著者
後藤 昭雄
出版者
成城大学
雑誌
成城国文学 (ISSN:09110941)
巻号頁・発行日
no.29, pp.1-14, 2013-03
著者
後藤 学
出版者
一般社団法人 数学教育学会
雑誌
数学教育学会誌 (ISSN:13497332)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3-4, pp.171-182, 2015 (Released:2020-04-21)

本稿では,幼児期における数学教育はどのような内容が研究・実践されてきたのかを文献研究によって明らかにした。また,それをもとに幼児教育の中で数学教育を実践するための可能性を検討した。検討項目は幼児期における数学に関する指導内容,幼児教育における数学教育の取り組み,数学教育の内容・方法としての妥当性,小学1年の教育内容も含めた接続の在り方である。文献は心理学と数学教育両面から研究されている著作を対象とした。その結果,幼児期における数学の指導内容は数学,心理学それぞれの立場からすでに体系化されているが近年はそういった包括的な実践研究はあまり見られないことが明らかになった。当時の研究・実践内容は現代でも充分実践が可能でありかつ必要で,4氏の実践した教育内容をはじめ数学的な内容は幼児教育の中で取り組んでいく必要がある。
著者
岡嶋 君幸 後藤 淳
出版者
東亜大学
雑誌
東亜大学紀要 (ISSN:13488414)
巻号頁・発行日
no.12, pp.25-39, 2010-07

前ソクラテス期の哲学者エンペドクレスは,人間の精神活動に関する叙述の中で,古代ギリシアにおいて心という意味を持つ「φρήν(フレーン)」という用語を使用している。心の語義から推すならば,「フレーン」と思惟性や生命性との間には,何らかの関連性があると想定される。本稿は,1.エンペドクレスにおける「フレーン」についての検討を通して,「フレーン」が思惟性や生命性を担うということを示すこと,2.「フレーン」を有するもの,すなわち,思惟性と生命性の範疇を規定すること,を目的とする。 1.「フレーン」の機能としては,「思惟する」という機能を挙げることができる。「思惟する」という機能を有する「フレーン」は,また,人間の思惟の座であるとも考えられる。このことは,その機能が叙述される際に,「φρεσί」と与格変化形で用いられていることから示唆されている。「フレーン」の性質としては,「学ぶこと」によって成長し,「欺き」によって衰退するという可変性,感覚によっては認識できないという非感覚性を挙げることができる。本稿においては,「フレーン」を四根の混合を促す作用因である愛と解釈する。愛が「フレーン」と同様に,「思惟する」という機能,および可変性,非感覚性という性質を有するということをエンペドクレスの断片中から窺うことができるからである。 2.「フレーン」が愛であるとなれば,思惟の変化や生命体の生成消滅は,作用因である愛の影響度によって決定されるといえるであろう。また,思惟性と生命性の範疇は,少なくとも愛を内在するものに限られるであろう。思惟性と生命性の具体的な範疇は,「πάντα(パンタ・すべてのものら)」という用語の使用法を見るならば,生命体までに限定されていると考えられる。このことは,愛が常にフレーンとして存するのではなく,「フレーン」として顕現するための基盤を必要とすることを意味している。
著者
香山 智佳子 後藤 友佳子 長谷川 信吾 藤田 岳 丹生 健一
出版者
Japan Otological Society
雑誌
Otology Japan (ISSN:09172025)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.39-44, 2008-03-21 (Released:2011-06-17)
参考文献数
20
被引用文献数
1

Gentian violet (Pyoktanin) is known to have a potent antibacterial activity against Gram-positive bacteria including methicillin-resistantStaphylococcus aureus (MRSA).From November 2000 to August 2006, we have treated 91 patients for intractable ear infected with MRSA by topical treatment with gentian violet. There were 99 infected ears: 44 chronic otitis media, 11 otitis media with effusion treated with tympanostomy tube, 10 repetitive suppurative otitis media, 10 otitis externa, 8 postoperative discharging mastoid cavity for cholesteatoma, 6 cholesteatoma, 4 eosinophilic otitis media, 3 acute otitis media, 3 myringitis. The pathogens detected in those ears during the treatment period were as follows: MRSA in 92 ears, MRSA andP. aeruginosa7 ears. Topical treatment with gentian violet was performed 7.5 times on average. In the 92 ears (92.9%), topical treatment was performed 5.4 times on average. Noteworthily, 23 ears required only one treatment and 16 ears required twice, and this fact was suggesting that frequent treatments were not necessary to control the pathogens sensitive to gentian violet. This high cure rate (92/99) of the ear infected with MRSA also suggested that this treatment was especially effective for the treatment of MRSA infected ears.
著者
高橋 海 山原 可奈子 伊藤 浩平 岩岡 和博 後藤 雄一 寺山 靖夫
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
pp.cn-001292, (Released:2019-09-28)
参考文献数
12
被引用文献数
1 1

症例は30歳女性.25歳頃から数回にわたり皮質盲症状を呈し近医を受診した.脳梗塞様の画像所見と糖尿病の病歴からミトコンドリア病が疑われたが,血清および髄液乳酸値が正常,筋病理に異常を認めないことから確定診断には至らなかった.30歳時に意識障害と皮質盲症状,頸部および右上肢の不随意運動を呈して当院を受診.頭部MRIで両側大脳基底核の異常信号とMRスペクトロスコピーで乳酸ピークの増大を認め,髄液乳酸値の高値,ミトコンドリア遺伝子解析でm.4296G>A遺伝子変異を認めたことからミトコンドリア脳症と診断した.成人発症のm.4296G>A遺伝子変異の報告は非常に稀であると考え文献的考察を行い報告する.
著者
中野 茉莉恵 有馬 正貴 長田 洋資 桜井 研三 升森 智香子 水野 将徳 都築 慶光 小野 裕國 後藤 建次郎 近田 正英 麻生 健太郎
出版者
特定非営利活動法人 日本小児循環器学会
雑誌
第51回日本小児循環器学会総会・学術集会
巻号頁・発行日
2015-04-21

【緒言】単心室症例のFontan術後にhepatic factorの偏在が側副血行路を生むことが報告され、長期予後への影響が示唆されている。肝静脈血を左右の肺動脈に灌流させる必要があるが、Fontan手術施行例では肝静脈と肺動脈を繋ぐルートの作成に苦慮する場合も多い。今回、Total cavopulmonary shunt (TCPS)術後に肝静脈-肺動脈ルート作成に難渋した心房内臓錯位症例に対して肝静脈-半奇静脈吻合を行い、良好なFontan循環を確立した症例を経験したので報告する。【症例】2歳10ヶ月女児。在胎39週5日、2896gで出生。胎児期より心房内臓錯位を指摘されており、出生後、左側相同、両大血管右室起始、肺動脈狭窄、卵円孔開存、下大静脈欠損半奇静脈結合と診断した。心房は左心房が右前方、右心房が左後方の関係にあり、肝静脈は椎体の左側を走行し右心房に開口していた。生後7ヶ月時に肺動脈絞扼術、心房中隔作成術を施行した。1歳1ヶ月時にTCPSを施行、左上大静脈と左肺動脈を吻合した。2歳4か月時、Total cavopulmonary connection(TCPC)の方針となり、心外導管のルーティングについて検討した。肝静脈が椎体の左側にあるため、導管を右側に通して作成すると椎骨や心室によりルートが圧迫される可能性が考えられた。一方で、左側に作成すると、ルートが長く屈曲することやTCPS吻合部近辺の肺動脈形成が必要となると予想され、どちらの術式を選択しても導管狭窄やhepatic factorの分布に偏りが生じる可能性があったため、肝静脈-半奇静脈吻合を選択した。術後1ヶ月時に施行した心臓カテーテル検査では、肝静脈圧 11 mmHg, 半奇静脈圧 9 mmHg, 肺動脈圧 8 mmHgで、肺動静脈瘻の発生はなく良好なFontan循環を維持していた。【結語】下大静脈欠損を伴う左側相同に対して肝静脈-半奇静脈吻合を行い、その後も良好なFontan循環を確認した。肝静脈-半奇静脈吻合は、下大静脈欠損の症例に対する右心バイパスの有効な吻合方法である。
著者
奥田 将生 磯谷 敦子 上用 みどり 後藤 奈美 三上 重明
出版者
Brewing Society of Japan
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.104, no.2, pp.131-141, 2009 (Released:2016-01-18)
参考文献数
20
被引用文献数
7 6

鑑評会の出品酒を実験材料として,窒素(N)や硫黄(S)含量と50°C1ヶ月間貯蔵後のポリスルフィド生成量の関係を検討した。清酒中のNとS含量には強い正の相関関係がみられ,清酒中の硫黄化合物の多くは原料米のタンパク質に由来することが推察された。また,全硫黄化合物の2~5割がアミノ酸であることがわかった。50℃1ヶ月貯蔵により生成するポリスルフィドについて,DMDSは全試料で検知閾値以下であったが,DMTSは約半数の試料において検知閾値を上回った。貯蔵前清酒中の成分との関係において,DMTS,DMDS含量は,全N及びS含量,アミノ酸態のNやS含量に有意な正の相関関係がみられた。各成分間の偏相関分析の結果,着色度の増加には全Nとグルコース含量が深く関係するのに対し,ポリスルフィドの生成にはアミノ酸態のS含量が深く関係することが示唆された。以上から,硫黄化合物の多い清酒は老香が生じやすいというこれまでの推定を成分的に裏付ける結果が得られた。
著者
濱崎 俊光 磯村 達也 大瀧 慈 後藤 昌司
出版者
Japanese Society of Applied Statistics
雑誌
応用統計学 (ISSN:02850370)
巻号頁・発行日
vol.28, no.3, pp.179-190, 1999-03-31 (Released:2009-06-12)
参考文献数
33
被引用文献数
2 1

本稿では,Box & Cox(1964)が提案したベキ変換について,これまでに提案されている諸種のベキ変換の変型を概観した.また,正確に恒等変換(無変換)を含むように変換公式を修正したベキ変換の性質を,無構造データと有構造データの場合にわけて尤度関数とパラメータの推定値について修正を施さない通常の変換と比較し検討した.ベキ変換パラメータに依存したシフトは,無構造データの場合に平均のみに影響を及ぼし,有構造データの場合では変換後に想定されるモデルに定数項を含めることでモデルに固有のパラメータへの影響を回避できた.
著者
三川 健太 後藤 正幸
出版者
公益社団法人 日本経営工学会
雑誌
日本経営工学会論文誌 (ISSN:13422618)
巻号頁・発行日
vol.66, no.4, pp.335-347, 2016 (Released:2016-02-16)
参考文献数
24

入力データの統計的特徴を考慮した距離計量を学習するための手法としてDistance Metric Learnig(以下,計量距離学習)が提案されている.計量距離学習では,適切な制約条件のもとで,繰り返し法による最適化問題を解くことにより最適な計量行列を学習する.しかしながら,一般的な計量距離学習手法では繰り返し毎に固有値分解を行うアルゴリズムを採用していることが多く,学習データの次元数が増加した場合には計算量が大幅に増加し,現実的な時間で最適解を得ることが難しい.また,これらの手法では学習データ全体に対し唯一の計量行列の存在を仮定しているため,学習データの統計的特徴を考慮することが難しいという問題点も存在している.これらの問題点を改善するため,本研究ではカテゴリ毎に複数の計量行列の存在を仮定し,その学習方法について提案を行う.各カテゴリの計量行列導出時にはカテゴリ間の特徴の差異を考慮した定式化を行うとともに繰り返し法を用いずに最適解を得る方法についても述べる.提案手法により得られた計量行列は各カテゴリの統計的特徴を保持していると考えられるため,これらの情報を活用したデータの分類方法についても提案を行う.提案手法の有効性を,低次元密なデータセット,ならびに高次元スパースなデータセットを用いることで示す.
著者
後藤 富朗 大野 永貴 平野 智 桜井 優
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.64, no.11, pp.1647-1654, 2010-11-01 (Released:2011-02-01)
参考文献数
20
被引用文献数
1

In accordance with the recent improvement in the quality of image displays, digital image compression artifacts are more visible than ever. Moreover, a lot of studies have been done to remove the artifacts such as blocky noise and mosquito noise. Among them, the total variation (TV) regularization approach proposed by Alter is considered to be one of the most successful. In this approach, the TV is regularized under constrained conditions, making it possible to efficiently remove the artifacts included by quantizing DCT coefficients.In this paper, unlike Alter's approach, an image is decomposed into a structure component and a texture component using the ROF TV regularization, and blocky noise and mosquito noise are moved in the texture component. Then, by filtering it using the deblocking edge filter, blocky noise can be removed. Furthermore, by controlling the selective filters using edge information obtained from the structure component, mosquito noise can be removed. Also, the reconstructed image is obtained to compose a filtered texture component and a structure component. An advantage the proposed method has over Alter's approach is it removes the artifacts without removing small texture signals. The experimental results show that the proposed method produces fine images subjectively and objectively. Also, the proposed method can be applied for not only JPEG-compressed images but also DCT-based compressed images such as MPEG and H.264.
著者
巽 俊彰 後藤 正和
出版者
日本万国家禽学会
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.8-13, 2010 (Released:2011-05-10)

鶏舎壁面や飼育器材への付着、および鶏舎に浮遊する粉塵等の有機物に付着した病原体による感染症を防除する対策として、器材の浸漬消毒や鶏舎内の噴霧消毒がある。本研究では、次亜塩素酸ナトリウム水溶液を塩酸でpH7.0に調整した中性次亜塩素酸水(以下NAHSと記す)の浸漬および噴霧消毒液としての有用性を4つの試験により検討した。最初に、Salmonella Enteritidis(以下SEと記す)に対するNAHS(残留塩素濃度50、80、200 ppm)の試験管内消毒効果を調べた。対照として既存の消毒剤である[モノ、ビス(塩化トリメチルアンモニウムメチレン)]アルキルトルエン製剤、塩化ジデシルジメチルアンモニウム製剤(以下消毒剤Bと記す)の0.05%液と0.2%液を使用した。その結果、残留塩素濃度50ppm以上のNAHSおよび消毒剤B 0.2%液は、有機物が共存していても10秒でSE菌は検出されなかった。次に、NAHS(残留塩素濃度90ppm)および消毒剤B 0.2%液の噴霧が、ろ紙に付着した黄色ブドウ球菌(以下SAと記す)数・大腸菌(以下ECと記す)数に及ぼす影響を有機物が共存した条件で検討した結果、消毒剤B 0.2%液ではSA数が2.16×10(5)CFU/ml、EC数が2.72×10(5)CFU/mlに対し、NAHSではSA数が2.24×10(4)CFU/ml、EC数が4.40×10(4)CFU/mlであった。また、有機物が共存した条件で飛散したSA数・EC数に及ぼす影響を検討した結果、1分間の感作時間で消毒剤B 0.2%液ではSA数が134CFU、EC数が112CFUに対し、NAHSではSAが検出されず、EC数が10CFUであった。さらに、飛散したSA数に及ぼすNAHSの噴霧による影響を検討した結果、1分間の感作時間で無噴霧の1114CFUに対して、NAHS(残留塩素濃度50ppm)の噴霧量が5mlでは79CFU、10mlでは26CFU、20mlでは6CFUで、噴霧量の増加に伴い菌数の減少する傾向が認められた。以上の結果から、NAHSは浸漬および噴霧による消毒効果が認められた。今後は、養鶏分野におけるNAHSの適正な濃度、浸漬時間および噴霧量などを検討する必要がある。
著者
五十川 直樹 坂本 亘 後藤 昌司
出版者
日本計算機統計学会
雑誌
計算機統計学 (ISSN:09148930)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.1-13, 2012-12-12 (Released:2017-05-01)
参考文献数
12

Bayes流接近法の枠組みでは,状況に応じてさまざまな事前分布を設定できる利点があるが,評価すべきモデルの数は多くなる.そのため,モデル診断を行う場合には予め適用場面で表れるモデル診断法の特徴を理解しておく必要がある.本稿では予測に焦点を向けた数少ないモデル診断法であるBayes予測情報量基準と予測点検接近法に注目し,これらの接近法の特徴を明確にする.シミュレーションを通して効果的な診断方法を提示することを試みた.その結果,本稿で想定した場面では,事前平均が真値か否かに関わらず,全体的にBayes予測情報量基準は事前情報が多い場面で低い値を示し,予測点検接近法は事前情報が少ない場面で高い予測点検確率を示した.すなわち,診断法を適用する場面によっては事前平均が真値でないモデルが選択されることが危惧される.適切なモデルを選択するためには,適用場面における各Bayes流予測モデル診断法の特徴を明確にすることが必要であり,各診断法の併用を含む診断方法の検討がモデル評価を行う前に重要になる.
著者
李 鳳春 牟田 耕一郎 崔 承日 長野 光之 後藤 達郎 鵜池 直邦 小鶴 三男
出版者
一般社団法人 国立医療学会
雑誌
医療 (ISSN:00211699)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.17-19, 1997-01-20 (Released:2011-10-19)
参考文献数
6

当科を受診した骨髄異形性症候群(MDS)患者27名の臨床検査所見を, 再生不良性貧血(AA)患者の検査所見と比較検討した.MDS症例では, AA患者と比較して, 貧血の程度に差を認めないにもかかわらず, LDH値の有意な増加を認めた(P<0.01). これは, MDS患者でみられる貧血の原因として, 無効造血が存在することを示唆するものである. 無効造血の原因として, 細胞のアポトーシスが近年注目されている. MDSの場合も, 赤芽球系の細胞が骨髄内でアポトーシスに陥っている可能性が考えられる.