著者
天米 穂 松本 大夢 荻原 勇太 井元 淳
出版者
日本理学療法士協会(現 一般社団法人日本理学療法学会連合)
雑誌
理学療法学Supplement Vol.46 Suppl. No.1 (第53回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.C-49_1, 2019 (Released:2019-08-20)

【はじめに、目的】内部疾患患者におけるバルサルバ現象は、リスク管理の面から避けるべきであると、さまざまな研究で指摘されている。しかしながら、バルサルバ効果と瞬間最大筋力との関連性を示した研究は乏しい。よって本研究では、バルサルバ効果の有無がバイタルサインに及ぼす変化と瞬間最大筋力にどのような影響を与えるかを検証することを目的とした。【方法】被験者は年齢18~22歳の健常人31名(男性 16名、女性15名)とした。バルサルバ法時と呼気時の等尺性膝関節伸展筋力(以下、筋力)をそれぞれ2回ずつ測定し、バイタルサインとして血圧、脈拍および経皮的酸素飽和度(以下、SpO2)の測定を安静時、筋力測定直後、筋力測定後5分経過時の3回実施した。【結果】筋力、収縮期血圧では呼気時に比べバルサルバ法で高い値を示した。バイタルサインの変化において、筋力測定直後にバルサルバ法では収縮期血圧上昇、SpO2低下を認めた。呼気時では収縮期血圧上昇と脈拍増加を認めた。【結論】瞬間最大筋力増強の要因として、胸腔腹腔内圧上昇によって腹筋群の緊張や体幹の安定性が向上したことが考えられる。収縮期血圧は両方法とも筋力測定直後に高い値を示し、バルサルバ法では呼気時と比較して有意に上昇していた。これは圧受容器反射による影響が考えられる。脈拍は呼気時において筋力測定直後で高い値を示した。これは循環応答に加えてベインブリッジ反射による影響が考えられる。いずれの項目でも安静時‐筋力測定5分後において有意差は認められず、バイタルサインの変化は緩徐であったため、健常人ではリスクになりうる強度ではなく、バルサルバ法による瞬間最大筋力の増強は可能であることが示唆された。今後の課題として、中高年者や高齢者などに対しても検証を行い臨床応用に繋げる必要がある。【倫理的配慮,説明と同意】本研究は、ヘルシンキ宣言を遵守し個人情報の取り扱いに配慮し、被験者の同意を得て実施した。
著者
松本 大成 林 和生 甲斐 尚仁 春口 幸太郎 山村 葉子
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.61, no.4, pp.822-827, 2012-09-25 (Released:2012-11-27)
参考文献数
9

背景:変形性股関節症に対する保存的治療法では日常生活動作である歩行時における下肢全体のバランスが重要であると考えられている.そこで,これを改善するために考案された運動療法である,歩行バランス法による保存的治療での臨床的治療効果に関して調査を行った.方法:99症例の変形性股関節症患者に対して歩行バランス法による治療を3カ月行い,治療前後での臨床評価をJOA score,およびNumeric Rating Scaleにて比較した.結果:特に初期の変形性股関節症に関して有意な臨床評価スコアの改善が得られていた.考察:歩行バランスを整えることにより短期的に臨床症状の改善が得られていた.長期的効果に関しては更なる調査が必要と考えられるが,特に初期の変形性股関節症に対しては歩行バランス法は十分に有効な治療であると考えられた.
著者
中本 順 傳 秋光 松本 大輔 西山 花生里 池添 冬芽 田野 香菜 松井 尋美 中山 知未 坂元 真由美 山下 修司
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2005, pp.D0482, 2006

【目的】<BR>今日わが国の慢性透析患者は20万人を超え、さらに透析療法の進歩により、透析治療の長期化、透析者の高齢化といった新たな問題が生じている。また、透析患者の主な原疾患は糖尿病性腎症が第1位となった。こういった背景から、昨今、慢性腎不全血液透析患者(以下、CRF-HD患者)に対するリハビリテーション医療の考え方が適用されつつある。そこで、今回我々はCRF-HD患者に対するリハビリテーション医療のための基礎検討として、CRF-HD患者の日常の運動量とQOLの実態を検討した。併せて、透析導入となった原疾患(慢性腎炎&lsaquo;非DM群&rsaquo;と糖尿病群&lsaquo;DM 群&rsaquo;)により差があるのか、あるとすればどのような差異がみられるのかを検討した。<BR>【方法】<BR>対象は、姫路市内の某病院で外来維持透析を受けている、調査に同意したCRF-HD患者で、50〜60歳男性13名である。透析導入となった原疾患(慢性腎炎&lsaquo;非DM群&rsaquo;と糖尿病群&lsaquo;DM群&rsaquo;)の2群に分類した。4週間以上装着されたLifecorder EXデータとSF-36の下位尺度項目評価データなどを、Peasonの相関係数、unpaired Student-t検定で検討した。<BR>【結果】<BR>1)両群の年齢、透析期間、体格、ルーチン血液検査には有意差を認めなかった。2)全体的(n=13)には、身体機能と運動量(1日平均消費カロリー)は正相関した(R=0.738, p=0.0039)。しかし、群別では非DM群(n=6)では相関せず(R=0.593, p=0.215)、DM群(n=7)で正相関した(R=0.821, p=0.0237)。3)身体機能などでは非DM群と有意差なし(身体機能;DM: 60±16.33S.D., 非DM:72±17.664S.D., p=0.2294)にも関わらず、DM群では全体的健康観のみが有意に低かった(DM: 34.282±4.499S.D.,非DM:42.5±7.583S.D., p=0.0339)。4)非DM群とDM群間には、運動量に有意差は認めなかった(非DM:85.833±37.706 Cal/day,DM群:61.143±56.893 Cal/day,)。(1日平均歩数は、非DM:3577±1497歩, DM群:2328±1794歩と有意差は認めなかった。)<BR>【結論】<BR> 1)今後は自己判断の身体機能を実際に心肺持久力などの体力検査で検討し、可能な症例には体力改善を通じて自信をつけさせ、DM群のQOL改善を図ることが重要と考えられた。2)透析導入後の運動制限継続は昨今否定され、運動による透析合併症予防効果も期待されつつある。健常人の健康維持向上には、1日1万歩が推奨されている。従って、透析患者は非DM 、DMに関わらず可能な限り運動量を増加させる必要があり、適切な運動処方を作成して実践し検証する必要があると考えられた。<BR>
著者
黒澤 俊 松本 大生 小西 剛 野中 勝利 楠見 浩二 松田 大 北島 宣
出版者
京都大学農学部附属農場
雑誌
京大農場報告 = Bulletin of the Experimental Farm, Kyoto University (ISSN:09150838)
巻号頁・発行日
no.22, pp.25-26, 2013-12

西南暖地で、無核短梢剪定栽培を行った場合に着色不良が問題となる四倍体ブドウ品種'巨峰'について,プラスチック製結束バンドを利用した結果枝の結縛処理の処理部位と処理時期の違いが果粒品質の及ぼす影響を調査した。調査の結果,いずれの処理も果粒サイズに影響を与えないこと,ベレーゾーン期1ヶ月前に節間に処理した場合には有意に糖度が高くなることが明らかとなった。また,ベレーゾーン期2週間以前の処理は,有意ではないものの,糖度や果皮色を改善する傾向にあることが示唆された。
著者
石井山 竜平 上田 孝典 李 正連 西川 一弘 小山 竜司 山口 香苗 上野 景三 松本 大
出版者
東北大学
雑誌
学術変革領域研究(A)
巻号頁・発行日
2020-11-19

本研究の目的は、本領域における心理学・社会学・文化人類学からなる一連の計画研究から得られた知見を、各自治体の社会教育・生涯学習の担当職員や教職員むけの講習・研修プログラム、およびこれからの生涯学習計画にパイロット的に実装化することにある。並行して、①隣国(東アジア)と日本における生涯教育政策・実践を比較検証しつつ、②地域主導の生涯発達支援の新展開や、学校教育を包含した統合的な地域人材育成計画の新展開に加担していくことで、政策と実践の双方への実装をめざす。
著者
松本 大理
出版者
日本哲学会
雑誌
哲学 (ISSN:03873358)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.55, pp.256-267,33, 2004-04-01 (Released:2009-07-23)

"Der Mensch und überhaupt jedes vernünftige Wesen existiert als Zweck an sich selbst" (GMS. 428). Mit dieser berühmten Formulierung gibt uns Immanuel Kant einen Begriff seiner Vorstellung von der würdevollen Existenz sowohl des Men-schen wie jedes vernünftigen Wesens überhaupt.Die Existenz des Menschen wie jedes vernünftigen Wesens ist gekennzeichnet durch das Verhältnis zwischen den vernünftigen Wesen, von denen eines der Mensch ist, und der Bestimmung derselben, Zweck an sich selbst zu sein. Aber Kants Erklärung, wie und warum beide Begriffe miteinander verbunden werden können, reicht nicht aus. So wurde in Folge der Kantschen Bestimmung immer wieder versucht, den Begriff des Zwecks an sich selbst aus dem Begriff der Person, (deren Begriff auf ein Wesen mit einem absoluten Wert, wie es vernünftige Wesen und Menschen sind, hinweist) abzuleiten, oder umgekehrt. Aber alle diese Versuche sind unzureichend. Denn, während der Begriff der Person die Idee des guten Willens meint, impliziert Zweck an sich selbst den Begriff des durch blo(βe Vernunft bestimmten Willens. Da also diese beiden Begriffe von Willen sich von einander unterscheiden, ist es unmöglich, beide Begriffe miteinander unmittelbar zu verbinden. DarÜuberhinaus ist die Verbindung der Person mit dem Zweck nicht analytisch, sondern "synthetisch". Beide Begriffe kÖnnen meines Erachtens erst durch die Verknüpfung mit einem dritten, d. h. dem positiven Begriff der Freiheit, miteinander verbunden werden.
著者
岸田 和也 石垣 智也 尾川 達也 松本 大輔
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.46, pp.G-67_2-G-67_2, 2019

<p>【はじめに,目的】</p><p> 訪問リハビリテーション(以下,訪問リハ)を終了した際,その後の経過を知る機会は少なく,良好な生活を継続できているかを把握することは難しい.そこで本事業所では,サービス終了後の利用者の不安軽減と,良好な生活を継続するための要因を把握するために,訪問リハ終了3ヶ月後の追跡調査を取り組みとして実施した.今回,その調査結果とともに,生活状況の変化が異なった2事例の比較からその要因についても検討した.</p><p>【方法】</p><p> 対象は目標達成にて訪問リハを終了した13名(男性4名,女性9名,平均年齢75.7±11.4歳)とした.訪問リハ終了3ヶ月後に居宅に訪問して質問紙への回答を依頼し,1週間後に質問紙の回収と生活状況の変化に関する詳細な聴取を行った.質問紙の内容は,終了時からの生活状況の変化,自主運動などの健康行動の実施とその頻度,活動量の変化などの項目から構成した.事例1は90代の女性で,独居であり屋内つたい歩き自立.家事などの自立,自宅前の歩行練習が定着し終了となった.事例2は右片麻痺を呈する60代の男性で,屋内四点杖歩行自立.外出はほぼなく低活動の状態であったが,最低限のADL動作の安定と屋内での自主運動の定着,近所の見守り歩行が可能であることを確認し終了となった.</p><p>【結果】</p><p> 生活状況の変化は「改善」8名,「変化なし」5名,「悪化」0名,健康行動の実施は「毎日」4名,「時々」7名,「非実施」2名,活動量の変化は「増加」6名,「変化なし」5名,「減少」2名であった.事例1は,生活状況は「改善」(家事などの継続),健康行動は「毎日」(自宅前の歩行),活動量は「増加」(家事や庭作業など)と回答し,活動量は高い状態で経過しており,生活は良好な状態で継続していた.事例2は,生活状況は「改善」(ADL動作等屋内の生活は転倒なく安定),健康行動は「時々」(週4回,屋内の立位運動),活動量は「減少」(外出機会や近所の歩行はほぼなし)と回答し,生活状況は保たれているものの低活動の状態が継続しており,屋外歩行機会は減少していた.その後徐々に動作耐久性の低下が生じ,終了14ヶ月後に通所リハビリテーションの利用を開始した.</p><p>【結論】</p><p> 質問紙では全対象で生活状況は維持・改善している結果であったが,活動量は減少している事例もあった.高い活動量を維持していれば,生活状況の維持・改善が見込めるが,低活動状態の継続もしくは活動量の減少により,生活状況の悪化を招く恐れがある.良好な生活を継続するには,高い活動量の維持や増加が重要であり,健康行動や家庭での役割などを終了後も定期的に継続できるよう,自己管理を行えるように教育的な介入が重要であると考えられる.しかしながら,介入によっても自己管理による定期的な活動の継続が困難な場合には,通所サービスや地域コミュニティなど地域資源への円滑な移行を図ることが重要であると示唆された.</p><p>【倫理的配慮,説明と同意】</p><p>本研究はヘルシンキ宣言を遵守し,対象者またはその主介護者に対して十分な説明を行い,同意を得た後に実施した.また,プライバシーおよび個人情報の保護には十分に配慮し,データの統合においては匿名化処理を行った後に実施した.</p>
著者
平 智 松本 大生 池田 和生
出版者
山形大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

ミツバアケビ果実生産に対する自家不和合性の影響を明らかにすることを目的として、一連の受粉試験を行った。受粉雌蕊の花粉管を観察したところ、自家花粉管は胚珠付近にまで到達していたことから、ミツバアケビは後発型自家不和合性を示すものと考えられた。ミツバアケビの6栽培系統間における交雑(不)和合性を調査したところ、いずれの系統も自家不和合であること、一部の交雑は不和合であることが明らかになった。交雑和合な系統の雄花を用いて人工受粉を行った際の結実率は30%以上であったが、開放受粉での結実率は1%以下であった。また、自家花粉を25%以上含む混合花粉を受粉すると、結実が阻害されることが明らかになった。
著者
杉山 統哉 田中 宏太佳 鄭 丞媛 松本 大輔 近藤 克則
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.B3O2093, 2010

【目的】<BR> 脳卒中後の機能回復の予後において社会的サポートのレベルが高いほどActivities of Daily Living (以下ADL)点数が高くなるという報告がある.社会的サポートとは周囲の人々から得られる有形・無形の援助のことであり,家族介護者は社会的サポートの主な提供者の1つである.そこで介護力の有無により自宅退院率だけではなく,脳卒中後の機能回復に影響があるのかどうかを明らかにすることを目的とした.<BR> 日々の臨床においてもリハビリテーション(以下リハ)の対象となる患者は,関わる人が多い場合,帰結が良くなるという印象がある.仮説として特に家族介護者の関わりが多い方がより早く治したい,動けるようになりたいという感情が強くなり,帰結に影響を及ぼしているのではないかと考えた.しかし脳卒中後リハ対象患者において人の関わりがADLにどう影響を及ぼしているかを検討した報告はほとんどない.そこで多施設参加型データベースであるリハビリテーション患者データバンク(リハDB)に登録されている脳卒中患者のデータを使用し,検討したので報告する.<BR>【方法】<BR> 2009年5月までにリハビリテーション患者データバンク(以下リハDB)に登録された3,930名(30病院)のうち入院病棟区分が「一般病棟」の2,238名(19病院)から今回の検討するデータが入力されている9病院から入院時歩行不可である618名(男性365名,女性253名)を対象にした.患者選択基準は「発症前modified Rankin Scale(以下mRS)0~3」,「入院時mRS4・5 」,「55歳以上84歳以下」,「在院日数8日以上60日以下」,「発症後リハビリ開始病日21日以下」,「発症後入院病日7日以下」,以上の基準を満たすものを分析対象とした.対象の内訳は年齢72.4±7.9歳,発症から入院までの日数1.3±0.7日,発症後リハ開始病日2.8±2.8日,在院日数29.1±12.3日,リハ期間26.0±12.3日,1日あたりのリハ単位数(保険請求分)4.0±2.3単位であった.今回の検討は転・退院時の歩行状態が自立か非自立を帰結にした.そこで対象を転・退院時歩行自立294名と歩行非自立324名に分類した.転・退院時の歩行の自立・非自立の定義は入院時のFunctional Independence Measure(以下FIM)とmRSを掛け合わせることで設定した.リハDBのデータ項目の中から転・退院時の歩行状態を予測する因子として性別,年齢,確定脳卒中診断分類(脳梗塞,脳出血,くも膜下出血),在院日数,糖尿病の有無,高血圧の有無,合併症の有無,脳卒中既往歴,発病前mRS,発症後リハ開始病日,認知症の有無,意識レベル,下肢運動,入院時半側空間無視の有無,入院時感覚障害の有無,入院時FIM運動項目合計,入院時FIM認知項目合計,介護力の有無,装具処方の有無,リハ専門医の関与の有無,カンファレンスの実施状況,休日・付加的な訓練の有無,1日あたりのリハ単位数を選択した.上記の項目を独立変数とし,転・退院時の歩行自立・非自立を従属変数としてSPSSver12.0を用いてロジスティック回帰分析を行った.また,有意水準は5%未満とした.<BR>【説明と同意】<BR> 本研究において用いたデータは,リハDBについて説明の上同意した協力施設から,匿名化処理をし個人情報を削除したデータの提供を受けた.<BR>【結果】<BR> 選択した各変数の単変量解析(χ2検定)を行った結果,糖尿病の有無,高血圧の有無,発症後リハ開始病日,装具の処方の有無,カンファレンスの実施状況,1日あたりリハ単位数以外は有意確率0.05以下であった.<BR> ロジスティック回帰分析の結果は性別が「男」,脳卒中確定診断分類のうち「脳梗塞」,脳卒中既往歴「なし」,発症後リハ開始病日が「3日以内」,下肢運動「正常」,感覚障害「正常」,入院時運動・認知項目合計得点が高い,介護力「0~1人」「1人以上」,リハ専門医の関与「あり」が転・退院時の歩行自立が多い因子(p<0.05)であった.判別的中率は87.3%,HosmerとLemeshowの検定ではχ2=4.485(p=0.811)であった.今回の検討項目である介護力の有無に関してのオッズ比は歩行非自立を「1」としたとき,介護力「なし」に対して「0~1人」が7.142(95%信頼区間:1.846~27.625),「1人以上」が7.448(95%信頼区間:1.799~30.832)であった.<BR>【考察】<BR> 入院時の他の条件が同じ患者でも介護力が大きい人ほど歩行自立する確立が高いことが示された.1993年StrokeのGlassらによると高いレベルの社会的サポートは脳卒中後の機能回復に関連し,重要な予後因子であるかもしれないと報告している.今回の結果においても介護力の有無が脳卒中患者における歩行自立の重要な予後因子であるかもしれないということが示唆された.<BR>【理学療法学研究としての意義】<BR> 本研究の結果から,急性期脳卒中患者において集約的合理的にリハを行う・予後予測する一助になると考えられる.
著者
冨永 晃宏 庄 建冶朗 内藤 健 松本 大三
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
水工学論文集 (ISSN:09167374)
巻号頁・発行日
vol.49, pp.1009-1014, 2005-02-01 (Released:2011-06-27)
参考文献数
9

A traditional river structure, “Seigyu”, is a kind of spur dikes for protecting riverbank against erosion. Actual examples of Seigyu groins and their effects on bed protection were surveyed in the Ooi River. Experiments on flow structures and bed evolution were conducted in a laboratory flume with Seigyu models. The effectiveness of the groins was recognized on the deceleration of downstream flows and on the prevention from bed scour. The arrangement manner and the placing method of the groins were also investigated. A series of Seigyu groins is effective even for steep-slope flows but the erosion becomes very large beside groins. We compared the bed configuration around Seigyu groins with that around a group of rod roughness. The characteristics of resistance to flow for Seigyu groins is different from that for rod dikes because Seigyu groins have gabions near the bed. This fact makes different effects on riverbank protection.