著者
久保 俊一 新井 祐志 高橋 謙治
出版者
京都府立医科大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

分子シャペロンであるheatshockprotein70(HSP70)は,低酸素環境に対するストレス応答機構として軟骨細胞に誘導され,基質代謝を亢進し,細胞を保護していた.われわれは,関節軟骨にHSP70を安全に,効率的に誘導する方法としてアミノ酸であるグルタミンを関節内注射し,すでに臨床応用されているマイクロ波で温熱刺激を加える方法を開発した.このHSP70誘導療法は,動物実験で変形性関節症の進行を抑制した.グルタミンと温熱療法を併用したHSP70誘導療法は変形性関節症の新規保存療法として臨床応用につながる可能性がある.
著者
新井 祥穂 永田 淳嗣
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
E-journal GEO (ISSN:18808107)
巻号頁・発行日
vol.12, no.2, pp.192-208, 2017 (Released:2017-12-01)
参考文献数
14
被引用文献数
1

2000年代以降,国産紅茶の生産が拡大している.本稿は紅茶の栽培好適地とされる沖縄を例に,その生産者群の経営的・技術的性格を明らかにした.生産者群は,緑茶生産本位の生産者と「プレミアム紅茶」を追求する生産者に大別された.前者の生産と販売が,緑茶生産におけるそれらの延長上にあったのに対し,後者は,紅茶に即した生産・販売体制を構築する.すなわち,生産においては労働手段を高度化せずに,生産者が技能性を発揮してこれを補う.販売では,商品のもつスタイルを明確化できる販路を新たに構築する.これらのため,前者には生産組織化の可能性があるが,後者はその契機に乏しい.国産紅茶の廉価品市場が成立していない日本においては,前者と後者の間は段階的関係としてとらえられるであろう.
著者
新井 紀子
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.12-19, 2009

情報・システム研究機構国立情報学研究所では,研究者向けサイエンス2.0基盤サービスResearchmap.jpを公開する。本サービスは研究者に対して,研究ホームページを公開するための領域である「マイポータル」のほか,バーチャルなデスクトップの機能を果たす「マイルーム」,他の研究者と共同研究や委員会活動をするためのコミュニティーを提供する。マイポータルには研究者履歴(Curriculum Vitae)を公開するためのテンプレートのほか,研究ブログ,資料配布用キャビネット,動画配信ツールなどが備えられており,研究者はその中から自分を表現するためのツールを自由にチョイスし,効果的に情報発信を行うことができる。
著者
岩根 秀直 松崎 拓也 穴井 宏和 新井 紀子
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第27回全国大会(2013)
巻号頁・発行日
pp.2A42, 2013 (Released:2018-07-30)

数式処理は浮動小数点計算を用いる数値計算とは異なり 計算機上で誤差の生じない代数計算を実現する. 数式処理により入試数学問題を正確に解くことが実現できる. 本稿では, 入試問題の解法のための数式処理手法の紹介と 言語処理との接合における定式化や計算量などの課題について述べる.
著者
遠藤 史郎 山田 充啓 矢野 寿一 北川 美穂 平潟 洋一 賀来 満夫 徳田 浩一 八田 益充 國島 広之 猪俣 真也 石橋 令臣 新井 和明 具 芳明 青柳 哲史
出版者
一般社団法人 日本環境感染学会
雑誌
日本環境感染学会誌 (ISSN:1882532X)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.50-56, 2012
被引用文献数
1 3

&nbsp;&nbsp;2011年3月11日の東日本大震災に伴う宮城県名取市館腰避難所においてインフルエンザアウトブレイクが発生した.同避難所では200名の避難者が共同生活を営んでおり,40%が65歳以上の高齢者であった.初発例発生から5日目の4月8日当避難所の巡回診療を行っていた名取市医師会会長よりインフルエンザアウトブレイクに対する介入要請があり,対応策構築のために同避難所へ介入した.介入時既に,non-pharmaceutical interventions: NPIとして,発症者全員の隔離が行われていたが,隔離以外の手指衛生をはじめとするNPIは十分には行われていなかった.一方で,計22名への予防投与が行われていた.したがって,NPIを中心とした基本的対策の強化(ⅰ:マスク着用率の向上,ⅱ:手指衛生の適切な実施の啓発,ⅲ:換気の実施,ⅳ:有症状者の探知および発症者家族のモニタリング強化,ⅴ:発症者の隔離)を現場スタッフと確認し,一方,現場医師と予防投与は基本的対策を徹底したうえで,なお,感染が拡大した場合のみ考慮すべき対策であること,また,その範囲・適応などに関して協議した.4月13日,2度目の介入を行い新規発症者は18日の1人を最後に終息した.避難所におけるインフルエンザアウトブレイクは過去にも報告が少なく,初めての経験であった.予防投与はあくまで補助的な方策であり,アウトブレイクの規模や感染リスクを考慮し,さらにNPIの強化徹底を行った上で行うことが必要であると考えられた.<br>
著者
生田 太 出口 広紀 岡本 貢一 名古屋 幸司 佐藤 史也 水沼 由貴 金子 礁 新井 恵実 蒲田 和芳
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.30, no.3, pp.339-344, 2015 (Released:2015-07-07)
参考文献数
25
被引用文献数
1 1

〔目的〕変形性膝関節症(膝OA)を有する高齢者の膝内転モーメントや活動性に対するRRR(膝回旋エクササイズ)プログラムの効果を明らかにすることを目的とした.〔対象〕膝OAを有する女性高齢者を無作為に割り付け,被検者数は慣習エクササイズ群12名,RRRプログラム群9名であった.〔方法〕介入前後で歩行時の膝内転モーメントとKOOS,SF-36の計測を実施した.〔結果〕SF-36はRRRプログラム群の方が有意に向上した.KOOSと膝内転モーメントに群間差は認められなかったが,膝内転モーメントはRRR群にて減少傾向であった.〔結語〕RRRプログラムは膝OA患者の生活向上に効果的であることが示された.
著者
新井 彬子 浅田 瑛
出版者
日本スポーツマネジメント学会
雑誌
スポーツマネジメント研究 (ISSN:18840094)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.7-18, 2018 (Released:2019-01-19)
参考文献数
60
被引用文献数
1 1

This article presents an overview of athlete branding research. Managing athletes as brands has become an important managerial and academic topic in sport management. However, the number of studies specialized in athlete branding is still limited. By reviewing the paradigm shifts of branding research in the mother field of marketing, the article attempts to identify the research gap in athlete branding research. Other recommendations to stimulate future research in athlete branding are provided.
著者
新井 春美
出版者
日本マクロエンジニアリング学会
雑誌
MACRO REVIEW (ISSN:09150560)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.2_33-2_39, 2011 (Released:2011-03-16)
参考文献数
11

今日、水は危機的な状況にあり、水をめぐる戦争が中東、とくにトルコとシリア間で起きると予測されてきた。実際にトルコは水問題を他の外交問題と関係づけ、水問題の解決を遅らせてきた。しかしトルコ•シリア間の外交関係の改善によって、水問題に関するETICという多国籍の枠組みが形成されることになった。これによって両国間の水問題解決への展望に期待が持てるようになってきた。

2 0 0 0 OA 古易断時言

著者
新井白蛾 著
出版者
亀谷竹二
巻号頁・発行日
vol.巻3,4, 1888

2 0 0 0 OA 古易断時言

著者
新井白蛾 著
出版者
亀谷竹二
巻号頁・発行日
vol.巻1,2, 1888
著者
新井 幸佳 星野 恭子
出版者
一般社団法人 日本小児神経学会
雑誌
脳と発達 (ISSN:00290831)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.55-56, 2015 (Released:2015-03-20)
参考文献数
7

症例は7歳女児, 自閉性障害と診断, Wechsler intelligence scale for children-IIIの結果, full scale intelligence quotient 57・verbal intelligence quotient 58・performance intelligence quotient 64, 特別支援学級に所属. 初診時こだわりが強く会話はほとんどできなかった. 受診1カ月後から前頭葉機能改善を目的に少量L-ドパ療法開始, 2カ月後から心理士がsocial skill training (SST) 開始.  初回は同じ質問が多く会話が困難, 視線が合わず無表情であったが, 2回目以降目線を合わせた会話ができ, 4回目頃からやり取りが可能となる. 課題に集中でき物事への意欲も向上. 現在は語彙が増え, 喜怒哀楽を表現できる等コミュニケーションの幅は広がっている. 1年半後の知能検査は改善し, 2年後の神経学的診察所見の改善を認めた. また, 保護者の児への理解も深まった.  本児の変化は, 少量L-ドパ療法とSSTの併用により前頭葉症状を含めた広範囲の高次脳機能が改善したことによると考えられ, 自閉性障害の社会性の改善に有用な治療であると考えられた.
著者
新井 信 佐藤 弘 代田 文彦
出版者
社団法人日本東洋医学会
雑誌
日本東洋醫學雜誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.247-254, 2000-09-20
参考文献数
12
被引用文献数
2

軽症のSLEと診断され, 顔面, 頭部および背部の皮疹と脱毛を主訴に来院した26歳の女性患者に対し, 小柴胡湯合黄連解毒湯加〓苡仁を用いて治療した。その後の経過として, 紅斑, 脱毛, 光線過敏症などの皮膚症状が消失したうえ, 初診時に640倍を示していた抗核抗体が約2年後には陰性化した。さらに, 約1年間休薬しても皮膚症状が再燃せず, 抗核抗体もほとんど再上昇しなかった。調べ得た限り, SLEに対して漢方薬単独で治療して抗核抗体が陰性化した報告, 小柴胡湯合黄連解毒湯あるいはその加味方で治療した報告はなかった。<br>以上のことから, 本例は軽症のSLEの一部, あるいはSLEと診断できず, 西洋医学的にステロイド治療の対象とならない疑SLE症例に対して, 漢方薬を試みる価値があることを示唆する興味深い症例と考えられた。
著者
渋川 直也 五味 一博 飯野 史明 金指 幹元 鈴木 丈一郎 大島 朋子 前田 伸子 新井 高
出版者
JAPANESE SOCIETY OF ORAL THERAPEUTICS AND PHARMACOLOGY
雑誌
歯科薬物療法 (ISSN:02881012)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.83-90, 2003-08-01 (Released:2010-06-08)
参考文献数
39
被引用文献数
3

Azithromycin is an azalide antibiotic, which has a strong effect on a wide variety of oral bacteria. It is taken up by phagocytes and is released over a long period in the inflamed tissue. This study investigated the clinical and microbiological effects, and measured the drug concentration in gingival of periodontal patients systemically administered azithromycin. The subjects were 26 adults diagnosed with periodontitis and given azithromycin (zithromac®) 500 mg once daily for 3 days. Clinical parameters such as PD, GI, BOP and GCF were examined at days 0, 7, and 14, and subgingival plaque was collected by paper points at days 0, 4, 7 and 14. The total number of cultivable bacteria was counted and six of the periodontopathic bacteria —Porphyromonas gingivalis, Actinobacillus actinomysetemcomitans, Bacteroides forsythus, Prevotella intermedia, Prevotella nigresence, and Toreponema denticola—were assessed by the PCR method. The lining gingiva of periodontal pocket was collected by pocket curettage at days 4 and 7. The azithromycin concentration was measured by agar diffusion bioassay.The total number of bacteria was significantly decreased at days 4 and 7, but was slightly increased at day 14. Continuous reduction of the six bacteria was recognized until day 14 by PCR. These bacteria were not detected at day 14 without Porphyromonas gingivalis. This result might be due to improvement of anaerobic condition caused by pocket reduction. The azithromycin concentration in the lining gingival tissues of periodontal pocket was 2.92±1.97μg/g at day 4 and 1.27±0.95μg/g at day 7. Half the drug concentration was still detected at 7 days after the first administration in inflamed gingiva.These results indicate that azithromycin may be a useful adjunct agent for adult periodontitis. In the future, we will consider a new periodontal therapy using this behavior of azithromycin.
著者
新井 賢一 原山 卓久 砂田 哲 デイビス ピータ
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLP, 非線形問題 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.117, pp.53-58, 2012-06-28

確率的挙動を生成する装置としてカルトンボードが古くから知られている.ここでは数理的カルトンボードモデルの出力結果の予測不可能性について報告する.カルトンボード中のボールの運動は決定論的な運動方程式に従うが,不可避な初期状態の不確かさが存在し,出力結果が予測不可能になる場合がある.出力状態の初期状態空間におけるベイスンの構造と初期状態不確定性の大きさから,予測不可能性をより精密に調べた.まず,このモデルはフラクタルなベイスン構造を持っており,任意の小さな不確定に関しても予測不可能性をもつことを示した.次に,予測不可能性の定量的な議論を初期条件鋭敏性,統計的偏りの観点から行った.さらに,これらの結果から予測不可能性についての基準を決めると,それを満たすためのボールの半径を決めることができることを示した.
著者
新井 亘 上田 恵子 岡添 進 矢吹 直寛 小林 理栄 松木 祥彦 矢嶋 美樹
出版者
Japanese Society for Infection Prevention and Control
雑誌
日本環境感染学会誌 (ISSN:1882532X)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.142-148, 2012

上尾中央医科グループ薬剤部では,感染制御専門薬剤師を育成する支援として,2006年度から定期的に研修会を開催している.2010年度からは,日本病院薬剤師会の感染制御専門薬剤師または感染制御認定薬剤師にて運営委員会を結成した.年度始めに研修会の参加者を募り,感染制御チームの活動や感染症治療の症例の提出を依頼した.<br>   2010年度は19施設から36名の参加者があり,47事例を収集した.その中から運営委員会の委員(以下,運営委員)にて薬剤師が日常的に遭遇する16事例を選択し,発表者を定めるなどの年間計画を立案した.事前に運営委員にて研修資料を基準に基づいて内容の確認を行い,必要に応じて修正を依頼した.研修会は年間4回開催し,少人数による討論形式で行った.36名中25名が4回通して継続した参加であった.参加者を対象とした研修後の調査では,薬剤師の感染制御に関する関心が高かった.年度末に行った感染に関連する業務の実施率の調査では,研修会参加施設群において不参加施設群と比較して高かった.研修によって施設間の情報の共有や感染対策の支援体制が促進し,対応の多様性を検討することができる内容であると思われる.感染制御専門薬剤師または感染制御認定薬剤師が研修会を運営することは,専門特化した人材育成のために重要な任務を担っているといえる.<br>
著者
新井 馨
出版者
美術科教育学会
雑誌
美術教育学:美術科教育学会誌 (ISSN:0917771X)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.1-14, 2019 (Released:2020-04-28)
参考文献数
86

現代美術を美術教育へ取り入れた実践研究,あるいはその有用性や表現形式などの研究は数多くあるものの,目的とするところは多様である。そこで,本稿では現代美術の美術教育への取り入れに関する論文をとりあげ,研究の蓄積を整理し動向と課題を報告する。文献の収集方法と範囲は学術情報データベースCiniiによる検索を行い,対象年代は1958年から2017年とした。検索では「現代美術」「教育」をキーワードとして関連文献を収集した結果,100稿の論文が存在した。これらの論文を,年代別,対象者別,テーマ別に整理し課題を検討した。その結果,1.議論されるテーマに偏りがある,2.多くの実践や理論の対象に幼児・小学校の扱いが少ない,3.現代美術をどう取り入れどういった力が培われるかが明確でない,ことの3点が課題として明らかになった。
著者
神田 良照 山下 隆司 佐々木 寿人 新井山 忍
出版者
一般社団法人 粉体工学会
雑誌
粉体工学会誌 (ISSN:03866157)
巻号頁・発行日
vol.24, no.10, pp.635-639, 1987
被引用文献数
1

In order to study the relationship between grindability and particle shape, eight kinds of particle sizes and the seven kinds of shape indices of feed particles and unfractured particles were measured after impact crushing. The samples used were quartz and limestone. The size of particles ranged from 4 to 6 meshes.<br>As a result, the shape indices defined by (N/T), (L/T) and (F/T) are useful to characterize the grindability of particles.