著者
新井 雅隆 天谷 賢児 長倉 邦仁
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. B編 (ISSN:03875016)
巻号頁・発行日
vol.64, no.622, pp.1925-1931, 1998-06-25
被引用文献数
2

Laser induced fluorescence method was applied for the measurement of NO concentration in the propane and methane diffusion flames. A tunable, narrow band ArF excimer laser was used to excite the D (υ′=0) ←X (υ″=1) band of NO molecule. Emission spectrum of the induced light by a laser beam was measured by a spectroscope. Spectrum of the induced light from the diffusion flame was compared with that of the premixed flame. Although the spectrum had only NO fluorescence components on premixed flame, a lot of strong spectrum components related to the laser induced incandescence of the soot and laser induced breakdown appeared in the spectrum from the diffusion flame. NO fluorescence component was picked out from the emission spectrum with traversing the irradiate position of laser beam in order to obtain the accurate distribution of NO fluorescence on the flame axis. In this paper this method was named as S-LIF method. A planer laser induced fluorescence (P-LIF) method was tried to measure the distribution of NO fluorescence on the flame axis. In the P-LIF method, an interference filter was used to remove the obstructive light component from the LIF image. NO fluorescence distribution measured by P-LIF method was compared with that of S-LIF method. As the result, the P-LIF image qualitatively agreed with the data of S-LIF. It was confirmed that the interference filter did not remove completely the obstructive light components.
著者
一場 利幸 津金 佳祐 新井 正樹 田原 司睦
雑誌
研究報告ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC) (ISSN:21888841)
巻号頁・発行日
vol.2019-HPC-168, no.17, pp.1-5, 2019-02-26

近年,HPC 用途の ARM プロセッサが開発されており,注目が集まっている.そのため,AArch64 をターゲットとしたコンパイラの最適化機能の重要性が増している.しかし,コンパイラ基盤 LLVM の AArch64 向け最適化は,GCC に比べて不十分であることが報告されている.具体的な例の 1 つとして,LLVM は,GCC に比べて多くのスピルコードを挿入する.LLVM が生成したコードを分析すると,空いているレジスタがあるにも関わらず,スピルコードが挿入される場合があった.本研究では,LLVM で挿入される不要なスピルコードについて述べ,それらを削減する方法を提案する.これは,従来通りに LLVM のレジスタ割付けを行った後に,その結果を変更してスピルコードを削減する方法である.2 パターンの不要なスピルコードに対して,提案方法を NPB に適用した結果,パターン 1 については平均 1.25%,パターン 2 については平均 2.87% のスピルコードを削減できた.
著者
新井 敏康
出版者
一般社団法人 日本数学会
雑誌
数学 (ISSN:0039470X)
巻号頁・発行日
vol.40, no.4, pp.322-337, 1988-11-14 (Released:2008-12-25)
参考文献数
118
被引用文献数
1
著者
糸川 昌成 瀧澤 俊也 新井 誠
出版者
公益財団法人東京都医学総合研究所
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2010-04-01

GLO1のrare variantから同定された統合失調症のカルボニルストレスは、一般症例の40%でも検出された。カルボニルストレス陽性症例の臨床特徴については、カルボニルストレスを反映する二つの有力なバイオマーカー候補分子であるペントシジンとビタミンB6を用いて163名の統合失調症患者を4群に分類し、統合失調症の精神症状評価尺度である PANSS を実施して臨床特徴を比較検討した。その結果、カルボニルストレスを呈する患者群では、カルボニルストレスの無い患者群と比較して、入院患者の割合が高く、入院期間が4.2倍と長期に及び、投与されている抗精神病薬の量が多いという特徴が明らかになった。
著者
新井 宏和
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.69, no.2, pp.84-88, 2019-02-01 (Released:2019-02-01)

NHKアーカイブスはラジオ放送開始から90年,テレビ放送開始から60年余りの間に作られた番組や素材,台本などを,貴重な資産として次世代に伝えていく役割を担っている。2003年に埼玉県川口市にニュース・番組保存の中核施設としてNHKアーカイブスが竣工して以来,2013年には放送システムにあわせてファイルベースの保存システムに更新されるなど,NHKアーカイブスは時代に合わせ進化を続けている。本稿では,〈保存〉,〈活用〉,〈公開〉の3つの役割に分けて,105万時間以上の映像・音声資産を保存するNHKアーカイブスの現在を紹介したい。
著者
網岡 尚史 渡邊 敦之 大塚 寛昭 赤木 達 麻植 浩樹 中川 晃志 中村 一文 森田 宏 小谷 恭弘 新井 禎彦 笠原 真悟 佐野 俊二 伊藤 浩
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.49, no.SUPPL.1, pp.S1_110, 2017-08-28 (Released:2018-08-28)

症例は17歳男性.4年前より運動時に胸痛,失神を認め,症状は増悪傾向であった.他院にて電気生理学的検査まで含めた諸検査を施行するも原因不明であり当院に紹介,入院精査となった.入院時に施行したトレッドミル負荷試験にて心電図上,aVRにST上昇が出現,補充調律に移行,また著明な血圧低下,胸部絞扼感,前失神症状を呈した.冠動脈の器質的異常を疑い冠動脈CTおよびCAGを施行したところ左冠動脈は右冠尖起始であり,主幹部は大動脈と肺動脈に挟まれ圧迫,変形していた.失神の原因は左冠動脈圧排による虚血と診断し心臓血管外科に紹介,手術加療の方針となった.冠動脈起始異常は臨床上,しばしば認められる先天的異常であるが,若年者の突然死の原因ともなり得る.若年者における繰り返す失神の一因として冠動脈起始異常は考慮すべきと考えられ,啓蒙的に報告する.
著者
新井 武利 濱島 肇 笹津 備規
出版者
Japanese Society of Chemotherapy
雑誌
日本化学療法学会雑誌 (ISSN:13407007)
巻号頁・発行日
vol.44, no.10, pp.786-791, 1996
被引用文献数
9

黄色ブドウ球菌<I>Staphylococcus aureus</I> FDA 209Pに対するリノール酸, オレイン酸, 局方ツバキ油, 精製ツバキ油, オリーブ油, 精製ホホバオイル, スクワランおよび流動パラフィンの増殖抑制作用を検討した。これらの試料を培地に加え80μg/mlにしたものを標準液としてさらに培地を加え, 二段階希釈系列を作製した。一夜培養後の菌液を1.0×10<SUP>7</SUP>cfu/mlになるようそれぞれに加えた。光学的に菌の増殖を測定し, 試料による増殖抑制作用を測定した。その結果, リノール酸, オレイン酸および局方ツバキ油には強い増殖抑制作用が認められた。精製ツバキ油とオリーブ油には比較的弱い増殖抑制作用があった。精製ツバキ油の50%阻止率 (ID 50) を脂肪酸および他の植物油脂のID50と比較した。ID50の比較により精製ツバキ油にはオリーブ油よりも強い増殖抑制作用があることが明らかになった。精製ホホバオイル, スクワランおよび流動パラフィンは測定した濃度では増殖抑制は認められなかった。精製ツバキ油とオリーブ油はアトピー性皮膚炎の皮膚病変部のスキンケアに有用であろう。
著者
木脇 奈智子 棚山 研 新井 康友
出版者
藤女子大学
雑誌
藤女子大学紀要. 第II部 (ISSN:13461389)
巻号頁・発行日
vol.48, pp.133-147, 2011-03

This study is a part of the lifestyle fact-finding for elderly residents living alone in the Senboku-New Town in Osaka. This report seeks to clarify what forms of economic poverty and isolation are actually being experienced, with particular reference to the influence of human networks. We report interviews with 10 elderly residents living alone, performed in August 2008, together with our analysis and consideration of the results. The results revealed the following: 1) the construction of human networks was greatly influenced by status, previous occupation, gender and other factors, 2)economic resources can become network resources, but these tend to promote network construction in other, more distant, areas rather than among neighboring acquaintances, and 3) there was a tendency for women than for men to have more local acquaintances and to make networks among neighbors more easily. The future problem is how to promote discussion as to how best to support the elderly living alone.
著者
新井 康友
出版者
中部学院大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

東海地区にあるすべての地域包括支援センターを対象に、高齢者の孤 立死事例の実態調査を行った。その結果、大都市に限らず、小都市でも孤立死が発現していた。 また、一人暮らし世帯に限らず、同居世帯でも孤立死した事例があった。孤立死問題の本質は、社会的孤立した果てに死亡した「社会的孤立死」が問題なのである。孤立死を予防するための 活動としては、NPO法人や生活協同組合が行う活動が高齢者の孤立の予防の役割を果たして いた。
著者
新井 佑朋
出版者
日経BP社
雑誌
日経ドラッグインフォメーションpremium
巻号頁・発行日
no.151, pp.60-64, 2010-05

1994年に明治薬科大学薬学部を卒業後、国内大手のOTC薬メーカーに勤務し、OTC薬学術担当、医療用医薬品安全性情報担当などを務める。2006年より薬局・薬店に勤務し、OTC薬の相談販売に取り組んでいる。現在、無料メールマガジン「おもいっきり具体的! 薬局の薬の豆知識」を好評配信中。登録はhttp://yuho.main.jp/から。
著者
新井 英夫
出版者
THE SOCIETY OF PHOTOGRAPHY AND IMAGING OF JAPAN
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.76, no.1, pp.8-10, 2013

東日本大震災(2011)後,津波被災写真に著しいカビ被害が発生していた.筆者は,文化財の保存に活用している水溶性・非蒸散性の防菌防黴剤 ホクサイドR-150(北興産業(株))の応用を考えた.ホクサイドR-150は,クロロメチルイソチアゾリノンとメチルイソチアゾリノンの混合剤である.本実験は,被災写真をホクサイドR-150 1.0%を含有する保存環境除菌剤JE-120に浸漬処理するにあたって,写真材質への影響に留意して防カビ効果を検討した.<br>
著者
阿賀 美穂 宮田 学 牛尾 知恵 吉實 知代 有安 利夫 新井 成之 太田 恒孝 福田 恵温
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 : Nippon shokuhin kagaku kogaku kaishi = Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.54, no.8, pp.374-378, 2007-08-15
参考文献数
17
被引用文献数
1

トレハロースが口腔内細胞を酸やタバコなどの傷害物質から保護するかについて検討した.培養ヒト細胞粘膜モデルに酸またはタバコ煙成分と同時にトレハロースを添加し,傷害の程度を形態的または定量的に評価した.その結果,トレハロースには,酸またはタバコ煙成分による傷害から細胞を保護する作用があることが示された.これらのことより,のど飴等へのトレハロースの配合添加の有用性が示唆された.
著者
新井 克弥 Katsuya ARAI
雑誌
宮崎公立大学人文学部紀要 = Bulletin of Miyazaki Municipal University Faculty of Humanities
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.1-12, 2007-03-20

80年代、分衆/少集論を中心に展開した消費社会論は現代思想、マーケティング、社会学等様々な分野で議論と対象となり、その間続いたバブル景気の理論的な援護射撃を演じた。だがバブル崩壊とともに、その有効性は失われ、これら議論が展開されたこと事態がすでに過去のこととなっている。そこで、本論ではこのような消費社会論がなぜ発生したのか、そして、どのような変容を遂げ今日に至っているのかをボードリヤール理論の受容過程を辿ることで明らかにすると同時に、現代人のコミュニケーション行動との関連での今日的な有効性について考察する。
著者
増田 浩通 菊池 晋矢 新井 健
出版者
公益社団法人 日本経営工学会
雑誌
日本経営工学会論文誌 (ISSN:13422618)
巻号頁・発行日
vol.60, no.3, pp.128-144, 2009
参考文献数
21
被引用文献数
1

本研究は,消費者の購買意欲を誘い売り上げの向上を見込める小売店舗レイアウトをマルチエージェントシミュレーション(MAS)により分析・検証することを目的とする.研究対象としてドラッグストアを取り上げる.まずエージェントの購買行動が現実に近い状態を再現するよう店舗内空間行動モデルを作成し,現実の売り上げデータを用いて各パラメータの調整をする.さらに店舗レイアウトのうち次の3要因 1.購買時点広告(POP)の設置場所, 2.広告日替り商品置き場, 3.商品棚レイアウトに着目し,消費者の店内購買行動と店舗レイアウトの影響効果をMASにより分析し,売り上げがどのように変化するかをシミュレーションをする.最後にシミュレーションした結果と顧客アンケートを比較することで,シミュレーションの妥当性の検証を試みる.
著者
町田 洋 新井 房夫
出版者
公益社団法人 東京地学協会
雑誌
地學雜誌 (ISSN:0022135X)
巻号頁・発行日
vol.88, no.5, pp.313-330, 1979
被引用文献数
53 27

The eruptions of the Daisen Valcano (35&deg;22'N, 133&deg;33'E) were mainly rhyodacitic and of the paroxysmal type, producing several extensive sheets of tephra. The Kurayoshi pumice (DKP, for short), one of the excellent Late Pleistocene markers arising from the Daisen valcano, is rhyodacitic in composition with abundant hornblende and orthopyroxene crystals and relatively small amount of biotite. Its identification can be made from the above mentioned mineral assemblages as well as from the characteristic refractive index of orthopyroxene (&gamma;=1.703-1.708) and of hornblende (n<SUB>2</SUB> = 1.673-1.682) and the specific crystal habit of orthopyroxene. This pumice-fall deposit occurs on marine and fluvial terraces in the San'in and Hokuriku districts facing the Japan sea and extends eastward beyond the Northern Japan Alps to north Kanto plain as a thinner discontinuous layer. Stratigraphic relation with the dated tephra layers in north Kanto indicates that the pumice was probably deposited between about 47, 000 and 45, 000 years ago. That is, this pumiceous deposit is found at the intermediate horizon between Yunokuchi Pumice (UP, slightly younger than 49, 000 YBP) and Hassaki Pumice (HP, 40, 000-44, 000 YBP) in north Kanto, about 500 km far from the Daisen.<BR>Daisen Kurayoshi Pumice wonld be particularly valuable for establshing chronological framwork as a fundmental time-marker in arears where no suitable markers have yet been documented. Moranic deposit of the Murodo glacial advance at Mt. Tateyama, Northern Japan Alps, is mantled by this marker and overlies the Raicho-dai pumice-fall deposit, products of the earliest stage of volcanic activity of Tateyama III, which is correlated with the Omachi EPm deposit approximately 60, 000 years old. Distribution of these two unreworked tephras indicates that major valley glaciers had nearly disappeared by the times of these initial tephra falls. The glacial advance at Mt. Tateyama, the most extensive of the advances during Last Glacial age, therefore, apparently culminated between about 55, 000 and 50, 000 years ago. On the other hand, a filltop terrace repesented by Uwadan terrace along the River Joganji flowing from Mt. Tateyama, is covered by DKP and is nearly younger than the pyroclastic flow deposit of Tateyama III. Accumulation of the river of Uwadan stage is, therefore, simultaneous and probably associated with the Murodo glacial advance.
著者
西川 治 田村 俊和 太田 勇 新井 正 氷見山 幸夫 野上 道男
出版者
立正大学
雑誌
重点領域研究
巻号頁・発行日
1993

本総括班の主たる任務は、本研究の領域全体にわたる研究推進上の企画と運営、および各班間の連絡と調整、ならびに研究成果の公表等にある。平成5年度の具体的事項を以下に示す。1.総括班会議を1回、計画研究班長会議を6回開催して、研究成果のまとめ方と公開の方法について検討した。2.本年度行ったシンポジウムは次のとおりである(予定のものを含む)。(1)第5回公開シンポジウム「GIS教育(ワークショップ)」(於 慶應義塾大学)1993年5月15日講演者数6名、参加者約100名。(2)第6回公開シンポジウム「数値地図と環境」(於 東京都立大学)1993年7月7日講演者数7名、参加者約120名。(3)第7回公開シンポジウム「地域環境変化と地理処理システム」(於 慶應義塾大学・明治大学)1994年4月3〜5日(予定)3.本年度発光した印刷物は次のとおりである。(1)NCGIAのCoreCurricilumより、GIS技術論を翻訳し(383頁)、1993年5月に刊行した。(2)本重点領域研究の研究成果総括報告書(195頁)を1993年10月に刊行した。(3)GIS技術資料のNo.3とNo.4(合本で123頁)を1994年3月に刊行した。(4)研究成果をまとめたCD-ROM(2巻)を1994年3月に完成・配布を開始した。4.本重点領域研究の成果をもとにまとめたアトラス「日本の近代化と環境変化」の執筆と編集を行なった。刊行は1994年6月の予定である。加えて、研究成果に関する概説書の編集を行なっている。5.本研究の成果を踏まえて、IGBPの第7領域との関連をもたせた次期研究計画の策定を行なっている。
著者
新井 裕幸 倍味 繁 田原 俊介 伊藤 晋介 中原 夕子 守本 亘孝 小林 伸好 板野 泰弘 山口 高史 丹羽 一夫 関 二郎 志垣 隆通 中村 和市
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.144, no.3, pp.126-132, 2014 (Released:2014-09-10)
参考文献数
2
被引用文献数
1

医薬品の研究開発において,動物試験は新薬候補物質のヒトでの安全性および有効性を予測するために非常に重要なものである.また,3Rs(Replacement,Reduction,Refinement)の観点からも,より効率的に新薬候補物質の評価を行うことが必要である.このような理由から,疾患モデル動物には高い精度,再現性,ヒトへの外挿性を有することが求められている.日本製薬工業協会 医薬品評価委員会 基礎研究部会では,これまでの医薬品開発に貢献した疾患モデル動物について把握するとともに,今後の疾患モデル動物の開発に資することを目的として,加盟企業を対象にアンケート調査を行った.調査票では,これまでに新薬の開発等で使用した疾患モデル動物,使用によって得られた成果,使用の際に苦労した点および当該疾患モデル動物について改善されるべき点を尋ねた.さらに,今後期待される疾患モデルに関して意見を求めた.アンケートの回答は62 社中31 社から得られた.その結果,これまでに様々な疾患を対象とした医薬品の開発に多様な疾患モデル動物が使用されており,その多くの事例で疾患モデル動物の使用によって目的とする疾患に対する新薬候補物質の有効性が確認されていた.すなわち,新薬開発における疾患モデル動物の有用性と意義が改めて示された.使用の際に苦労した点としては,試験方法の至適条件の設定や疾患モデル動物作製の困難さ等に関する意見が多かった.各疾患モデル動物の改良すべき点としては,動物福祉の観点から動物に与えるストレスレベルのさらなる軽減,ヒトの病態や発症機序への類似性,薬効のヒトへの外挿性,ばらつきの程度,データの精度・再現性,モデル作製に要する手術等の高度な技術を必要としない簡便性が挙げられた.将来的な期待としては,ヒトの病態をより正確に反映した,外挿性の高いモデルの開発を期待するとの意見が多かった.本稿では,これらの調査結果の詳細を報告するとともに,動物試験および疾患モデル動物の役割,ならびに今後の展望について考察を加えた.