著者
ウデイン S.M.モスレム 村山 盛一 石嶺 行男 続 栄治 原田 二郎
出版者
CROP SCIENCE SOCIETY OF JAPAN
雑誌
日本作物学会紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.64, no.4, pp.747-753, 1995
被引用文献数
14

木酢液・木炭混合物(サンネカE)が夏植サトウキビの乾物生産および根の生育に及ぼす影響を明らかにするために, サトウキビ品種NCo310を供試し, サンネッカE施用量を0(対照区), 200, 400および800kg/10aの4水準設定して5反復で実験を実施した. その結果, サンネッカE施肥により茎重, 茎長, 茎径, 糖含量等のサトウキビの収量構成要素が増大した. サンネッカE施用区におけるCGR, NARおよびLAIは対照区より高い値を示し, CGRとNARおよびLAIの相関は有意であった. 原料茎収量, 葉糖収量および全乾物重もサンネッカE区が対照区よりそれぞれ13-24%, 19-31%および14-20%増加した. また, 原料茎収量, 蔗糖収量および全乾物重の最高値は400kg/10aサンネッカE区で得られた. サンネッカE区の根系の分布は水平方向, 垂直方向とも各分布域における根重密度はサンネッカE区が高かった.
著者
村山 由佳
出版者
日経BP社 ; 1985-
雑誌
日経マネー (ISSN:09119361)
巻号頁・発行日
no.411, pp.112-114, 2016-09

57Yuka Murayama1964年7月、東京都生まれ。立教大学文学部卒業後、不動産会社勤務、塾講師などを経て93年『天使の卵—エンジェルス・エッグ』で小説すばる新人賞を受賞。2003年『星々の舟』で直木賞、09年『ダブル・ファンタジー』で柴田錬三郎賞、中央公論文芸賞、島…
著者
小村 弘 河原 亥一郎 茂本 友貴枝 松田 健一 阿野 理恵子 村山 洋子 森脇 俊哉 吉田 長弘
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.125, no.1, pp.121-130, 2005-01-01 (Released:2005-01-01)
参考文献数
27
被引用文献数
3 5

The application of combinatorial chemistry and high-throughput screening to biological targets has led to efficient identification of lead compounds in wide therapeutic areas. However, the physicochemical properties of some lead compounds are lipophilic with low water soluble. Since these parameters determine in vivo absorption, we established robust screening methods for solubility and Caco-2 membrane permeability which are applicable to our screening strategy based on the structure-pharmacokinetic parameter relationship (SPR). Of test compounds with different core structures, turbidimetric solubility and apparent solubility as determined by HPLC-UV analysis after dilution of aqueous media from DMSO stock solution was overestimated in comparison with the corresponding thermodynamic solubility obtained using a traditional shake-flask method. A new powder-dissolution method providing thermodynamic solubility similar to that in the traditional method was developed using 96-well plates for equilibrium dialysis. The throughput of the method was the almost the same as that using the apparent solubility method. In a conventional Caco-2 assay, membrane permeability (Papp) of some lipophilic compounds was underestimated due to low solubility in the apical site and adhesion to the device, resulting in a poor relationship between the in vivo absorption fraction and the Papp values. The addition of 0.1% Gelucire 44/14 into the apical site and 4% bovine serum albumin into the basolateral site improved the relationship. These newly developed methods are therefore useful to optimize lead compounds with less water solubility and high lipophilicity on the basis of SPR.
著者
村山 正市
出版者
山形県民俗研究協議会
雑誌
山形民俗 (ISSN:09138943)
巻号頁・発行日
no.21, pp.52-58, 2007-11
著者
花田 充治 野口 俊弘 村山 隆夫
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.122, no.2, pp.141-150, 2003 (Released:2003-07-22)
参考文献数
29
被引用文献数
9 14

アムルビシンは住友製薬により全合成された新しいアントラサイクリン系の抗癌薬であり,2002年4月に非小細胞肺癌と小細胞肺癌を適応症として製造承認を得た.ドキソルビシンなど現在市販されているアントラサイクリン系薬剤は全て発酵品あるいは発酵品からの半合成品であるのに対し,アムルビシンは化学的に全合成された化合物である.9位に水酸基の代わりにアミノ基を有し,アミノ糖の代わりにより簡単な糖部分を有するという,発酵品あるいは発酵品からの半合成品にはない化学構造上の特徴を有している.非臨床試験では,アムルビシンはヌードマウス皮下に移植したヒト腫瘍細胞株に対しドキソルビシンより強い抗腫瘍効果を示した.このマウスモデルにて薬剤組織分布を調べたところ,in vitroにてアムルビシンの約5~200倍の細胞増殖抑制活性を示す活性代謝物アムルビシノール(13位ケトン還元体)が正常組織に比べ腫瘍組織に多く分布していた.アムルビシンは組織分布の上でドキソルビシンに比べより腫瘍選択性の高い薬剤であると考えられ,また,既存のアントラサイクリン系薬剤と異なり,その抗腫瘍効果の発現に活性代謝物アムルビシノールが重要な役割を果たすと考えられた.アムルビシンはトポイソメラーゼIIを介したクリーバブルコンプレックスの安定化により抗腫瘍効果を示し,強いインターカレーション作用により抗腫瘍効果を示すドキソルビシンとは作用機序が異なると推察された.臨床試験では,未治療の進展型小細胞肺癌に対し高い奏効率(76%)を示した.未治療の非小細胞肺癌に対する奏効率は23%であった.主な副作用は骨髄機能抑制で,特にグレード3以上の好中球減少の発現率は77%であった.現在,悪性リンパ腫に対する後期第II相試験と未治療の進展型小細胞肺癌に対するシスプラチンとの併用による第II相試験が進行中である.
著者
村山 知恵
出版者
世界文学会
雑誌
世界文学 (ISSN:03852903)
巻号頁・発行日
no.103, pp.97-104, 2006-07
著者
村山 功
出版者
愛知教育大学大学院・静岡大学大学院教育学研究科 共同教科開発学専攻
雑誌
教科開発学論集 (ISSN:21877327)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.55-64, 2013-03-31

断片的知識(KIP)論は、認知の文脈依存性や知識構造の獲得・移行を重視した、知識表現モデルの一種である。KIP コミュニティにおける先導的な研究者であるdiSessa は、物理に関する直観的な推論を説明するためにp-prims 理論を構築した。p-prims は小さな要素知識であり、呼び出しの優先度と信頼性の優先度によって相互に結びついている。形式的知識と素朴概念の共存、およびそれによる推論は、これらの結合の変化によって説明される。Lawler は自然な状況における自分の娘の加算の学習を、彼流のKIP 理論であるマイクロワールドによって説明した。どちらの研究者も、知識の文脈依存性やKIP間の関連付けの重要性を強調している。このことは、学習者の知識が文脈に依存しない一般的な構造であり、容易に組み合わせて新たな知識構造を作ることができるとする、教育上の仮定に対する再考を促す。
著者
揚戸 薫 高橋 伸佳 高杉 潤 村山 尊司
出版者
一般社団法人 日本高次脳機能障害学会
雑誌
高次脳機能研究 (旧 失語症研究) (ISSN:13484818)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.62-66, 2010-03-31 (Released:2011-05-11)
参考文献数
7
被引用文献数
2 2

遷延性の道順障害を呈した 1 例における移動手段獲得のためのアプローチについて検討した。通常の地図を見ながらの移動訓練は有効ではなく,これは移動中の各地点で自分の向いている方角が地図上でどの方角にあたるかを判断できないことが一因と考えられた。そこで視覚的手段は用いず,目的地まで道順に沿って目印となる指標や分岐点での進むべき方角を言語的に記述したメモを用いたところ非常に有効であり,さらにそれを言語的に記憶することでメモなしでの移動が可能となった。道順障害は,症状の持続が短期間のことが多いが,病院内の移動などには大きな支障をきたす。本例で用いたような言語メモを活用したリハビリテーションは,道順障害での方角定位障害を代償する手段として有効であり,早期から積極的に取り入れるべきと考えられる。
著者
村山 千代子 村山 知子 尾崎 邦夫 関根 顕
出版者
特定非営利活動法人 日本顎咬合学会
雑誌
日本顎咬合学会誌 咬み合わせの科学 (ISSN:13468111)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.65-74, 2013

<b>日常の歯科臨床において,心地よく咬めることは歯科治療の最終到達地点であり,そのために「咬合」が重要なテーマとなる.咬合の診査は模型診断,エックス線写真等の画像診断・キャディアックスなどの下顎運動診査機器による診査など多岐にわたるが,体表診査は特別な機器を必要とせず,患者の負担が少ない.術者の解剖学の知識と観察眼があれば診断が可能なため,咬合診査のベースとして体表診査を行うことが重要であると考える.表情筋・咀嚼筋・顎顔面骨格の対比と下顎偏位の関連性について考察し,矯正治療と下顎位の修正を含む咬合治療を行い良好な結果が得られたので報告する.【顎咬合誌 33(1・2):65-74,2013】 </b>
著者
村山自彊 編
出版者
大倉書店
巻号頁・発行日
vol.前編 声音編,言語編, 1893
著者
山﨑 真大 加納 塁 原田 和記 村山 信雄 佐々木 崇 折戸 謙介 近藤 広孝 村井 妙 山岸 建太郎 西藤 公司 永田 雅彦
出版者
日本獣医皮膚科学会
雑誌
獣医臨床皮膚科 (ISSN:13476416)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.127-134, 2017 (Released:2017-09-28)
参考文献数
20
被引用文献数
2

犬の表在性膿皮症は,皮膚表面に常在するブドウ球菌(Staphylococcus pseudintermedius,S. schleiferiなど)が表皮や毛包に存在,あるいは侵入して発症する。近年では薬剤耐性菌が病変部から分離される症例が増加しており,治療に苦慮することも多い。そこで,日本獣医皮膚科学会では犬の表在性膿皮症の治療ガイドラインの作成を試みた。近年,海外では複数のシステマティックレビューや,ガイドラインが報告されていることから,これらを参考にしつつ日本独自のガイドラインの作成を目指したが,エビデンスとなる論文が十分でなく,現時点では困難であることが明らかになった。この中で,現時点で有効であると考えられるいくつかの知見が得られたので治療指針として提示したい。また,現時点での問題点についても述べる。
著者
山田 理恵 阿久澤 和彦 畢 長暁 李 専 定成 秀貴 松原 京子 村山 次哉
出版者
日本補完代替医療学会
雑誌
日本補完代替医療学会誌 (ISSN:13487922)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.17-25, 2009 (Released:2009-03-12)
参考文献数
29
被引用文献数
2

ヒトサイトメガロウイルス (human cytomegalovirus: HCMV) の治療薬として,現在ガンシクロビル (GCV) とホスカルネット (PFA) が使用されているが,易感染性宿主の HCMV 感染症には,抗 HCMV 薬の長期投与が必要なため,薬物耐性 HCMV の出現が問題となっており,作用機序の異なる新たな治療薬の開発が求められている. 現在我々は,代替医療薬を中心に抗 HCMV 薬の探索を行っている.今回は,防腐作用や殺菌作用などがあることが知られているクマザサを用い,その抽出物に,抗 HCMV 効果があるか否かについて検討した.クマザサ抽出液をウイルス感染細胞に添加したところ,濃度依存的にウイルスの細胞変性効果が抑制され,ウイルス粒子産生にも抑制がみられた.また,リアルタイム RT-PCR 法および,ウエスタンブロット法による解析の結果,クマザサ抽出液によりウイルスの複製,増殖に重要な Major immediate early (IE) 遺伝子の発現に抑制がみられたことから,クマザサ抽出液は GCV とは異なる作用機序により抗 HCMV 効果をもつ可能性が示された.
著者
村山 聡
出版者
学術雑誌目次速報データベース由来
雑誌
日本研究 : 国際日本文化研究センター紀要 (ISSN:09150900)
巻号頁・発行日
vol.23, pp.53-75,iv, 2001

近世ヨーロッパに関して、各人の年齢が記載されている歴史資料を見つけることは非常に難しい。ヨーロッパでは、洗礼、堅信礼、婚姻、埋葬などの各イベントにおいて、教会は記録を残している。しかし、ヨーロッパの歴史人口学で使用されてきた洗礼、婚姻、埋葬の記録である教区簿冊においても、年齢記載がなされているものは多くない。それに対して、日本の近世江戸期の史料では、五〇年以上、場合によっては一〇〇年、二〇〇年という単位で毎年各人の年齢が記載されている「宗門人別改帳」などの史料が残されている。このような史料が残っていることはまれであるものの、多くの地域で年齢記載のある史料が残されていること自体が近世日本の特徴であると考えられる。毎年何十年にもわたって同一のフォーマットで記録され続けていたということはどのように理解すればいいのだろうか。近世ヨーロッパでは一部の地域を除くと、そのような記録は残されていない。この違いをどのように考えればよいのだろうか。また、近世日本における人口関係資料のもう一つの特徴は、多くの地域で実際の世帯と考えられる生活単位そのものが一つの単位として取り扱われ、それについての記録が毎年なされていることである。近世ヨーロッパの史料においても、世帯構造を分析できる史料がある。しかし毎年継続的かつ定期的にそのようなセンサスタイプの史料が残されているケースは、ヨーロッパではオーストリア、イタリアとスウェーデンぐらいであるとされている。それゆえ、なぜ詳しい年齢記載がなされているのか、という疑問に加えてもう一つの疑問点は、なぜ、毎年、世帯の単位で記載がされる必要があったのかということである。あるいは、なぜそのような記載の形式が持続されえたのか、ということである。年齢記載を含めて、記録された世帯の分析についてはすでに多くの蓄積がなされてきた。しかし、記録され続けたことの意味については、それほど多くの注意が払われてきたわけではない。記録された世帯について、残された史料データに基づいて現在でも多くの分析が可能であるということは、記録されたその時代においても、現在とは基準が異なるにせよ、何らかの分析可能性があったことを示唆する。この意味で、このような種類の史料が存在する社会というのは、少なくとも、家族関係については、情報編集性の非常に高い社会であったのではないであろうか。特に家族の選択的行動には実に様々な利用可能性があったと考える。これを誰がいかに利用していたかは、それぞれの時代や地域において、大きな差があったと考えるが、単に権力者側の意図が反映して作成されていたのではないことは確かであろう。その意味で、各地域の住民や地方役人は、規則としてだけでなくかなり主体的に年齢記載などを行ったのではないかと推察する。
著者
平岡 喜文 横川 正憲 根本 盛行 村山 盛行 武山 峰典
出版者
日本測地学会
雑誌
測地学会誌 (ISSN:00380830)
巻号頁・発行日
vol.57, no.4, pp.173-180, 2010 (Released:2012-03-30)
参考文献数
5

We developed a new Remote GPS Monitoring System (REGMOS) -Hybrid which utilized the Broadband Global Area Network (BGAN) of Inmarsat PLC and solar cell modules for data transfer and power supply, respectively. It can equip many kinds of sensors including GPS, camera, thermometer, tiltmeter and so on to monitor volcanoes and crustal activities. The original REGMOS was first developed in 1998. The purpose of the development is to monitor crustal deformation in a severe environment where infrastructures including electric power and wired telephone line is not available, for example, a volcanic field and an area damaged by an earthquake. In the original system, the data transfer using satellite telephone services is unstable and slow (4.8 kbps) and GPS is an only sensor for crustal monitoring. It was pointed out that various kinds of data such a photo of a crater were important to monitor volcanic activities. Therefore, we developed the new REGMOS-Hybrid to overcome the problems of the data communication and power generation in the original system. We installed the REGMOS-Hybrid on the summit of Mt. Tarumae volcano in Hokkaido in August 2010. It has enabled us to monitor the volcanic activity for more than one year without any troubles of the whole system. The other kinds of data including a movie and geomagnetism have been already supported by the REGMOS-Hybrid. We plan to acquire these data in a practical field.
著者
大村 友希 河合 秀将 村山 憲弘 芝田 隼次
出版者
公益社団法人 日本金属学会
雑誌
日本金属学会誌 (ISSN:00214876)
巻号頁・発行日
vol.74, no.10, pp.677-681, 2010 (Released:2010-10-01)
参考文献数
16
被引用文献数
1 5

Analysis of the chemical composition of spent cylindrical Li-ion batteries for PC, and investigation of the separation of each metal (Li, Co, Ni, Cu) from the Li-ion batteries were carried out by burning under a vacuum, crushing and screening, in order to recover rare metals from the Li-ion batteries.    The cylindrical Li-ion batteries have the structure that the multi-layered electrodes with four−layered foils composed of anode, cathode and two separators are enrolled cylindrically around the core steel bar. Seven kinds of metal such as Li, Co, Ni, Fe, Mn, Al and Cu mainly exist in the Li-ion battery. The whole mass of Li-ion battery used in this study is 39.7 g. The mass of Li, Co, Ni and Cu is 1.38 g, 10.3 g, 0.236 g and 4.62 g, respectively, in one piece of Li-ion battery, while other elements (graphite) are 23.16 g. Three size fractions of 150-125, 125-106 and 106-90 μm obtained by crushing and screening after burning under a vacuum and removing stainless case show almost similar compositions. On the other hand, the size fraction of +425 μm contains a lot of foil-like materials. The separation of Al and Cu with a larger particle size from the crushed product of a burned Li-ion battery is accomplished by using a 425 μm sieve. It is important to separate the foil-like elements such as Al, Cu and Fe from the crushed products of electrode materials by using a sieve with a larger mesh size, for example 5-10 mm.
著者
小村 弘 茂本 友貴枝 河原 亥一郎 松田 健一 阿野 理恵子 村山 洋子 森脇 俊哉 吉田 長弘
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
藥學雜誌 = Journal of the Pharmaceutical Society of Japan (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.125, no.1, pp.141-147, 2005-01-01
参考文献数
27
被引用文献数
1 2

コンビナトリアルケミストリーの発展により化合物ライブラリーの数は百万を越え, 週に何十万もの化合物が多くの生物学的ターゲットに対してスクリーニングされている. これに伴い多くのリード化合物が見出されている. さらに開発候補品のディベロッパビリティにおいて動態代謝特性が重要な要因の1つであるとの認識が深まり,優れた薬物動態プロファイルを伴った開発候補品を見出すため探索動態グループに対する要求が年々高まってきている.このような状況下において, 溶解性, Caco-2膜透過性及び代謝安定性試験などについてハイスループットスクリーニング(HTS)への取り組みが行われてきた. しかしながら, 探索動態試験におけるHTSは時間と労力を必要とし, 評価できる化合物の数は最大でも生物学的ターゲットに対するHTSの1/100から1/10000と限られている. 近年, 合成化合物の体内動態特性を予測するためのin silicoモデルが検討されている.特にpolar surface area(PSA), molecular weight(MW), 脂溶性(logP)及びhydrogen bonding(HB)の数などの種々のパラメータが用いられ, 薬物の膜透過性又は経口吸収性の予測が試みられている.