著者
後藤 順久
出版者
日本福祉大学
雑誌
日本福祉大学社会福祉論集 (ISSN:1345174X)
巻号頁・発行日
no.128, pp.23-34, 2013-03-31

GPS 電波がない地下鉄駅で, 地図情報を障害者等のスマートフォンに提供することを目的に, ナビゲーションシステムのプロトタイプを構築をした.3 つの現在位置の検知方式の中から, 予備実験の結果により, 赤外線 ID タグによる位置検知の方法を採用した. ナビゲーションシステムの更なる機能向上を図るために, 地下鉄空間内で実証実験を行った.名古屋市営地下鉄の久屋大通駅 (南改札口) を出発地とし, 目的地の八事駅 (改札外) までの実験シナリオとなる. そのルートは, 久屋大通 (名城線) -上前津 (名城線→鶴舞線) -八事 (鶴舞線) となり, 上前津駅で 3 回のエレベーター乗車が発生する.実証実験は概ね成功裏に推移したが, 赤外線 ID タグによる方式にとどまらず, どの方式にしても地下空間全体でナビゲーションを行おうとすると相当額の投資額が必要となり, 費用対効果の検証が必要となる.
著者
後藤 岩三郎
出版者
The Phytopathological Society of Japan
雑誌
日本植物病理学会報 (ISSN:00319473)
巻号頁・発行日
vol.44, no.4, pp.447-455, 1978
被引用文献数
12

標識品種H-79に銀河をもどし交配し,そのB<sub>5</sub>F<sub>4</sub>からもつれ銀河を育成した。もつれ(<i>la</i>)は戦捷の<i>Rb</i><sub>1</sub>と密接に連鎖する。戦捷×もつれ銀河,戦捷×もつれ亀の尾,銀河×H-79等の分析から次のことが明らかになった。(1)銀河には戦捷の<i>Rb</i><sub>1</sub>がとりこまれていない。これが銀河のいもち病抵抗性を低下させる主な要因と考えられる。田戦捷,真珠,双葉,秀峰やほまれ錦も銀河と同程度の抵抗性を示し,戦捷よりは弱い。したがって戦捷の高度抵抗性導入の育種過程の早い段階で低下したものである。(2)銀河には2対の抵抗性遺伝子があり,その相加的な効果で本品種の中程度の抵抗性を支配する。この2対は戦捷の他の2対の抵抗性遺伝子と複対立関係にあるか,あるいは極めて近く連鎖する。
著者
後藤 岩三郎
出版者
日本植物病理學會
雑誌
日本植物病理学会報 (ISSN:00319473)
巻号頁・発行日
vol.44, no.4, pp.447-455, 1978
被引用文献数
5 12

標識品種H-79に銀河をもどし交配し,そのB<sub>5</sub>F<sub>4</sub>からもつれ銀河を育成した。もつれ(<i>la</i>)は戦捷の<i>Rb</i><sub>1</sub>と密接に連鎖する。戦捷&times;もつれ銀河,戦捷&times;もつれ亀の尾,銀河&times;H-79等の分析から次のことが明らかになった。(1)銀河には戦捷の<i>Rb</i><sub>1</sub>がとりこまれていない。これが銀河のいもち病抵抗性を低下させる主な要因と考えられる。田戦捷,真珠,双葉,秀峰やほまれ錦も銀河と同程度の抵抗性を示し,戦捷よりは弱い。したがって戦捷の高度抵抗性導入の育種過程の早い段階で低下したものである。(2)銀河には2対の抵抗性遺伝子があり,その相加的な効果で本品種の中程度の抵抗性を支配する。この2対は戦捷の他の2対の抵抗性遺伝子と複対立関係にあるか,あるいは極めて近く連鎖する。
著者
北村 泰佑 後藤 聖司 髙木 勇人 喜友名 扶弥 吉村 壮平 藤井 健一郎
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
2016
被引用文献数
4

患者は86歳女性である.入院1年前より認知機能低下を指摘され,入院2週間前より食思不振,幻視が出現し,意識障害をきたしたため入院した.四肢に舞踏病様の不随意運動を生じ,頭部MRI拡散強調画像で両側基底核は左右対称性に高信号を呈していた.血液検査ではビタミンB12値は測定下限(50 pg/ml)以下,総ホモシステイン値は著明に上昇,抗内因子抗体と抗胃壁細胞抗体はともに陽性であった.上部消化管内視鏡検査で萎縮性胃炎を認めたため,吸収障害によるビタミンB12欠乏性脳症と診断した.ビタミンB12欠乏症の成人例で,両側基底核病変をきたし,不随意運動を呈することはまれであり,貴重な症例と考え報告する.
著者
村田 治 後藤 達也
出版者
生活経済学会
雑誌
生活経済学研究 (ISSN:13417347)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.235-243, 2004-03-30 (Released:2016-11-30)

The purpose of this paper is to show whether the Debt Neutrality Proposition stand up or not in Japan. First of all, we survey the literature on the empirical studies of Debt Neutrality Proposition on Japan, and classify the literature into four categories. The first is concerned with macro consumption function (Consumption Function approach). The second category of the literature is about the demand function for wealth (Wealth demand Function approach). The third is the literature which focuses on the consumption function, that is based on the Euler equation which Aschauer has derived (Euler Function approach). The fourth is concerned with the consumption function which is based on Blanchard and Weil model (Blanchard and Weil approach). We investigate the literature carefully, and adopt the Consumption Function approach and the Wealth demand Function approach. Especially, from the standard IS-LM model, we derived the condition for which the Debt Neutrality Proposition does stand up. Main results of the estimates are as follows. The Debt Neutrality Proposition does not come into existence in Japan until 1990. However, in recent years after 1990, the Debt Neutrality Proposition does stand up.
著者
後藤 任孝 青木 功
出版者
JAPAN TECHNICAL ASSOCIATION OF THE PULP AND PAPER INDUSTRY
雑誌
紙パ技協誌 (ISSN:0022815X)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.41-44, 2009

日本製紙石巻工場は,平成19年に最新鋭の高速オンマシンコーターであるN6マシンを建設,同年11月に営業運転を開始した。また当工場ではこれに先立ち,N6マシンへDIPを供給するパルプ設備として,日産400トンの高白色新聞DIP設備(HDIP―2)を稼動させた。HDIP―2は近年の古紙品質低下にも対応出来るよう,異物やインキ除去に関わる最新の技術を導入したが,特にインキ剥離工程に関しては,今後古紙への混入率増加が予想されるUVインキやトナー印刷物にも対処すべく,相川鉄工株式会社と共同でニーディング力に優れた4軸タイプの新型ニーダー(商品名:UVブレーカー)を開発,HDIP―2の粗選工程に設置した。<BR>UVブレーカーは,従来型ニーダーの代表機器である2軸型ニーダーとの比較においてダート除去率に優れ,特に粗大ダート区分において効果が大きかった。また4軸のそれぞれのローターについて,回転数の違いによるダート除去効果についても実機で確認し,最適な回転数を見極めた。<BR>本報では,新型ニーダーであるUVブレーカーの開発経緯と石巻工場の実機操業によって確認したダート除去効果について報告する。
著者
後藤 幸夫 駒谷 喜代俊 福田 豊生
出版者
The Institute of Electrical Engineers of Japan
雑誌
電気学会論文誌. D, 産業応用部門誌 = The transactions of the Institute of Electrical Engineers of Japan. D, A publication of Industry Applications Society (ISSN:09136339)
巻号頁・発行日
vol.116, no.5, pp.569-577, 1996-04-20
参考文献数
16
被引用文献数
25 6

Increasing vehicular traffic are causing traffic jam and social economic loss in recent years. Dynamic traffic management systems based on actual traffic conditions are expected to reduce these problems. Computer simulation is a powerful tool to evaluate the system performance of new traffic management system, since it is difficult to evaluate it under various traffic conditions in the real world due to huge costs and safety concerns.<br>In this paper, we propose a new microscopic traffic simulation model by object-oriented programming style. In this model, the street network is composed of nodes and links and vehicles run autonomously in the street network. The autonomous vehicle movement model is composed of decision model that depends on the driver's character and vehicle motion model that depends on the attribution of the vehicle. Then, we analyze the quality of our proposed model and show the effectiveness for evaluating the performance of the traffic management systems.
著者
上杉 雅之 小枝 英輝 成瀬 進 井上 由里 南場 芳文 後藤 誠 村上 雅仁 武政 誠一 安川 達哉
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.39 Suppl. No.2 (第47回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.Bb1184, 2012 (Released:2012-08-10)

【はじめに、目的】 理学療法士(以下PT)は肢体不自由児のみならず知的障害を伴う障害児を治療することが多い。その為に、知的障害に対する知見を深める必要があり、さらに、PTに知的障害への合併を踏まえたアプローチが求められている。また、小児リハビリテーションにおいて様々な障害を有する対象児に対する多職種連携アプローチが求められているが、対象児の問題行動に対して共通した認識がなされているか疑問である。今回、我々は日本語版Aberrant Behavior Checklist(以下ABC-J)を用いてPTと作業療法士(以下OT)間で障害児の問題行動に対して採点が異なるか調査したので報告する。【方法】 対象児はT病院を利用し理学療法を受けている知的障害を有する障害児11名(男7名・女4名、年齢5歳6ヶ月~18歳1ヶ月、平均年齢11歳2ヶ月±4歳5ヶ月)であった。対象児の診断名は脳性麻痺4名、頭部外傷後遺症1名、精神運動発達遅滞2名、急性脳症後遺症4名であった。検査者は同病院に所属し、対象児をよく知っているPT8名・OT7名・計15名であった。PTの経験年数は2~14年目で平均3.7年目、OTの経験年数は2~24年目で平均8.3年目であった。検査者は個別にABC-Jを用いて対象児を採点した。統計学的解析は、検査者をPT群とOT群のABC-Jの「興奮性」、「無気力」、「常同行動」、「多動」、「不適切な言語」の項目の採点結果をウィルコクソンの符号順位検定を用いて比較した。危険率5%未満を有意水準とした。統計ソフトはR2.8.1を使用した。 ABC-Jの項目は「興奮性」に関する15項目、「無気力」に関する16項目、「常同行動」に関する7項目、「多動」に関する16項目、「不適切な言語」4項目に関する計58項目からなる。使用方法は、対象児をよく知る検者が、質問紙の項目に対して、問題なし(0点)、少し問題(1点)、問題(2点)、大きな問題(3点)の4段階で採点する。そして、その点をスコアーシートに記入することで5つの問題行動を調査することができる。【倫理的配慮、説明と同意】 対象児の保護者全てに対し、本研究について文書にて事前説明を行い、調査に参加することに同意を得た。本研究は神戸国際大学倫理審査会の承諾を得て実施した(承諾番号G2011-015)。【結果】 PT群とOT群を比較した結果「無気力」が有意差p=0.0091と効果量(Effect Size:ES)ES=0.8037で有意差を認め、「興奮性」がp=0.4372とES=0.2500、「常同行動」がp=0.3428とES=0.3161、「多動」がp=0.1953とES=0.4021、「不適切な言語」がp=0.3991とES=0.2845であった。【考察】 障害児は複雑な問題を抱え個々のアプローチでは限界があり、多職種などによる包括的なアプローチが求められている。そして、そのアプローチにはPTの最も近隣職種であるOTとの協働は不可欠であると考える。今回の結果からABC-Jの4つの項目において両群において効果量は低いものの同じように採点しており大きな違いは見られなかった。しかしABC-Jの項目は5つの問題行動にどれが含まれるか検査者にはわからないようにランダムに並べられているが、両群において「無気力」に関する項目に著しく異なる採点をつけており、その有意差と効果量はp=0.0091とES=0.8037であった。そして、採点の違いは、OTが平均値3.8点(±4.8)と採点しているのに対して、PTは平均値8.1点(±7.8)であり、「無気力」に関わる項目に、より多くの問題があると採点していた。確認のために、筆者らが報告した「The reliability of Japanese manuals of Aberrant Behavior Checklist in the Daycare Center for handicapped children 」の検査者がPTとOTのデータを抽出し再調査したところ、「無気力」に関する項目にOTは平均値0.3点(±0.5)と採点しているのに対して、PTは平均値3.2点(±8.9)と採点しており今回の結果と同じような傾向を示していたことが判明した。PTが「無気力」に関する項目に高い採点をつけた理由の一つに、座位などの静的な姿勢を観察することが多いOTと比べ、活動的な面を観察することが多いPTは「無気力」をより問題がある行動として捕らえようとした結果であると考えた。このことからABC―Jの検査者は対象児を良く知るものであれば検査が可能であるとしているが、検査者の職種によりバイアスがある可能性が示唆され、多職種間での対象児についての問題行動についての捕らえ方には若干の違いがあることを念頭に置く必要があることが示唆された。【理学療法学研究としての意義】 PTとOTは同じ患児を担当することが多い、しかし、両者の患児に対する問題行動の検査の相違の有無についての報告は見られない。本研究は多職種連携アプローチにおける配慮すべき点を指摘する一つの報告として有意義であり、且つ新規性があり理学療法研究の意義があると言える。
著者
倉原 宗孝 後藤 由紀 日景 敏也
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.61, no.488, pp.165-175, 1996
参考文献数
9
被引用文献数
4 3

We need to develop the participant community design that is individual and autonomous with the living values of residents. By the way there are 43 parodied states which are called the "Minidokuritukoku" in Hokkaido (1992). The parodied states have the freedom, enjoyable and autonomous spirits. We evaluate activity of these states from the view point of the current community design, We show that residents who participate in the activities have open mind, and grow up to community planner step by step. The communities and regional culture are rising, and so on.
著者
後藤 玲子 工藤 博章 佐藤 耕平 堀田 典生 石田 浩司 大西 昇
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.500, pp.1-5, 2004-12-10
参考文献数
6

大画面ディスプレイで映像を楽しむ機会が増えているが,映像の動きにより酔いや不快感をおぼえる可能性がある.本研究では,映像が人体に与える影響を明らかにすることを目的として,ジェットコースター搭載カメラの映像を被験者に再生速度を変えて提示した時の生体反応を検討した.映像観察時における被験者の心拍,血圧,呼吸数,呼吸量を計測し,再生速度とこれらの指標の変化との間の関係について処理した結果,心拍数で再生速度との相関関係が見られ,運動が単純なシーンでは4倍速,激しいシーンでは標準速と2倍遠の反応が大きくなることが確認できた.また,呼吸については,再生速度と潜時の間に関係があることを示唆する結果を得た.
著者
松本 充弘 平尾 収 木岡 秀隆 大橋 祥文 大田 典之 後藤 幸子 内山 昭則 藤野 裕士
出版者
一般社団法人 日本集中治療医学会
雑誌
日本集中治療医学会雑誌 (ISSN:13407988)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.185-189, 2010-04-01 (Released:2010-10-30)
参考文献数
11

患者は18歳女性。神経性食思不振症(anorexia nervosa, AN)のため,当院精神科に入院した。入院後,低血糖発作による意識レベルの低下を認めた。ブドウ糖液投与にて意識は改善したが,心臓超音波検査(ultrasonic echocardiogram, UCG)にてたこつぼ型心筋症の像を認めた。また血液検査にて血清リン値が0.9 mg·dl−1に低下していたため,refeeding syndromeと診断され,ICU入室となった。入室後,血清リン値をはじめ適宜電解質の補正をしながら徐々に投与カロリーの増加を図った。電解質,体重の改善を認め,入室後16日目にICU退室となった。長期間低栄養状態にある患者に対して栄養投与をする場合,バイタルサインや水分バランス,リンを含めた電解質異常を注意深く観察しながら治療すること,また投与カロリーの増加を緩徐に行うことが重要である。