 岡崎 弘樹 鈴木 克己 栗原 俊秀 竹田 敏之
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

アラビア語、ペルシア語、トルコ語、ヘブライ語など中東の諸言語で、中東地域で生産される作品のみならず、中東に歴史的出自を持つ者によって、欧米など地理的中東世界を超えた地域で、英語、仏語、独語、伊語などの西洋の諸言語で生み出される作品をも対象に、文学や映画などさまざまなテクストに現れた「ワタン(祖国)」表象の超域的な分析を通して、「ワタン」を軸に、近現代中東世界の社会的・歴史的ありようとそのダイナミズムの一端と、国民国家や言語文化の境界を越えた共通性および各国・各地域の固有性を明らかにすると同時に、近現代中東の人々の経験を、人間にとって祖国とは何かという普遍的問いに対する一つの応答として提示した。
著者
山下 直生 栃谷 健太郎 岩本 伸紀 青木 一晃 元林 寛文 山本 舜悟 清水 恒広
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.110, no.1, pp.85-91, 2021-01-10 (Released:2022-01-10)
参考文献数
6

24歳,男性.コンゴ民主共和国に半年間滞在し,ドキシサイクリンを帰国後2週まで内服した.帰国後43日から72時間毎に発熱を認め,50日にアーテメター/ルメファントリン錠の内服開始,51日に当院を受診した.血液塗抹検査,迅速診断キットは陰性であったが,PCR(polymerase chain reaction)で四日熱マラリアと診断した.四日熱マラリアは潜伏期間が長く,検査で偽陰性が多いため,注意が必要である.
著者
宮田 康人 本田 秀樹 薮田 和哉 林 明夫 山本 民次
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B3(海洋開発) (ISSN:21854688)
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.I_394-I_399, 2011 (Released:2011-12-08)
参考文献数
20

海域環境修復材として製鋼スラグ製品を組み合わせた製鋼スラグマウンドの適用性を検討するため,実海域試験を実施した.設置15ヶ月までの調査の結果,ミルが繁茂し11ヵ月後の被度調査において100%近い被度であったこと,クロダイ,メバルなどの魚類の蝟集が観察されたこと,底生生物の個体数や湿重量が砂泥質の原地盤よりも多くメバルなどの摂餌対象の種が多く認められた.以上より,製鋼スラグマウンドの藻場・魚礁としての有用性が示唆された.今後,効果の継続性を明らかにする必要がある.
著者
山本 和志 白 石 田邉 一博 吉田 敬 笹山 瑛由 松尾 政晃 円福 敬二
出版者
電気・情報関係学会九州支部連合大会委員会
雑誌
電気関係学会九州支部連合大会講演論文集 平成27年度電気・情報関係学会九州支部連合大会(第68回連合大会)講演論文集
巻号頁・発行日
pp.215, 2015-09-10 (Released:2018-02-16)

磁気ナノ粒子の表面に検査試薬や薬剤等を結合したものは磁気マーカーと呼ばれている。磁気マーカーを体内に注入し、その磁気信号を検出することで癌等の疾病領域を高感度・高空間分解能に画像化する磁気ナノ粒子イメージング技術が医療診断において注目されている。本研究では、センチネルリンパ節生検への応用を想定した磁気ナノ粒子イメージングシステムの開発を目指し、傾斜磁界(場所によって磁界強度が変化する磁界)を用いてFFP (Field Free Point) を作りだすことで、空間分解能の改善を図った。また、シフトコイルを用いて電気的にFFPを走査することで、高速かつ高空間分解能に磁気ナノ粒子イメージングを行う電気的走査法を開発した。
著者
山本 亜衣 吉岡 慶子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成27年度大会(一社)日本調理科学会
巻号頁・発行日
pp.65, 2015 (Released:2015-08-24)

【目的】キウイフルーツは、タンパク質分解酵素アクチニジンを含み、食肉をその果汁に浸漬すると、アクトミオシンおよびコラーゲンを分解して肉質の軟化に作用する。本研究では豚肉をキウイ果汁に浸漬し、加熱豚肉の物性測定、組織観察および官能評価を行い、豚肉への軟化効果と嚥下調整食への応用性を検討した。【方法】試料調製:キウイフルーツはHayward種を用い、ミキサーで砕切してろ過し、キウイ果汁とした。試料肉は、豚ロース肉(LWD種)を厚さ15mmに切り、肉重量の50%のキウイ果汁に浸漬し、3時間、24時間浸漬保存した。浸漬後、過熱水蒸気オーブンで中心温度が80℃に達するまで8分-10分加熱した。物性測定:テンシプレッサー、卓上型物性測定器でテクスチャー試験を行った。組織観察:試料肉片を化学固定し、走査型電子顕微鏡(S-3000N)で観察した。官能評価:栄養科学部学生17名で評点尺度法で官能評価を行った。【結果】加熱肉のかたさは未処理肉、3時間、24時間の順に浸漬時間の経過に伴って軟らかい性状を示した。組織観察において、3時間浸漬肉ではコラーゲンの細い線維は消失し、太い線維の残存がみられ、24時間ではいずれのコラーゲン線維もほとんど認められなかった。官能評価では未処理肉の方が外観、食味が良く、弾力があると評価された。肉質の軟らかさ、噛み切り易さの項目では、未処理肉に比べ、浸漬処理肉の方が、軟らかく、噛み切り易いと評価された。さらに、薄切り肉やひき肉などの肉片の形状と酵素作用時間などの調理条件の検討により嚥下調整食への応用が可能であった。

1 0 0 0 OA 心不全と血栓

著者
山本 啓二
出版者
一般社団法人 日本血栓止血学会
雑誌
日本血栓止血学会誌 (ISSN:09157441)
巻号頁・発行日
vol.16, no.6, pp.614-620, 2005 (Released:2007-07-03)
参考文献数
26
被引用文献数
1