著者
若林 慶彦 岡本 敏明 斉藤 浩一 工藤 寛之 三林 浩二
出版者
自動制御連合講演会
雑誌
自動制御連合講演会講演論文集 第50回自動制御連合講演会
巻号頁・発行日
pp.21, 2007 (Released:2008-12-11)

本研究では細胞膜での能動輸送のように、化学物質を認識しその化学エネルギーを力学エネルギーに、常温・常圧で直接変換する新規な駆動機構「有機エンジン」を生体材料と有機材料を用いて作製し、この有機エンジンを利用することで、液体成分やその濃度で駆動・制御可能な生化学式アクチュエータを開発した。
著者
岡本 依子 菅野 幸恵 東海林 麗香 高橋 千枝 八木下(川田) 暁子 青木 弥生 石川 あゆち 亀井 美弥子 川田 学 須田 治
出版者
一般社団法人 日本発達心理学会
雑誌
発達心理学研究 (ISSN:09159029)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.23-37, 2014 (Released:2016-03-20)
参考文献数
37
被引用文献数
1

親はまだしゃべらない乳児と,どのようにやりとりができるのだろうか。本研究は,前言語期の親子コミュニケーションにおける代弁の月齢変化とその機能について検討するため,生後0~15ヶ月の乳児と母親とのやりとりについて,代弁の量的および質的分析,および,非代弁についての質的分析を行った。その結果,代弁は,「促進」や「消極的な方向付け」,「時間埋め」,「親自身の場の認識化」といった12カテゴリーに該当する機能が見いだされた。それらは,「子どもに合わせた代弁」や「子どもを方向付ける代弁」,および,「状況へのはたらきかけとしての代弁」や「親の解釈補助としての代弁」としてまとめられ,そこから,代弁は子どものために用いられるだけでなく,親のためにも用いられていることがわかった。また,代弁の月齢変化についての考察から,(1)0~3ヶ月;代弁を試行錯誤しながら用いられ,徐々に増える期間,(2)6~9ヶ月;代弁が子どもの意図の発達に応じて機能が限られてくる期間,(3)12~15ヶ月;代弁が用いられることは減るが,特化された場面では用いられる期間の,3つで捉えられることが示唆された。そのうえで,代弁を介した文化的声の外化と内化のプロセスについて議論を試みた。
著者
岡本 由美子
出版者
同志社大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-07-19

研究5年目は、2つのことを行った。まず第一に、社会的インパクト調査の具体的な調査手法について、さらに詳細に学んだ。その知識を活用し、委託調査を通じて、フェアトレード(FT)を含めた国際認証制度の小規模農家組合員に与えたインパクト調査を行った。第二に、組合長に対して詳細なインタビュー調査を行い、2019年度までに得られていた調査結果の理解をさらに深めた。その結果、以下のことが明らかとなった。まず第一に、国際認証制度の存在は、収入の安定・増加のみならず、女性の地位向上、社会面での充実、環境への意識の高まり等により、SDGsの達成と人間の幸福感の向上をもたらす可能性が高いことが明らかとなった。具体的には、国際認証制度の中でもFTは組合の結成とあらゆる面での差別撤廃を求める国際基準であるため、FTをきっかけにしてジェンダー平等化が進展していることが分かった。これに加え、国際認証制度の存在により、環境に対する意識の劇的な向上が明確となった。収入の増加は確実に子供の教育や医療への支出の増加に向けられているが、これは必ずしも組合員の特徴だけではなく、純粋なインパクトとは言えない可能性はある。最後に、国際認証制度の取得を通したコーヒーの生産・販売に取り組む小規模農家組合員の方がメンバー以外の農家に比べ、確実に、well-beingの向上に繋がっているとの調査結果を得た。しかし、国際認証制度はいい面ばかりではない。もちろん、これは国際認証制度を取得した組合員だけの問題ではないが、コーヒーの価格が安定、又は、上昇することによって小規模農家がコーヒー生産に特化してしまい、それまで、自家生産をしていた食糧生産を減らす傾向が明確となった。フードセキュリティーの問題の深刻さが明らかとなった。今後は国際認証制度の負の側面を考慮に入れながら制度設計を行う必要性があることが明らかとなった。
著者
岡本 由美子 Yumiko Okamoto
出版者
同志社大学政策学会
雑誌
同志社政策科学研究 = Doshisha University policy & management review (ISSN:18808336)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.57-69, 2018-03-01

本論文の目的は、グローバル・バリュー・チェーン(GVCs)が国際経済学や国際開発でどのように研究されてきたのかその変遷を整理すると共に、貧困問題が依然重くのしかかるアフリカ地域にとってこれがどのような意味を持つのか考察を加えることである。その結果、アフリカにおいてもGVC革命の功罪両面ともに生じているが、アフリカ経済はアジア経済とは異なる発展経路をたどる可能性が存在することが明らかとなった。
著者
岡本 彩香 浅井 知浩 奥 直人
出版者
日本DDS学会
雑誌
Drug Delivery System (ISSN:09135006)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.54-61, 2016-01-25 (Released:2016-04-25)
参考文献数
20

統計的に日本人の3人に1人以上が罹患するといわれるがんは、我が国の死因別死亡率の第1位を占めており、より有効な抗がん剤の開発が望まれている。筆者らは、低分子医薬、抗体医薬に次ぐ抗がん剤シーズとして、がんにおける異常なシグナル伝達を特異的に遮断し、がん細胞を選択的に細胞死へと導きうる核酸分子、特に低分子2本鎖RNAに着目した。2本鎖RNAの臨床応用にはDDS技術が不可欠であることが広く認識されている。筆者らはリポソームや脂質ナノ粒子を核酸のDDSに応用し、がん選択的な核酸送達および効率的なRNA干渉の誘導を示してきた。本稿では、筆者らが開発したポリカチオンリポソームや抗体修飾脂質ナノ粒子を用いたがんへの核酸送達について、近年の知見を紹介する。
著者
佐藤 千晃 谷山 裕亮 櫻井 直 日景 允 高屋 快 岡本 宏史 今野 卓朗 氏家 直人 小関 健 安藤 涼平 藤島 史喜 内藤 剛 海野 倫明 亀井 尚
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.1439-1441, 2019-09-25

はじめに VC(verrucous carcinoma)は細胞異形成をほとんど示さないで増殖する扁平上皮の増殖病変であり,1948年にAckerman1)により提唱された.悪性であるのかどうかは長年議論があったが,現在では扁平上皮癌の一亜型と位置付けられている. 生検標本のみでは診断が不可能であり,よく良性疾患と誤診されることがある.間質浸潤は極めてまれとされ,臨床予後は摘出さえできれば極めて良好である.
著者
仲本 康一郎 岡本 雅史 加藤 祥
出版者
山梨大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

本研究では、日常的な営為によって生み出される語りと、語りが生成する世界に一貫性を求める私たちの心の習慣をナラティブ・リアリティとしてとらえ、人が語ることでいかにしてリアリティを構築しているかを認知的観点から考察した。具体的には、(1)語りが物語標識によって構造化され、一貫性が生み出されていくこと、(2)単一の物語が複数の話者によって共話的に語られうること、(3)同一の物語が反復的に語られることで変容を受け、かつ同一性を保持することに着目し、語りの展開可能性と反復可能性、さらに複数の話者による共話可能性を架橋する潜在的な物語構造の多相的な分析を行った。
著者
岡本 真希子 オカモト マキコ Okamoto Makiko
出版者
同志社大学人文科学研究所
雑誌
社会科学 = The social sciences (ISSN:04196759)
巻号頁・発行日
vol.49, no.4, pp.225-254, 2020-02

論説(Article)本稿は,日本の植民地統治下台湾における法院通訳の使用言語について,統治前半期(1898~1918年)に焦点をあてて検討し,北京官話への依存と脱却の過程を明かにする。第2章では台湾社会における言語使用状況を,1905年の臨時台湾戸口調査を用いて確認する。第3章では法院通訳の使用言語(官話/「土語」)に関する論争を,通訳制度(複通訳制度/単通訳制度)のあり方とともに検討する。第4章では,高等官法院通訳の合計10名の個々の経歴を用いて検討する。その際には,江戸時代から明治時代への移行期における北京官話学習者との関係に着目し,開国以降の近代日本の北京語学習者の軌跡を台湾からとらえかえすことも試みる。
著者
大槻 暢子 岡本 弘道 宮嶋 純子
出版者
関西大学文化交渉学教育研究拠点(ICIS)
雑誌
東アジア文化交渉研究 (ISSN:18827748)
巻号頁・発行日
no.2, pp.289-311, 2009-03

This report shows the summary of the field survey on tea culture in Okinawa island conducted as part of the collaborative research by the young members of our institute. In pre-modern age, a series of islands including Okinawa island, so-called Ryukyu Arc, had undergone a historical transition different from the areas of Kagoshima and northward in Japan. In the process of adoption of tea culture, Ryukyu Arc showed its individual development while it is affected by Japan and China as a peripheral area of both sides. The tea culture of Okinawa contains Japanese elements, such as tea ceremony (Chanoyu) culture and Furi-Cha culture remaining as Buku-buku tea, and Chinese elements, such as massive import and consumption of Chinese tea from early modern age to modern age. It is indicated by the historical accumulation, so it can be an attractive subject in considering cultural interaction.
著者
岡本 真
出版者
デジタルアーカイブ学会
雑誌
デジタルアーカイブ学会誌 (ISSN:24329762)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.45-47, 2021-01-12 (Released:2021-02-24)
参考文献数
7

COVID-19を受け、その多くが施設としての休閉館に追い込まれた図書館の実情を整理するとともに、その結果、露になった図書館の課題を説明する。それらを受けて、これから図書館に求められる役割を論じる。特に課題として日本の図書館は来館利用型のサービスに偏してきた点を、脆弱性と片面性としてとらえ、従来からすでに存在した潜在的な課題が顕在化したことを指摘する。こうした課題に対する対処として、saveMLAKや、「図書館」(仮称)リ・デザイン会議の活動を紹介したうえで、さらに図書館として取り組むべき活動としてCOVID-19のアーカイブ活動への貢献を挙げる。
著者
櫻本 恭司 後藤 耕司 岡本 耕 貫井 陽子 畠山 修司 四柳 宏 小池 和彦
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.99, no.4, pp.831-833, 2010 (Released:2013-04-10)
参考文献数
10
被引用文献数
1 1

Mycobacterium marinumは,皮膚に結節や潰瘍を形成し,時に深部に進展して関節炎,腱滑膜炎,骨髄炎などを来すことがある.症例はprednisolone10mgを内服中の60歳代女性.手関節の腫脹で発症し,広範な皮膚潰瘍と四肢深部膿瘍を呈した.難治性の皮膚潰瘍をみた場合,抗酸菌感染症も念頭に置く必要がある.
著者
岡本 尚
出版者
日本ウイルス学会
雑誌
ウイルス (ISSN:00426857)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.89-92, 2013-06-25 (Released:2014-04-26)
参考文献数
8