著者
林 貴大 木村 暢佑 中森 いづみ 樋口 嘉久 宮嶋 智子
出版者
一般社団法人 日本小児神経学会
雑誌
脳と発達 (ISSN:00290831)
巻号頁・発行日
vol.50, no.4, pp.294-295, 2018 (Released:2018-08-16)
参考文献数
5

MethylphenidateはADHDに使用され, 適正使用ガイドには脳血管発作 (脳出血, 脳梗塞, くも膜下出血) の報告例が記載されている. 今回methylphenidate内服中に2回の脳出血を来した13歳男子を経験した. 6歳7か月からmethylphenidate 18mg, 9歳1か月よりatomoxetine 20mgを毎日内服していた. 10歳9か月時に意識障害を生じた. 頭部CTでは左側頭葉に出血が認められた. 血圧, 身体所見, 血小板数, 凝固能, 抗核抗体, 頭部MRIやMRAでは異常所見はなかった. 保存的加療で1か月後の頭部CTでは出血像は消失していた. 薬剤性を考慮し2剤を中止したが, 多動や集中力低下が著明であり出血3か月後からmethylphenidateのみを再開した. 後遺症なく経過していたが, 12歳11か月時トランペット吹奏中に同部位に再出血を来した. 脳血管造影検査では器質的疾患の存在は否定的であった. Methylphenidateは構造や作用がamphetamineに類似している. Amphetamine使用例での脳血管発作の報告例は散見する. 機序として, 血管炎, hypertensive spikesや脳血管奇形の破綻が報告されている. 本症例では, これらの所見は指摘できなかったが, methylphenidateは稀に脳出血を来しうることを考慮する必要がある.
著者
木村 智哉
出版者
早稲田大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2012-08-31

調査対象となるアニメーション専門誌のうち、徳間書店の『アニメージュ』誌については、個人蔵資料である81年分までを、編集スタッフからの示唆もあり、新たに入手した『BEST OF アニメージュ 20TH』(1998年)の記事総覧をもとに精読した。東映動画の韓国企業への発注開始に関する記事をはじめ、多くのスタジオ史にまつわり資料を確認することができた。以降の号については、演劇博物館図書室所蔵資料を用いる予定であったが、同館所蔵分が利用者の少なさのため別置作業に入ってしまったことで、今年度は閲覧することができなかった。また、同じく個人蔵資料である、すばる書房およびブロンズ社の『月刊アニメーション』誌については、精読に加えて一部記事の一覧化に着手した。角川書店の『Newtype』誌については演劇博物館所蔵分を閲覧した。ほか、近代映画社『ジ・アニメ』、秋田書店『マイアニメ』、みのり書房『月刊OUT』、ラポート『アニメック』、ファントーシュ編集室の『ファントーシュ』の5誌について、古書市場を通して入手。研究補助者の協力を得て、精読と該当記事の一覧化を行った。『ジ・アニメ』誌は、1980年の創刊4号以降、85年11月号までチェックを行っている。ただし欠号が多いため、今後それを補う必要がある。『マイアニメ』誌は81年の創刊から84年までの数号に留まったが、各種スタッフインタビュー欄の存在を確認できている。『月刊OUT』誌は78年の創刊から84年分までのほぼすべての号の一覧化を行った。『アニメック』誌は、79年の創刊7号以降、87年の休刊まで、ほぼ全ての号の一覧化を果たした。また、『ファントーシュ』誌はすべての号を一覧化した。また、神戸映画資料館や京都国際マンガミュージアムで所蔵資料調査と関係者聞き取りを行ったほか、一部の成果に関して執筆した論文の英訳を行い、現在審査中である。
著者
木村 和雄
出版者
独立行政法人 国立高等専門学校機構沖縄工業高等専門学校
雑誌
沖縄工業高等専門学校紀要 (ISSN:24352136)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.73-83, 2022-08-31 (Released:2022-10-03)

地震学的には不明な点が多い琉球弧中央部について、琉球国史『球陽』の読解からその地殻変動像の復元を試みた。その結果、対象地域では18世紀後半に巨大地震が続発していたことが示唆された。1768年の地震では、地盤の強固な首里で建造物や陵墓などが損壊し、時の尚穆王が王殿からの退避を余儀なくされたほか、慶良間諸島の座間味島では津波による家屋流失の後、旧阿佐村が移転を強いられるなど、大きな被害を生じた。いわゆる八重山津波として知られる1771年の震災では、沖縄島、慶良間諸島、久米島で先島より強い地震動が表現されており、那覇にも強度1程度の津波が到達していた。また西表島では余震または誘発された地震による液状化が起きている。1791年には津波地震と思われる、地震動の記述を欠いた大規模な潮位変化が沖縄島内各地で記録された。特に中城湾に面した与那原では津波の高さが10mを超えたとされる。これらの地震・津波は、その現象の強さと空間的広がりから、プレート境界を震源とするM8 級かそれ以上の巨大地震によって引き起こされた可能性が高い。また、それらの地異が集中した期間の前後約100年間には、匹敵する地震・近地津波の記述が無いことから、琉球海溝では巨大地震が続発する数十年の活動期と百年スケールの静穏期とが繰り返されていると考えられる。
著者
木村 勇気
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.92, no.9, pp.545-549, 2023-09-01 (Released:2023-09-01)
参考文献数
31

宇宙にはダストと呼ばれる無数のナノ粒子が存在しており,さまざまな場面で重要な役割を果たしているため,ダストの形成過程の理解は天文学,惑星科学の土台となる課題である.我々は気相からの核生成過程の一般性と,宇宙における物質進化を理解する鍵はナノ領域特有の性質にあると考え実験を基に研究を行ってきた.その結果,気相からの均質核生成のキーファクターはダイマーの形成と融点降下にあることが分かり,ダストの形成過程の理解にはナノ粒子の融合成長を考慮する必要があることが分かってきた.ここでは,最近の研究の一端を紹介する.
著者
木村 哲
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.90, no.12, pp.2392-2397, 2001-12-10 (Released:2008-06-12)
被引用文献数
1

日本では病院内感染症のサーベイランスや,その対策が遅れている.これを是正するため感染制御ドクター(ICD)および感染制御ナース(ICN)の認定制度が,それぞれ1999年および2000年に発足した.いずれもできたばかりであり,その質,量において更なる改善が望まれるが,両制度の発足により,日本の病院内感染症対策が飛躍的に進歩することが期待される. ICDやICNの力が十分に発揮される為には感染制御チームを組織し,リンクナースを置くなど施設としての取り組みも重要である.
著者
木村 博
出版者
一般社団法人 溶接学会
雑誌
溶接学会誌 (ISSN:00214787)
巻号頁・発行日
vol.34, no.11, pp.1140-1163, 1965-11-25 (Released:2011-08-05)
参考文献数
30
被引用文献数
1 1
著者
木村 博
出版者
一般社団法人 溶接学会
雑誌
溶接学会誌 (ISSN:00214787)
巻号頁・発行日
vol.34, no.12, pp.1221-1242, 1965-12-25 (Released:2011-08-05)
参考文献数
29
被引用文献数
1 1
著者
木村 博
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子 (ISSN:04541138)
巻号頁・発行日
vol.20, no.4, pp.290-311, 1971-04-01 (Released:2011-09-21)
参考文献数
34

プラスチックは工業材料としてストレングス・メンバーの分野にまで進出するようになっている。プラスチックの大型構造物を構成するためには,切断したり, 接合したりすることが必須の要件であって, 最近, 特に注目されている分野である。ここでは,プラスチックの約75%を占める熱可塑性プラスチックの主たる接合方法である溶接についての加工機と,一般の接着についての加工機について,それぞれの分野での大勢と,個々の加工機の機構と作用効果について解説を行なった。
著者
木村 博
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密機械 (ISSN:03743543)
巻号頁・発行日
vol.31, no.365, pp.447-460, 1965-06-05 (Released:2010-02-16)
参考文献数
8
著者
木村 彰方
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.50, no.4, pp.438-449, 2018-04-15 (Released:2019-05-09)
参考文献数
10
著者
木村 大介 塩津 裕康 備前 宏紀 今井 あい子 冨山 直輝
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.42, no.4, pp.491-500, 2023-08-15 (Released:2023-08-15)
参考文献数
27

本研究では,16名のアルツハイマー型認知症高齢者の心理的ウェルビーイングが高値傾向および低値傾向を示した場合の行動パターンと,その特徴を示すことを目的とした.分析では,心理的ウェルビーイングの中央値で対象者を高値傾向群と低値傾向群に分類,各群の対象者に装着したウェアラブル型センサーで収集した位置情報にグラフ理論に基づくネットワーク解析を実施し,行動パターンを可視化,加えて各群のクラスタリング係数を算出した.その結果,心理的ウェルビーイングが高い傾向にある者は「ハブ」となる行動の中心が存在していることが特徴であり,心理的ウェルビーイングが低い傾向にある者は行動の中心がないことが特徴と考えられた.