著者
小村 弘 松田 健一 茂本 友貴枝 河原 亥一郎 阿野 理恵子 村山 洋子 森脇 俊哉 吉田 長弘
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
藥學雜誌 = Journal of the Pharmaceutical Society of Japan (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.125, no.1, pp.131-139, 2005-01-01
参考文献数
25
被引用文献数
1 3

肝臓での代謝安定性は経口吸収性とともに生体内利用率に影響する重要な因子であり, その最適化は多くのプロジェクトにおける最重要課題の1つである. 一般に代謝試験には肝ミクロソーム系又は単離肝細胞系が用いられている. 肝細胞系はphaseI及びII代謝活性, さらに肝取り込みや胆汁排泄に関与する膜輸送系を有しており, 開発候補品を初め薬物の詳細な代謝検討に使用されている.しかし非凍結及び凍結ヒト肝細胞の場合コストが高く付くこと, またロット間の代謝活性の個体差が大きいこと, そしてロボットへの適応が難しいことから, 創薬の初期スクリーニングには適していないものと考えられる. 一方, 肝ミクロソーム系では細胞質の酵素によるphaseI及び硫酸抱合活性などのphaseII代謝を測定することができないが, 主代謝酵素であるcytochromeP450(CYP)活性が存在し,いずれの種についてもミクロソームを容易に入手できる. 特にヒトではハイスループットスクリーニング用として多くのドナーから調製されたミクロソームが市販されている.
著者
小村 弘 河原 亥一郎 茂本 友貴枝 松田 健一 阿野 理恵子 村山 洋子 森脇 俊哉 吉田 長弘
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
藥學雜誌 = Journal of the Pharmaceutical Society of Japan (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.125, no.1, pp.121-130, 2005-01-01
参考文献数
27
被引用文献数
2 5

経口吸収性は生体内利用率に影響する重要なファクターの1つであり, ヒトでの低い吸収率さらにはその個体間の大きなバラツキは, 開発候補品のディベロッパビリティーを大きく低下させる. 近年コンビナトリアルケミストリー及びハイスループットスクリーニング(HTS)の導入は幅広い生物学的ターゲットに対して効率的にリード化合物の創出を可能にしてきたが, リード化合物の経口吸収性を初め体内動態に関わる物性を悪化させた. したがって, 創薬において吸収性に優れた開発候補品を創製するためにはリード化合物の最適化が必要となる. 吸収性は主に水に対する溶解性と膜透過性が大きく関わっており, これらのスクリーニング系が開発されてきた.近年その処理能力を上げるため, より簡便な比濁分析法や溶液沈殿法を用いた溶解性試験, さらにはCaco-2細胞の短期間培養法, N in one 及び96 well formatを用いた透過性試験系が採用されている.
著者
山内 啓之 小口 高 村山 祐司 久保田 光一 貞広 幸雄 奥貫 圭一
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2016, 2016

これまでにGIS教育の充実のために、科学研究費を用いた複数のプロジェクトが行われ、基本となるコアカリキュラムと講義用教材が整備された。しかし、実習に関する検討は少なかった。GISを活用できる人材の育成には、大学の学部や大学院等における実習を通じた教育が重要である。<br> そこで、GISの実習用教材を開発し、公開するプロジェクトを平成27年度より開始した(科学研究費基盤研究A「GISの標準コアカリキュラムと知識体系を踏まえた実習用オープン教材の開発」、平成27~31年度、代表者:小口 高)。本プロジェクトでは、学部3~4年生の実習授業や自主学習を対象とした教材の開発と試験公開を行い、一般公開に向けて修正と改良を重ねてきた。本報は、これまでに整備してきた教材とその公開についてまとめたものである。<br> 今回整備した教材は、日本独自の地理情報科学の知識体系を教科書として編集した『地理情報科学 GISスタンダード』(浅見ほか編, 2015)の章構成に基づいている。GISの操作手法の解説には、無償のソフトウェアとデータを用いた。ソフトウェアは、様々な実習環境に対応できるQGISを主に用いた。QGISはバージョン更新が頻繁であるため、長期的にリリースされていた安定版のQGIS2.8を基本とした。しかし、リモートセンシング・データの解析、空間データベース、ネットワーク分析などの基礎的な内容や、空間統計学的な内容を含む教材においては、QGISのみでの対応が困難なため、GRASS GIS、PostGIS、CrimeStatなど複数のソフトウェアを組み合わせて使用した。<br> 教材で用いるデータは、国土数値情報やオープンデータなどとし、背景地図が必要な場合は、地理院タイルを利用した。以上のソフトウェアやデータを活用して、『地理情報科学GISスタンダード』の中で、実習の内容を含む6章~23章と26章に対応した教材を整備した。<br> 教材は、PowerPointファイルと記述が容易なMarkdownファイルでまとめ、GitHubにアップロードし、WEBで試験公開した。その後、編集や管理のしやすいGitHub上で、修正や改良を重ねた。GitHubでの公開は、Pull Request機能やIssue機能による低コストでの教材管理を目的としたものである。教材編集に一般利用者が参加できることから、ソフトウェアのバージョン更新に対応できるソーシャルコーディング的な教材運用も期待できる。 <br> 教材は、GitHubとGitBookを連携させ、閲覧しやすいWEBページで公開する。GitBookは、Markdownファイルの表示や閲覧に特化したサービスである。GitHubリポジトリのMarkdownファイルを読み込むことで、両リポジトリ間での双方向的な編集と表示が可能になる。また、簡易なコメント投稿機能や複数のファイル形式でのダウンロードなど、利用者に便利な機能が標準で用意されている。 <br> 教材には、クリエイティブコモンズに基づいて、CC BY-SA 4.0のライセンスを付与した。表記は &copy; GIS Open Educational Contents WG, CC BY-SA 4.0とした。これは、表示-継承の条件下において、幅広い用途での自由な利活用を認めることを意味する。<br> 本プロジェクトの成果は、大学等でのGIS実習や、学生や市民の自主学習に利用できるようにインターネットで一般公開する。今後は、公開した教材の運用とともに、一般利用者からPull Requestを受けつつ教材を更新していく仕組みの構築や、インターネットを活用したWEB GIS教材の整備等について検討する予定である。
著者
清水 久範 池田 俊也 坂巻 弘之 矢島 秀一 池上 直己 村山 純一郎
出版者
一般社団法人日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.41, no.3, pp.153-162, 2015-03-10 (Released:2016-03-10)
参考文献数
22
被引用文献数
1 1

To evaluate the economic impact of regimens including the oral anticancer drug S-1 (a combination of tegafur, gimeracil, and oteracil), we performed cost-minimization analysis to compare the medical costs of S-1 plus irinotecan (IRIS) with those of conventional intravenous treatment with oxaliplatin or irinotecan plus fluorouracil and folinic acid (mFOLFOX6/FOLFIRI) in patients with advanced colorectal cancer. Patients with advanced colorectal cancer were extracted from the ordering system database for outpatients in Showa University Hospital. Direct medical costs and patients' time-related costs were calculated from the hospital billing data and the average Japanese labor wage, respectively. The results were analyzed from a limited societal perspective. Twenty-nine patients with advanced colorectal cancer were identified, and 25 IRIS regimens, 11 mFOLFOX6 regimens, and 5 FOLFIRI regimens were registered. Mean (± SE) monthly costs of treatment were 183,682 (± 4,767) yen for IRIS regimens and 279,077(± 13,345) yen for mFOLFOX6/FOLFIRI regimens. The monthly cost of IRIS regimens was significantly lower than that of mFOLFOX6/FOLFIRI regimens (P < 0.0001). IRIS regimens are cost-saving compared to mFOLFOX6 or FOLFIRI regimens for the management of advanced colorectal cancer.
著者
川上 貴弘 村山 尊司 佐藤 仁俊 石原 未来 大塚 栄子
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.B4P3090-B4P3090, 2010

【目的】外傷性脳損傷(以下TBI)は急性期に意識障害をはじめとした多様な障害像を呈する。そのため受傷後の短期的な医学的リハビリテーションでは治療効果や長期的な予後予測が困難な事例が多い。今回、発症後25ヶ月経過した慢性期TBI例を経験した。本例は当センター医療施設及び障害者支援施設にて19.5ヶ月の加療の結果、入院時ADL全介助から屋外歩行にてADL自立レベルまで改善を認めた。本例の臨床経過の特徴と慢性期における包括的リハビリテーション支援の必要性について述べる。<BR><BR>【方法】<症例>33歳 男性 右利き。診断名:TBI。現病歴:2006年1月飲酒後階段より転落。頭部CTにて急性硬膜下血腫を認め、減圧開頭血腫除去術施行。同年3月にV-Pシャント術施行。意識障害・四肢麻痺・嚥下障害が遷延し、同年5月某リハビリテーション病院転院。その後、12月に療養病院にて加療するも改善認めず、2008年2月更なるリハビリ目的にて当センター転院。同年9月障害者支援施設へ転所。2009年10月現在、同施設入所中。<BR>既往歴:特になし<BR><BR>【説明と同意】今回の発表にあたり患者の同意を書面にて得た。<BR><BR>【結果】<入院時所見(発症後25ヶ月)>神経学的所見:意識清明。コミュニケーションは言語にて可能。著明な自発性低下あり。運動麻痺はBr-stage両側上下肢6にて分離運動良好、感覚障害は認めず。両側上下肢に固縮様の筋緊張亢進を呈した。両下肢に著しい関節可動域制限及び筋力低下を認めた。神経心理学的所見:全般知能はMMSE;19/30点。FAB;13/18点。TMT:Set1;1597秒誤り10,Set2;実施不可。Kohs立方体:実施不可。WCST:実施不可。動作所見:起居動作・坐位保持は介助にて可能であったが、立位を伴う動作は両下肢の拘縮とクローヌスが著しく困難であった。歩行は平行棒内全介助レベル。ADL:FIM;48/126点(運動項目28点、認知項目20点)。<医学的リハビリテーション経過>発症後25ヶ月~31.5ヶ月の期間当センター医療施設にて医学的リハビリテーションを実施。退院後は関連施設である障害者支援施設更生園への入所を目的としていた。入院時より頭部CTにて脳室拡大を認めた為、入院後1ヶ月に水頭症改善を目的としたV-Pシャント術を施行。並行してPT,OT,STによる運動療法及び認知訓練を実施した。V-Pシャント後自発性改善を認め、それに伴い身体・認知機能も向上した。発症後28ヶ月の時点でMMSE30/30点、歩行器歩行軽介助レベルに至った。退院時(発症後31.5ヶ月)の状況は、基本動作は自立、歩行は歩行器歩行監視レベル、階段昇降も監視にて可能となった。高次脳機能障害に関しては、対人関係トラブルを頻発するなど社会的行動障害がみられるようになった。ADLはFIMにて101/126点(運動項目74点、認知項目27点)。<社会的リハビリテーション経過>発症後31.5ヶ月~44.5ヶ月の期間当センター障害者支援施設にて社会的リハビリテーションを実施(現在も継続)。本例は両親との同居を目標に社会生活プログラムに沿った機能訓練及び生活訓練を実施した。発症後38.5ヶ月で実用的な移動手段は車いすから歩行へ移行し、屋内T杖歩行自立となる。発症後42.5ヶ月でADL自立、屋外(施設敷地内)独歩自立に至った。発症後44.5ヶ月でのADLはFIMにて114/126点(運動項目85点、認知項目29点)。身体機能については著明な改善を認めたが、脱抑制・易怒性のような社会的行動障害が強くなり、間食や対人関係トラブルといった施設生活上の問題が顕著となった。退所後は地域の就労支援センターへ移行する予定。<BR><BR>【考察】TBIの長期経過として運動機能の改善は良好とされる一方、社会的行動障害のような高次脳機能障害は遷延することは橋本らが報告しており長期的なリハビリテーションフォローの必要性を指摘している。本例においても、発症後25ヶ月から19.5ヶ月のリハビリテーション介入により身体機能は著しく向上し歩行及びADL自立に至ったが、高次脳機能障害は残存した。これは一般的なTBI患者の長期経過の特徴を示すものであった。しかし、本例は発症後25ヶ月が経過していたのにも関わらずADL全介助から自立に至るという良好な経過を示した点が特異的であった。この背景には、V-Pシャント術による自発性の向上に加え、医学的リハビリテーション及び継続した社会的リハビリテーション支援の効果を示すものであった。TBI例では、慢性期においても積極的な医学的治療と長期リハビリテーション支援の必要性が示唆された。<BR><BR>【理学療法学研究としての意義】慢性期TBIにおいて積極的な支援により良好な結果が得られた。本報告は、TBI例に対するリハビリテーションの可能性を示唆した。
著者
小村 弘 松田 健一 茂本 友貴枝 河原 亥一郎 阿野 理恵子 村山 洋子 森脇 俊哉 吉田 長弘
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.125, no.1, pp.131-139, 2005-01-01 (Released:2005-01-01)
参考文献数
25
被引用文献数
2 3

Metabolic screening using liver microsomes of rats and humans is an indispensable tool to optimize a lead structure and to select compounds for in vivo study. Elucidating the relationship between in vitro intrinsic clearance (CLint, app) and in vivo clearance (CLb) is a prerequisite for screening. We investigated the relationship between CLint, app in rat liver microsomes and CLb after intravenous administration in rats in eight projects. No relationship between these two parameters was found across all of the projects examined. However, there was a certain relationship in the same core structure of six projects, but not in the other two projects. The poor correlation in the projects was improved by considering serum protein binding or microsomal binding in the estimation of in vitro clearances. Although the binding assay was labor intensive, unlike metabolic screening, the introduction of the equilibrium dialysis method using a 96-well format increased the throughput. Optimization of metabolic stability was conducted on the basis of the structure-metabolic stability relationship (SMR) in one of the projects, showing a good correlation without the binding factors. The replacement of the piperazine with a homopiperazine moiety improved metabolic stability in the rat and human liver microsomes. The compound also showed a desirable in vivo pharmacokinetic profile in rats, suggesting that the SMR study on the confirmed in vitro and in vivo correlation is essential to the optimization.
著者
星 秋夫 稲葉 裕 村山 貢司
出版者
Japanese Society of Biometeorology
雑誌
日本生気象学会雑誌 (ISSN:03891313)
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, pp.3-11, 2007-06-01
被引用文献数
7

東京都と千葉市における 2000~2004 年の熱中症発生について解析した.熱中症発生率は東京都(人口 10 万対:4.4 人)よりも千葉市(9.4 人)で高かった.年齢階級別熱中症の発生は両都市共,5~19 歳と 65 歳以上とに,発生のピークを示す二峰性を示した.5~19 歳における熱中症発生は東京都,千葉市共に平日よりも日曜日,祭日で多かった.千葉市において,スポーツ時の発生は大部分が 5~19 歳であった.高齢者(65 歳以上)では大部分が生活活動時に発生した.熱中症の発生した日の日最高気温分布は東京都よりも千葉市で低温域にあった.日最高気温と日平均発生率との間に東京都と千葉市にそれぞれ異なる有意な相関関係を認め,千葉市で急勾配であった.日最高気温時 WBGT 分布は東京都と千葉市で同様であり,東京都と千葉市における日最高気温時 WBGT と日平均発生率との間に有意な相関関係を認めた.多重ロジスティックモデルの結果,日最高気温時 WBGT,日平均海面気圧,日照時間,降水量の因子について有意性を認めた.<br>
著者
日景 奈津子 カールハウザー 村山 優子
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.48, no.9, pp.3193-3203, 2007-09-15
参考文献数
32
被引用文献数
16

本研究では,情報セキュリティ技術に対する利用者の安心感について,その構造を明確にする.安心感の要因を把握するための調査実験を行い,探索的因子分析を実施した.その結果,セキュリティ技術の安全性に関わる因子,システムの操作性や使いやすさに関わる因子等,6 因子を抽出した.さらにそれらの因子が,外的要因と内的要因の2 つのグループに大別され,安心感を構成しているという仮説を立て,共分散構造分析により検証した.本論文では,調査実験および分析結果とともに安心感の構造について報告する.In this research, we identify the structure of Anshin 窶髏 the sense of security. We conducted the user survey and came up with six major factors by the explanatory factor analysis (EFA). With the results, we had a hypothesis that those six factors could be categorized in two groups; one is environmental-based and the other is personal-based. The two groups would consist Anshin. We verify our hypothesis by using structural equation modeling (SEM). This paper reports on our survey and analysis.
著者
村山 優子 瀬川 典久 山根 信二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. FACE, 情報文化と倫理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.207, pp.25-29, 2001-07-16
被引用文献数
1

本稿では「戸」のメタファを利用した様々な通信を「戸口通信」と呼び、ネットワーク上にそれらを実現する研究を紹介する。本研究では、現在、戸口伝言板、ドアノック(呼び鈴)、戸下通信の開発を進めている。戸口伝言板とは, 学生寮のような環境で各個人の部屋のドアに設置された伝言板のことである.ドアノックは, 訪問者が訪問先の戸を叩くことで, 通信の意志を相手に何らかの音の信号により知らせる実時間型のコミュニケーションシステムである.戸下通信とは, 例えば学生が締切り間際の課題報告を提出する際に, 担当教官の研究室の部屋の戸の下から提出物を入れるような通信である.本稿では, これらのシステムについて必要なセキュリティの機能についても述べる.
著者
吉田 幸恵 村山 直也
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.56, no.10, pp.1298-1300, 2007

78歳,女性.咳,発熱あり近医受診し,レボフロキサシン,カルボシステイン,感冒薬(サリチルアミド,アセトアミノフェン,無水カフェイン,メチレンジサリチル酸プロメタジン)を処方された.その翌日より躯幹の紅斑が出現し,皮疹は拡大傾向を示した.間擦部を中心に毛孔非一致性の小膿庖が紅斑上に多数存在し,組織学的には角層下膿庖であった.3剤を中止し,一旦軽快するも,皮疹の再燃をみた.再度の問診にて,市販薬ケロリン^[○!R]の内服が判明し,3剤内服日と再燃前日にもケロリン^[○!R]を内服していた事が明らかになった.偶然のケロリン^[○!R]内服に伴う皮疹の再現を内服テストとみなし,新たな内服テストはケロリン^[○!R]成分3種について行った.その結果,アセチルサリチル酸と無水カフェインが陽性であった.以上より,自験例をケロリン^[○!R]によるacute generalized exanthematous pustulosis (AGEP)と診断した.
著者
伊藤 直子 高久 明美 山崎 貴子 堀田 康雄 村山 篤子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成15年度日本調理科学会大会
巻号頁・発行日
pp.63, 2003 (Released:2003-09-04)

【目的】昨年度の調理科学会において、我々は、低温でのスチーミング調理により、「茹で」と比較して、サツマイモにおいて糖濃度が高くなり、ビタミンの損失も少なく、官能検査ではより美味しく、かつ食べやすくなることを報告した。今回は、根菜類について同様の試験を行ない、さらに、調味液の浸透などについても調べたので報告する。【方法】試料として、ニンジン、ダイコンを用いた。低温スチーマーを用いて、70_から_90℃で一定時間「スチーミング」を行ない、「茹で」、「生」と比較した。調味液として10%ショ糖を用い、その浸透度を調べた。同時に内在する糖をHPLCで定量した。破断強度測定にはクリープメーターを用いた。【結果及び考察】ニンジン、ダイコンとも「茹で」15分が破断強度が最も弱く、90℃30分の「スチーミング」がそれに次いで弱かった。これに対して、70℃60分の「スチーミング」では、「生」に近い破断強度を示した。それにもかかわらず、スチーミング後調味液に漬け込んだ場合、調味液とともにスチーミングを行なった場合共に、「茹で」とはほぼ同等の浸透を示した。「生」はほとんど浸透がなかった。ダイコンにおいて、内在性のブドウ糖、果糖は、「茹で」は「生」と比較して減少していたが、「スチーミング」では、同等かそれより多く存在していた。ニンジンは70℃のスチーミングにより、色が鮮やかになり、分光光度計により537nmの波長が増大しているのが見られた。さらに、真空調理と併用したものについても同様に実験を行ない、これらによる調理法は、根菜類において色よく仕上がり、栄養分の損失が少なく、かつ調味液の浸透がすぐれていることから、その特徴を活かした煮物料理及びその下ごしらえに有効であると思われる。
著者
村山 弘美
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.254, pp.21-27, 2005-11

総売上高510億円の企業グループを率いる代表の外志雄は、プライベートばかりか、仕事の場に向かう時も自ら車のハンドルを握る。社長の芙美子を助手席に乗せ、二人だけで都内を駆け回ることもしばしばだ。外志雄が語る。 「若い頃は映画監督かカーレーサーになろうかと思っていた。