著者
木暮 槇太 中島 誠 高橋 幸吉 稲神 馨 須藤 芳三 待田 行雄 林 禎二郎 平尾 常男 五十嵐 三郎 仲野 良男 竹林 克明 吉田 徳太郎 宮内 潔 江口 正治 林 幸之 佐々木 周郁 渡辺 忠雄 近藤 義和 渋谷 勲 須貝 悦治 田中 茂光 小山 長雄 田中 一行 竹田 寛 竹鼻 孝夫 室賀 明義 蒲生 俊興 高橋 保雄 西村 浩 長谷川 金作 森 幸之 永友 雄 梅谷 与七郎 中村 晃三 松本 介 宮沢 正明 加藤 康雄 土橋 俊人 高木 直温 柳沼 泰衛 小野 四郎 村山 隆之 近森 俊哉 辻 辰四郎 小川 敬之 小松 四郎 大岡 忠三 妹尾 計一 森本 宏 梶浦 みち子 萩原 清治 瓶子 まち子 中条 紀三 高木 春郎 飯島 荘資 横内 和多良 清水 滋 堀内 彬明 堀内 ちよし 原田 忠次 木村 敬助 青木 秀夫 後藤 四男 小林 恵之助 皆川 基 皆川 豊作 岡村 源一 小河原 貞二 村山 穰助
出版者
社団法人 日本蚕糸学会
雑誌
日本蚕糸学雑誌 (ISSN:00372455)
巻号頁・発行日
vol.25, no.3, pp.244-255, 1956-06-28 (Released:2010-11-29)

蚕卵発育中に於けるPhasphataseの組織化学的所見2雄核の接合に関する細胞学的観察カイコガのモザイク複眼の構造とできかた家蚕蛹の頭部が産卵に及ぼす影響家蚕の血組織に関する生理学的研究 (II) 蛹の発育に伴う囲心細胞及び周気管細胞中の遊離アミノ酸の消長家蚕その他数種絹糸虫における誘引物質の共通性と類縁関係に関する研究蚕種の冷蔵障害と水銀塩による沈澱物前胸腺移植後の結紮と絹糸腺の成長家蚕のフラビン化合物に関する研究 (V) 蛹の器官特に中腸におけるフラビン化合物について (予報)家蚕の計量的形質と脳-食道下神経節連合体の機能追加7.白殫病菌の蚕卵への接種試験繭・繊維の部熱風乾燥に関する研究 (II)繭解じよの向上についての研究 (IV) 病蚕成立繭特に硬化病, 軟化病, 膿繭蚕繭の性状繭及び生糸の繊度変異に関する研究 (9) 定粒生糸と定繊度生糸の性能比較について生糸の摩擦係数に関する研究 (7) 精練度と摩擦係数について糸条斑と繰糸管理について生糸の練減率測定に関する2, 3の知見絹の膨潤現象から見た中心層発現の-所見チオ尿素樹脂の還元性について繭層セリシン溶液の粘度吐糸営繭に伴なう繭形の変化 (続)営繭条件と分離細繊維との関係フイブロインの糸条形成について (VIII) フイブロインの溶液中における分散状態について絹糸構造の研究 (I)酵素製糸の研究 (II)酵素精練の研究 (II)追加8. 落緒に関する研究 (II) 落緒形態の出現率とその分布
著者
辻阪 誠 高野 祥太朗 平田 岳史 申 基澈 村山 雅史 宗林 由樹
出版者
一般社団法人日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集 2017年度日本地球化学会第64回年会講演要旨集
巻号頁・発行日
pp.45, 2017 (Released:2017-11-09)

海底堆積物中の元素濃度や同位体比は,堆積物が堆積した時代の海洋組成を反映するため,古海洋復元の重要なプロクシとなる.本研究では,北海道岩内町沖で航洋丸にて1998年11月に採取された日本海中層海底堆積物IWANAI No.3(43°22’36.0N
著者
駿藤 晶子 山本 妙子 吉岡 有紀子 硲野 佐也香 石田 裕美 村山 伸子
出版者
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.78, no.4, pp.143-151, 2020-08-01 (Released:2020-09-26)
参考文献数
17

【目的】本研究は,日本において,世帯収入と小学生の子を持つ保護者の食料品へのアクセスも含めた食生活状況との関連を明らかにすることを目的とした。【方法】東日本4県の4地域(6市村)の19小学校に在籍する小学5年生(10~11歳)の保護者のうち,同意が得られた1,231名を対象に質問紙調査を実施し,そのうち920名を解析の対象者とした。世帯収入が貧困基準以下の群(低収入群)とそれ以外の群(低収入以外群)に分け,朝食を食べる頻度,家庭での食品の使用頻度,子どもの食事に関する項目,食料品の入手や買い物に関する項目,時間的なゆとりの実感,地域での子育てに関する項目と世帯収入との関連について,χ2 検定またはFisherの正確確率検定を用いて検討し,その後,各項目を目的変数とし,説明変数は世帯収入として二項ロジスティック回帰分析を行った。【結果】多変量解析の結果,低収入群は低収入以外群に比べて,子どもの健康維持に適した食事の量とバランスがわからないといった食知識がない者,経済的な理由もしくは買い物が不便であるという理由で生鮮食品や必要とする食物の入手が困難になる者,時間的なゆとりを感じていない者が多かった。【結論】小学生の子を持つ保護者は,世帯収入が貧困基準以下であると,子どもの健康維持に関する食知識がない者,経済的な理由もしくは買い物が不便なために食料品の入手が困難である者,時間的ゆとり感がない者が多いことが明らかになった。
著者
加藤 裕朗 村山 裕佳 濱田 奈保子 和田 俊
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成23年度日本調理科学会大会
巻号頁・発行日
pp.32, 2011 (Released:2011-08-30)

【目的】浸透圧を利用して食品から水分を取り除くことができるシートとして開発された脱水シート(商品名:ピチットマイルドシート, オカモト社製)は2枚の食品用半透膜フィルムの間に,高濃度の食用糖類と食用糊料をはさんだ構造になっている.鮮魚の品質保持効果に関しては,サバ類,イワシ類,タラ類,ブリ及びサンマについて,VBN抑制効果とK値の上昇抑制効果があることを精査してきた(*濱田ら 2002,2003).本研究ではカツオを対象として,多角的角度から品質保持に及ぼす脱水シートの影響について検討を行った. 【方法】カツオを脱水シート,対照としてポリ塩化ビニリデンシート(サランラップ 旭化成製)で包装し,5℃の冷蔵室で0~4日間貯蔵した.脱水率,水分含量及びATP関連化合物量を経日的に測定した.色彩に関しては,血合肉と普通肉においてL*a*b*値を測定及びL*a*b*値とそれらの値から求められるΔEとΔEに彩度を加えたΔE00を求めた.また,におい識別装置(島津製作所 FF-2A)を用いた総合的なにおい分析の計測を貯蔵2日目と4日目に計測した. 【結果】脱水シート包装の脱水率は貯蔵1日目で6.2%,貯蔵4日目には14.4%であり,水分含量は貯蔵2日目から4%以上の差が見られた. ATP関連化合物量については有意差は見られなかった.色彩に関しては,ΔE及びΔE00ともに脱水シート包装において色彩の保持効果が観察された.また血合肉でより高い効果が見られた.においに関しては,貯蔵4日目において類似度と多変量解析の結果に差が見られた.以上の結果から,カツオの品質保持に関して色彩とにおいにおいて脱水シートによる優位性が示唆された. *日食科誌, 49, 781-785 (2002). 日調理科誌, 36, 354-359 (2003).
著者
北郷 仁彦 戸坂 友也 村山 尊司
出版者
社団法人 日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会
雑誌
関東甲信越ブロック理学療法士学会 第30回関東甲信越ブロック理学療法士学会 (ISSN:09169946)
巻号頁・発行日
pp.10, 2011 (Released:2011-08-03)

【目的】 今回、左視床出血で反対側の右上下肢に小脳性の運動失調を呈した症例を経験したのでその症候を分析し報告する。 【症例】 70代、男性、右利き。診断名:左視床出血。現病歴:仕事中に右片麻痺出現にて救急搬送。保存的加療を行い麻痺は徐々に改善。発症から1カ月後、当センター転院。なお本症例には発表について文書にて説明し同意を得た。 【結果】 <発症2ヵ月後>画像所見:左視床外側部および左放線冠に低吸収域。神経学的所見:意識清明。コミュニケーションは日常会話レベル可能。錐体路徴候;深部腱反射は右上下肢亢進。運動麻痺はBr-stage右上下肢V。体性感覚は表在覚、深部覚とも左右差なし。協調性検査は右上肢は鼻指鼻試験、Arm stopping testで陽性、リーチ動作全般に企図振戦が見られた。右下肢は足趾手指試験、踵膝試験で陽性。体幹はRomberg sign陰性で、動作時の動揺も認められなかった。神経心理学的所見: MMSE 16/30点。病識あり。動作所見:移乗動作では右上肢で支持物を把握するときに振戦が見られた。食事場面ではスプーンが口唇に近づくにつれ振戦が大きくなり食物のこぼれが見られた。歩行は右下肢の振り出し時に運動失調が認められT字杖軽介助レベルであった。 【考察】 視床損傷による運動失調は視床外側部に位置する後外側腹側核(以下VPL)や外側腹側核(以下VL)に起因すると言われている。VPL損傷では感覚性の運動失調、VL損傷では小脳性の運動失調を呈する。視床損傷による小脳性の運動失調は視床性運動失調と言われ、さらに運動失調と同側に運動麻痺を伴うとAtaxic hemiparesis(以下AH)とされる。しかしVPLとVLは隣接するため視床損傷で小脳性の運動失調のみ出現することは極めて少ない。 本症例は左視床出血を発症し右上下肢に企図振戦などの運動失調が見られたが、感覚障害を伴わなかった。このことからVL損傷に起因する視床性運動失調と推察された。また右上下肢に運動麻痺も見られることからAHであると推察された。本症例はVL損傷により小脳性の運動失調が生じるという諸家の報告を裏付ける結果となった。また退院時の屋内移動手段は下肢の運動失調により杖歩行が自立に至らず、歩行器歩行であった。 【まとめ】 運動麻痺と同側肢に運動失調を呈すると運動麻痺に重複され運動失調が見逃されやすい。運動麻痺と運動失調の重複は予後に影響する可能性がある。画像所見や臨床症状から運動失調の存在を見逃さないことが重要で今後症例を積み重ね予後予測や治療方法について検討していく必要がある。
著者
佐長 健司 中山 亜紀子 村山 詩帆 栗原 淳 田中 彰一 栗山 裕至 板橋 江利也 庄田 敏宏
出版者
佐賀大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2013-04-01

国立大学の附属学校を中心に、その教育効果を測定するために調査を行った。それは、いわゆる学力テストではなく、児童・生徒にインタビューを行い、得られた語り(学びのヒストリー)を解釈する方法によるものであった。明らかになったことは、児童・生徒の学びは多様で個性的であるが、学校や家庭等の状況に埋め込まれていることである。そのため、学校や家庭等の状況的圧力によって学びが制限されるが、それらからリソースを得て積極的に学びを拡張していることも大ある。そこで、学校や家庭の学習状況を重視した教育が強く求められると言えよう。
著者
小川 朋子 鈴木 唯 萩原 静 五十嵐 絵美 五十嵐 槙 伊藤 直子 岩森 大 山崎 貴子 村山 篤子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成22年度日本調理科学会大会
巻号頁・発行日
pp.179, 2010 (Released:2010-08-27)

【目的】枝豆の収穫の際には規格外のはね豆が2,3割を占めている。現在、新潟県では首都圏に県産品をアピールする「にいがたフード・ブランド推進事業」が行われ、その事業の一環にはね豆の有効利用がある。本研究では、はね豆を用いて枝豆の最適な加熱条件及び保存条件を色調、官能評価、成分測定より検討した。 【方法】加熱は予備実験よりゆで加熱(100℃4分)、スチーム加熱(90℃5分)を比較した。スチーム加熱には低温スチーミング装置ATS-10A(AIHO)を用いた。保存条件は、収穫後の放置時間、ブランチングの効果について検討した。色調は色彩色差計(コニカミノルタ)を用いて行い、官能評価はゆで加熱を基準に7段階評価尺度法を用いてSD法による評価を行った。成分はHPLC法にて糖量を、ヒドラジン法にて総ビタミンC量を、ヤマサグルタミン酸キットによる比色法にてグルタミン酸量を定量した。 【結果】ゆで加熱した枝豆よりスチーム加熱した枝豆の方が糖が多くなったが、ビタミンC、グルタミン酸には差が見られなかった。色調及び官能評価においてもゆで加熱よりもスチーム加熱の方が高い評価を得た。収穫後放置すると、ビタミンCに大きな減少はなかったが、糖は時間が経つにつれ、減少した。収穫直後の生の枝豆とブランチング処理をした枝豆を-23℃で60日間保存し比較すると、ブランチング処理を行ったほうが色調、風味ともに優れていた。以上のことから、枝豆をおいしく食したい場合には収穫後1日以内でスチーム加熱をすることが望ましく、すぐに食さない場合には生で冷凍保存するよりもブランチング処理をして保存をするほうがよいことが分かった。
著者
鈴木 克洋 露口 一成 松本 久子 新実 彰男 田中 栄作 村山 尚子 網谷 良一 久世 文幸
出版者
JAPANESE SOCIETY FOR TUBERCULOSIS
雑誌
結核 (ISSN:00229776)
巻号頁・発行日
vol.72, no.4, pp.187-192, 1997-04-15 (Released:2011-05-24)
参考文献数
10

Fifty six clinical isolates of Mycobacterium tuberculosis were tested for drug susceptibility in Mycobacteria Growth Indicator Tube (MGIT) containing 0.1μg/ml of INH, 1.0μg/ml of RFP, 3.5μg/ml of EB and 0.8μg/ml of SM. These results were compared with those obtained by testing the same M.tuberculosis isolates by the absolute concentration method using 1% Ogawa egg slant containing 0.1μg/ml of INH, 10μg/ml of REP, 2.5μg/ml of EB and 20μg/ml of SM. Fifty six isolates consisted of 18 pansensitive strains, 27 multidrug resistant strains and 11 single drug resistant strains. The results for individual drugs showed excellent agreement between the MGIT and the Ogawa methods, and overall agreement rate of the two methods were 96.4%. The results were just the same for all drugs in 48 out of 56 strains studied. The drug resistance could be observed much earlier by the MGIT method (mean 5.9 days) than by the Ogawa method (more than 21 days). In conclusion, the MGIT system could be a promising new drug susceptibility test which might become available in Japan replacing the Ogawa method.
著者
村山 太郎 Taro MURAYAMA
雑誌
学校教育センター紀要 = Bulletin of School Education Center (ISSN:24353396)
巻号頁・発行日
no.5, pp.1-14, 2020-03-31

学習指導要領改訂(2017-2018 年)に伴って高等学校国語科では「言葉による見方・考え方を働かせ,言語活動を通して,国語で的確に理解し効果的に表現する資質・能力」の育成という目標が掲げられた。この目標を踏まえた国語の学習はどのようなものがあり得るのだろうか。本稿は,「言葉による見方・考え方を働かせ」るという用語に着目しつつ,『源氏物語』テキストにおける夕霧と雲居雁夫婦の物語を取り上げ,夕霧の在り方に着目して分析し,具体的な教材開発に資する要点を明らかにすることで,この問いに答える端緒を示そうとするものである。
著者
村山 光義
出版者
特定非営利活動法人 日本レーザー医学会
雑誌
日本レーザー医学会誌 (ISSN:02886200)
巻号頁・発行日
pp.jslsm-41_0019, (Released:2020-06-06)
参考文献数
38

近年,低反応レベルレーザー治療(Low reactive level laser therapy: LLLT)およびLight emitting diode therapy(LEDT)のような光治療はPhotobiomodulation therapy(PBMT)と呼ばれている.このPBMTはスポーツ障害の治療・予防のみならず,筋疲労の遅延によるパフォーマンスの向上に効果的であることが報告されている.本稿ではアスリートを対象としてPBMTのパフォーマンス向上効果を検討した論文について,スポーツ種目別にその概要をまとめた.
著者
村山 昌暢
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.191-200, 2018-02-15

はじめに 窃盗とは,広辞苑(第6版)によれば“他人の財物をこっそりぬすむこと。また,その人”,万引きは“買い物をするふりをして,店頭の商品をかすめとること。また,その人”とされる。 種々の窃盗に対する刑罰が記載されていた古代のハンムラビ法典(紀元前1700年代),旧約聖書のモーセの十戒(紀元前300年頃以前)中の窃盗を禁ずる文言,本邦の古事記(712年)中の,古代の皇族の部下の窃盗の話など,窃盗は,貴賤を問わず古代からなされてきた犯罪行為である。そのうち“万引き”が始まったのは,大量消費社会が具現された16世紀のロンドンで,“shoplifting”の語が人口に膾炙するのは17世紀末である16)。 さて,その窃盗を種々の理由で繰り返す人々,中でも,盗むという衝動に抗しきれず窃盗を繰り返す人たちがいる。その盗みは,通常の意味での物欲や金銭欲によるものでなく,いわば窃盗のための窃盗である。自己の窃盗衝動を制限できず,多くはそのリスクに見合わない少額の万引きを繰り返し,悩む。罰金,懲役など司法処罰でも,馘首,家庭崩壊など社会的制裁でも,その窃盗は止まらない。それが窃盗症〔クレプトマニアk(c)leptomania,以下,本症〕である。筆者の常勤する特定医療法人群馬会赤城高原ホスピタル(以下,当院)にはそのような人たちが,連日訪れる。 何らかのストレスの回避あるいは発散の方策として,衝動的になされた1回の万引きの成功〜快体験を機に,以後,種々の葛藤に面した時に,同様の万引きをなすことが時に無防備に繰り返され,あるいは徐々に巧妙化,大量/高額化するのが本症である。本症についての精神医学的知見が未だに乏しい中,この分野で際立った臨床体験を有する竹村は,これを「窃盗症は衝動性の障害として発生し,嗜癖問題として進行する」,と表現している20)。 現在,本症に対しては,Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders(DSM)とInternational Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems(ICD)での診断基準が広く使われている。両者は,合併症,鑑別診断での違いもあるが,内容の大部分は共通しており,ともにこの“当人の立場に鑑みて,割に合わない”,“異常な衝動性”およびその衝動性による問題行動が“繰り返し現れる”という“病的な習慣性”に焦点を当てた診断基準であると考える4,24)。 本稿では,過去の国内外の代表的なテキストや,現在の国際的診断基準におけるこの障害の記述を振り返りながら,また,当院での臨床体験も踏まえ,本症の本質を論じてみたい。 本症は,ギャンブル障害,インターネット使用障害,買い物嗜癖,性嗜癖,摂食障害などとともに,精神医学的には行動嗜癖の一つとされる。精神障害としての常習窃盗,クレプトマニアは古くからある病名であるが,行動嗜癖の中でも最も治療体験と研究の蓄積が少なく,実態の解明が遅れている。当院とその関連医療施設の京橋メンタルクリニックでは,常習窃盗症例の登録システムを構築しており,両医療施設で筆者らが診療しあるいは相談にかかわった症例は2008年1月から2017年10月の9年10か月で1,700例に達した。なお,クレプトマニアの邦訳名としては,“病的窃盗”,“窃盗癖”などが使われてきたが,アメリカ精神医学会による『DSM-5精神疾患の診断・統計のマニュアル』(2013)では,日本精神神経学会によって新しく“窃盗症”が採用された。以下,本稿でもこの“窃盗症”を用いるものとする4)。 一般的に常習窃盗は,①経済的利益のために金目の物品や金銭を盗む職業的犯罪者,②飢えて食物や生活必需品を盗む貧困者,③金があるのに些細なものを盗む病的窃盗者,の三種類に大別される。もちろん現実にはこれら三種の境界型,混在型,移行途上型など分類困難なタイプや,これら以外の熱狂的なコレクター(収集狂,蒐集嗜癖)や知的障害による常習窃盗も存在する。日常用語になった感のある日本語の“窃盗癖”は,広く②,③型両者の常習窃盗を意味し,必ずしも③型窃盗と同等ではない。本稿では,窃盗症は③型窃盗の一部であって,DSM-5の診断基準によって精神障害と診断される常習窃盗とする21)。
著者
濱田 洋平 谷川 亘 山本 裕二 浦本 豪一郎 村山 雅史 廣瀬 丈洋 多田井 修 田中 幸記 尾嵜 大真 米田 穣 徳山 英一
雑誌
JpGU-AGU Joint Meeting 2020
巻号頁・発行日
2020-03-13

⾼知県⼟佐清⽔市⽖⽩海岸付近の海底(水深5-10m)には、数十基の大型の石柱(長さ1m)が横たわっている。しかし、石柱が人工的に作られたものなのか、自然の岩石ブロックなのか、そしてその起源ついては不明である。石柱が確認された爪白地区は、昔から南海トラフ地震による津波と台⾵・⼤⾬による⽔害に幾度も襲われているため、海底の石柱には自然災害の痕跡が残されている可能性がある。また、⾼知県各地の沿岸部には684年の⽩鳳地震で⼀夜にして沈んだとされる村(⿊田郡)の伝承が伝わっており、石柱と「黒田郡」との関係性にも期待がもたれる。そこで本研究では、石柱の幾何学的特性と岩石物理鉱物学的な特性を測定し、起源の推定につながる可能性の高い近傍の岩石および石造物についても同じ特性を測定した。各特性の類似性を評価し、海底石柱の起源の推定を行った。一連の分析の結果、海底の石柱は三崎層群竜串層(中新統)を起源とし、現在は閉鎖している三崎地区の採石場から採取、加工され、爪白地区で石段や家の基礎などの石造物として利用された可能性が高いことがわかった。さらに、爪白地区で利用されていた石柱は1707年の宝永地震による津波により海岸まで流された可能性が高いことがわかった。本研究は、破壊分析(間隙率・密度・XRD)と非破壊分析(X線CT・pXRF・帯磁率測定)の両手法を用いて実施している。将来における水中考古遺物の保存を念頭に置いた場合、水中における非破壊分析手法の確立が喫緊の課題となる。本研究ではX線CT画像解析による石柱の表面形状の特徴とpXRFによる元素濃度比の測定結果を用いたPCA解析が起源特定に大きな貢献をしたが、水中でも室内分析と同様の精度でデータを取得する必要がある。一方で、石柱が水中に水没したプロセスを知る上での重要な手がかりとなる年代評価については手法と精度に問題点があることがわかった。本研究の一部は高銀地域経済振興財団の助成金により実施された。
著者
村山 雅史 谷川 亘 井尻 暁 星野 辰彦 廣瀬 丈洋 富士原 敏也 北田 数也 捫垣 勝哉 徳山 英一 浦本 豪一郎 新井 和乃 近藤 康生 山本 裕二 黒田郡 調査隊チーム一同
雑誌
JpGU-AGU Joint Meeting 2020
巻号頁・発行日
2020-03-13

黒田郡遺構調査の目的で,高知県浦ノ内湾の最奥部(水深10m)から採取した堆積物コアを解析した。当時の海洋環境や生物相の変遷履歴も復元することもおこなった。高知県土佐湾の中央部に位置する浦ノ内湾は,横浪半島の北側に面し,東西に細長く,12kmも湾入する沈降性の湾として知られている。高知大学調査船「ねぷちゅーん」を用いて、バイブロコアリングによって4mの堆積物コアが採取された。採取地点は,周囲からの河川の影響はないため,本コア試料は,湾内の詳細な環境変動を記録していると考えられる。採取されたコア試料は,X線CT撮影,MSCL解析後,半割をおこない肉眼記載や頻出する貝の採取,同定をおこなった。 堆積物の岩相は,olive色のsity clayであり,全体的に多くの貝殻片を含む。コア上部付近は,黒っぽい色を呈し強い硫化水素臭がした。また,コア下部に葉理の発達したイベント堆積物が認められ,その成因について今後検証する予定である。