著者
本田 重義
出版者
Arachnological Society of Japan
雑誌
Acta Arachnologica (ISSN:00015202)
巻号頁・発行日
vol.27, no.Specialnumber, pp.283-297, 1977 (Released:2007-03-29)
参考文献数
38

The weaving spiders live by making their webs according to their own weaving mode. The weaving mode consists of web form, web size, web angle, web height, web thread character, etc., and it is generally similar within a species, a genus or a family. The basic weaving modes are as follow: vertical (both single layer and multi-layer), horizontal (both small and large), cubic (both true cubic and line), sheet (inverted dish, with or without cradle; saucer, with or without cradle), and fixed (flat and curved surface) (See table 1). But the basic mode may be modified by situations such as growth and developmental stage, or slight individual variations, etc..In the classification of the spider's webs only their shapes have been noticed. This paper suggests a modification of this classfication by adding the important factors of the spatial Orientation and the spatial surrounding micro-habitat to which the web is attached.Web of any types are attached to some objects (such as tree branches or windowframes); these objects form scaffolding stands which have several possible characters: form, size. mobility, condition of surface, etc.. There are several shape types of scaffolding stand as follows: lengthwise, box with ceiling, widthwise with ceiling, widthwise with underbase, flat surface (See Fig. 1).On the other hand, from the viewpoint of weaving condition the surface of the earth has several types of habitat (Table 3). And each habitat consists of various micro-habitats. For example, a forest consists of 4 micro-habitats as follows: open area among trees, peripheral foliage, central foliage, basal area (soil, trunk, lowest branches, and open space) (See Fig. 2). such micro-habitats offer the scaffolding stands for making webs.These scaffolding stands, along with the shape and spatial orientation of webs themselves make up the weaving environment of the weaving spiders.
著者
本田 与一
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

木質系バイオマスは、食糧と競合しない循環型のバイオマス資源として、その変換利用に社会的要請が高まりつつある。白色腐朽菌(キノコ)の仲間は、木材中に存在する難分解性の高分子リグニンを分解する能力を持っており、その特有の酵素群を大量に調整することができれば、木質バイオマスの利用におけるエネルギーや環境負荷を大きく低減することが期待されている。本研究では、リグニンを分解する酵素がどのような発現制御を受けているかを明らかにするための基礎的な研究を行った。
著者
山口 創 本田 美和子
出版者
桜美林大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

1.最終年度に実施した研究の成果【目的】平成30年度は、自閉症を有する子どもに対し、母親以外の人物によるユマニチュードに基づく介入を行うことの効果について明らかにするための実験を行った。医師による自閉症スペクトラムの診断がある自閉症スペクトラムの症状のある3歳~9歳児計8名を対象とし、3週間の介入を行った。介入は、参加者と目を合わせ、距離を近づけて挨拶することや、触れることを主眼としたものであった。指標は、施術前後に参加者の唾液を採取しオキシトシンの含有量を測定した。また第1回目の施術前と最終回の施術後に質問紙調査(東京自閉行動尺度、対児感情尺度、母性意識尺度)を参加者の母親を対象に行った。研究の結果、介入初回の施術前後において、参加者のオキシトシン濃度は3.20から8.00に増加した。介入3週間後には、施術前の数値が、3.60に増加していた。この結果より、本実験の介入により普段からのオキシトシンの分泌が促され、その結果不安が低減したことがわかる。さらに東京自閉行動尺度の「くせ・きまり得点」、「自閉症状の強さ」について、介入による効果が確認され、介入により不安症状が軽減した結果、症状が全般的に緩和されたと解釈できる。2.補助事業期間を通じた全体の結果3年間の補助事業期間のうち、1年目は実験の準備に費やした。2年目は自閉症児に対して医師と養育者によるによるユマニチュードに基づく長期的な介入効果を検討した結果、自閉症状が緩和され、対人志向が高まる効果が確認された。3年目は施設職員による介入効果を検討した結果、オキシトシンの分泌が促され、特に不安やストレスが原因とされる自閉症状が緩和される傾向が確認された。今後、自閉症児の対人関係(家庭と施設職員)すべてにおいてユマニチュードに基づく接し方をすることで、症状の全般的な緩和が期待できる。
著者
松岡 森 佐藤 慶彦 本田 憲胤
出版者
一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
雑誌
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 (ISSN:18817319)
巻号頁・発行日
vol.25, no.3, pp.488-492, 2015-12-31 (Released:2016-01-26)
参考文献数
13

肺癌に対する異なる術式(胸腔鏡下手術と開胸手術)におけるインセンティブスパイロメトリーを含む呼吸リハビリテーションの効果を,術後呼吸機能回復率を指標に検討した.入院診療録より患者背景・手術記録を調査し,呼吸機能評価として1秒量・肺活量を測定した.胸腔鏡下手術11名,開胸手術13名の患者を対象とした.平均年齢は胸腔鏡下手術群70.6歳,開胸手術群64.4歳と差があり,呼吸機能・手術関係要因などにも差を認めたことから,両群の単純比較はできなかった.術前呼吸機能実測値から切除部位損失率を引いたものを予測値(100%)とし,実測値/予測値を術後呼吸機能回復率とした.回復率は,両群ともに術後予測呼吸機能回復率の80%前後であり,先行研究と比較して,インセンティブスパイロメトリーを含む周術期理学療法が呼吸機能の回復を早めた可能性が考えられた.
著者
苛原 香 小牧 宏文 本田 涼子 奥村 彰久 白石 一浩 小林 悠 東 慶輝 中田 智彦 大矢 寧 佐々木 征行
出版者
一般社団法人 日本小児神経学会
雑誌
脳と発達 (ISSN:00290831)
巻号頁・発行日
vol.44, no.6, pp.450-454, 2012 (Released:2014-12-25)
参考文献数
20

【目的】先天性筋無力症候群 (congenital myasthenic syndrome ; CMS) の特徴を明らかにする.  【方法】CMSと診断した5例の臨床経過, 診察所見, 電気生理学的所見などを後方視的に検討した.  【結果】4例が乳児早期に筋力低下と運動発達遅滞, 1例は3歳時に運動不耐で発症した. 幼児期以降に1日単位で変動または数日間持続する筋力低下を全例で認めたのが特徴的で, 日内変動を示したのは1例のみであった. 反復神経刺激では, 遠位の運動神経では減衰を認めない例があった. 塩酸エドロフォニウム試験では, 眼瞼下垂を示した3例全例で改善を認めなかった. 全例で薬物治療による改善を示した.  【結論】CMSはていねいな診察と電気生理検査により診断可能で薬物治療が行える疾患である.
著者
渡部 誠 野中 稔 宮本 孝雄 本田 忠義 宇野 禎芳
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学 (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.17, no.4, pp.15-23, 1979-04-15 (Released:2013-04-26)

スリップフォーム工法は,塔状のコンクリート構造物を造る工法であり,西欧では古くから行われている。日本においては,比較的新しいものであり,この工法による構築物も超高煙突,給水塔,サイロなど円形断面で形状が比較的単純なものが多い。本石崎無線塔は,鉄筋コンクリート造の無線塔で,形状が変断面角形のユニークなものとなっている。本報告は,この世界でも稀な形状をもつ角形無線塔の,設計概要,スリップフォームエ法(シミズフレクスリップシステム)による塔体の施工,及びプラットフォームの施工について述べたものである。
著者
髙橋 美奈子 谷部 弘子 本田 明子
出版者
現代日本語研究会
雑誌
ことば (ISSN:03894878)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.72-89, 2019

<p>日本語が「第三者言語」として使用される機会が増えている現在、第三者言語接触場面における実証的な研究の必要性は高い。本稿では、実態と意識との乖離が指摘されているジェンダー規範を取り上げ、日本語学習者がどのようなジェンダー規範意識をもっているのかについて、相手言語接触場面と第三者言語接触場面を比較し明らかにする。分析に使用したデータは、留学生の日常談話データおよび意識を明らかにするための半構造化インタビューである。結果として、学習者は来日前から日本語のジェンダー規範についての知識があり、規範を肯定的にとらえていた。しかし、実際の言語使用においては、意識と異なり、規範にとらわれない自由な言語使用がみられた。中には、第三者言語接触場面より相手言語接触場面での方が日本語のジェンダー規範を順守しようとする言語使用もあった。学習者のもつ規範意識と実際の言語使用との複層性にどう向き合うか、日本語の教育に携わる者の意識が問われている。</p>
著者
本田 創造
出版者
校倉書房
雑誌
歴史評論 (ISSN:03868907)
巻号頁・発行日
no.67, pp.31-58, 1955-06
著者
本田 知己
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会誌 (ISSN:09120289)
巻号頁・発行日
vol.75, no.3, pp.359-362, 2009-03-05 (Released:2010-11-30)
参考文献数
8
被引用文献数
1
著者
本田 康雄
出版者
国文学研究資料館
雑誌
国文学研究資料館紀要 = The Bulletin of The National Institute of Japanese Literature (ISSN:03873447)
巻号頁・発行日
no.14, pp.269-295, 1988-03-30

江戸時代以来、草双紙合巻の作成に従事した作者(戯作者)や画工(浮世絵師)は明治七年、難解な新聞記事の中から特に一般庶民に興味のありそうな雑報記事を選び浮世絵師・落合芳幾などを中心として分り易すぐ絵解きして新聞錦絵(木版)を刊行した。その経験を生かして芳幾、高畠藍泉(三世柳亭種彦)は翌明治八年、平仮名絵入新聞を工夫し雑報欄の中央に木版の挿絵(事件の現場のスケッチ)を組みこみ、鉛活字の報道文と組合せて草双紙風の紙面を構成して多くの読者(江戸時代以来の草双紙の読者層)を獲得した。この欄において所謂、三面記事の連載、続報が生じ、これを続き物と称した。この様な小新聞(タブロイド版の大衆紙)の流行をみて新聞ニュースを直ちに草双紙合巻にまとめた『鳥追阿松海上新話』『東京奇聞』『高橋阿伝夜刃物語』が刊行され、末期草双紙界に最期の火花を揚げたが、間もなく新聞の(絵入り)続き物の人気に吸収され、江戸以来の草双紙合巻は明治二十年頃、途絶えた。しかし、この間、戯作者、高畠藍泉、染崎延房(二世為永春水)等は小新聞の続き物の記者として草双紙の文章に基づき報道のための新しい文体を工夫して庶民の読者に読み物を提供し、また浮世絵師はこの三面記事の中央部に事件の挿絵を描いて絵画による情報提供に努めた。この様にして、戯作者と浮世絵師の新聞を媒体とする協力によって続き物は盛行し、続き物の延長上に新聞小説が成立した。国際的に珍らしい日本の新聞小説の形態(絵入り続き物語)は明治のはじめから昭和の今日まで変っていない。 Since the Edo era, the author who engaged in the making of the illustrate “Kusazoshi Gokan(草双紙合巻)and painters (Ukiyoe artists) chose the difficult newspaper articles which seemed to be popular especially for common people in 1874, mainly Ochiai Yoshiiku who was an Ukiyoe artist made explanation by pictures clearly and published Shinbun-Nishikie (xylograph). Using that experience, Yoshiiku, Takabatake Ransen (Ryutei Tanehiko the third) devised the Hiragana-e-iri Shinbun and incorporated illustrations of the xylograph in the center of the general news column in 1875 (sketch of the crime scenes). By constituting the space after Kusazoshi in combination with news sentences printed by lead type, they won many audiences (Audiences of the Kusazoshi since the Edo era). In this column, serialization of so-called local news, further news occurred and named this ‘serial story’. Because such a minor newspaper (a tabloid) was popular, “Torioiomatsukaijoshinwa”(鳥追阿松海上新話), “Tokyokibun” (東京奇聞), “Takahashiodenyashamonogatari”(高橋阿伝夜刃物語)which were collected newspaper news to Kusazoshi Gokan were published promptly and set of the last spark in the closing days of Kusazoshi world. Kusazoshi Gokan since the Edo period was discontinued in about 1887 soon after being absorbed in the popularity of the serial stories. However during those times, the fiction writers such as Takabatake Ransen, Somezaki Nobufusa (Tamenaga Shunsui the second) devised new sentences for the news to offer reading materials to the common people based on the sentence of the Kusazoshi and also Ukiyoe artists drew the illustration of the case on the central part of this local news and tried reporting with pictures. In this way, serial stories became popular with the effort of fiction writers and Ukiyoe artists by means of newspaper. A serial story was established on the extension line of the story in newspaper. Internationally unique form of Japanese serial story in a newspaper (an illustrated serial stories) which does not change from the beginning of the Meiji era up to the present of the Showa.
著者
小手川 良江 本田 多美枝 平川 オリエ 本田 由美 寺門 とも子 八尋 万智子
出版者
日本赤十字九州国際看護大学
雑誌
日本赤十字九州国際看護大学intramural research report = The Japanese Red Cross Kyushu International College of Nursing, intramural research report (ISSN:13478877)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.15-25, 2010-12-25

本研究の目的は看護師の「職業キャリア成熟」に影響する要因を明らかにすることである。看護師の「職業キャリア成熟」(27点〜135点)に、属性・経験年数・家族の支援・キャリア計画をたてるうえで影響の大きいライフイベント・役割モデルの有無・メンターの有無が影響していると考え、概念枠組みに基づき調査項目を設定した。設置主体が同じである二つの総合病院(A病院509床、B病院301床)に勤務する看護師を対象とし、無作為抽出により374名に調査用紙を配布した。調査は無記名自記式質問紙調査とし、郵送にて回収を行った。分析は記述統計量、t検定、一元配置分散分析、相関分析を行った。結果、「職業キャリア成熟」と経験年数に有意な差はなかった。しかし、全ての経験年数で他の下位尺度と比較して<職業キャリア計画性>が低かった。現在起こっているライフイベントの中でキャリア計画をたてるうえで影響が大きいものとしては、結婚61名(30.7%)、育児49名(24.6%)が多かったが、配偶関係や子どもの有無による「職業キャリア成熟」に有意差は認められなかった。しかし、家族の支援が高い群は有意に「職業キャリア成熟」が高く、家族の支援による影響が示唆された。また、役割モデルやメンターの存在がある群は、「職業キャリア成熟」が有意に高く、キャリア成熟の影響要因であることが示唆された。
著者
本田 ゆか 佐々木 和義
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.278-291, 2008-06-30 (Released:2013-02-19)
参考文献数
28
被引用文献数
1

本研究では, 小学校1年生の学級づくりに関する担任教師から児童への個別的行動介入の効果について検討した。4月から5月にかけての22日間の授業日において, 当初の3日間をベースライン期, 19日間を介入期, 7月・9月・11月の各3日間をフォローアップ期として教室内での授業場面における教師と児童の行動観察を行い, その記録について分析を行った。その結果, ベースライン期に急激に増加していた児童の問題エピソード数が, 担任教師による複数カテゴリーからの介入によって有意に減少していること, フォローアップ期においても効果が維持されていうことが明らかになった。また, AD/HD児の問題エピソードが, 学級全体の問題エピソード数の減少に影響されて改善されることが示された。さらに, 問題エピソードが多い場合は複数の教師による介入が効果的であること, 教師のプロンプトについては, その回数よりも質やタイミング, フィードバックの方法による効果が大きいことが考察された。