著者
村山 綾 三浦 麻子
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.90, no.2, pp.156-166, 2019 (Released:2019-06-27)
参考文献数
32
被引用文献数
12

The purpose of this study was to investigate the validity of the Japanese version (Kanai, 2013) of the Moral Foundation Questionnaire (MFQ; Graham, Nosek, Haidt, Iyer, Koleva, & Ditto, 2011). In Study 1, we tested the internal validity of the MFQ using data collected from 855 participants, following the procedure by Graham et al. (2011). Analyses revealed that the five-factor model showed the best fit among any other model. In addition, a higher score in In-group, Authority, and Purity was related weakly but significantly to conservative political identity. In Study 2, we tested test-retest reliability as well as the relationships between the MFQ and ideologies, using data collected from 470 participants. The test-retest reliability was relatively low, compared to Graham et al. (2011). The relationships between the MFQ and ideologies were consistent overall with the Moral Foundations Theory. However, we also found several inconsistent results such as a higher score in Purity resulting in agreeing more with a liberal opinion. Usage of the Japanese version of the MFQ in empirical studies was discussed.
著者
石塚 智子 藤森 いづみ 吉ヶ江 泰志 久保田 一石 Veronika ROZEHNAL 村山 宣之 泉 高司
出版者
日本毒性学会
雑誌
日本毒性学会学術年会
巻号頁・発行日
vol.41, pp.S20-3, 2014

活性を有する親化合物の化学修飾によりADME特性の改善や毒性の軽減を可能とするプロドラッグ化では、活性体を生成する代謝活性化酵素の理解がプロドラッグの薬効や安全な臨床使用に重要な意味を持つ。代謝活性化酵素の個体差や薬物間相互作用による活性低下は薬効の減弱あるいは欠落を招き、さらにはプロドラッグ体の曝露上昇による予期せぬ毒性発現を引き起こす可能性がある。<br>演者らは、プロドラッグタイプのアンジオテンシン受容体拮抗薬であるオルメサルタンメドキソミル(OM)の代謝活性化酵素として、当時機能未知であったヒト加水分解酵素カルボキシメチレンブテノリダーゼ(CMBL)を同定した(Ishizuka et al., J Biol Chem 285:11892-11902, 2010)。哺乳類細胞に発現させたヒトCMBLは、代表的な加水分解酵素であるカルボキシルエステラーゼやコリンエステラーゼと異なる基質特異性や阻害剤感受性を示した。本発表では、CMBLのヒト肝臓および小腸中の個体差や非臨床試験動物の選択に重要な種差など、基礎的な酵素特性を併せて紹介する(Ishizuka et al., Drug Metab Dispos 41:1156-1162, 2013; 41:1888-1895, 2013)。ヒト小腸サイトソルのin vitro代謝クリアランスから、経口投与されたOMは吸収過程でそのほとんどが小腸CMBLにより活性体に変換されると考えられる。小腸で代謝活性化を受けるプロドラッグには、代謝活性化の副産物であるプロドラッグフラグメント(OMではジアセチル及びその代謝物が生成する)の循環血中での不要な曝露を避けられるという利点がある。加えて、ヒト血漿中の酵素パラオキソナーゼ1も非常に高いOM加水分解活性を有しており、このプロドラッグの完全な代謝活性化に寄与している。複数の酵素の関与により、いずれかの酵素に活性変動があったとしてもOMの代謝活性化は大きく影響を受けないものと考えられた。
著者
大平 昌美 岩本 彰太郎 山川 紀子 樋口 和郎 岡村 聡 辻岡 朋大 綿谷 るみ 村山 萌 高橋 悠也 東久保 和希 福喜多 晃平 牧 兼正
出版者
日本重症心身障害学会
雑誌
日本重症心身障害学会誌 (ISSN:13431439)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, 2017

はじめに タナトフォリック骨異形成症(TD)罹患児では人工呼吸管理が必須であるため早期に気管切開が行われ、その後に経口摂取可能となる例も少なくない。しかし、生後から長期間の経口気管挿管を経たのちに摂食可能となった症例の報告はなく、特に喉頭蓋欠損を合併した症例に対する摂食嚥下訓練方法は確立されていない。今回、生後から長期間の経口気管挿管を経た無喉頭蓋合併TD罹患児に対して実施した摂食嚥下訓練の取り組みについて報告する。 症例 出生前にTDと診断された9歳女児。出生直後より呼吸障害のため人工呼吸管理されていた。諸事情から経口気管挿管管理が8年5カ月間続いた。その間、経鼻経管で栄養管理され、経口摂取は行われなかった。気管切開施行後、唾液の嚥下を認めたことから摂食嚥下訓練の適応があると判断した。訓練開始にあたり、喉頭内視鏡検査では喉頭蓋欠損を認めたものの声門閉鎖可能であった。嚥下造影検査(VF)では、水分およびミキサー食・まとまり食・ゼリーの形態を10°〜30°のギャッジアップの姿勢で試みたが、誤嚥および喉頭侵入は認めなかった。同結果を受け、週5回、1日1回の頻度でPTによる呼吸リハビリ後、STによる口腔内マッサージおよび経口摂取訓練を実施したところ、約1カ月にはヨーグルト10cc程度の経口摂取が可能となった。 考察 経口摂取開始にあたり、長期間の経口気管挿管に起因する声門閉鎖不全が懸念された。そのためVF前に喉頭内視鏡検査を実施したことで、喉頭蓋欠損を同定することができた。その後のVFでは、喉頭蓋欠損による誤嚥に留意したが問題なく嚥下できていることが確認できた。また、本症例は嚥下機能が比較的保たれており、感覚過敏等による摂食拒否がなかったことがスムーズな経口訓練につながったと考える。今後、経口摂取機能のさらなる 発達を促すにあたり、無喉頭蓋の嚥下機能への影響に関して精査・検討する必要がある。
著者
村山 良之 増田 聡
出版者
The Tohoku Geographical Association
雑誌
季刊地理学 = Quarterly journal of geography (ISSN:09167889)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.34-44, 2001-03-25
被引用文献数
4

筆者らは, 防災を念頭に置いた建築規制や, 移転・構造強化へのインセンティブ付与, 情報公開等を含む計画手法を防災型土地利用規制と呼び, 活断層上の土地利用規制についての受容可能性を仙台市民アンケートを通じて検討してきた。本論では, 政策実施主体である自治体の職員 (防災と都市計画担当者) への調査結果を紹介し上と比較する。第一に自治体職員よりも市民の方が, 規制全般に積極的な傾向が確認できた。次に行政内では, 防災より都市計画担当者の方が活断層上の規制支持が低く市民意向との差も大きいが, 自治体職員 (特に都市計画) も市民同様に, 災害関連の情報獲得が多いほど規制実施への支持は高まる。第三に市民・職員ともその過半数が, 危険物施設, 公共・集客施設, 集合住宅の活断層上立地は避けるべきとしている。最後に活断層を持つ自治体の職員は, 厳しい土地利用規制には消極的な一方, 開発時の断層調査義務化には積極的である。現在, 防災型土地利用規制の適用例は少ないが, 採用可能な法的手法 (災害危険区域・地区計画等) も存在する。事前的防災対策の充実に向け, 都市計画と地域防災の連携強化や計画メニューの豊富化・柔軟化等の制度改革が求められる。
著者
大野 豪 村山 盛敏 宮里 進 東嘉弥真 勇人 小林 亜古 大濱 俊三 米本 仁巳
出版者
沖縄県農業研究センター
雑誌
沖縄県農業研究センター研究報告 (ISSN:18829481)
巻号頁・発行日
no.8, pp.35-39, 2014-03

石垣島のアテモヤにおいて,花弁が顕著に変形した奇形花の発生を認め,その頻度の経時的変化を明らかにした。着花を促すための剪定・摘葉の時期(7月または8月)にかかわらず,奇形花の発生は開花期間の初期に集中することがわかった。次に,奇形花が人工受粉に適する花なのかどうかを確かめるため,受粉後の受精成功や果実の形状・サイズを奇形花・正常花の間で比較した。その結果,奇形果率と正常果の横径については,いずれの剪定・摘葉時期においても,奇形花と正常花の間に有意な差は認められなかった。一方,結果率については,7月剪定・摘葉樹(人工受粉期間: 8月中旬~下旬)では正常花・奇形花間に有意差はなかったものの,8月剪定・摘葉樹(同: 9月中旬~下旬)においては,奇形花の結果率が正常花のそれよりも有意に低かった。このように,受粉を行う時期によっては奇形花の結果率が劣る場合があることを考慮すると,十分な花数が確保できる場合には,奇形花を人工受粉に用いないほうが得策だと考えられる。8月剪定・摘葉樹でのみ奇形花の結果率が劣った原因のひとつとして,9月の受粉期間のほうが8月の場合よりも相対湿度が低かったため,開花前から花弁どうしの癒合が不十分な奇形花では秋季においてより柱頭が乾燥しやすくなり,受精機能を失いやすいという可能性を考えることができる。
著者
小泉 範明 國場 幸均 村山 康利 栗生 宜明 中西 正芳 阪倉 長平 大辻 英吾
出版者
一般社団法人 日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.44, no.12, pp.1632-1638, 2011-12-01 (Released:2011-12-20)
参考文献数
13
被引用文献数
2 1

症例は52歳の男性で,他院でStage IIの直腸癌に対して低位前方切除術を施行されている.術後1年4か月で血清CEA値の上昇を認め,腹部CTおよびMRIで吻合部周囲に多発する嚢胞性腫瘤を指摘された.大腸内視鏡検査では吻合部の口側に粘膜下腫瘍様の隆起性病変として認められた.FDG-PETでは同部に一致してFDGの集積を伴っていたため局所再発と診断され,当科に紹介となり手術を施行した.病理組織学的検査では悪性所見を認めず,最終的にimplantation cystと診断した.本症は消化管吻合に伴って生じるまれな合併症であるが,いまだ広く認識されておらず,確定診断に苦慮することも多い.器械吻合の普及に伴って増加しており,再発との鑑別に際して念頭に置くべきである.血清CEA値の上昇やFDG-PETで集積を認めた報告は過去になく,本例はまれな1例であると考えられたので,文献的考察を交えて報告する.
著者
村山 洋史 小宮山 恵美 平原 佐斗司 野中 久美子 飯島 勝矢 藤原 佳典
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.66, no.6, pp.317-326, 2019-06-15 (Released:2019-06-21)
参考文献数
26

目的 ソーシャルキャピタルは多職種連携を促進する重要な要因であることが示されている。本研究では,在宅医療の推進を目的に作成された「在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会」(以下,研修会)の参加者を対象に,在宅医療・介護従事者に対するソーシャルキャピタルの醸成効果を検討した。方法 東京都北区で2014年7月~2015年1月に実施された研修会参加者への自記式質問紙調査のデータを用いた。質問紙調査は研修会の前後で実施した。研修会の参加者は,区内で在宅医療・介護に従事している,あるいは関心を持っている専門職であった。開業医・病院医師には延べ5.0日,開業医・病院医師以外には延べ4.5日のプログラムが提供された。在宅医療の動機付け項目として,在宅医療に対するイメージ形成と効力感を測定した。ソーシャルキャピタルに関しては,同職種への信頼感と互酬性の規範(結束型×認知的ソーシャルキャピタル),他職種への信頼感と互酬性の規範(橋渡し型×認知的ソーシャルキャピタル)を測定した。加えて,開業医以外の職種に対しては,開業医との関係に特化し,開業医への信頼感と互酬性の規範(橋渡し型×認知的ソーシャルキャピタル)と開業医との連携活動状況(業務協力と交流の2因子を含む;橋渡し型×構造的ソーシャルキャピタル)を把握した。解析には一般化推定方程式を用い,効果量を求めた。活動内容 研修会参加者54人中,研修会前後の両方の回答が得られた52人(うち2人が開業医)を対象とした。まず,在宅医療の動機付け項目では,効力感は変化がなかったものの,在宅医療に対するイメージ形成の得点は研修会前後で向上していた。ソーシャルキャピタルでは,同職種への信頼感と互酬性の規範の両者とも研修会前後で得点が向上していた。一方,他職種への信頼感と互酬性の規範は,両項目とも得点の向上は見られなかった。開業医以外の職種のみに限定した開業医との関係では,信頼感と互酬性の規範,および連携活動状況の業務協力において得点の向上が見られた。さらに,研修会参加者内での信頼感と互酬性の規範も向上していた。結論 研修会に参加することで,在宅医療・介護従事者に対するソーシャルキャピタルが醸成されていた。在宅医療・介護領域におけるソーシャルキャピタルの醸成に向け,本研修会のような機会の提供は一つの方策と考えられた。
著者
村山 勇
出版者
医学書院
雑誌
臨床検査 (ISSN:04851420)
巻号頁・発行日
vol.11, no.8, pp.569-574,551, 1967-08
著者
荒木 健次 村山 敏夫 鈴木 誠
出版者
日経BP社
雑誌
日経エレクトロニクス (ISSN:03851680)
巻号頁・発行日
no.892, pp.117-130, 2005-01-31
被引用文献数
4

プリント配線基板の電源電圧や接地電圧の変動対策に追われる機器設計者が急増する中,電源系のシミュレーション技術が脚光を浴びている。デジタル・カメラやPDAなど数多くの機器の開発現場でこうしたシミュレーション技術の導入を始めているソニーが,静岡大学,静岡県立大学と共同で開発した3次元電磁界解析シミュレータ「BLESS」の詳細を明らかにする。
著者
村山 優弥 紫合 治
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告ソフトウェア工学(SE)
巻号頁・発行日
vol.2015, no.20, pp.1-8, 2015-03-05

本論文では iPhone と Android アプリケーションを同時に作成する手法とツールについて報告する.まず,Android と iPhone のユーザインタフェースが類似していることに着目し,見た目や動作が似通っている箇所をツール上では同一のものとした.詳細の違いはツール独自の規格に当てはめることで共通化を行った.見た目や動作の類似点から共通化を行っているため本ツールでの開発は共通化された GUI(Graphical User Interface) によって,視覚的に設計を行ったのち,システムが自動的に Android と iPhone のソースコードを生成する.生成したソースコードを eclipse や Xcode などの各開発環境に渡すことでアプリケーションを完成させる.This paper presents a method and a tool to develop a smart phone application both on Android and iPhone simultaneously. The common graphical elements for Android and iPhone, like button, label and text, are defined as the GUI tool elements to design the application user interface. The tool automatically generates the corresponding source codes in Java for Android and in Objective-C for iPhone simultaneously, which will be transferred to the eclipse for Android and the Xcode for iPhone to build the applications.
著者
村山 良之
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2006, pp.241, 2006

地形改変地における地震災害 日本では、都市の郊外住宅地が丘陵地等に地形改変をともなって広く展開し、近年では大きな地震のたびに、これらの地域で特徴的な被害が発生する。すなわち、切土部では住宅等の被害がほとんど発生しないのに対して、盛土部や切盛境界部で、不等沈下や崩壊といった地盤破壊にともなう住宅等の激しい被害が発生する(1978宮城県沖地震、1993釧路沖地震、1995阪神淡路大震災、2004新潟県中越地震等)。またこのような地盤破壊までは至らなくとも、切土部と盛土部・切盛境界部で瓦屋根等の被害発生率に大きな差が生じる場合がある(2001芸予地震、2003三陸沖の地震、2005福岡県西方沖の地震)。 発表者はこれまで、宮城県沖地震、釧路沖地震、阪神淡路大震災、福岡県西方沖の地震について、地形改変前後のDEMを作成し、GISを用いて、地形とその改変に関わる土地条件指標群と建物被害発生との関係について統計学的検討を行ってきた。その結果、これら土地条件群は建物被害発生についてある程度有効な説明力を持つことを明らかにした。「総合的な宅地防災対策」への期待 2005年12月、国交省は、宅地の地震防災対策として、「大地震時に相当数の人家及び公共施設等に甚大は影響を及ぼすおそれのある…大規模谷埋め盛土」の「滑動崩落」対策を主とする「総合的な宅地防災宅策に関する検討報告(案)」を提示するに至った。より具体的には、「宅地安全性に係る技術基準の明確化」、「宅地ハザードマップの作成」、既存の「宅地造成等規制法の改正」等を行い、新規造成宅地だけを対象とするのではなく、既存の宅地についても、地方公共団体が「特に危険な大規模盛土造成地」を「造成宅地防災区域(仮称)」に指定する等して、減災対策実施を関係者(土地所有者等)が連携して実施するものとしている。これまで宅地盛土には(一部を除いて)技術基準すら存在しなかった状況からすると、大きく踏み込んだ内容を有する本政策は、地震防災におおいに寄与することが期待できる。発表者は、この政策の基本方針を強く支持するものであるが、さらに有効なものにするために課題について以下に記す。_丸1_ 対象範囲のスクリーニング方法 本学会災害対応MLで既に名古屋大の鈴木康弘先生指摘のとおり、スクリーニング作業方法について十分に検討すべきである。発表者の経験からも、提案されている地形改変前後のDEMに基づく盛土分布の把握にはかなり丁寧な作業必要である。この作業に加えて、新規造成宅地の場合は施工図面の提出義務化、既存造成宅地についても可能な限り収集作業を行うのが、精度と費用の点で有効と思われる。_丸2_ 本政策の対象範囲 対策実施に対して公的支援を想定しており、対象が限定されるのは、やむを得ないが、近年の地震災害では、この対象外のところでも(盛土全体の滑動がなくとも切盛境界で不等沈下発生、小規模盛土で滑動崩落等)宅地や住宅で大きな被害を受けている事例も数多くあると思われる。_丸3_ 宅地ハザードマップの公表と利用 スクリーニングから漏れた盛土部を含むできるだけ広い範囲について、宅地ハザードマップ(切土盛土分布図)公表を義務化すべきである。このことが対象外(滑動しないと予測されたものや小規模)の盛土部での個人的対策実施を促し、_丸2_の課題に応えると考えられる。さらに、不動産売買時の提示義務化や、建築確認申請時の参照義務化、地震保険の保険料算定基準への採用など、マップの利用方法についても踏み込むことが、さらに自助努力のインセンティブになると考えられる。
著者
城戸 克己 廣瀬 恵美 片岡 裕美 増田 寿伸 田鶴谷(村山) 惠子
出版者
日本食品化学学会
雑誌
日本食品化学学会誌 (ISSN:13412094)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.68-76, 2019 (Released:2019-04-26)
参考文献数
18

Many crude drug products elicit a bitter taste, because there are a variety of bitter components in them. However, there are no good methods of masking their bitter taste. Therefore, new masking methods are widely required. As a general method to administer crude drug products to patients, they are dissolved in hot water or mixed in food or juice. However, there is a risk that patients may not want to eat the food if the crude drug products alter the taste of the food. In this study, we conducted a sensory evaluation including a questionnaire in order to examine the improvement effect on swallowing a crude drug product in food. The screening tests were carried out to reveal what kinds of foods could improve the taste and texture of the crude drug product by mixing them with 30 kinds of foods. In the screening test, a statistically significant effect was observed on masking bitter taste. Based on this screening test, the bitterness masking tests were carried out with 6 kinds of foods. As a result, a commercially available swallowing aid jelly, vanilla ice cream, chocolate ice cream, condensed milk, peanut cream, and seaweed tsukudani significantly reduced the bitterness of the crude drug product. The tastes of these foods are strong, so it is necessary for patients with sugar and salinity limitations to consider the usage of these foods. These foods are relatively inexpensive and easy to obtain. Therefore, they might be useful for patients to take medicines such as bitter crude drug products following the instructions of a physician.
著者
村山 明子
出版者
日本生化学会
雑誌
生化學 (ISSN:00371017)
巻号頁・発行日
vol.81, no.6, pp.456-464, 2009-06-25
参考文献数
32
著者
下村 一徳 名徳 倫明 村山 洋子 陶山 忠士 長嶋 三香子 土師 久幸
出版者
一般社団法人日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.27, no.3, pp.255-261, 2001-06-10 (Released:2011-03-04)
参考文献数
6

A system that included both images and voice using a personal computer was developed to provide pharmaceutical instructions for outpatients at the medication counter. A touch panel was adopted for easy use by a wide range of age groups. The system consisted of such items as the “usage of externally applied drug”, “information on disease”, “patient education” and comprised eight items over all. A survey of 105 patients was conducted and almost all patients (95%) understood the drug-related information provided. This system was found to be an effective method for providing patients with easily understood drug-related information and most patients actually enjoyed using this system which led to an improved dissemination of important medication related information.
著者
井上 英治 井上-村山 美穂 高崎 浩幸 西田 利貞
出版者
日本霊長類学会
雑誌
霊長類研究 Supplement
巻号頁・発行日
vol.25, pp.50, 2009

チンパンジーの第1位オスは,在位期間に受胎した3割以上の子供の父性を確保していることが多くの調査地で知られている。タンザニア,マハレ山塊国立公園の第1位オスの在位期間は平均5年強であるが,M集団のNTは,1979-91年,1992-95年の計15年間第1位オスであった。在位期間が長いと残した子供の総数も多いと考えられる。そこで,NTの繁殖成功を解明するため,父子判定を行なった。1995年以前に採取されたNTを含む21頭のワッジおよび毛からDNA抽出を行ない,マイクロサテライト8領域の遺伝子型を決定した。すでにM集団で1999年以降に採取された試料をもとに決定していた54頭の遺伝子型と合わせ,1981-96年に生まれた15頭の父子判定を行なった。このうち,NTの子供は1頭のみであり,他の14頭の父親であることは否定された。同集団で1999-2005年に生まれた子供の父子判定では,第1位オスが45%の子供の父親であったので,第1位オスの繁殖成功が低いことはこの集団の特徴とは言えない。NTの繁殖成功が低かった理由として,2つの可能性が考えられる。1つは,NTが第1位であるときM集団の個体数が90頭前後と多く,発情するメスの数およびライバルとなるオスの数が多かったために,交尾を独占できなかったと考えられる。もう1つは,NTは推定24歳で第1位になり,1981年ですでに26歳になっていたことである。他集団において,20歳以下の繁殖成功が高いことが知られているため,年齢が影響したことも考えられる。過去に保存していた貴重な試料を解析することにより,長期間第1位であったオスが在位期間中に多くの子供を残していなかったことが示された。