著者
渡邊 佑里乃 木村 有里
出版者
日本武道学会
雑誌
武道学研究 (ISSN:02879700)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.211-216, 2023-03-31 (Released:2023-05-23)
参考文献数
13
著者
濱野 惠 木村 文彦
出版者
一般社団法人 園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.41-47, 2018 (Released:2018-03-31)
参考文献数
11
被引用文献数
1 2

イチゴ種子繁殖型品種‘よつぼし’を北東北で夏秋どりに適用するため,4月下旬定植・無加温栽培を行って播種日,播種時のセルトレイの大きさ,および花成促進目的の長日処理について検討した.播種時期について,1月27日播種は5月中旬頃に頂花房が分化し,1か月おきの長日処理(24時間日長,2週間)時期に応じて累積花房数が無処理より増加したが,8月処理による花成促進効果が現れる時期は想定する作型には遅いと考えられた.2月27日播種苗は5月の長日処理にはほとんど感応せず,幼若性が推察された.6月, 7月処理で累積花房数が増加したが,収益性を考慮すると播種時期は1月中が適すると思われた.次に,セルトレイの大きさと9月以降の増収を目的とする長日処理の影響を調査するため,1月13日にセルトレイ200穴および406穴に播種し,6月, 7月, 6月 + 7月に長日処理(24時間日長,2週間)を行った.セルトレイによる定植時生育,頂花房分化時期,同じ長日処理間の花房数や収量性にはほとんど差がなかった.6月処理で9月に,7月および6月 + 7月処理で10, 11月に無処理に対して増収効果が確認されたが,長日処理の適正な時期・回数については今後さらなる検討が必要と思われた.
著者
大竹 哲也 堀口 勇 家島 仁史 堤 哲也 木村 裕明 岡田 多雅
出版者
The Japan Society for Oriental Medicine
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.449-455, 1998-11-20 (Released:2010-03-12)
参考文献数
19
被引用文献数
2 2

骨粗鬆症に対しては疼痛管理とともに, 骨量の減少を抑えることが重要となる。疼痛に関して漢方薬投与群 (48例) と非ステロイド系消炎鎮痛剤投与群 (18例) の比較を行った。両群間の比較では4週までは差はないものの, 8週・12週では, 漢方薬投与群の方が有意に疼痛の改善を示した。次いで, 長期にわたって漢方薬を投与された症例の中で, 症例数の多かった桂枝加朮附湯と牛車腎気丸の2剤に関して骨量を検討した。桂枝加朮附湯投与群は20例, 牛車腎気丸投与群は12例となった。骨量は DIP (Digital Image Processing) 法で初診時, 3, 6, 9ヶ月後に測定した。また比較・対照として, 約10ヶ月の間治療を受けなかった症例を無治療群 (11例) とした。対照群では約10ヶ月の間で骨量は有意な減少を認めた。桂枝加朮附湯投与群のMCIは全期間を通じて初診時との有意な差は認められなかった。m-BMDの初診時との比較では3, 9ヶ月後において有意な増加を認めた。牛車腎気丸投与群のMCIおよびm-BMD値はどちらも全期間を通じて初診時との比較で有意差は認められなかった。桂枝加朮附湯は骨粗鬆症患者の骨量の減少を抑制し, むしろ改善効果が示された。牛車腎気丸も初診時の骨量を維持した。
著者
幸塚 久典 小野 廣記 山田 真悠子 木村 知晴 稲村 修
出版者
アクオス研究所
雑誌
水生動物 (ISSN:24348643)
巻号頁・発行日
vol.2023, pp.AA2023-10, 2023-05-15 (Released:2023-05-15)

ガンガゼモドキ Echinothrix diadema(Linnaeus, 1758)とアカオニガゼ Astropyga radiata (Leske, 1778)が島根県隠岐の島町(島後)の日本海で採集された。この2種のガンガゼ目ウニ類は、日本海側から初めての記録である。本報告では、採集した標本をもとに、両種の外見形態について記載した。今回記録されたガンガゼモドキとアカオニガゼは、インド・西太平洋に分布する熱帯・亜熱帯種であり、寒流域には侵入できない種である。したがって、これらの熱帯・亜熱帯の動物の出現が、近年の海水温の上昇に伴う長期的な変化によるものなのか、暖流の一時的な影響なのか、引き続き調査が必要である。
著者
木村 淳子 藤吉 昭江 井手 朱里 西村 美紀 光吉 佳奈 福島 邦博
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.66, no.6, pp.222-227, 2020-11-20 (Released:2021-11-20)
参考文献数
9
被引用文献数
1

難聴者が社会で適切な支援を受け、よりよく生きるためには難聴当事者自身が自身の聴こえや補聴方法など必要な配慮について周囲に説明できるセルフアドボカシーの能力が欠かせない。セルフアドボカシーの育成のためには幼少期からの系統だった教育プログラムが必要だが、学齢期を通じてどのようにセルフアドボカシーが発達するかは明らかになっておらず、またそれを適切に育成していくカリキュラムも確立されていない。本研究では、小学校在籍中の聴覚障害児を対象にしたセルフアドボカシー能力の評価を目的に、米国版のチェックリストを元に日本語版を作成、本邦におけるセルフアドボカシーの現状について検討すると同時にチェックリストの有用性を検討した。その結果、 1 )学年が上がるにつれて得点も上昇するが、高学年でも「習熟している」レベルに達するのは 20%にとどまること、 2 )学年別の習得率は項目によって差があること等が認められた。聴覚障害児の福祉のためには、セルフアドボカシー習得のための方略を準備することが必要であるが、そのためにもまず本邦における現状把握が必要である。
著者
安井 早紀 木村 優弥 川村 仁 小松 一
出版者
青森大学付属総合研究所
雑誌
青森大学付属総合研究所紀要 (ISSN:24361585)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.11-19, 2022-09-30 (Released:2022-12-28)
参考文献数
10

青森大学薬学部発のブランディング企画第1弾として,漢方・生薬学の教員による市民講座を開講し,薬学部ならではのテーマにより,広く県民の方々へ本学の特色を打ち出し,地域に根ざす青森大学の魅力を認識させることが,ブランディング確立につながるものと考え,薬食同源に基づいた薬膳料理教室を企画した.日常的に利用されている食材を使い,薬膳料理として試食体験をしてもらい,身近な食材の思わぬ効用を知ってもらい,健康な身体づくりの一助にすることを目的とし,秋から冬にかけての病気あるいは病気の予防に対応した薬膳教室を3回シリーズで行った.
著者
小川 達次 木村 格
出版者
The Japan Society for Oriental Medicine
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.359-364, 1994-10-20 (Released:2010-03-12)
参考文献数
15
被引用文献数
2 1

脊髄小脳変性症8例 (オリーブ核・橋・小脳萎縮症3例, 晩発性小脳皮質萎縮症2例, 家族性脊髄小脳変性症3例: 平均年齢59.3±11.3歳) に抑肝散を15日間投与し, その有用性を検討した。カウンタータッピング, 重心動揺面積と距離, 排尿回数, 臥位血圧と脈拍は有意の変化を示さず, 起立性低血圧の改善もみられなかった。しかし, 日常生活動作評価点 (総計100点) は74.8点から81.0点へと有意に改善した (P<0.05)。「立位や歩行時の安定」,「めまい感軽快」,「上肢が軽くなった」などの自覚的改善は, 8例中6例に認められた。OPCA症例では上記の改善は一時的ではあったが, 根本的な治療方法のない脊髄小脳変性症に対しては, 抑肝散をはじめとする漢方治療も試みる価値があると考えられた。
著者
木村 健智 上山 泰史 久保田 明人 藤森 雅博 高原 美規 秋山 征夫
出版者
日本草地学会
雑誌
日本草地学会誌 (ISSN:04475933)
巻号頁・発行日
vol.60, no.1, pp.55-58, 2014-04-15 (Released:2014-10-06)
参考文献数
20

Reed canarygrass (Phalaris arundinacea L.) has been recognized as a major invasive plant in the US in recent years. In Japan, the differences between the native and invasive genotypes are unclear. To identify these differences, chromosomal analysis using fluorescence in situ hybridization (FISH) with 5S/45S rDNA probes was carried out on 7 populations of putative native Japanese P. arundinacea and 3 exotic P. arundinacea. The results showed that all populations were tetraploids (2n=4x=28). The 45S rDNA were mapped on 4 sites corresponding with the ploidy level in all populations. On the other hand, the numbers of 5S rDNA sites differed among the populations. Moreover, the 5S rDNA sites differed among individuals even within the same populations. Thus, the chromosomal characteristics could not ensure that the putative native Japanese P. arundinacea are the native.
著者
木村 宣彰
出版者
大谷大学短期大学部
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1996

中国とインドの交流は西域を媒介としており、西域の仏教や国情が密接に関係している。インド・西域からの渡来僧は、中国へ仏教を伝えることを目的にしている。例えば、月支の竺法護や亀茲の鳩摩羅什等の例に見られるように経典翻訳や教義理解や実践の指導を行っている。ところが、中国からインドへの入竺求法の動機は学問的な関心であった。中国僧の入竺は既に三世紀の後半から始まっている。その最初は魏の朱士行であり、魏の甘露五年(260)に西遊しているが、その動機は『道行般若経』を読み、文意が通じなかったため自ら西域に原本を求めるためであった。また道安の『放光光讃略解序』によれば、晋成帝の時代(327〜334)に慧常・進行らが西遊しているが、その目的も学問的な課題であった。かの法顕や玄奘も同様に自らの仏教研究の課題の解決にあった。また中国僧の入る竺の目的として自らの宗教体験や受戒の正否を確かめることもあった。その点で中国僧の入竺は、日本仏教における巡礼や、世の諸宗教にみられる聖地巡拝とは全く異なる性格のものであった。この様な目的でインドに渡った中国僧のためにインドに「漢寺」が存在していたことを確認した。『法苑珠林』所引の王玄策の『西域志』や引継の『印度行程』などによってそれを知ることが出来る。中国とインドの交流が最も活発になるのは5世紀と7世紀であり、逆にそれが減ずるのは6世紀と8世紀である。これは西域の事情や中国の秦や唐など国情と密接に関係している。中国僧の入竺記録としては法顕の『仏国記』や玄奘の『西域記』などは著名であるが、その他に、雲景の『外国伝』、智猛の『遊外国伝』、法勇の『歴国伝記』などが存在した。それらの逸文の収集に努めた。今後の残された研究課題としては、それらの入竺或いは渡来の僧たちが中国仏教の形成と発展に如何なる影響を与えているかの解明が是非とも必要になる。
著者
木村 包介
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
工業化学雑誌 (ISSN:00232734)
巻号頁・発行日
vol.29, no.11, pp.620-623, 1926-11-05 (Released:2011-09-02)
被引用文献数
1
著者
木村 祥紀 土屋 兼一
出版者
Japan Radioisotope Association
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.72, no.2, pp.121-139, 2023-07-15 (Released:2023-05-09)
参考文献数
33

核検知や核セキュリティ事案の現場において,迅速かつ正確な放射性物質の判定は,検知警報や事案への迅速な対応を行うための重要な技術的課題の一つである。本稿では,携帯型ガンマ線検出器に適用可能な深層ニューラルネットワークモデルを用いた放射性核種の判定アルゴリズムを提案する。本アルゴリズムでは,シミュレーションで作成した模擬ガンマ線スペクトルで学習した深層ニューラルネットワークモデルにより,各放射性核種に起因する計数寄与率(CCR)を推定し,放射性核種を自動で判定する。この自動核種判定アルゴリズムにより,放射線測定の経験や知識が十分でない核検知や核セキュリティ事象の初動対応者を支援することが可能となる。2種類の異なる深層ニューラルネットワークモデルを用いたアルゴリズムを高エネルギー分解能及び低エネルギー分解能の携帯型ガンマ線検出器に適用し,提案アルゴリズムの性能を評価した。提案したアルゴリズムは,実際の測定ガンマ線スペクトルにおける人工放射性核種の判定で高い性能を示した。また,深層ニューラルネットワークモデルによるCCR推定値を解析することで,235Uの検知やウランの自動分類にも適用できることを確認した。さらに筆者らは,提案したアルゴリズムの性能を従来の核種判定手法と比較し,深層ニューラルネットワークモデルベースの核種判定アルゴリズムの性能を向上させる具体的な方策についても議論した。
著者
丹羽 英智 木村 太 廣田 和美
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.35, no.4, pp.468-473, 2015-07-15 (Released:2015-09-18)
参考文献数
18

帝王切開術を全身麻酔で管理する場合,吸入麻酔薬と静脈麻酔薬のどちらが母児の管理上,利点を多く有するかは不明である.今回,われわれは,当教室の臨床データ(2002~2013年,N=635)を示しつつ最近の文献をもとにどちらが良い麻酔法かを考察する.妊娠子宮筋を用いた基礎研究の結果は,全身麻酔で用いられるほぼすべての薬剤が子宮筋の収縮を抑制することを示した.これは,児娩出までの間は生体に有利に働くが,児娩出後は,母体の出血量の増加につながる.しかしながら,術中の出血量は静脈麻酔薬と揮発性麻酔薬の間に差を認めなかった.一方,母体のPONV発生頻度が低い点では,TIVAにおける母体の満足度が高くなることが推察される.
著者
真島 理恵 木村 多聞
出版者
日本グループ・ダイナミックス学会
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, pp.169-181, 2023 (Released:2023-04-27)
参考文献数
20

COVID-19のパンデミックに直面し,昨今の日本社会では,感染予防行動をとらない人を,一部の人々が自主的に匿名で取り締まる制裁行動がしばしば観察される。こうした感染蔓延を防ぐために規範を強制するという極端な方法は対象者に対するつるし上げに結びつき,社会に深刻な問題をもたらす可能性が大きい。本研究では,このような攻撃が,ヒトを非常に協力的な存在たらしめているメカニズムの一つとして提唱されている強い互恵性に基づき生じている可能性を検証した。ウェブ調査により,強い互恵性を構成するいくつかの側面(利他的罰,利他的報酬など),感染予防規範からの逸脱者及びCOVID-19感染者に対する印象と行動意図,回答者自身が感染予防行動をとっている程度を測定した。その結果,利他的罰の傾向が,感染予防規範逸脱者及びCOVID-19感染者に対する攻撃に対する正の効果をもつというパターンが,回答者自身が感染予防行動を行っている場合にのみみられることが明らかとなった。人々が感染予防規範に従っている状況下では利他的罰の傾向が感染予防規範逸脱者への攻撃を促進する可能性が示唆された。
著者
岩城 江津子 河西 秀典 木村 睦
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 C (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.J106-C, no.4, pp.129-136, 2023-04-01

微細化・積層化が容易な酸化物半導体を用いることで,高集積化を目標としたハードウェアによる大規模な多層ニューロモルフィックデバイスの研究,開発を行った.酸化物半導体にはアモルファスIn-Ga-Zn-O(IGZO)を用い,IGZO薄膜が2層となる3次元構造デバイスの作製を行った.IGZOの電気的特性を,生物のシナプス素子の学習則であるヘブの学習則を応用させた修正ヘブの学習則の,重み付け原理で利用した.また,作製したデバイスでパターン認識学習を行った場合をシミュレーションすることでデバイスが知的学習が可能であるかの確認を行った後,実験を行い,シミュレーションと同様に学習が可能であることを実証した.結果として2文字の文字パターンである0と1の学習に成功し.ニューロモルフィックデバイスとして作製したデバイスが有用であることを示した.
著者
中村 志保 郡司 朋子 木村 愛美 西村 麻衣 菊川 千波 菊地 紗和子 村上 純子 上田 渚 石倉 智子 鶴川 香緒利 横須賀 美紀 奥森 留美子 神前 あい 井上 吐州
出版者
日本視機能看護学会
雑誌
日本視機能看護学会誌 (ISSN:24333107)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.8-10, 2018 (Released:2019-02-01)
参考文献数
4

目的:甲状腺眼症の斜視手術後患者に対するリハビリテーション( 以下リハビリ) として、効果的で簡易な方法を検討し、 病棟オリジナルの視野チャートを作成した。看護師の指導にて実施したので報告する。 方法:甲状腺眼症による複視のため斜視手術を行った15 名を対象に、視能訓練士の助言を得て作成した視野チャート にて、入院時・手術翌日・退院時に両眼単一視野(以下単一視野)の変化を比較した。またこれを用いた術後のリハビ リ方法を指導し、退院時にアンケートを実施し有用性を評価した。 結果:対象患者全員が、視野チャートを用いたリハビリが分かりやすく、積極的に取り組めたと回答した。入院時と退 院時の単一視野の比較では、14 名が拡大し1 名は明らかな変化がなかった。 考察:視野チャートにより注視目標を明確にでき、簡易的なリハビリが考案できた。また患者がリハビリに積極的に取 り組めた。よって斜視手術後における視野チャートは有効であった。