著者
新井 紀子 川本 佳代
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.155-163, 2004 (Released:2004-06-01)
参考文献数
7
被引用文献数
4 3

「e-教室」プロジェクトは,新井らが開発を行った「Net-Commons」という情報共有ポータルシステムを活用して,研究者・教員らが協力しながら,中高校生とともにインターネット上に通常のカリキュラムを超える,高度な学びのコミュニティを創出する試みである。「Net-Commons」は,テキストと画像を組み合わせて投稿することができる掲示板を中心に据えながら,インターネット上で提供されているデジタルコンテンツを柔軟に活用するオンライン協調学習環境を提供している。「Net-Commons」が提供する柔軟なページレイアウト機能により,コミュニティの状態に最適なページレイアウトをWeb上から簡単に実現することができる。学習支援者は,学習状況を観察しながら,さまざまなe-ラーニングツールの組み合わせ(Blended Learning)を自由に試みることができる。「e-教室」に参加している学習者は,学習支援者とともにコミュニティを形成しながら,インターネット上の学びの空間を体験する。「e-教室」の学習ログを解析した結果,「e-教室」での活動を通じて,学習者の (1) 論理的思考力 (2)(書き言葉による)コミュニケーション能力 (3) プレゼンテーション能力が向上したことが観察された。
著者
土沢 一実 渡辺 孝章 渡辺 一郎 山本 和子 新井 高 中村 治郎
出版者
特定非営利活動法人 日本歯周病学会
雑誌
日本歯周病学会会誌 (ISSN:03850110)
巻号頁・発行日
vol.28, no.4, pp.1120-1130, 1986-12-28 (Released:2010-08-25)
参考文献数
41
被引用文献数
7 2

スクラッビング法による歯ブラシについて, 第1報として毛の直径と毛の先端形態の違いがブラッシング圧とプラーク除去効果にどの様な影響を与えるかを検討した。歯ブラシの直径 (0.18mm, 0.25mm, 0.33mm) と毛の先端形態 (ラウンドカット, ストレートカット) の異なる合計6種類の歯ブラシを試作した。被験者12名にブラッシングを行わせ, 前後のプラークのスコアーを測定し, プラ本論文の要旨は, 第28回春期歯周病学会総会 (1985年6月6日) において発表した。ーク除去率を算出した。ブラッシング圧は渡辺のブラッシング圧測定装置を用い計測した。その結果, 毛の直径が太くなるほどプラーク除去率もブラッシング圧も有意に高くなった (P<0.01) 。ラウンドカットの方がストレートカットに比べ, ブラッシング圧は高い傾向を示した (P<0.01) 。プラーク除去率は, ラウンドカットの方が高くなる傾向を示した。
著者
新井 浩文
出版者
地方史研究協議会
雑誌
地方史研究 (ISSN:05777542)
巻号頁・発行日
vol.71, no.2, pp.46-51, 2021-04
著者
新井 祐未 石田 裕美 中西 明美 野末 みほ 阿部 彩 山本 妙子 村山 伸子
出版者
日本栄養・食糧学会
巻号頁・発行日
vol.70, no.4, pp.139-146, 2017 (Released:2017-11-16)

世帯収入別の児童の栄養素等摂取量に対する学校給食の寄与の違いを明らかにすることを目的とし,小学5年生の児童とその保護者を対象に調査を実施した。世帯収入は保護者への質問紙調査,児童の栄養素等摂取量は平日2日と休日2日の計4日間の食事調査(秤量・目安量記録法)により把握した。低収入群と低収入以外群に分け,摂取量および摂取量に占める学校給食の割合について共分散分析により比較した。低収入群は平日より休日に摂取量が有意に少ない栄養素が多く,特に昼食で有意な差が認められる栄養素が多かった。また平日,休日ともにたんぱく質摂取量が有意に少なかった。平日1日あたりの摂取量に占める学校給食の割合には有意な差が認められなかった。休日を含めた4日間の総摂取量に占める学校給食の割合は,たんぱく質,ビタミンA,食塩相当量で有意な差が認められ,いずれも低収入群の割合が低収入以外群の割合より高かった。4日間の摂取量に対する学校給食の寄与は,低収入以外群より低収入群の方が高いことが明らかとなった。
著者
竹内 延夫 馬場 浩司 桜井 捷海 上野 敏行 井戸田 健 新井 敏弘 常見 真人 石河 直樹
出版者
一般社団法人 レーザー学会
雑誌
レーザー研究 (ISSN:03870200)
巻号頁・発行日
vol.13, no.4, pp.353-364, 1985

Random-modulation cw (RM-CW) lidar has characteristics that make it possible to use a small-power cw laser as the light source. Development of laser diodes (LD) has been very rapid recently. The laser diode is compact in size and can be driven with little energy compared with traditional lasers, so that it is the most promising candidate for use in a portable, compact and practical lidar system. In this paper, a prototype portable RM-CW lidar system with an LD light source is reported. This is the first report of a practical LD system, to the authors' knowledge. Measurements of the spatial aerosol profile up to several hundred meters, as well as cloud ceiling-height up to several kilometers, were detected, at night time with this system and are shown in this paper.
著者
岩朝 睦美 戸田 雄一郎 新井 智之 久保田 直行
出版者
一般社団法人 システム制御情報学会
雑誌
システム制御情報学会論文誌 (ISSN:13425668)
巻号頁・発行日
vol.32, no.6, pp.256-264, 2019-06-15 (Released:2019-09-15)
参考文献数
14

It is an important task for mobile robots that search the target and learn the route while recognizing the unknown environment topology. Usually, reinforcement learning is used as a learning method to know the route to the target while exploring the environment. However, in an unknown environment, it is difficult to predict the number of state division. Particularly, when the state division is too fine, the amount of calculation increases exponentially. In this paper, we propose a method to dynamically construct the state space of the environment using Growing Neural Gas and simultaneously search and learn the route to the target using Q-Learning. We applied multiple autonomous mobile robots to increase searching efficiency. The experimental result shows the effectiveness of the proposed method that can respond to dynamic environmental change.
著者
新井 克弥
出版者
関東学院大学[文学部]人文学会
雑誌
関東学院大学文学部紀要 (ISSN:02861216)
巻号頁・発行日
no.117, pp.173-188, 2009

本論文は J. F. リオタールによる〈物語論〉の、わが国における受容と展開についての考察である。〈物語論〉は80年代後半にわが国に紹介されて以来、リオタールの概念とは異なった複数の解釈によってこれが導入され、その混乱が現在も続いている。本論ではその導入過程を辿ることで生じた解釈のねじれを明らかにし、これを修正、統合しつつ、次代の分析装置としての〈物語論〉の構築を試みていく。展開は以下の通り。まず雛形となるリオタールの〈物語論〉を示し、次いでわが国へのローカライズとして、時系列的に大塚英志と大澤真幸の物語論を取り上げる。さらにこれら二つの物語論を折衷するかたちで登場した東浩紀の〈データベース消費論〉を概観し、その理論的な矛盾を〈感情の構築主義〉と大澤真幸の議論を援用して脱構築することで、わが国における今日の〈物語論〉=〈データベース消費論〉の可能性について考察する。最終的に提示されるのは物語論の二つの視座の統合としての物語の今日的態様と文化社会学の概念装置としての〈物語論〉の可能性である。

1 0 0 0 OA 古易断時言

著者
新井白蛾 著
出版者
藤谷敬文堂
巻号頁・発行日
1893
著者
新井 真由美
出版者
日本マイクログラビティ応用学会
雑誌
International Journal of Microgravity Science and Application (ISSN:21889783)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.105, 2013-04-30 (Released:2020-05-14)
参考文献数
18

Caves and lava tubes have been discovered at several areas based on remote sensing data and orbital imagery. Caves and other underground spaces moderate extreme temperatures - cooler in daytime and warmer at night. Early man used such spaces for habitation in areas with extreme climates for millennia. The assumption about these same structures on Mars would be the same; for moderating extreme temperatures, as well as possibly offering protection from space radiation and even Martian dust. Based on underground residences on Earth, I do consider that possibilities exist for underground habitation or even balanced-environmental habitation on Mars. In this study, I focus attention on the terrestrial cyanobacterium “Nostoc sp. HK-01”. I discuss what we need to know and how the function of Nostoc sp. can be used in Mars habitation.
著者
東 大 内田 奈緒美 坂本 望 牧野 智宏 新井 良和 長嶋 比呂志 大鐘 潤
出版者
公益社団法人 日本繁殖生物学会
雑誌
日本繁殖生物学会 講演要旨集 第106回日本繁殖生物学会大会
巻号頁・発行日
pp.OR2-28, 2013 (Released:2013-09-10)

Myostatinをコードする遺伝子Mstnは,TGF-βスーパーファミリーのGDFファミリーに属し,骨格筋の分化を制御する。分化後の筋細胞から分泌されたMyostatinは,筋組織の幹細胞であるサテライト細胞の増殖抑制や,筋芽細胞から筋管への分化抑制等の作用を通じて,骨格筋組織の発生と再生を抑制する。Mstn変異または欠損の動物は筋肥大が顕著であり,畜産において家畜の筋肉量増加を目的とした研究などで注目されてきた。しかし,Mstn欠損または機能不全の家畜動物は,体格の違いによって繁殖が困難なことや,飼糧が大量に必要であることなどの問題がある。また,Mstn欠損は脂肪形成を抑制するため,日本で重要とされる食肉としての品質にも問題があると考えられる。Mstnの骨格筋特異的な機能を畜産において有効に利用するためには,遺伝子の欠損や完全な不活性化ではなく,発現量を微調節することが必要であると考えられる。遺伝子プロモーター領域のDNAメチル化は,転写因子の結合を阻害し,発現を抑制する。このDNAメチル化は,可逆的な化学修飾であるため,DNAメチル化状態の改変によって遺伝子発現を調節できる可能性がある。また,改変する度合いによって遺伝子の発現量を調整できると考えられる。そこで,ブタ主要組織におけるMstn転写開始点近傍のDNAメチル化状態とmRNAの発現をバイサルファイト法とRT-PCR法を用いて解析した。その結果,Mstn転写開始点近傍は骨格筋でのみ低メチル化状態であり,mRNAの発現も骨格筋特異的であった。この結果から,Mstnプロモーター領域のDNAメチル化状態とmRNAの発現は逆相関していることが明らかとなり,Mstnはプロモーター領域のDNAメチル化状態の変化によって発現調節されることが示唆された。
著者
葉山 佳一 新井 一仁 石川 晴夫
出版者
日本矯正歯科学会
雑誌
Orthodontic waves : journal of the Japanese Orthodontic Society : 日本矯正歯科学会雑誌 (ISSN:13440241)
巻号頁・発行日
vol.59, no.5, pp.303-311, 2000-10-25
参考文献数
39
被引用文献数
1

正常咬合者の歯列弓形態には人種差や個人差が認められるが, 個人の上下顎歯列弓形態は調和していると考えられている.しかしながら, 上下顎で異なる形態的特徴を報告した研究もあり不明な点が多い.本研究の目的は, 正常咬合者の上下顎歯列弓形態に四次多項式を適合し, 各項の係数から上下顎歯列弓形態の相関関係について検討することである.資料として, 本学の学生および職員約3, 500名の中から選択した正常咬合者30名(男女各15名, 平均23.2歳)の口腔模型をもちいた.教室で考案した計測システムは, 非接触三次元形状計測装置(VMS-250R, (株)UNISN), graphic workstation (Indigo 2, Silicon Graphics Inc.), ならびに三次元CAD software (SURFACER, Imageware Inc.)から構成される.通法にしたがって口腔模型を測定し, 上下顎にそれぞれ基準平面として咬合平面を設定したあと, 各歯の切縁中央, 犬歯尖頭, ならびに臼歯では頬側咬頭頂の座標値を算出した.なお大臼歯の計測点は近遠心咬頭頂の中点とした.さらにパーソナル・コンピュータ(Think-Pad 600, IBM Co.)とデータ処理ソフトウエア(Excel 97, Microsoft, Inc.)にて, 各被験者の上下顎の計測点にそれぞれ最小自乗法を用いて四次多項式(y=ax^4+bx^3+cx^2+dx+e)を適合した.被験者30例の上下顎ごとに各項の係数(a, b, c, d, ならびにe)の平均値と標準偏差を求め, さらに各係数について上下顎間で相関係数を算出後, 統計学的な検定を行った.四次多項式における各項の係数について上下顎間で算出した相関係数は, それぞれaは0.796, bは0.546, cは0.763, dは0.621, eは0.813であった.また統計学的な検定を行った結果, すべての項の係数において上下顎間で統計学的に有意な正の相関が認められた.このことから正常咬合者の上下顎歯列弓形態は相関関係があることが明らかとなった.
著者
松本 ゆみ 新井 英雄
出版者
特定非営利活動法人 日本歯周病学会
雑誌
日本歯周病学会会誌 (ISSN:03850110)
巻号頁・発行日
vol.62, no.1, pp.16-26, 2020-03-31 (Released:2020-03-28)
参考文献数
25

糖尿病は代表的な歯周病の全身的リスクファクターである。今回36歳,女性の1型糖尿病を有する広汎型侵襲性歯周炎患者に対し,内科主治医と連携し血糖コントロールに配慮しながら,歯周基本治療,矯正治療,そして歯周組織再生治療と歯周形成手術を含めた歯周外科治療,口腔機能回復治療を含めた包括的歯周治療を行い,初診から10年経過した現在,歯周状態を良好に維持することができている症例を報告する。本症例を通して,歯列不正を伴う広汎型侵襲性歯周炎患者に対して,早期に感染源除去を図ることはもちろん,プラークコントロールしやすい歯周環境を整え,安定した咬合関係を再構成すること,全身状態と局所的なリスクを把握してSPTを継続することが重要であることが示された。
著者
鈴木 雅智 新井 優太
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.1136-1142, 2020-10-25 (Released:2020-10-25)
参考文献数
22

本稿では、資料請求情報という新しい住宅市場データを用いて、首都圏中古戸建て住宅市場における需給バランスの把握を試みた。この指標は、1物件に対する購入検討者のボリュームを示し、アンケート調査やヘドニック価格関数の構築といった既存手法では限界があった、売り手に対する潜在的な買い手の比率を明示的に捉えられる。分析を通して次の傾向が明らかとなった:①都心から離れるほど資料請求レベルは低下するが、近年では(都心に比べて相対的に)近郊・外縁での資料請求レベルが高まってきている。②最寄り駅から徒歩15分以上の地域で資料請求レベルが低下するが、近年では近郊・外縁で、駅近物件志向がより顕著になってきている。③築年数が増加しても資料請求レベルは低下することはなく、むしろ都心では資料請求レベルが上昇する。④延床面積120m2以上の広い物件に比べ、価格を抑えられる延床面積80m2未満の狭い物件の方が関心を持たれている。