著者
岡崎 正和 岩崎 秀樹 影山 和也 和田 信哉
出版者
日本教科教育学会
雑誌
日本教科教育学会誌 (ISSN:02880334)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.53-62, 2012

本研究の一連の目的は,算数から数学への移行という視座から,子どもの図形認識が発展し,証明に繋がる端緒を明らかにすることであり,本稿では図形の論理的・関係的性質の理解の前提になると考えられる図形の動的な見方の構造を明らかにすることを目的とした。その為に,我々がこれまでに同定してきた図形の動的な見方を単純な文の組み合わせとして表し,隠喩,換喩,提喩を用いて特徴付け,それらの複合性について分析した。その結果,動的な見方は次の5つに集約されることが分かった:視覚的類似性に基づく図形の変形,図形全体の動きを点の動きで捉える,不変性を意識化する,可逆的な見方,不変性と変数性の同時的意識化。また,これらを比喩的認識の複合性の視点から分析した結果,図形の動的な見方は階層的に整理され得ることが示唆された。
著者
中平 敦 坂本 清子 山口 俊郎 木島 弌倫 岡崎 正之
出版者
The Ceramic Society of Japan
雑誌
Journal of the Ceramic Society of Japan (日本セラミックス協会学術論文誌) (ISSN:09145400)
巻号頁・発行日
vol.107, no.1241, pp.89-91, 1999-01-01 (Released:2010-08-06)
参考文献数
9
被引用文献数
5 7

Hydroxyapatite whisker and platelet were synthesised by the hydrolysis of alpha-tricalcium phoshate (α-TCP) in H2O system and etanol/H2O system at 70°C and atmospheric pressure, thus avoiding severe processing condition, such as in hydrothermal synthesis. The hydroxyapatite prepared by this process was analysed by X-ray diffractometry and transmission electron microscopy observation. The effect of ethanol addition into H2O on the hydrolysis of α-TCP to hydroxyapatite was also examined. The hydrolysis rate of α-TCP to hydroxyapatite was inhibited in the ethanol/H2O system. It was found that the morphology and the aspect ratio of hydroxyapatite could be controlled by adding ethanol into H2O during the hydrolysis reaction of α-TCP.
著者
斉藤 嘉津彦 清水 瓊子 岡崎 正子 伊林 至洋 端 和夫 前野 康次郎 石井 清二 土橋 和文 島本 和明 戸田 貴大 黒澤 菜穂子 大和田 栄治 加藤 芳伸 大山 徹 梅津 有理 千田 道洋 有吉 範高 鎌滝 哲也 板谷 幸一
出版者
一般社団法人日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.27, no.3, pp.228-234, 2001-06-10 (Released:2011-03-04)
参考文献数
11
被引用文献数
1 1

In recent years, genome science has undergone radical changes and numerous advances have led to the development of its use in medical practice. In particular developments in pharmacogenetics have demonstrated that genetic polymorphism is responsible for inter-individual differences in the drug metabolism. This study was conducted to identify the genetic polymorphisms of CYP 2C 9 and CYP 2 C19 using PCR-RFLP, and the application of a gene analysis was investigated in TDM or pharmaceutical management and in counseling services for patients. In a patient with the following pharmacokinetic parameters for phenytoin, for Km=6.69 μg/mL and Vmax = 3.62 mg/day/kg, and a largely decreased metabolic activity of CYP 2 C9 compared to the general population, the genetic differences in CYP 2 C9 could be determined in genomic DNA based on the patient's peripheral blood. Based on this finding, the effective dose for medication was calculated and administered to the patient. In addition, during medical consultations, both written and oral information in an easily comprehensible form could be given to patients with genetic polymorphism. These procedures allow a for the careful matching of the patient to the right medication and dose. This study indicates the possible application of a genetic analysis of CYP to “Evidence-Based Medicine” in the field of pharmaceutical management in order to control the dosage in individuals and to improve patient counseling.
著者
岡崎 正規 山根 一郎 佐藤 幸一 小林 裕志
出版者
日本草地学会
雑誌
日本草地学会誌 (ISSN:04475933)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.219-225, 1983

青森県十和田湖の北東部の火山灰地帯の山間部において,草地基盤を造成した。切盛土工は,急傾斜の局部だけをえらび,盛土の縁端部には転圧工法を適用して崩壊防止策を講じた。その切土部,盛土部の両方に牧草を生育させねぼならない。まず盛土部において種々の方法によって牧草栽培の試験を行った。盛土部には,この地域の土壌の下層土で,しかも不良土であるアオバンとアカツチとがほぼ1:2の割合で混合されていたが,適切な施肥を行えば良好な牧草地を確立することができた。すなわち,10aあたりイタリアンライグラス,オーチャードグラスをそれぞれ2kg,ラジノクローバー1kgを用い,元肥には苦土石灰100〜150kg,P_2O_530kg,NとK_2Oを5kg施用したのち雨天日の多い晩夏8月中下旬に播種する。そして翌春早く,N,P_2O_5,K_2Oをそれぞれ5kgづつ追肥に用いればよいと思われる。
著者
松沢 秀二 井本 友三久 岡崎 正樹
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子化學 (ISSN:00232556)
巻号頁・発行日
vol.25, no.273, pp.25-30, 1968-01-25 (Released:2010-10-14)
参考文献数
16
被引用文献数
3

PVA 3%, ホルムアルデヒド5%および塩酸0.5Nの水溶液をつくり, PVAをホルマール化し, ホルマール化度の異なるホルマール化PVA (PVFW) を作製した。このさい, すでに知られているように, ホルマール化度30mol%を越えるとPVFWは沈殿してくる。PVFWの残存水酸基をピリジンを触媒に用いて酢化した。それら酢化物のうち, ホルマール化度45mol%以上のものは, クロロホルムに部分的に可溶であるか, 完全に不溶であった。また部分ケン化PVAcのケン化と同時ホルマール化を酢酸水溶液中で行ない (反応は終始均一系で進んだ) 得られたホルマール化PVA (PVFS) は, 酢化後ホルマール化度80mol%のものまでクロロホルムに可溶であった。ホルマール化22mol%以上の酢化PVFWの極限粘度数の原料PVAcのそれに対する増加量は, 同一ホルマール化度の酢化PVASのそれより大であった。またそれらの試料の数平均分子量を浸透圧法により求めた。ホルマール化度22mol%以上のPVFWの数平均分子量は線状ポリマーとして計算した値より大であった。PVFSの場合それはすべて計算値よりやや小であった。以上から, 水溶液より出発するホルマール化反応のさい橋かけが生ずると結論した。
著者
岡崎 正繼
出版者
國學院大學国語研究会
雑誌
国語研究 (ISSN:04506677)
巻号頁・発行日
no.64, pp.59-63, 2001-03
著者
岡崎 正和
出版者
全国数学教育学会
雑誌
数学教育学研究 : 全国数学教育学会誌 (ISSN:13412620)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.1-13, 2007

This paper focuses on a design experiment methodology in mathematics education which has been developed as a methodology for establishing a close and dynamic relationship between theory and practice, and discusses the comprehensive characteristics of the methodology. The design experiment methodology intends to develop (local) theories in mathematics education through designing, practicing and systematically analyzing daily classroom lessons over a relatively long period, where a researcher is responsible for students' mathematical learning in collaboration with a teacher. However, the methodology has also been questioned as to its scientific quality by the positivist scholars, since it explicitly deals with classroom practices that can be characterized as complex phenomena. Thus, this paper tries to place the design experiment methodology especially from a scientific point of view. The points discussed in this paper are the following. 1. The design experiment is an effective methodology for realizing mathematics education as a design science, and it intends to create a fruitful relationship between theory and practice. 2. The design experiment aims to construct a class of theories about the process of learning and the means that are designed to support that learning through (a) designing and planning the learning environments, (b) experimenting the design and the ongoing analysis, and (c) the retrospective analysis. 3. The design experiment is an interventionist methodology that goes through an iterative design process featuring cycles of invention and revision. 4. The design experiment has its intention of producing a theory which premises a social and cultural nature of the classroom, active roles of teacher and students, and learning ecologies and complexities of the community. Thus, it is opposed to an orientation of theory-testing that the positivist studies adopt. 5. The design experiment has been critically discussed in terms of the traditional scientific criteria like generalizability, reliability, replicability and others. 6. We can indicate four points as our tasks for enhancing the scientific qualities of the design experiment; ・Implementing consciously both processes from scholarly knowledge to teaching, and conversely from craft knowledge to researching and scholarly knowledge, ・Analyzing practical data in a systematic way and unfolding a logic of the analysis, ・Assessing and evaluating the design experiment using the revised scientific criteria, and ・Placing some philosophy which the design experiment is based on.
著者
三宅 正志 矢口 貴博 佐瀬 孝一 王 建輝 小川 俊之 遠藤 良夫 鈴田 靖幸 岡崎 正幸 芳賀 嘉久 脇 貴志 高橋 進 山本 芳実 岩淵 成紘
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.66, no.1, pp.9-14, 2004-01-25

肝細胞増殖因子(HGF)は,多彩な生物活性を有するサイトカインであり,肝細胞,上皮細胞,色素細胞,内皮細胞および造血細胞など多岐にわたる細胞に作用する。我々は,猫白血球由来cDNAから第1クリングルドメイン内の5アミノ酸残基が欠失するスプライスバリアントHGFを単離した。次に,5アミノ酸残基欠失猫HGFおよび猫HGFの生物活性を比較するため,哺乳動物細胞発現ベクターを構築し,COS-7細胞に遺伝子導入した。得られた組換え5アミノ酸残基欠失猫HGFおよび猫HGFは,マウス肝由来細胞株であるBNL CL.2細胞の増殖を刺激し,さらにMDCK細胞の遊走性を充進した。5アミノ酸残基欠失猫HGFは,細胞増殖および遊走において,猫HGFと同等の活性を有することが示された。
著者
松本 和 岡崎 正一
出版者
高知学園短期大学
雑誌
高知学園短期大学紀要 (ISSN:03894088)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.35-40, 1971-02-20
被引用文献数
1

1)炊飯粒の検鏡切片作成では, 漸強アルコール列に, それぞれ1分間位で移していき, パラフィン包埋完了までを1時間以内で行うのがよいことが認められた.2)米粒中に存在しているたんぱく質, 脂質の分布状態あるいは存在形態について組織化学的に調べた.この際, リパーゼ, トリプシン等の酵素処理による方法もあわせ行ない検討した.3)玄米中の脂質は糊粉層と胚芽に小粒状に存在しているものと認める.4)水洗した白米については, 胚乳の最外縁部に部分的に, ごくわずかに脂質の存在が認められる.5)炊飯によって脂質の基本的な構造はかわっていない.一部脂質の小粒が分離して比較的大きな球体を作り, 胚乳内部に散在している.6)米粒のたんぱく質は, 胚芽と糊粉層の部分に脂肪粒と共存し, たんぱく質の細粒のまわりに脂質の小粒がすき間なく混在しているものと思われる.これはLitteが脂質はたんぱく質とコンビネイションで存在するというサジエストと同じ結果である.7)胚乳の外縁部のたんぱく質は半顆粒状を呈し, 細胞膜にそって存在している.また, 細胞間隙がアクロレイン・シッフ液で濃染することから, この部分にたんぱく質が蓄積されると推定される.これは木戸氏と同じ結果である.8)炊飯粒のたんぱく質は, 溶けたような状態で観察され, 白米中のような顆粒は存在しない.9)糊粉層, 胚芽中の脂質に対してリパーゼは確認し得る影響は与えなかった.しかしこの点に関してはなお検討を要する.10)胚乳内のたんぱく質はペプシンによって消化されるが, 胚芽および糊粉層中のたんぱく質は殆んど消化されなかった.それは両部位のたんぱく質の種類あるいはその混合割合が相違していることを示すか, 糊粉層部の脂質とたんぱく質の存在形態が酵素の攻撃を受けにくい状態であることを示すものと思われる.
著者
米林 甲陽 JONG Foh Sho CHAI Oi Khun LIM Chin Pan 糟谷 信彦 舟川 晋也 金子 信博 犬伏 和之 岡崎 正規 足立 忠司 松本 聰 有賀 祐勝 CAO Van Sung ERNEST Chai YUSUP Sobeng 金子 隆行
出版者
京都府立大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1992

東マレーシア・サラワク州シブのナマン泥炭地自然保護林内において土壌調査,森林植生調査を行った。アッサン川岸から森林内部に入るに従い地下水位は低まり,泥炭に埋没している木質量は表層で減少していた。泥炭湿地林は周辺部から中心部に向けて同心円状に変化し,川に近い周辺部は混合湿地林であるが,3kmより奥はフタバガキ(アラン)の純林となっている。泥炭湿地林の林床は局所的に凹凸を示すため,微地形の定量化と凹地と凸地での落葉分解速度,土壌動物の生息密度を測定した。凹地と凸地の高低差は最大1mであった。凸地は大きな木の周りの根の盛り上がった場所であり,若木は凸地にしか見られない。木の存在が微地形の形成に関与し,さらに微地形が樹木の実生の定着に影響していることが明らかとなった。リターバッグ法で測定した落葉の分解速度は凸地で高く,他の熱帯林と同様の値を示した。凹地ではリターバッグ中のリターはほとんど形態変化しておらず,重量変化はリーチングによるものである。また,凹地には土壌動物はほとんど生息していないことが明らかとなった。泥炭湿地林ではシロアリが比較的少なく,ミミズも採取されていない。一方,小型節足動物であるササラダニは凸地で極めて高い密度を示した。リターフォール量の測定と養分分析を行った結果,リターフォールの季節変化は認められず,年間を通してほぼ一定量のリターが林床に供給されており,その量は8.35トン/年であった。この量は他の熱帯林で報告されている値の範囲内にある。また,養分還元量も他の熱帯林にほぼ匹敵する値を示し,特にリンの還元量は比較的多かった。熱帯湿地林は貧栄養な条件下で有機物分解が抑制されながら成立していると考えられているが,泥炭地の周辺部に位置する混合湿地林では,リターフォール量,養分還元量から考えると,栄養塩類が特に不足しているとは考えられない。養分元素の循環量を評価するため,地下30cm,80cmの土壌間隙水を毎月採水して日本に送付し,無機成分分析を行った。泥炭地周辺部では土壌間隙水中の窒素,リンの濃度は決して低くなく,日本の都市河川水に匹敵する値を示した。しかし,湿地林の奥地のアラン林下では下層のリン濃度が低いことを認めた。森林の自己施肥機能による養分循環量が高いことを示唆する。ムカのタウラ泥炭試験場において,地中探査機を用いてレーダー探査を行ない,20×10mの開墾地を幅1mおきに走査した。探査地点で長さ10m深さ1mのトレンチを掘り,断面を精査しレーダー探査結果と比較した結果,よく一致しており,泥炭土壌における埋没大径木の分布状態の図化が可能となった。泥炭地における持続的開発のための最重点作目としてサゴヤシをとりあげ,タウラ泥炭地試験場サゴ圃場,周辺サゴ栽培農家圃場で、土壌調査,サゴヤシの伐倒調査を行った。サゴヤシの生育測定を行なった結果,泥炭層の厚い圃場では泥炭層の薄い圃場に比べて成長が遅く,幹にデンプンを蓄積するまで時間がかかることを認めた。また,厚い泥炭で生育したサゴヤシ中の銅濃度はきわめて低く,亜鉛濃度は鉱質土壌の場合の2分の1であった。泥炭地のサゴヤシ栽培生態系における微量元素の循環量を,雨水による付加量,排水による流出量,サゴヤシの収穫による搬出量から計算した。銅は系内に蓄積される傾向が見られたが,亜鉛は系外に失われていく傾向にあることが明らかとなった。泥炭地から発生しているメタンをチャンバー法により測定し、湛水下層土から多量のメタン放出を認めた。メタン発生活性は表層付近で高かったが,好気条件での潜在的メタン酸化活性は全層で検出された。泥炭土壌中の微生物バイオマス量は表層で最も高く,下層ほど低下する傾向を示した。タイ国ソンクラ湖南湖で水質分析,プランクトン,クロロフィル測定等を行った。懸濁物質濃度は雨期に高く,乾期に低い傾向が認められた。クロロフィルaを指標とする植物プランクトン量は比較的低レベルであり,顕著な季節変動は認められなかった。さらに,湖底堆積物の性質は,内陸と外洋に接する部分で全く異なり,外洋側底泥土は酸性硫酸土壌であるため,酸化状態で著しい酸性を示すが,内陸側底泥土は陸地還元が可能であることを明らかにした。
著者
岡崎 正隆
出版者
東京女子医科大学学会
雑誌
東京女子医科大学雑誌 (ISSN:00409022)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.79-79, 1959-01-25

東京女子医科大学学会第91会例会演題 1958年11月28日 臨床講堂
著者
岡崎 正和
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究は,算数と数学の接続を図る授業とカリキュラムを,小中学校の授業に関するデザイン実験を通して開発することを目的とした。理論的には,授業構成を支える認識論,数学教育学における理論形成,記号論的視点の検討を行った。実践的には,主として図形の包含関係,図形の定義,中学1年での比例に関して実験授業を行い,その質的分析を通して,算数と数学の接続に関する理論的・実践的な知見を抽出し,概念化を図っていった。
著者
武岡 成人 栗原 誠 岡崎 正倫 及川 靖広 西川 明成 山崎 芳男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.136, pp.25-30, 2005-06-17
被引用文献数
1

3次元音場の再生手法としてキルヒホッフの積分公式に基づく境界面制御が知られているが膨大な制御点が問題となってきた.しかしながら近年のディジタル技術の発展により大容量の伝送が可能となってきた.そこで本稿では実現可能な範囲の多数の制御点を用いた境界面制御による音場再現システムを提案する.コンデンサスピーカの特性を生かし, 同一の振動板で録音・再生が可能である制御素子の基礎実験を行ったので報告する.
著者
吉村 季織 岡崎 正規 中川 直哉
出版者
Society of Computer Chemistry, Japan
雑誌
Journal of computer chemistry, Japan (ISSN:13471767)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.49-56, 2003-06-15
被引用文献数
1 1

Microsoft Excelに添付されている最適解の検索ツール、ソルバーを用いて滴定曲線から試料溶液のp<I>K</I>分布を見積もった。p<I>K</I>分布はp<I>K</I>と濃度の関係を示し、不均一表面などの分析に用いられている。滴定曲線は、クエン酸水溶液を水酸化ナトリウム溶液で滴定することによって得た。滴定曲線の式を線形で表し、Excel ソルバーの線形計画法によって実験値にフィッティングした。Excel ソルバー によって見積もられたp<I>K</I>分布は、シンプレックス法を用いた自作プログラムで見積もったp<I>K</I>分布と比べても遜色がないものであった。p<I>K</I>分布の見積もりに、Excel ソルバーを充分に活用できることを示すとともに、すべてのExcelユーザが気軽にp<I>K</I>分布を見積もることができることを示している。
著者
原口 庄輔 岡崎 正男 佐々木 冠 時崎 久夫 田中 伸一 寺尾 康 上田 功 米田 信子 小松 雅彦 西山 國雄 白石 英才 三間 英樹 田端 敏幸 本間 猛 深澤 はるか
出版者
明海大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

本研究は、今まで一見すると混沌した状況にあった音韻類型に関する諸問題について、帰納的接近法、演繹的接近法、相関関係からの接近法、という三つの方法論により、新たな知見を得ることを目的としたものである。研究期間中に、三つの方法論により次の研究成果が上がった。(1)個別言語の具体的な音韻現象に関する新たな一般性の発見、(2)最適性理論における制約に関する新たな提案、(3)語の韻律構造と文の語順の相関関係の明確化。これらの知見は、すべて、新しい音韻類型確立に貢献するものである。