著者
新井 沙季 馬場 慎介 中井 泉 中村 和之 塚田 直哉
出版者
独立行政法人国立高等専門学校機構 函館工業高等専門学校
雑誌
函館工業高等専門学校紀要 (ISSN:02865491)
巻号頁・発行日
vol.52, pp.20-38, 2018 (Released:2018-01-31)
参考文献数
17

Production of lead silicate glass declined by 9th AD in Japan. Instead lead potash silicate glass (K2O-PbO-SiO2), a new compositional type of glass, flowed into Japan from China. Then lead potash silicate glass become a major glass type in the medieval period of Japan. Especially in Hokkaido, glass beads were favored by Ainu culture. So we focus on the circulation of glass in Hokkaido at the Ainu cultural period to understand the glass trade in relation with glass in Honshu. In this study, we analyzed glass beads excavated from sites in southern Hokkaido, which were important bases located between Honshu and central Hokkaido. The samples are excavated from archaeological sites at the periods from the 15th~19th century AD. The analytical results showed that these glass beads can be classified into two types – lead potash silicate glass (K2O-PbO-SiO2) and potash lime silicate glass (K2O-CaO-SiO2). These types of glass are also major types distributed in Hokkaido at the period of Ainu culture. In addition, we have found the presence of a large number of purple glass beads made of lead potash silicate glass utilizing antimony oxide as emulsifier. Interestingly, they are only characteristic to southern part of Hokkaido.
著者
市川 康夫 平田 一成 新井 寿枝 酒井 正雄
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.801-806, 1959-11-15

Ⅰ.まえおき わが国の過去の脳炎流行を振返つてみると,まず1918年のいわゆるスペイン風邪の世界的流行に引続いて起つたEconomo型類似脳炎の多発が挙げられる。文献によると,それは,若年者に多く発病し,経過は緩慢または潜在性で,多くは嗜眠状を呈し,複視が認められ,脳膜症状は軽度であつた1)2)3)4)。それらは,「嗜眠性脳炎」の流行として記載されたが,その病原体に関しては不明のままである。また周知のように1948年には,東京を中心として日本脳炎の全国的流行がみられた5)。ところで日本脳炎とEconomo型脳炎との異同については,Economo型脳炎の病原が不明であり,その後この型の脳炎の流行をみないので,今日未解決のままである。しかしいずれにしても臨床的には両者の病像はかなり異つているとされている5)6)。すなわち流行期によつて多少の差はあるが,Economo型脳炎が成年者を侵すのに対して日本脳炎は小児と老人に好発し,経過は遙かに急激で,1週間前後の高熱期を有し,意識溷濁がより強く,譫妄と昏睡が認められる。またEconomo型脳炎と異つて眼症状は軽度で,複視はまれであつて,脳膜症状が比較的著明である。流行状態は,Economo型が小流行であるのに対し,日本脳炎はしばしば大流行を示す。以上がわが国の流行性脳炎のおもなものであるが,その他に地域的な日本脳炎の流行,季節はずれの日本脳炎の散発,ポリオヴィルスによる脳炎の発生,また冬季の脳炎の散発7)などが報告されている。ところが独逸でも最近インフルエンザ流行に一致して多発した脳炎の臨床報告8)があつたが,それはわれわれの経験に甚だ近いものであることは面白い。 さて,周知のように1957年の春から秋にかけてA57型インフルエンザの全国的流行があつた。この流行と時を同じくして脳炎の疑いのおかれる患者が多数発生したとみられるが,われわれはこの時期にかなり著明な精神症状を呈する患者を少なからず診察する機会をえた。これら患者の多くは,急性期にはインフルエンザと診断され内科的に治療されたにもかかわらず,月余にわたつて精神神経症状が治癒せず,当科を訪れるにいたつたものである。これら患者のある者では,長期間にわたつて,幻聴,幻視,妄想などが前景に出て,自閉的で寡言,顔貌は硬く,支離滅裂で一見精神分裂病を想わせるほどであつた。こうした極端な例はそれほど数多くはなかつたが,これらの患者とインフルエンザ流行との関連は,われわれのヴィルス学的追求が満足とは言えないながら,多くの示唆を含んでいた。われわれは,これらの経験を過去の流行性脳炎の臨床と比較しながら,二,三の考察を加えてここに報告する次第である。
著者
井原 悠紀夫 福留 厚 磯山 徹 渡辺 千之 白川 洋一 神谷 喜八郎 新井 正美
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.507-510, 1975-04-20

はじめに Pilonidal sinusは本邦ではまれな疾患とされ,その報告例16,18,21,24,25,33,34,38)は少ない.都立墨東病院外科では1966年より1973年までの8年間に14例の本症を経験した.その発生頻度および術式などについて検討し,若干の文献的考察を加えた.
著者
新井朝定 編
出版者
新井朝定
巻号頁・発行日
vol.1, 1888
著者
四方 淳一 新井 正美 佐々木 五郎 福留 厚
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.1628-1629, 1970-11-20

腸壁嚢状気腫(Pneumatosis cystoides intestinalis)は,消化管壁にガスで充満した無数の嚢腫がある疾患で,Intestinal emphysema, Gas cysts of the intestine,Bullous emphysema of the intestine, Peritoneal pneumatosis, Cystic lympho-pneumatosis, Pneumatosis intestinalisなどとも呼ばれている.著者らは食道癌根治術後,十二指腸および空腸にみられた本症の1例を経験したので供覧する.
著者
紙谷 淳 米田 稔 新井 貴史
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
環境工学研究論文集 (ISSN:13415115)
巻号頁・発行日
vol.44, pp.443-451, 2007-11-16 (Released:2011-06-27)
参考文献数
5

本研究では, 瓦破砕材のリサイクル方法として, 代替土壌としての有効性を見るため, 踏圧による透水性と空隙率の変化, 有効水分保持量, 有効肥料成分保持量などについて, 検討を行った. その結果, まさ土と比較した場合, 瓦破砕材は踏圧を受けることによる透水性や空隙率の変化が小さいことがわかった. また, まさ土や軽石, 活性炭などと比較した場合, 粒径2mm以下の瓦破砕材では, 肥料の保持特性でもよい結果を示した. さらに, 実際にまさ土と瓦破砕材を施工したパターゴルフ場において, 芝生の成長度を比較した結果, 瓦破砕材を施工した場合の方が根の長さは2倍ほど長く, クロロフィルaの量も2倍ほど多かった, このことから瓦破砕材は芝生育成のための代替土壌として, きわめて有効であると考えられる.
著者
新井 ひでえ 久保田 博昭 小俣 卓 田邉 雄三
出版者
一般社団法人 日本小児神経学会
雑誌
脳と発達 (ISSN:00290831)
巻号頁・発行日
vol.42, no.5, pp.372-376, 2010 (Released:2015-11-21)
参考文献数
21

左上肢に限局する自律神経症状を示した5歳女児を経験した. 左手掌の冷感および左上肢の発赤腫脹が突然出現し, 24時間後に発熱・水痘様発疹を認めた. 他の神経症状や重篤な汎自律神経失調症状は認めず, ウイルス抗体価を含む血液生化学・髄液検査で異常を認めなかったが, 両側正中神経刺激でのF波の消失, 左正中神経複合感覚神経電位の低下, 左側交感神経皮膚反応 (SSR) の振幅低下と氷水浸漬試験 (CIVD) で交感神経機能低下を示し, 急性自律神経ニューロパチーと診断した. 水痘初感染が否定されるまでaciclovir投与を行い, 左上肢の症状は自然経過で軽快したが, SSRとCIVDの異常は9カ月後でも残存していた.
著者
宮前 茜 新井 悠里江 井上 大介 青柳 恵三子 後閑 浩之
出版者
日本理学療法士協会(現 一般社団法人日本理学療法学会連合)
雑誌
理学療法学Supplement Vol.34 Suppl. No.2 (第42回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.A1217, 2007 (Released:2007-05-09)

【目的】立位時に唯一の支持面である足底には、身体運動遂行と状況変化に対応して足底の感覚情報を集積する多数のメカノレセプターが存在する。足趾把持練習によるバランスの向上にはメカノレセプターの賦活が関係し、メカノレセプターは筋伸張と速度変化によって活動頻度が増加するといわれている。今回タオルギャザーにおいて、筋を伸張させかつ快適な速度で実施、さらに肢位を坐位と立位で行い、肢位の違いによる固有受容覚及びバランスへの影響を検討することを目的とした。【方法】対象は同意が得られた当院スタッフ健常者16名で平均は25.8±3.0歳。測定項目は固有受容性テストの変法(以下PPT)、functional reach(以下FR)、片脚立位の30秒間の総軌跡長と外周面積をAnima社製重心動揺計にて計測し、これらを介入前後に計測した。PPTは立位の施行内容を坐位の姿勢で変法として考案した。方法は閉眼坐位で左右どちらか一方の脚の股関節を最大屈曲し、最初の位置に戻す方法で実施した。逸脱した距離を2.5mm刻みで測定し、回数は14回で3回目以降の平均値を採択(ICC=0.851)した。介入はタオルギャザーを実施し、両足75回/分の速度で足趾の伸展を意識し20秒間実施、1分の休憩を挟んで3セット実施した。学習効果を配慮し、同一対象者で坐位と立位での介入・計測に2日以上の間を空けた。PPTの挙上した下肢と、介入肢位の順序は無作為に決定した。統計処理は対応ありのt検定を用い、有意水準は5%未満とした。【結果】PPTの逸脱した距離は介入肢位が坐位、立位ともに介入前に比べて介入後に有意に減少した。片脚立位での総軌跡長は、介入肢位が立位でのみ介入前に比べて介入後に有意に減少した。FRにおいては介入肢位に関わらず介入前後で有意な差は認められなかった。【考察・まとめ】タオルギャザー実施後に介入肢位が坐位と立位の両方でPPTの逸脱した距離の減少が有意に認められたことから、介入肢位には関係なく下肢全体のメカノレセプターの賦活の可能性が示唆された。また介入肢位が立位において片脚立位での動揺が制御され総軌跡長が減少したのは、立位が荷重肢位であり、足底圧増大や重心移動が加わることによる姿勢保持のための筋出力が増大したためと考える。このことからタオルギャザー介入肢位は坐位よりも立位の方が有用である可能性が示唆された。
著者
新井 恵子
出版者
国立大学法人 東京大学大学院教育学研究科 大学経営・政策コース
雑誌
大学経営政策研究 (ISSN:21859701)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.183-198, 2018 (Released:2022-04-28)
参考文献数
25

This paper examines the functioning of the home economics department, which was established as a faculty in a new university after the war. Based on the process of the establishment of the Faculty of Home Economics, the focus was on the position of “Home Economics Principles,” established on the philosophy of home economics. In addition, focusing on the transition of the department, the degree of faculty, the title of the doctoral thesis, which are the elements that constitute the home economics department, were analyzed based on the data derived from school. The focus of the analysis is to clarify that a structural problem exists “at the postwar home economics department, wherein the core is weak and the surroundings are strong.” As a result of the examination, it was found that the objective of the study was derived from the conventional home economics field and had deepened thereof.
著者
榎本 澄江 寺田 哲 木村 理恵 林 映至 新井 丈郎 奥田 泰久
出版者
一般社団法人 日本ペインクリニック学会
雑誌
日本ペインクリニック学会誌 (ISSN:13404903)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.35-37, 2016 (Released:2017-03-10)
参考文献数
8

吃逆とは,間代性で不随意な横隔膜の痙攣様収縮で,吃逆が48時間または1~2カ月以上持続もしくは発作が再発するものは難治性吃逆と定義されている.今回,当科に紹介された難治性吃逆患者8例の治療を経験したので報告する.横隔神経ブロックと薬物療法で対応して,8例中,吃逆が消失5例,軽減1例,不変2例であった.横隔神経ブロックとバクロフェンは難治性吃逆の治療に有効であることが示唆された.
著者
新井 誠
出版者
日本選挙学会
雑誌
選挙研究 (ISSN:09123512)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.62-73, 2009 (Released:2017-02-06)
参考文献数
16

近年,野党が国会の参議院の多数派を形成したことで,いわゆる「直近の民意」論が示されたように,これまで日本では,衆参両院の憲法上の権限関係は非対等でありながら,衆参で類似の選挙制度が採用されるなど,両院の民主的対等性が所与のことのように考えられてきた。しかし,国会での両院関係そのものが党派間争いの主戦場となり,国会運営が停滞する場面が頻繁に見られる現在,各院の民主的正当性のバランスを再考することもあながち不要であるともいえまい。そのような点で,第二院の組織方法に間接選挙制を導入するなど,下院との非対称な選挙制度を採用するフランス元老院が注目される。しかし,フランス元老院の選挙制度にも問題があり,なかでも一定の政治勢力を固定化させる機能を有している点が特に問題でもある。こうした点を克服しつつ,日本でも現行憲法の下で,衆参両院が非対称となる選挙制度を構築する理論的可能性を探ることが必要である。
著者
小倉 和幸 新井 彰 定金 晃三 松本 桂
出版者
大阪教育大学
雑誌
大阪教育大学紀要. 第3部門, 自然科学・応用科学 (ISSN:13457209)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.75-89, 2014-09

我々は大阪教育大学天文台51cm反射望遠鏡(以下51cm望遠鏡)における分光観測システムを構築した。これまで51cm望遠鏡を利用した撮像・測光観測によって様々な成果を挙げてきた。51cm望遠鏡での撮像・測光観測に加え分光観測が可能になればさらに学生の研究テーマが広がるとともに,設置から20年が経過する51cm望遠鏡の利用価値を大幅に高めることにつながる。そこで我々は小型望遠鏡での使用を想定して開発されたLHIRES IIIを用いて分光観測システムの構築に向けて機材の調節と試験観測を行った。その結果,明るい天体についてのスペクトルを得ることができた。本稿ではオリオン座δ星といっかくじゅう座V959 (2012年いっかくじゅう座新星)のスペクトルを用いて分光観測システムの性能を概算した。その結果,連星系のスペクトル変化や,明るい新星のスペクトルを観測可能であることが示せた。いくつかの課題点は残るが51cm望遠鏡による分光観測の基礎が構築できた。We developed a spectroscopic observation system of the 51cm telescope as an additional means of astronomical observation at Osaka Kyoiku University. While the 51cm telescope has been used for photometric observations and yield many scientific results, we can naturally expect that spectroscopic observation should bring more valuable information on astrophysics for us. We use LHIRES III sectrograph to construct the system of spectroscopy, and obtained optical spectra of some bright astronomical objects. We evaluated the performance of the system, especially by using the spectra of δ Ori and V959 Mon (Nova Mon 2012). Those tests indicated that we were able to obtain essecial informations required for astrophysical researchs of binary systems and classical novae, and the system is a promising tool for spectroscopic investigations of relatively bright objects by the 51cm telescope.
著者
平林 由希子 山田 果林 山崎 大 石川 悠生 新井 茉莉 犬塚 俊之 久松 力人 小川田 大吉
出版者
水文・水資源学会
雑誌
水文・水資源学会誌 (ISSN:09151389)
巻号頁・発行日
vol.35, no.3, pp.175-191, 2022-05-05 (Released:2022-05-06)
参考文献数
23
被引用文献数
2

アジアやアフリカの途上国などの洪水リスク情報の整備が不十分な地域で企業が事業展開する際は,グローバル洪水モデル(GFM)で作成した広域洪水ハザードマップが活用される.本報では企業実務で活用されている既存の広域洪水ハザードマップを比較し,それぞれ浸水域や浸水深の差異の要因をモデル構造や入力データに着目して分析した.その結果,低平地の浸水パターンは標高データの精度に左右されること,洪水防御情報の反映方法がGFM 間で大きく異なることが判明した.また,大きな湖に接する河川区間では背水効果,デルタ域では河道分岐の考慮が,それぞれ現実的な浸水域分布を得るのに必要なことが示唆された.これらの特徴を踏まえてハザードマップ選択のフローを用途ごとに整理した.全ての業種や目的に共通して利用を推奨できるマップは存在しない一方で,各マップの長所短所を一覧にすることで,ある程度客観的に使用すべきマップの優先順位を決められることが分かった.この知見は有償プロダクトを含む他リスクマップ使用を検討する場合にも拡張可能であり,企業実務において説明性の高い適切な浸水リスク評価を実施する上での基礎的な情報となりうる.